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『激走戦隊カーレンジャー』感想27

◆第35話「裏切りの信号野郎」◆ (監督:坂本太郎 脚本:浦沢義雄
じゃんけんで勝って一抜けしたかと思いきや、「君の負けだよ4対1」という実の謀略で買い出し係を押しつけられた恭介は、放棄されて蜘蛛の巣の張った交番ベースを見つめる市太郎を目撃しながら、弁当屋へ。ところがそこで、ヘルス改めデビル改めもうネタが無くなったので元に戻ったボーゾック一のお使い野郎GGボーンと遭遇。
「失敬だなおまえ! 人が注文してる時に割り込むなんて。常識がなさ過ぎんだよ、こら」
初期はもっとざっくりボーゾック=悪という認識だった気がしますが(実際、少なくともハザード星を花火にしている悪なわけですが)、ボーゾックだから即座に攻撃するのではなく、マナー違反に対して抗議するという対応は、ゾンネット粒子の持つ抗クルマジックパワーの影響を感じます(笑)
どちらに汚染された状態が幸せなのかは、非常に悩ましい所ですが。
怪人も怪人で弁当屋には代金をきちんと支払っており、悪事もルール違反もマナー違反もするボーゾックですが、以前バリバリ伝説の際にゼルモダが実から怪しい薬品を正規に購入したり、宇宙通販を利用したり、結婚資金を貯めていたり、全体的に、経済活動に対して真面目(笑)
ヒートアップした恭介はGGボーンと殴り合いになるも空腹が響いて不利になると、タイムを取って物陰で変身し、チンピラ同士の揉め事をより強い力で解決しようとし始めたぞ!!
ところがレッドレーサーも、珍妙な見た目とは裏腹に喧嘩に強いボーンに大苦戦。だがその時、ポリス星から休暇を終えてあの男が帰ってきた! 颯爽とバイクで登場したシグナルマンは、無言のままレッドレーサーにバイクアタック。
「なぜだ……なぜ俺を攻撃するんだ!」
「黙れ!」
胸のランプが真っ黒になったシグナルマンはシグナイザーを抜いて赤へと銃口を向けるが、その前に立ちはだかる……弁当屋の店長(笑)
「やめろ! やめてくれ! 店の前で迷惑だから、他でやってくれないか!」
ヒーローと怪人が遭遇したり、ヒーローとヒーローが対立しているところに、力強く「常識」が差し込まれてギャグになる、というのが実に浦沢さんらしい切れ味。
「黙れ、一般市民!」
だがシグルマンは躊躇わずに引き金を引き、店主をかばって撃たれるレッド。
「レッドレーサー、自分から撃たれに来るとは良い心がけだ」
「一般市民に迷惑をかけないのが、正義のヒーローだろうが!」
場所を移した二人は、しばらく格闘戦を展開。
「おまえたちカーレンジャーのお陰で、息子は……シグタロウは……!」
「息子が、どうかしたのか?!」
「しらを切るのもいい加減にしろぉ!」
一方的な攻撃を受けるレッドは、久々のカーナビショット(シグナルマンが帰還して戻ってきた?)で本官の動きを封じた隙に一時撤退。だがカーレンジャーを見失った本官は公園へ向かうと、再会を喜んで駆け寄ってくる市太郎を躊躇なく轢こうとするマッドポリスと化し、更に子供達をバイクで追い回す。
「逃げ回れ逃げ回れ! そしてお前達の愛するカーレンジャーに、助けを求めるのだ!」
我を失って暴走気味を通り越して普通に邪悪になっているシグナルマンですが、如何にも人の好い中年男性からどぎつい悪役まで幅の広い大塚芳忠というキャスティングがはまっています。
「揃ったなカーレンジャー! シグタロウの恨み、晴らしてやる!」
ペガサスへ駆け込んだ市太郎の話を聞いて追われる子供達を助けるカーレンジャーだが、怒りに燃えるシグナルマンの攻撃を受ける事に。
休暇を取ってポリス星へ戻ったシグナルマンが目にしたもの……それは、カーレンジャーの車から発生し、ポリス星の空を覆う五色の排気ガスであった。その排気ガスによりポリス星では深刻な公害病が発生、子供達はカーレン喘息に苦しみ、運動会は中止になってしまっていたのである。
光は陰り、大地は砕かれ、そして海は死んだ……クルマジックパワーの副作用がこんな所に!
ポリス星で排気ガスを吸い込んだ本官は復讐に囚われたシグナルマン−A1と化し、2月2日、シグタロウを喘息にした犯人を部品一つ残さず完全破壊するべく、地球へ再臨。
強力な範囲攻撃を受けたカーレンジャーは、こうなってはやむを得ない、とひとまず本官の戦闘力を奪おうとするが、そこへGGボーンが乱入して本官への協力を申し出る。
見た目に反して喧嘩は強いボーンだったが、敵がボーゾックに変わった事で、カーレンジャーは即効でギガブースター・イグニッション(笑) 
巨大化した怪人の「誤魔化した釣り銭攻撃!」をものともしないVRVロボは、本日も頭をむんずと掴んでの打撃から、Vツイスターであっさりと爆殺。冒頭の戦闘でいい所を見せ、カーレンジャーとシグナルマンの対立という重要情報を連絡するも、以降は実に雑な扱いで倒されてしまったのは、少々残念でした(^^;
本官はどこかへ姿を消してしまい、帰路の5人は、交番ベースの壁に「シグナルマン大大大キライ」と書き記して走り去る市太郎の姿を目にする……。
「シグナルマン……どこ行ったんだよ」
そのシグナルマンは、ゼルモダの招きでバリバリアンを訪れると、カーレンジャー退治の為にボーゾックと手を組んでいた! そしてそれを見つめる、黄金の巨大な影……
「ふふふふふはは……うまく行った。シグナルマンとボーゾックが、まんまと手を組んだ。ふははははははははは……」
ポリス星に撒き散らした公害の濡れ衣をカーレンジャーに着せてシグナルマンを復讐の道に引きずり込みボーゾックと手を組ませる、という謀略は割と遠回しかつせこくて、肥大化したリッチリッチハイカー教授の怨念では疑惑も浮かぶ金色頭はOPでは「謎の支配者」とクレジットされており、とりあえず、声が小林清志でなくて良かった(笑)
ダップも目覚めたし、という良いタイミングでシグナルマン帰還と繋げて何やら不穏な存在が登場し、ダップ冬眠以降、緩みの無い展開が続きますが、そんなエピソードでゾンネットの為にお弁当を買いに行かせていただけのガイナモの、ボスキャラとしての立場が物凄く危うい!! 大丈夫かガイナモ、最後まで生き残れるのかダイナモ、総長はまたもリストラされてしまうのか?!
次回――サイダーは宇宙を救えるか。「駐車場で遊ぶのは、とても危険でございますよ」。