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『仮面ライダービルド』感想・第4話

◆第4話「証言はゼロになる」◆ (監督:上堀内佳寿也 脚本:武藤将吾
「毒を盛られたらしい。あと少しで手遅れだったぞ」
マスターに助けられた戦兎は地下基地で目を覚ますが、どうにかして解毒したらしいマスターが凄く謎です。
戦兎は新たに甦った記憶の断片から、ファウストの改造実験施設にパンドラボックスと同じ柄のパネルがあった事を思い出す。
「人間をスマッシュみたいに超人化する技術は、現代科学じゃ不可能だ。けど、パンドラボックス、またはそれがあった火星の力だと考えれば、合点がいく」
やはり、スマッシュ=メガノイドなのでしょうか(笑)
パンドラボックスの解明が、ファウストの存在を暴く事に繋がるってわけか」
それはそれとして……
「おぉ?! ボトルちゃんの完成だ!!」
先を争い、新ボトルを手に取ろうとする戦兎とマスターが、順調に残念要素を稼いでいきます。
「これは……なんじゃ?」
「ニンジャ?」
ニンジャは東映では立派な種属名。
戦兎はネットアイドルみーたんに10年前の“スカイウォールの惨劇”の情報収集を頼み込み、その頃ファウストのアジトでは、再びスマッシュ化された鍋島が巨大な四角い頭と化していた。
「やはり二度目の投与は破壊力が違う」
暴れ回るキューブスマッシュを相手に上下逆転しての戦闘は、煙突コウモリの実力見せも含めて、格好良かったです。
「究極の生命体を造る事は、我々の目的の一つだ。スマッシュの成分を注入した人間に、再び人体実験をしたらどうなるか、試さない手はない」
やっぱりなんか、仕事は成り行き任せで雑な気がしますが!!
一方の戦兎は、研究所でヒゲ所長とメガネ秘書に“スカイウォールの惨劇”の映像を突きつけていた。解析した映像には、パンドラボックスの左右2面から、緑色に光る二枚のパネルが分離する光景が映っており、戦兎の詰問に、所長はその2枚のパネルが3年前ファウストに盗まれた事をしぶしぶ認める。
前回に続いて今回も、自分の知りたい事をズバズバ質問する戦兎ですが、どうしてクビにされないのだろう(笑)
というかもう、クビにされているのに勝手に押しかけているだけにも見えてドキドキます。
性格と就業態度に難があるけど能力に優れているので解雇できない、厄介だけど優秀な奴、という扱いなら納得できるのですが、未だ一度も、仕事しているの見た事ありませんし(^^;
戦兎がパンドラボックスの謎から過去へと目を向けていた頃、どこか荒んだ雰囲気の西都へ密入国した龍我達は、鍋島の家族との接触に成功。鍋島には鍋島の事情がある事を知り複雑な気持ちになる龍我は、鍋島の妻子を連れて脱出をはかるが、そこへファウスト製ガーディアンの襲撃を受け、これを迎撃。
ドラゴンボトルは今回も、龍我がガーディアンに対抗する為の重要な力として描かれており、やはり前回、ドラゴンボトル使用時に彼女の事をチラリとも思い浮かべなかったのは、力の背景とそれにまつわる想いを描く最高のチャンスを逃した大失敗。
最初に一度見せておけば、“以後全ての展開にその物語が乗る”わけですし、展開の都合で使い捨てにされた龍我彼女が、その後の物語の中でも最低限存在してくれたのですが、その絶好機を逃した事によりむしろ、今後化膿してただれる可能性を持った大きな傷口になってしまいました。
迫り来るガーディアン部隊を振り払っての逃走劇は、
・割と雑なCGでコンクリートブロックを突き破って現れるミニバン
・丁寧に立体映像で(しかも対象者が読み取りやすい向きに)残り時間を教えてくれる自爆機能
・猛スピードで走行中の車から動き出した船に大ジャンプで飛び降りて着地してしまうジャーナリストと鍋島妻
と、スピーディなアクション通り越して最終的にギャグになっているのですが、ここはもしかして、惑星ゾラと呼ばれる地球なのでは。或いはこの世界の一般人、知らず知らずの内にスカイウォールから放たれる謎の火星的粒子の影響を受けていて、基本的な身体能力が上がっているのか(笑)
密入国船のオーナーが舳先でポーズ決めているのは明らかにギャグなのですが、その為にシーン全体のギャグ度合いが更に上がってしまったのは、やりすぎた感。或いはもう、このシーン自体が開き直ってギャグとして撮ったのかもですが。
ヒゲ所長から、パンドラパネルの盗難に関わった疑惑のある内通者――火星帰りの宇宙飛行士――の存在を教えられた戦兎は喫茶店に戻ってマスターに出迎えられ、
「おお、早かったな」
という反応なのは、本日も早退なのか、やはり既にクビになっているのか。
「バイト行ってくっから」
と、副業に出ようとするマスターを呼び止める戦兎。
「あのさ…………1年前に、マスターに拾われて……言われるがままに、ビルドになって、戦って、きたけど……正直、俺あんたの事なんも知らねぇなぁと思って」
怪しさ釣瓶打ちのマスターは戦兎の急な質問を軽い調子ではぐらかして出て行き、残された戦兎が見つめるのは、問題の宇宙飛行士の顔写真。それはマスターに良く似ていたが……そこに投稿者:ブラッドスタークさんからスマッシュの目撃情報が寄せられ、公園で暴れるキューブスマッシュを前に、戦兎はビルドへ変身。
前回はなんとなくにやついていましたが、思い煩う事がある為か、今回の戦兎は険しい表情で「変身!」しており、まだこの辺り、ビルドの「変身」をどう描くのか(その時の感情をどのぐらい乗せるのか)は全体の方向性が定まっていない感じ。個人的には第1話の能面のような無表情が凄く面白かったんですが!
空間を切り取る能力を持つキューブスマッシュとの戦闘中、公園で寝転んでいた赤いスーツの無職、じゃなかった新たな仮面の怪人が謎のミサイルをキューブスマッシュに打ち込むと、なんとスマッシュが5mぐらい?に巨大化。
ラビットガトリング(色合いがなかなか格好いい)で立ち向かうも巨大な敵に歯が立たず、踏みつぶされそうになるビルドだったがその寸前、スマッシュの脇腹に突き刺さったドリル剣が動きを止める。――それを投げつけたのは、西都から帰ってきた万丈龍我!
ここで龍我がビルドを助ける、というのは、投げる瞬間を見せない事により、投げ放った後のポーズが格好良く決まった事と合わせて、龍我もまた今作におけるヒーローである、というのを物語と映像の両面から見せてきて良かったです。
「勝利の法則は、決まった!」
ビルドはホークガトリングを発動してぴかっと閃くと、乱れ打ちでキューブスマッシュを撃破。
「まさかこいつを投げ飛ばしちまうとはな」
「どーよ、俺の、大・胸・筋!」
ただ龍我は、少しは彼女の事を思い出して下さい。
「ドラゴンボトルのお陰だよ」
戦兎は戦兎で、もはや完全に物扱いですし。
スマッシュ化を解除した鍋島を隠れ家へ連れ帰る戦兎と龍我だったが、目覚めた鍋島はスマッシュにされた前後どころか、龍我の事、果ては家族や自分自身の記憶を完全に失っていた。
ところで、戦兎とネットアイドルが同じベッドで寝ているのもどうかと思ったのですが、拾ってきた中年男性まで同じベッドに寝かせてしまい、大胸筋男が今後どうするのかも含めて、ちょっと考えた方がいいと思いますよお父さーーーん!
……は今後の重要な検討議題として、思い出のあやとりにも無反応な父の姿を見る娘に対して、戦兎が戦兎らしさのある例え話を持ち出して前向きに元気づけるのは良かったのですが、戦兎のざっくりした状況の理解とか、割とあっさり夫の記憶喪失を受け入れる妻とか、登場人物の脳内処理が早すぎて、全体的に雑になった印象。
また第2話同様、スマッシュ周りの設定が話に都合が良いように後出しされている印象が強くなってしまい、子供を絡めた泣きの展開の露骨さが悪目立ち。
出来の良い作品は、先に劇中のルールを提示した上で、そのルールゆえに生じる葛藤や予想外の出来事を物語として紡いでくるのですが(ここぞのルール破りも含めて特撮ジャンルでこれが抜群に巧いのが、小林靖子)、今作は現状、その時々の物語を成立させる為にルールを後から付け足しているように見えてしまい、説得力の弱さを招いています。
前回−今回はこれがもう一つあって、龍我達に力を貸した元ホークスマッシュの女は、因果関係でいえば勿論、ビルドが偶然助けた女性が龍我達の力になってくれる、という流れなのですが、密入国に便宜を図ってくれるばかりでなく、現地の情報を提供した上で当座の資金どころか東都への脱出にまで全面的に協力してくれる都合の良さ。
そしてその都合の良さの発端が、実の子供を襲っている所をビルドに止められたのは良いとしても、スマッシュとなった自分が仮面ライダーに救われたという前後の状況を認識したまま元に戻った、という、1−2話のスマッシュ描写とは噛み合わない都合の良さで構成されている為に、本来なら“見返りを求めない戦兎の正義が縁を結んだ”となるべき物語が“ゲストキャラが龍我達を支援する都合でビルドに助けられる”という舞台裏がそのまま見えてしまう因果の逆転を生んでしまっています。
そこを巧く包み込んで物語へと変換する、という作業がどうも雑なのが、設定の見せ方の下手さと根を同じくする問題。
今作ここまで、いうなれば時代劇っぽいシナリオであり、元々特撮ヒーローものの源流に時代劇がある事を考えると親和性は高いのですが、そのエピソードにおける都合の良さも降りかかる不幸もゲストキャラの存在も、全てそのエピソードの悪を成敗する事で昇華される一話完結型ならば許される劇構造を、一話単位で成敗される悪が不在かつ連続ものの中でやってしまっている為に、都合の良さだけが悪い形で積み重なっており、今後もこういった話の作り方が続くようだと、色々不安。
証人としては意味を失った鍋島親子については「私が責任を持って安全な所に連れて行くから」とジャーナリストが請け負うのですが、いったい何者。人間3人を悪の組織から匿う都合を付けられるとかただ事ではなく、自称・崖っぷちのフリーライター、その正体は反政府組織・日本統一同盟のエージェントなどとしか思えないのですが、さすがにこれは伏線であってほしい(^^;
だが地下研究所を出て行く寸前、壁のボトル掛けを目に留めて記憶の断片を思い出す鍋島。
「このボトル……奴らの所にもあった」
美空しか作れない筈のフルボトルがファウストのアジトにも存在していた、という驚くべき情報がもたらされたその時、問題のファウストのアジトでは、二人の怪人が向き合っていた。
「どうしてトドメを刺さなかった? ――スターク」
「俺はゲームメーカーだ。あらゆる状況を鑑みて、最上の戦術を考える。全ては、計画通りだ」
全身を見せた赤いスーツの怪人――ブラッドスタークは、胸にはコブラのマーク、頭に煙突が付いており、被験者をスマッシュ化するに際してガス(煙)を吸い込ませている事からの連想なのか、煙突がファウストライダーのシンボルなのか。
名前からはどうも、アイアンマンを思い出して困ります。……というか、ナイトローグ=バットマンだとすると、ブラッドスターク(コブラはともかく、赤い)は意図的にアイアンマンで、その内、キャプテンホクトとか出てくるのか?!
一方、鍋島の残した言葉から何かを思いついた戦兎は基地の壁をハンマーで破壊し、これまで謎のボトルホルダーだと思っていたものが、盗まれたパンドラボックスの外側パネルの1枚である事を発見、ちょうど帰ってきたマスターを問い詰める。
パンドラボックスのパネルだ。何故あんたがこれを持ってる? ……答えろ! あんた、ファウストのメンバーなのか?」
(劇中人物視点でも)少し考えれば気付きそうな物事から目を逸らしている内に事態が悪化するという展開が好きではないので、変に引っ張らずに戦兎がちゃんと頭を動かして自力で問題解明の一旦に辿り着く、というのは良かったです。
まずは立ち上がり4話、パーツ換装型の利点として立て続けに新フォームが登場してもそこまで物語が忙しい印象はなく(ゴリダイヤは割を食いましたが)、戦兎と龍我をヒーローとしてしっかり描く・悪としてのファウスト(ライダー)を印象づける、という2点は順調。重視しているポイントが巧く見せられている事で全体の感触は引き続き悪くない一方で、都合が良すぎる一部登場人物・とってつけたような泣きのドラマ、とそれ以外の要素がだいぶおざなりになっており、このバランスの悪さが少々不安(^^;
歯車が噛み合うのが先か、抜け落ちて空中分解するのが先か、或いは部品を落としながら飛び続ける事ができるのか。
次回――ニンジャ! 当方忍者大好きなので、忍者というだけで、個人的に楽しみです(笑)