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『宇宙戦隊キュウレンジャー』感想・第31話

◆Space.31「ナーガ奪還大作戦!」◆ (監督:加藤弘之 脚本:毛利亘宏)
 ハミィと合流したラッキー達は、事情を説明。
 居残り組だったハミィからすると、過去から戻ってきたらメンバーが2人も減っていた上に、過去でドン・アルマゲを倒した筈なのに倒されていなかったんだ!とわけのわからない供述を始め、挙げ句に司令とチャンプは自分たちが消えないようにする為に進んで過去に残ってくれたんだ、と口頭説明を受けるのはかなりのショック案件だと思われ、さすがのハミィさんも、何この鬼畜ども……という視線になっているような気がしてなりません。
 「過去に行ったのは……間違いだったんでしょうか?」
 「そんな事ない。俺は過去で新しい力を手に入れた」
 オライオン・司令・チャンプ・その他諸々歴史の変わった可能性 < ラッキーの新しい力
 「司令達だって絶対に帰ってくる。だから、落ち込んでる場合じゃない。未来を俺たちに託した、オライオンの為に」
 どんな状況でも前向きに捉えるラッキーが自然とリーダーシップを取り出す姿が映像でも強調され、生け贄になったオライオンは綺麗な話にされて処理済みの箱に片付けられました。
 「ラッキーの言う通りだ。すなわち、現代でドン・アルマゲを倒すしかない」
 そしてやっぱり振り出しに戻った。
 「あれからバランスは行方不明……」
 現代組は、速攻で分裂していた。
 「あたし達だけで何とかしようとしたけど、小太郎とガルが……」
 本当に人質になっていた。
 そこへ姿を見せるエキドナ。
 「なんてこった! やったぞ! ナーガが帰ってきた!」
 案の定、ツルギ・ラプター・スパーダ・スティンガーが、全員揃ってエキドナをナーガ扱いするという大惨事の上塗り。あなた方はホント、ナーガの何を見てきたのか。
 ……ここまで約3分、アバンタイトルだけでエネルギー切れを起こしそうになりました(笑)
 どういうわけか改めてナーガ抹殺への協力を要請してきたエキドナを拒否すると、すれ違う形でバランスが帰還。アキャンバーによって感情を解放された人々を分析していたバランスは、人々の体内で小型の足軽兵が暴れて感情を刺激している事を発見。顕微鏡キュータマを改造してミクロ化する能力を発現させ、ナーガ救出の為にナーガの体内に入り込む、という作戦を発動する。
 首尾良くナーガの体内に潜入したラッキーとバランスは、そこでミクロ代官と、その召喚したナーガ(怒)代理と激突。
 「僕は300年生きて、初めて見つけたんだ。自分の全てを預けられるパートナーをね。ナーガが居ない宇宙なんて、考えらんない」
 長寿種族の設定と絡めたのは良かったのですが、とにかくこれまでの積み重ねが無いので、すっごい唐突な告白。
 外ではこれまた唐突にハミィがヒロインムーヴを発動してナーガ本体を抱きしめ、
 「ナーガは1人じゃないよ!」
 え……
 これを皮切りに次々と、「みんな待ってる」の大合唱が始まるのですが、それを言っているのは半年一緒に居たけどエキドナとナーガの区別がつかない人達なので、0には何をかけても0という言葉が胸に染み渡ります。
 目を覚ましたナーガ(真)代理の周囲で今までのメモリー的な物を流す事で映像的にフォローはしましたが、ミクロ化してこの展開だったら、さくさく前後編でやれば良かったのではないかナーガ編、という思いもふつふつと。
 バランスを助け、自らナーガ(怒)代理を切り裂く事で、みんなと一緒に感情を取り戻していきたいという本当の願いを思い出したナーガは覚醒。せめてこの後、「仲間との絆で戻ってきた」という事を戦闘を通して描いてくれれば良いのに、人数は不足しているわセンターはビッグ獅子だわバラバラに戦うわで、今作はホント困ります。
 戦隊フォーマットの硬直化に対してカウンターを当てているといえば当てているのですが、カウンター当てる事に囚われすぎて「戦隊の利点」を潰して面白さを削いでしまっては、本末転倒。
 金銀コンビでギャグ代官を倒した後、ビッグ獅子と合流した銀は、「俺は怒りをコントロールできるようになった」と、紫マフラーをまとった姿にパワーアップ。
 体内で「だから、おまえは消えていいんだ」と一刀両断していたのは、怒りという感情の否定ではなく、「怒りを制御できない自分を乗り越えた」というニュアンスのようですが、バランス達が結局、終始「良いナーガを取り戻す」(怒りのナーガは全否定)というスタンスなのに対して、そのバランス達の声で目覚めたナーガが負の感情も受け入れなくてはならない事を理解して行動していたというのなら、ナーガの選択としては正しいのですが、周囲との関係性に関しては相変わらずちぐはぐな印象(^^;
 まあ「怒り」にせよ「感涙」にせよ、感情である以上はすべからくナーガの主観の問題ではあるのですが。意識的にやっているというより、物語として混線したまま箱にまとめて片付けてしまった感じがしてなりません。
 主観と言えば、覚醒に際してナーガが「仲間」の話をしているのに対して、バランスは「ナーガ」の話しかしていなくて、バランスがひたすら自分本位な発言しかしていないと考えると唐突な告白にも納得いってしまう部分はあって、キュウレンジャーの闇は根深い。
 ビッグ獅子とヘビマフラーのW必殺技を受けたアキャンバーは撤退し、巨大化したギャグ代官はキュウレンオーで成敗。紫と黒のキュータマがどこからともかく出現しましたが、誰もコメントが無くて怖い。
 ナーガはオリオン号へと帰還し、それを受け入れる革命軍、滂沱の涙を流すバランスの姿を見ながら、席を立つエキドナ。
 「私はまだ、感情が必要だとは思えない。だが、お前達は感情があるから強い。ナーガ、宇宙を頼んだ」
 強い連中が何とかしろと無責任に丸投げして去って行くエキドナですが、物語上の意味づけを考えると、感情を封印する事で個性すら消し去る事になった蛇遣い座系星人(エキドナ)は、1人1人がスーパスターという個性派集団キュウレンジャーに対するネガ存在かと思われ、キュウレンジャーの持つ「個性」の大切さを引き立てる意図だったかと思うのですが、実際のキュウレンジャーは「個性」を圧殺して「仲間」を語る集団なので、最後まで巧く噛み合わなかった感。
 そして個人的にラッキーには、こういった無責任な人々に対して「自分たちの牙を持て!」と煽る主人公になってほしかったのですが、「じゃあ家で寝てろ!」になってしまったのは、つくづく残念。
 「みんな、捕まっていい事があった。ドン・アルマゲの居場所の手がかりを掴んだ」
 「なんてこった! それが本当なら、ドン・アルマゲを倒しにいけるぞ」
 えーとこの……100回殺しても死なないなら101回殺そうという姿勢自体は嫌いではないのですが、既に多くの犠牲を積み上げているわけですから、一度立ち止まって、“ドン・アルマゲの倒し方”についてチラリとでも考えてからにしてほしいですお願いします。
 だが皆が筋肉の導きの赴くまま盛り上がる中、独り暗い様子のラプターがコンソールを見つめて呟く。
 「本当にもう、動かないの……? おじさま……」
 キュウレンジャーに迫る、移動手段喪失の危機! まあ最悪、ビッグ獅子は単独ワープでショーグン様の元まで辿り着けそうですが!!