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『轟轟戦隊ボウケンジャー』感想・第3話

◆Task.3「覇者の剣」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:會川昇
コメント欄で教えていただいた第1話冒頭の「そうそう蒼太」を確認して成る程と思ったのですが、初見ではまず名前を名乗っているとは思わないし名前だとわかった上で聞いても意味が不明だよ……!というそんな青回の見所は、やたらとタキシードが似合う不滅の牙。
ところで今作の話数単位「Task」は「業務・仕事」の事なのでしょうが、
「Tusk」=「牙」
がかかっていると考えると、とても面白いという、気付かなくていい事に気付いてしまいました。
毎回、「牙.1」とか「牙.2」だと思うと、痛い、痛いけどキてるよチーフ……!(熱い風評被害
とある神社に収められていた、諸葛孔明が作ったという伝説の武器、三本の三国覇剣の内の一振りを検証あるいは回収あるいは強奪に向かった青黒桃だが、巫女に化けていたミニスカ女忍者、風のシズカにより横からかっさらわれてしまう。
「美人にそういうの、似合わないよ。話し合おうよ、ね?」
前回、さくらと違って菜月に対して態度の柔らかかった青は、香水をつける伊達男で、女性に甘いと明確に。
「甘ちゃんねぇ、ボウケンジャー
シズカは強奪した三国覇剣と、既に入手していたもう一振りを合体させた力でボウケンジャーを蹴散らし、忍者の末裔・ダークシャドウの本拠に帰還、モビルスーツ顔にヤクザ声の先輩忍者に出迎えられる。
「一人前になった……と言いたいが、まだまだだ、風のシズカ
「えらそーーーに……3本目だって、すぐ手に入れてくるからね」
「そんな甘い考えだから」
「え?」
「妙な奴に後をつけられる」
振り返ると、いつの間にかガジャ様ーーー。
凄い勢いでヒロインだけでは飽き足らずに面白ポジションを確立してしまったのですが、なにしてるんですかガジャ様(笑)
ガジャ様は小石から兵隊を作り出すと打倒ボウケンジャーの為に手を組まないかと売り込みを図り、どうやら、貨幣経済という物質文明の巨大な敵にぶつかり、空腹が限界に達しているようです……!
だが見た目は青いフクロウの姿をした、ダークシャドウの頭領・幻のゲッコウは錠前とLDから付喪神変化の術により第3話にして初の怪人相当を作りだし、ゴードム兵を瞬殺。売り込みに失敗したガジャ様は捨て台詞を残して退散し、シズカと錠前怪人は三国覇剣最後の一振りを入手する為に動き出す。
幻のゲッコウは抱えられるサイズの造形物なのですが、目が赤く光ったり声が銀河万丈だったりで、かなり貫禄あり。大ボス声のぬいぐるみ、ヤクザ声のMS、おきゃんな女忍者、と色が青い以外の統一感がまるでなく、なかなか謎の組織ですダークシャドウ(笑)
敵対するネガティブとしては3つ目になりますが、敵組織ごとにパーソナルカラーを割り当てていると考えると、後、黄色と桃色の組織も出てくるのでしょうか。桃色の敵組織、見たいような、見たくないような……。
その頃、女には甘いが独自の情報ルートを持つ蒼太の手引きにより、ボウケンジャーはとある会社社長のパーティに潜入していた。
黒「なんで俺たちはボーイなんだよ」
黄「タキシード似合わないからじゃない?」
というやり取りが面白かったのですが、さくらさんのドレス姿はちょっと水商売気味だ!!
三國志マニアである社長が手に入れたという、三国覇剣の巻物がお披露目され、5人はハザードレベル測定によりそれを本物と確認(脅威度を数値で示すという遊びの要素に加え、一発真贋判定が可能というのは秀逸な設定)。
黒「じゃ、早速いただくとするか」
←自由
桃「個人の財産を勝手に奪う事はできません」
←良識
赤「プレシャスの存在を公にするわけにもいかない」
大義を振りかざして大量虐殺できるタイプ
青「ネガティブの手に、渡らないようにするだけさ」
←外敵を設定して理論武装
基本的に、自分を中心に地球が回っている人が多そうでドキドキします。
蒼太が香水の残り香から風のシズカの変装に気付いて撃退に成功するも、その騒動で身分を明かす事になった5人は、社長と正面から交渉するが決裂。その夜、「あの人は、昔の僕に似てるんだ」と改めて社長の下へ向かう蒼太とそれに同行する真墨だが、それを待っていた社長は、蒼太の前歴が世界を股にかけたフリーランスのスパイであったと突きつける。
「あなたは、企業や国の秘密を奪う時、他人の事など考えましたか?」
「考えなかった。獲物を手に入れる時のスリル、ドキドキ、その為ならなんでもやった」
前歴とはいえ、戦隊メンバーの一人がここまで堂々と、イリーガルで身勝手な存在であった事を明言するというのは、なかなか刺激的。
「おんなじですねぇ。私もこの巻物を手に入れる為だったら、どんな事でもしました」
「同じじゃない。――あんたはまだ間に合う」
「間に合う……?」
眉をひそめた社長に対し、自分の欲望だけに従って生きてきた事で多くの人々を不幸せにした過去を反省した、と語る蒼太は巻物の秘めた危険性を伝えるが、そこへあらゆるセキュリティを破り操作する能力を持った錠前怪人と共にシズカが現れ、巻物を強奪。怪人がセキュリティシステムを操った事で、社長室の壁からにょっきり出てきたレーザーに、撃たれそうになる真墨(笑)
侵入者の即時抹殺は、東映では当然のセキュリティ☆
社長室が突然《レスキューポリス》時空に飲み込まれる一方、外ではシズカと怪人の前に、チーフ達3人が立ちはだかっていた。
…………あなた方、最初からこの手はず〔青が再交渉のポーズを取る→ダークシャドウに巻物を奪わせる→待ち受けていた別働隊が力尽くで奪い取って知らんぷりを決め込む〕だったのか。
セキュリティレーザーで大ピンチの3人は元スパイのテクニックで脱出に成功し、ピンチを笑顔で楽しむ蒼太がいい壊れ方を見せる一方、元泥棒は特に役に立っていなかった。多分、古代遺跡専門なのです。現代文明のセキュリティは専門外なのです。
「楽しいですよ、この冒険」
「冒険?」
「あなたを助け、人々を救えるんだから。自分だけのドキドキやスリルなど、本当は何の価値もない。みんなが幸せに笑える冒険に比べたら。……そう気付いた。だから」
このやり取りを微笑ましく見つめてしまう真墨からダダ漏れる、いい人感(笑)
「……こんな時代に、冒険か」
蒼太の言葉に心を開いていく社長だが、そこに迫る、壁からレーーーザーーーーー(笑) まあここが本当の世紀末TOKYOディストピアだった場合、確実にビルごと自爆装置が作動しているので、2006年の地球は割と平和です。
蒼太は社長を助けて窓から飛び出し、スタートアップ。ボウケンブルーとブラックの姿を目にして、変な奴らのテンションに、今更ながら逆らったらまずいのではないか、という顔になる社長。
青と黒はシズカと怪人を足止めしていた3人と合流し、夜間という事で、スーツのヘッドライトを付けながらの名乗り。ボウケンスーツの特色を見せつつ、中澤監督の夜戦趣味(割と多い気がする)も窺えます。
なんとなく意気投合した青と黒の華麗なコンビ攻撃から、5人の一斉射撃で怪人を撃破するも、それを感知したゲッコウの目が光り、追加の忍法で巨大化。立ち向かうダイボウケンは怪人が振るう三国覇剣の威力に苦戦し、更に3本目を合体させて真・三国覇剣を完成させようとするシズカだったが、開いた巻物は、社長の巨大ブロマイドが挟み込まれた真っ赤な偽物。
なんと 変態 マニアの鑑として本物の巻物を腹に巻き付けていた社長は、 これ以上逆らったら躊躇無く消される 蒼太の冒険魂に心を打たれ、3本目の巻物を大遠投でパス。
博士「こちらもプレシャスの力を使いましょう」

博士「ダイボウケンのパラレルエンジンは、プレシャスの力を取り出す事が出来るんです」

赤「面白そうだ。やってみる」

……凄いぞサージェス財団、第3話にして、コールタールよりどす黒いぞ!!
悪(?)の巨大怪人をぶった切るという名目があるにしても、建前上、「プレシャスを見つけ出し守り抜く」団体の実働部隊の隊長が「面白そう」でプレシャスの力を用いてしまう致命的に酷い展開なのですが、そもそも「プレシャスの力を取り出す事が出来る」システムが組み込まれている時点で、表向き健全な組織を装ってさえいなくて、世界征服する気満々すぎるのですが。
クールの節目ぐらいに、「他に手段が無いのでやむを得ない!」でプレシャスの力を借りるぐらいならまだ頷けましたが、3話めでこれはあまりに早まった感(^^;
3本目の覇剣には封印の力が秘められており、怪人の手にする三国覇剣が2本の巻物に戻った隙に、アドベンチャードライブで一刀両断。やる気をなくしたシズカは退散し、巻物を拾った社長はそれをボウケンジャーへと渡す。
「これは……サージェスで、大切に保管しておいてください。二度と、私のような馬鹿の手に渡らぬよう」
……ええとそもそも、その内2本、社長の所有物ではないのですが(笑)
「私もしてみたいなぁ……自分の為じゃない、みんなが、幸せな笑顔になれるような……」
「出来ますよ。その時は、必ず一緒に」
「ああ。冒険しよう」
かくして社長は、ネガティブ認定を免れた!!
“自分の欲望の為に手段を選ばず他者を顧みない事からの転換”をエピソードの軸としており、ゲストとヒーローの前歴を重ねるというアイデアは悪くなかったのですが、根本的な所で、三國志マニアと国際的スパイを同列に扱うのに無理がありました。
しかも社長の場合プレシャスの秘める危険性を知らずに所有していたわけで、当初ほぼボウケンジャー側の言いがかりとなっており、天秤の釣り合いが全く取れていません(^^;
まあ社長、社内に見敵必殺のセキュリティレーザーを搭載したり、国家機密の入手と「私もこの巻物を手に入れる為だったら、どんな事でもしました」を同レベルに語る人なので、巻物を手に入れる為、傭兵部隊を送り込んだり要人を暗殺したり村1つ住人ごとダムに沈めるぐらいの事はしていたのかもしれませんが。
ぎゅうぎゅう詰めのパイロット版の完成前に作っている3−4話、中澤監督と會川脚本の相性、など影響あったのかもしれませんが、1−2話に比べるとかなり粗い内容。その一方で、チーフの「面白そうだ」という某首領Sばりの問題発言をピークに、サージェス財団の暗黒ぶりがネタ的に破綻を突き抜けて面白くなってしまっており、それと社長のバランスを取ろうとすると世界中が真っ黒に塗りつぶされて別の意味で面白くなってしまうという、大変困ったエピソード(^^; 『特警ウインスペクター』知らずに見ていたら、呼吸困難に陥っていたかもしれません。
MAY DAY! MAY DAY! SOS!
(※筆者は『特警ウインスペクター』が大好きな為、自爆装置やセキュリティシステムに過剰な反応を示す事がありますが、持病の発作の様なものなので冷静に放置して下さい)