はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『轟轟戦隊ボウケンジャー』感想・第17話

◆Task.17「アシュの鏡」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:會川昇
無数の妖怪が封じ込められているという百鬼鏡をめぐってダークシャドウと争うボウケンジャー。今日は絶好調のヤイバ先輩は5人のボウケンジャーを次々と切り伏せ、ブラックとすれ違いざま、
「まだ闇の力の強さに目覚めないのか、小僧?」
乱戦の中でしっかりジャンル移籍を手招きしてくる先輩が最高です(笑)
因縁の強化という点でも効いていて、今回の凄く好きなポイント。
ボウケンジャーを蹴散らして悠々撤収しようとするヤイバとシズカだが、そこに獣の顔をした謎の怪人2人が現れ、ボウケンジャーともども、まとめて攻撃を受ける。
「はーいー、人間のみんなー。百鬼鏡を返して貰いに来ましたよぅ。ぬははははは」
軽い、といよりも、強さゆえの圧倒的余裕を言葉と態度に滲ませる怪人2人組は、闇の力の違いを見せつけ、ヤイバ先輩を圧倒。
「忍者、ばーい」
ヤイバとシズカは至近距離からの砲撃で吹き飛ばされ、転がってきた鏡を慌てて拾うボウケンジャーにその敵意は向けられる。
「鏡を渡してもらおう、人間ども」
「おまえたちは何者だ? なぜ百鬼鏡を狙う?」
「俺はガイ。そっちはヒョウガ。なーに簡単な事だ。そいつは俺たちのものなんだ」
持ち主でした。
ちなみに、OPクレジットで表記のある「レイ」を含めて「ガイ・レイ・ヒョウガ」と並べると、やたらとヒーローチームぽい(笑)のですが、何か元ネタでもあるのでしょうか。戦隊的には「ガイ」と言われると「結城凱」を反射的に思い出してしまうので、このあと劇中で、「ガイ!」「ガイ!」と言われる度に、なんだか難しい気持ちになったりはしますが。
「このプレシャスで、何をするつもりだ?!」
「ふっ、アシュの時代を、再び」
だがアシュと名乗った獣人コンビは、何者かの気配を感じると鏡を無理に奪わずに姿を消す。成り行きに困惑しつつも、邪魔なDSが追い払われた隙に鏡を回収してしまおうとするボウケンジャーだが……
「その鏡に手出ししない方がいい」
そこに、黒ずくめで! 錫杖持って! セロリを生でかじる男が!
セロリの好き嫌いは人それぞれでしょうが、個人的に物凄いインパクトでした。染めた長髪で目つきも悪いのですが、農協とゆかりが深い、割とお茶の間に向けて啓発的なキャラなのか?!
さあTVの前の良い子のみんなも、生野菜をバリバリ食べて闇の力に覚醒しよう!!
「アシュに関われば、おまえら死ぬぜ?」
「おい、おまえ一体な」
魂の奥底でジャンル被りの危機を感じたのか、真っ先に突っかかる真墨だが、セロリ男にあしらわれる。
「だーかーらー、関われば死ぬって。何も知らない方がいい」
「これは私たちの任務です。お構いなく」
その態度を見て、さっさと鏡をプレシャス回収ボックスに封印してしまうさくらさん(笑)
いつも通り、五十歩百歩です。
それを見た闇のセロリ男は諦めたのか姿を消し、ダークシャドウ組では、話を聞いたゲッコウ様が鏡から手を引くように指示。
「彼奴等はアシュ。まだこの世界にいようとは」
アシュ――それは、人類とは別の進化を辿った高等生物……といわれ、妖怪や悪魔、様々な怪物として現代に語り継がれているが、サージェスの記録においても初観測された存在。
ボイスから説明を受けたボウケンジャーは、まずは鏡の確認をと箱を開けるが、その中身はなんと、食べかけのセロリ。
その頃、首尾良くさくらを出し抜いた闇のセロリ男は、鏡を餌に二体のアシュを罠にかけ、拘束する事に成功していた。
「厄介なのは、誰だ? え? ガイ!」
「高丘の、どこまで追ってくるつもりだ?!」
「おまえを滅ぼすまでだ。今日がその日だぜ!」
墨染め(黒色の僧衣)をイメージしたと思われる漆黒のロングコート+肩に白い当て布のワンポイントを翻したセロリの使者は、肩に獲物を担ぎながらがに股で衝撃を殺すという少年マンガ着地を披露し、迸る闇の力にクラクラきます。
しっかり見た事がないのですが、伝奇アクション要素といい、アシュのデザインといい、《GARO》シリーズを意識した部分はあるのでしょうか。……この場合、敵方がキラキラ感の抜けた牙狼なわけですが。
動きを封じたアシュへ躍りかかろうとするミスター・セロリだったが、突然の銃撃が一閃。
「百鬼鏡を返しなさい!」
自分たちの権利を主張するスタンスに関しては人後に落ちない冒険者が、いきなりの威嚇射撃で乱入(笑)
正統派キレイ系のルックス・チーフに一撃入れられる女・任務優先の真面目で優秀なサブチーフ、とこれまで比較的、ボウケンジャー的外道度とはやや距離が取られていたさくらに、今回ボウケンジャーロジックをガンガン語らせるのが、凄く下衆いです。
最も怒らせてはいけない相手を怒らせてしまった事により、見るからに怪しげだけど現時点では一応一般人相手に、思い切り銃を突きつけるボウケンジャーの姿が凄すぎます。
ところが黄色がプレシャス回収時にキャプテン・セロリの仕掛けた罠を解いてしまい、解放されたアシュと再び戦いに。鏡を手にしていた黄はガイの攻撃を受けて気絶し、アシュはその腕輪に目を向ける。
「これは?! 選ばれた者の証。ぬははははは、ついでに最高の生け贄が見つかったぜぇ」
菜月は鏡と一緒にさらわれ、取り残される4人とダークセロリ。
「俺様は人間だ。アシュの監視者、高丘映士だ」
苛立つ真墨からのアシュ呼ばわりに激昂した男は自らの名前と素性を語り、アシュと百鬼鏡の関係について説明。人間と敵対するアシュは遠い昔、次元と次元の狭間、百鬼界へと追放された。だがその一部はわずかに人間界に残っており、鏡を用いて百鬼界との通路を開こうとしていたのである。
「だからといって、なぜ鏡を盗んだのですか?」
完全に、所有者気取りです。
「あれは餌だ」
高丘によると、通路が開けばおよそ100万のアシュがこの次元へとやってきてしまう。その危険性を指摘して主導権を取り返そうとするチーフだが、
「俺様は鏡を奪われるつもりはなかった。もしアシュが復活したらそれは、てめぇらの責任だ。違うか?」
ばっさりと切り替えされて、黙る(笑) チーフは能力主義な面があるので、自分たちが手も足も出なかったアシュと互角の戦いを見せた高丘に正論を言われると、ぐうの音も出ません(笑)
「俺様にとってアシュ、特にガイを滅ぼすのは宿命だ!」
高丘はその瞳をエメラルドグリーンに輝かせると、アシュの気配を追跡。
「菜月の居場所がわかったんだな?!」
「ついてくるのは勝手だが、邪魔はするなよ! アシュを倒すのは、俺様だ!」
百鬼鏡の秘密について懇切丁寧に説明してくれたり、チーフの問いかけにわざわざ足を止め振り返って答えてくれたり、セロリマン、闇の力のせいで少々コミュニケーション能力が不足しているだけで、凄くいい人なのでは。
「地球の主人として、ふさわしいのは俺たちアシュだ!」
その頃、アシュコンビが菜月の指先の血を鏡へと垂らすと、鏡面が虹色に輝きゆらめき始める。
「帰ってこいアシュ! 世界は我らのもの!」
より優れた種として憎き人間を駆逐しようとするアシュだが、そこへ高丘と4人が到着。
「菜月ちゃん!」
「蒼太さん! 今ミッション中だからイエロー!」
「あの元気なら、大丈夫です!」
生け贄にされるという事で全身の血を抜かれるとか心臓ぐさっとか神輿に縛り付けられて落雷を浴びるとか怯えていたら指先を軽く切られただけで一安心した流れで、このやり取りは変に面白かったです(笑)
ガイと高丘、ボウケンジャーとヒョウガがぶつかり合う中、百鬼鏡を通って、虎のアシュが人間界へと出現。
「匂う……人間の、嫌な匂いだ」
その腕の一振りで巨大な爆炎が起こり、吹き飛ばされる5人。
「“大いなる獣”レイ、おまえが一番手かよ」
「“怒りの鬼神”ガイか、よく出してくれた」
虎顔のアシュ・レイは悪魔の伝承の元になったという最悪のアシュであり、互いに呼びかける二つ名から、監視者に負けじと闇の力が迸ります。
エターナル闇のヤイバ先輩の存在感が見えないところで大ピンチだ!
「確かに、鏡を奪われたのは、僕たちの責任だけど!」
「これ以上、アシュは解放させねぇ!」
「プレシャスの脅威から、世界を守るのが、私たちの任務です!」
「俺たちは諦めるわけにはいかないんだ!」
珍しく反省したボウケンジャーから、諦めないヒーローぽい姿に繋げるも圧倒的な強さを見せるレイだが、ピンクがアクセルラーを囚われの菜月へパスし、変身したイエローが鏡を奪取。動揺したガイの隙を突いて高丘が鏡を封印(物理)する事で、残りのアシュが人間界へ出てこようとするのを何とか阻止に成功。
アシュトリオが呆然かつ激怒で注意が逸れた所へ、不滅の牙が背後から思い切りドリルを打ち込み、ガイをかばったヒョウガが大ダメージを受けると、自ら巨大化。
「ガイ様、レイ様……ヒョウガは、肉体を捨てます!」
「おい! 待てって! そんな事をしたら、おまえは二度と元の姿には戻れねぇっ!」
「こいつらは、俺が倒します!」
人間という種に対する恐るべき強敵でありつつ、アシュにはアシュ同士の友好関係があるというのを盛り込み、ちょっとした掘り下げが入っているのがおいしい。関係性としては、なんだかヤンキーチームぽいですが。
ガイとレイには対アシュ特性の高丘が立ち向かうが、余裕を見せながら両者は撤収。
「高丘の末裔よ、また会おう」
巨大ヒョウガと戦う超ダイボウケンは、がっぷり四つに組み合うもパワー負けし、究極轟轟合体。空中でのスピードで攪乱すると、相手の土俵に乗る事なく、アルティメット火の鳥で撃破するのであった。
「なかなかやるな……」
ボウケンジャーの科学の力にちょっぴり関心した高丘は、「高丘流、アシュ・根滅!」により、四散したヒョウガの肉体から解き放たれた負の念を浄化し、なんだか大変なニューフェイスが登場してしまうのだった!
百鬼鏡を巡る争いはひとまず終結し、砕けた鏡を拾うボウケンジャー
「持っていけ! それはもう、餌にもならない」
「あなたにとっては、プレシャスもただの餌なのね」
「当然だ。俺様はアシュ以外興味はない。そんなガラクタ、なんの価値がある」
「人類の宝だ! おまえにだってあるだろう、大切な宝が」
ちょっと顔に角度をつけて《説得》+10の得意フィールドに引きずり込もうとする不滅の牙だったが、高丘は距離を取ったまま首を左右に振る。
「無い。俺様は高丘映士、アシュの監視者。その事以外大切なものなど……無い」
しかしわずかに俯き加減で、呟くように言い残した高丘は立ち去り、チーフはその背を見送るのであった……。
「高丘、映士か」
予告の見た目から強烈で、実際ぶっ飛んだ新キャラをどう繋げるのかと思ったら、宿命の大義を唯一無二とし、個人の宝という価値観を真っ向から否定する、アンチボウケンジャーという扱いに。キャラクターの核と対立要素が明確なので、ボウケンジャーとの対比はかなりやりやすそう。また、“冒険のプロ”(一部、戦闘のプロ)であるボウケンジャーに対して、“退魔のプロ”という全く毛色の違う強さを持ち込む事で、既存メンバーとの極端な戦力格差が付く事を多少なりともセーブ。今後どう馴染ませていくのか、色々と楽しみです。
ガイとは何やら父親がらみで因縁が強調され、諸々の布石を見ると、ハーフアシュ、という事になるのかどうか。合わせて、菜月の腕輪がらみの伏線を進めたのは、手抜かり無し。
果たして、不滅の牙の必殺技は深すぎる闇に届くのか。次回――全世界待望のメカマサキ登場。