はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『仮面ライダービルド』感想・第15話

◆第15話「桐生戦兎をジャッジしろ!」◆ (監督:山口恭平 脚本:武藤将吾
「このままじゃ、何をしても揉み消されるのがオチだ。……こうなったら、政府の陰謀を暴くしかない」
茶店がヒゲ首相代行率いるガーディアン部隊に強制捜査を受け、完全に指名手配犯二人所属の地下テロ組織となった戦兎達は、パンドラボックスを持って直接ヒゲに接触。マスターが言い残したアレに関わる「スクラッシュ」というキーワードを教えられるが、怒りの龍我が飛び出して戦闘に。
「おまえを倒して、全ての罪を、吐かせてやる!」
「また成長したか。なら見せてやろう……この技を」
今日は絶好調のローグは背中に翼を広げて飛び回る攻撃を披露し、クローズを撃破。明らかにクローズを実験台にしてこの攻撃を観察していた戦兎は、真っ黄色のライオンコミックフォームを発動すると、隠れ身の術で龍我と逃走する。
戦兎が運んできたパンドラボックスを確保しようとするローグだが、それはホログラムによって表示された真っ赤な偽物。
「小癪な真似をぉ……」
怒りのローグが装置を蹴り倒した所に、あざ笑いに出てくるマスター、ホントさいてー(笑)
一方、謎の機能でがさ入れを受けなかった秘密基地に戻った戦兎が、葛城の研究データに「スクラッシュ」(カタカナでいいのか)と入力すると……
「エクセレント!」
新たな動画で姿を見せた葛城巧は、案の定ノリノリだった(笑)
さすがの戦兎も一瞬、「悪いのは本当に、科学を悪用する周囲の思惑なのだろうか」という顔になりました!!
「遂にプロジェクトビルドの集大成にアクセスしたね」
葛城の説明によるとそれは、ボトルの成分をゲル状にする事で更なる進化を遂げた葛城の最高傑作。
「後は、君に任せるとしよう」
意味深な言葉ともに表示されたデータに、目を瞠り心を奪わせる戦兎。
「……! 凄い! これを完成させたら、パンドラボックスを守れる!」
そして、秘密基地内部を数式だらけにして龍我と美空に呆れられる戦兎は……
「出来た……葛城巧が残した最強システムが完成したぞ!」
あっさり作ってしまう(笑)
「凄いでしょ! さいこーでしょ! 天才でしょーーーーーーっ!!」
戦兎さんホント、科学者の倫理を訴える割には、作る前に立ち止まらないで、作った後で「悪いのは周囲」とか言い出すので、ある意味ナチュラルボーンマッドサイエンティスト(キのままのキ印なので、そもそも転嫁する責任を認識しない人々)よりも、タチが悪いです。
その言い訳として、先に「パンドラボックスを守れる!」と言わせている――戦兎はあくまで守る為に作っていると提示している――のですが、明らかにヒゲとマスターに誘導されているのに全く頓着しないので、ダメさ加減が振り切れ気味というか、着々と自ら刻んでいる破裂への導火線は、きちっと爆発してほしい点。
有頂天の戦兎がスクラッシュの説明を始めようとした時、非通知の電話がかかってくる。それはなんと……病床の東都首相からであった。
「おまえの言う通り、餌にかかった」
「これで、俺の信頼も取り戻せたかな?」
マスターの入れ知恵で、首相から戦兎達にパンドラボックスについて連絡させたヒゲ、果てしなく悪びれないマスターの様子に虫を見るような表情になるのですが、なんというかそもそも、おまえを見限った難波会長の新しいパートナーは俺だぴょ〜ん、な人のアドバイス通りに行動してはダメだと思うんですが!!(笑)
「それは……明日のお前次第だ」
ヒゲ所長は段々、小物の野心家というか、某役立たずさん的裏目エネルギーな人になってきたような。
首相からの連絡に応じてパンドラボックスを持って病院に向かう戦兎と龍我だが、待ち受けていたのはガーディアン部隊。一方マスターは、秘密基地に忍び込んで戦兎が完成させたスクラッシュのデータをコピーしていた所を、美空に見つかってしまう。
「実は、バイトをしてたってのは嘘なんだ。……本当は…………コーヒー豆を栽培してた」
「……はぁ?!」
自身の真意は隠しながら、忙しくてしばらく会えなくなると告げるマスターの背に、語りかける美空。
「あのさ……お父さんと、ちゃんと家族してたのって、この1年くらいでしょ? 怖い思いも一杯したのに、頭に浮かぶのって、お父さんがドアに頭ぶつけても、動じてないフリする顔だったり、さむーーーいギャグだったり、おっきな笑い声だったり、そういう楽しかった事しかなくて。それって……これから何があっても、私にとってはずっと、宝物なんだろうなーって。……だから、ありがとね」
「なーんだよ改まって〜。戸締まり、ちゃんとしろよな。……チャオ」
「……チャオ〜」
父が何かを隠している事に気付きながら敢えて笑顔で見送った美空は膝をついて泣き崩れ……既に別れの予感を抱いているような言葉でもありますが、どこまで把握しているのかについては、濁す形に。冒頭の台詞で戦兎達が未だにマスター=スタークだと話していない事は示唆されているのですが、美空なりの思考が示され、またここで泣きの芝居を入れたのは、前回の戦兎同様にキャラクターの感情の奥行きを広げてきて良かったです。
父が怪しい動きをしながらも美空の為に楽しい日々を演出していた事を理解している、という形で美空の聡さと父への感情が合わせて表現されたのは、理屈だけでも情だけでもなくて、美空のウェイトが現時点でどちらにあるのか判然としないという点で先に興味を引く煙幕に。戦兎と龍我を利用している事を、ある程度は自覚している様子なのが、どちらに転ぶのかは不安ですが(^^;
一方、罠にはまって病院で戦うビルドはパンドラボックス抱えてロケット大脱出。
「どういう事だ!! なぜ病院でパンドラボックスを奪わなかったぁ?!」
それを知り予定が違うとマスターに怒りを向けるヒゲですが、むしろどうして、そんなにマスターの事を信じてしまうのか(笑)
恐らく周囲をイエスマンに囲まれて育ち、明らかに目上の人物(首相、難波会長)を除くと、他者は自分に擦り寄り、何も言わなくても意向に沿って動くものだと思っているのでしょうが、ここまで筋金入りのボンボン育ちだと、マスターも大変転がし甲斐があって楽しそうです。
というか、マスターの性格がここまでねじれまくっている要因の一つは、近くにヒゲ所長という面白すぎる玩具が居るからなのでは(^^;
「心配するな。後でちゃんとフォローしてやっから」
誠意が! 1ミリも! 感じられない!!
「それに、お詫びといっちゃなんだが、一つ教えてやるよ。――戦兎の事だ」
新たな情報をヒゲ所長に提供するマスターですが、視聴者的には、まんまと手に入れてきたデータを持ち出さない時点で、さいてー感が募って素晴らしい(笑)
マスターに何やら教えられたヒゲはガーディアンと共に戦兎達の隠れ家を強襲し、今回3回目のバトルシーン。
「ふははははははははは、さすが俺たちが作りあげた仮面ライダー
ビルドとクローズに次々と撃破されるガーディアンの姿を見て、手を打って笑うヒゲはローグに変身すると、驚く護衛の二人をスマッシュに変えてしまい、スマッシュとクローズ、ローグとビルドの激突に。
「ふふふふふふふふふふははははははは……まさかお前がな。石動の話が本当なら、おまえの居るべき場所は、ここじゃない」
「なんの話だ? ……おまえにパンドラボックスは渡さない!」
戦闘中、美空がスマッシュに殴られて気絶し、そのスマッシュを倒したビルドに猛然と襲いかかるローグ。
パンドラボックスの力を得て、俺はこの国の頂点に君臨する。おまえもそれを、望んでいた筈だぁ!」
「……なにを言ってる? そんなわけねぇだろ!」
「甦れ! おまえの本当の姿を! おまえの狂気を……野心も! 全てを、思い出すんだぁ!!」
スタークに虚仮にされて精神的に参り気味だったのかもしれませんが、かつてなくテンション高いヒゲ所長が葛城巧の事を好きすぎて、ちょっとビックリしました(笑) ……しかもこれ多分、ヒゲ所長は葛城の事を腹心だと思っているけど、葛城はヒゲ所長の事を都合の良いスポンサーぐらいにしか考えていないパターンだと思われ、ヒゲ所長はすっかり小物というか道化役のように。
「まだわからないのか……ならば!」
タイミング的には『フォーゼ』オマージュか、ロケット剣の一撃を受けたローグは再びウイングを展開し、空中攻撃に対してビルドはしゅわっと爽快ウサ炭酸。
「勝利の法則は――決まった!」
おまえは本当は俺の事を愛している筈なんだーーーーーー!!と熱烈に言い寄るローグの両翼をドリル剣とコミック剣の二刀流で切り裂いて撃墜し、更に二丁拳銃の大盤振る舞い。クローズはドラゴンキックで黒ゴリラスマッシュを撃破し、ビルドはすかっと炭酸キックをローグに直撃させる。
「さすがだよ。やはりおまえは天才だよ」
タチの悪いストーカーめいた言動を繰り返すヒゲは、新必殺キックの一撃を受け瞬間退場すらできずに床を転がっていたが、そこへ車椅子でやってくる東都首相と護衛の一行(タイミング的にはスタークかエージェントのどちらかが情報を流したっぽい)。
「まさか?! おまえがファウストだったと!」
首相は戦兎達に謝罪し、パンドラボックスを回収すると、ヒゲの処分を宣言。
東都首相は今のところ、今作で数少ない信用できる人物として描かれていますが、これで首相まで腹に一物あるとやり過ぎな感があるので、首相はこの路線を継続してほしいところ。怒られて黙り込んでしまうヒゲには、父へのコンプレックスが野心へ転換されているように見えるのですが、首相の政治家としての甘さが求心力になっているが、ヒゲはそれを理解できない、みたいな関係性だと個人的にはしっくり来ます。
「さっきの! あなたは何か知ってるんですか? 俺の事」
「……石動は俺にこう言った。葛城巧は生きている。……姿を変えて。…………おまえだよ桐生戦兎。おまえが悪魔の科学者、葛城巧だ。はははははははははは、あはははははははは、ひゃ、ひゃはははははははは、ははははははははははははは」
完敗そして失脚したヒゲ元首相代行の高笑いが響き渡り……つづく。
予告時点でかなり露骨に示した要素が終了間際になって次回への引きとして明かされる、というのは引っ張りすぎた感じがありますが、次回はサブタイトルも格好良く、「桐生戦兎」という存在の意味づけをする話になりそうなので、期待したいです。
……『ビルド』は引き要素が面白い一方で、次回予告の時点でハードルを上げすぎて、本編見ると「期待していた程ではなかった……」となってしまうパターンが少々気になるようになってきて、どこかで上手く、切り替えてほしい部分です。
ところで、マスターの発言が「葛城巧は生きている。……姿を変えて」までだとすると、むしろ「戦兎=葛城巧」というのが若干怪しくなって、ヒゲ所長の思い込みがミスディレクション、という可能性も出てくるのですが、とりあえずマスターが実際にどう発言したのか、は出来れば次回で見せてほしい部分。
そして流れとしてはこの後「暴発」になりそうなヒゲ無職は、社会復帰する事が出来るのか?!