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『轟轟戦隊ボウケンジャー』感想・第30話

◆Task.30「怒りの黄金魔人」◆ (監督:諸田敏 脚本:會川昇
前回ラストで、もしかして女好きなのではと疑惑の生じた黄金の剣は、人型のままボウケン基地内部をうろついてチーフにつきまとい……なんだか、その場の勢いで誰彼構わず口説き文句を放っていたら相手に本気にされて責任を取るように迫られているヒーローの図、に見えて面白い(笑)
……とすると、さくらさんに反応して人型になったのは、女好きなのではなく、ライバルを感知したからだったのか。
東映ヒーロー過去の統計によると、若干、剣が有利です。
幻獣の収められていたレムリアの卵がネガティブによって奪われた可能性がある、とチーフが牧野から話を聞いている頃、階上ではズバーンの扱いについてメンバーが相談しており、さくらは万一の時は即座の封印を主張。
「正体不明のものを武器にするのは、反対です」
「……どうせ明石に懐いているから気にいらねぇんだろ」
ぼそっと呟いた真墨の言葉に、図星を指されたのか噛みつくさくら。
「男なら! はっきり言ったらどうですか?!」
「だから、明石に懐いているから気にいらねぇんだろ?!」
「そんな事ありません!」
二人のやり取りは口論に発展し、一方テーブルの反対側では映士がお気楽だった。
「面白そうだし、仲間にしてやりゃいいじゃねぇか?」
アクタガミ回に引き続き、人間以外への懐の広さを見せる映士だが、隣にいたのは心の狭さでは定評のある蒼太さん。
「そんなに簡単に仲間にはできない」
「おまえさ〜、そうやってなんでもかんでも疑うのは、悪い癖だぜ。もしかして、仲間の事も信じてないんじゃねぇの?」
またも図星だったのか、珍しく表情を険しくした蒼太は、映士の胸ぐらを掴み上げる。
「――言っていい事と悪い事がある。謝ってもらおうか?」
「なんだこの手は?!」
それを振り払う映士、物凄いチンピラ感(笑)
「みんな、喧嘩はやめてよ!」
菜月が止めようとするが、真墨とさくらは激しく口論、蒼太と映士は突き飛ばしあい、その諍いに反応するかのように動き出したズバーンは、ズバーンパンチで4人を殴り飛ばすと基地の外へ飛び出してしまう。
「これは仮説だが、あのプレシャスは人間を恨んでいるのかもしれない」
意志を持つプレシャスが、人間に使われる内に、人間へ対する反発を覚えたのかもしれない……ボイスの推測に、チーフを加えた6人はズバーンを探し回り、公園で子供達に囲まれているズバーンを発見。ロボット三原則が組み込まれていないズバーンが暴れ出したら大変な事になる、と6人が慌てて子供達を引きはがすと、ズバーンはチーフすら殴り飛ばして逃走。
二手に分かれてその後を追うボウケンジャーだが、チーフ・さくら・映士の前に、レムリアの卵を手にしたガジャ様が姿を見せる。
ボウケンジャー、その様子では、ズバーンを扱いきれなかったようだな」
高い所から3人を見下ろすガジャ様が繰り出したのは、レムリアの卵の持つクローニング能力によって再び生み出された幻獣にゴードムエンジンを組み込んだ、人間サイズの改造幻獣ゴードラム。相変わらず高度な技術力を誇るガジャ様、再び怪人ポジションの開発に成功しましたが、「おまえはこのガジャ様のしもべとなる。ゴードムエンジンによってな」という台詞があるので、今度は忠誠回路も内臓したようです。
偉大なる大神官ガジャ様は、同じ過ちを二度は繰り返さない!
走り回っていたズバーンと、それを追っていた黄黒青も合流するが、「ズバーン、なぜ逃げた? おまえは、人間を恨んでいるのか?」というチーフの問いかけに応えぬまま、ズバーンは自ら剣の姿に。
「お! あれがズバーンだったのか」
レムリアの卵の真価について知っていたガジャ様は、黄金の剣の「ズバーン」という名前も知っていたけれども、人型形態がある事は知らなかった様子で、何やら半端な知識なのは、いったいぜんたいどんな伏線なのか。
ズバーンを振るう赤だが、何故かパワーを発揮しない攻撃はゴードム幻獣に通用せず、弾き飛ばされたズバーンをガジャ様ゲット。
「やはり使いこなせぬか。これで全てのレムリアの力は揃った。ぬわぁぁ!! ……おや?」
黄金の剣を振りかぶるガジャ様だが、反応ゼロ。
「あなたも、使いこなせないようですね!」
何故かやたら勝ち誇るピンク、時々Sな感じの素が出ます。
「正しい魂を持たぬおまえには無理だ!」
そしてなんか、不滅の牙はすっかりその気になっていた。
「ならこんな物は、破壊してしまおう」
必殺《我々の物にならないプレシャスは邪魔なんだよ》を発動し、ズバーンを手にしたガジャ様は撤収。結果として命拾いしたボウケンジャーは基地に戻り、菜月が気付いたズバーンの変化を監視カメラで確認した蒼太は、ズバーンの胸の宝石の色が変化している映像を皆に見せる。
「笑ったり、お互いを思いやったり、ズバーンと仲良くしたり……そんな心がズバーンのパワーだとしたら」
「あいつは人間を恨んでたんじゃないのか……」
まあそもそもそれ、特に裏付けのないボイスの当て推量なわけですが、なんだか、ミスター・ボイスの世界観というか人間観が窺えます。
「その逆。人間が好きだから、喧嘩したり、泣いたりするのに耐えられない。だから……怒る」
「正しき魂か。……あいつはああやって俺たちに伝えるしかなかったんだ」
「喧嘩するな。楽しくやれって」
5人はズバーンの破壊阻止で一致団結し、そこへ外回りの映士から、囚われのズバーンの情報が入る。それを教えてくれたのは、ズバーンの声を聞いた子供達……って、映士、子供とコミュニケーション取れたの?!(驚愕)
今回、色々とアラが目立つのですが、一番の大穴はこれのような(笑)
「ズバーンと不思議な力で繋がってるみたいだね」
菜月とさくらは子供達に笑顔を向け、随所に子供が登場するのはOPクレジットによると企画回の要素があったようですが、無理に理屈をつけておこうとして変な台詞になってしまった感。……會川さんの事なので、企画回は企画回と開き直って、わざと昭和テイストを入れた可能性もありますが(^^;
アジト内部に潜入すると、そこでは零下200度で凍結されたズバーンがプレス機で押し潰されそうになっており、ゴードム兵の妨害を蹴散らしながらズバーン救出の為に一致団結する6人の姿に、力を取り戻していくズバーン。
「ズバーン……すまなかった。だがもう二度と離さない! おまえは危険なプレシャスなんかじゃない。俺たちの仲間だ!」
チーフの熱い告白が、ズバーンの心の氷を溶かした!!
「ズ・バーーン!」
完全にチーフが新たなルートを切り拓いてしまいましたが、東映ヒーローではままある事です。
「菜月たちがズバーンに力を与えられたの?」
「うん、僕たちの、友情がね」
とか言っている間に、後ろで幻獣に殴られているシルバー(笑)
「ズバーンは俺たちが守る!」
盛り上がっているボウケンジャーですが、メンバー全員が一様にズバーンに親近感を抱く過程があまりにも大雑把で、首をひねる出来と内容。
〔この変なプレシャスをどうしたものか→ズバーンが暴れた!→人間に恨みがあると思い込む→力を貸してくれないぞ?→危ないから怖されてもいいんじゃ→人の優しさがズバーンのパワーだったんだ!→ズバーンを絶対に助けなきゃ!〕という感情の動きがあまりにジェットコースターすぎましたし、“ある事柄に対してそれぞれが大人の距離感を持っている”というのがボウケンジャーの一つの特徴だったので、心の動きをひとまとめにされて皆揃ってズバーンの為に絆パワーを発揮する、という展開そのものに非常な違和感。
そして、5人がズバーンの真実を知って心を一つにしている時には外で探知機を振り回し、5人がズバーンとの間に生まれた友情を確認している時には背後で幻獣に殴られている映士の扱いが、あまりに酷すぎます。
外に出た6人+ズバーンは、決めポーズの後に顔アップが入るという新パターンで改めて揃い踏み。
「「「「「「轟轟戦隊・ボウケンジャー!」」」」」」
「ズンズン」
ズバーンはいつの間にやらレムリアの卵を強奪しており、自らゴードム幻獣に殴りかかると、剣になるまでもなく連続蹴りでゴードムエンジンを粉砕。だが幻獣は巨大化、ズバーンは必殺キックでエネルギーを使い果たしてしまい、立ち向かう究極ダイボウケンとビルダーは今回も大苦戦。
「諦めるな! ……笑え。笑うんだ。それがパワーになるって、ズバーンが教えてくれたろう! ピンチの時こそ、笑ってみせろ」
一方、地面に倒れたズバーンの元には子供達が集まっており、その声援とボウケンジャーの笑顔でエネルギーが回復したズバーンは再起動すると、まさかの巨大化。連続攻撃で幻獣を圧倒したズバーンは最後は巨大な剣となり、究極ダイボウケンと連動したアルティメットズバーンスラッシュで幻獣を一刀両断。かくしてレムリアの卵は無事に回収され、ズバーンは意志を持ち戦う対幻獣特攻プレシャスとして、ミスター・ボイスにも認められるのだった。
「ズバーンもボウケンジャーの一員ってわけだ」
「そうか! 俺様の後輩だな。ふ、面倒見てやんなきゃな! はははははは」
やたら上機嫌の映士は皆から一斉にしかめ面を向けられ、そしてチーフは、好感度が振り切れたズバーンにお姫様だっこされてヒロインゲージを急上昇させていた、でオチ。…………ズバーンの中の人が凄い。
ズバーン逃走のきっかけとなったメンバーの喧嘩は、さくらをくさす真墨にしろ、映士に突っかかる蒼太にしろ、実にらしくないので、ズバーンには周囲の人間の強い感情を引き出す作用があるのだろうか、などと考えていたのですが、特にそういった理由付けはなく、ただただ、話の都合による喧嘩でした、というのが凄く残念。
それだけメンバー間の距離が縮まってきている、という意図があったのかもですが、次々と感情を剥き出しにするメンバーの姿には違和感しか覚えず、そこから中盤でズバーンの真意を皆が好意的に受け止める、というくだりをどうしても面白く見る事ができませんでした。
普段、前後編にもできそうな内容を1エピソードにうまく押し込めている『ボウケンジャー』ですが、今回に関していえば、前後編にして各メンバーとズバーンの関わりをそれぞれ描く、もう少し話数をかけて細かい描写を積み重ねておいた後にする、などの下準備が必要であったと思います。……玩具販促や企画回の都合などが折り重なったのかもしれませんが、今作らしからぬ雑さ。
特に前回が半年分の不滅の牙というヒーローの集約として実に見事だっただけに、キャラの描き方の違和感が悪目立ちしてしまいました。
また、さすがにさくらさんの鼻血は拭きましたが、蒼太や映士がズバーンに殴られた青タンを顔につけっぱなし、というのは少々悪のりが過ぎたかな、と。
次回――後回しになっていた、さくら×映士回のようで、期待。