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『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』感想・第2話

◆#2「国際警察、追跡せよ」◆ (監督:杉原輝昭 脚本:香村純子)
「実力を行使する!!」
ルパンレンジャーと放火怪人の戦いの場に現れた警察戦隊は、いきなり銃を連射しながら突撃を敢行し、そのブレーキ緩めの姿勢、好きです(笑)
第1話ではVS要素が低めだった事もあり、今回は冒頭から視聴者の期待に応える派手な銃撃戦でスタート。埠頭の積み荷を撃ち落として頭上に落とすなど本気度も高く、咄嗟に放ったパンチでそれを破壊する緑。
「おお、これならギャングラーを倒せる!」
「どうして国際警察が、ルパンコレクションを」
「おまえ達こそ、こんな危険なものをどこで手に入れた!」
「全員逃がさーん!」
めまぐるしく攻守の入れ替わる戦いの中で、とりあえず桃と青に絡みがあったのがグッジョブ! グッジョブですよ!
そしてルパン赤が放った銃弾がどさくさ紛れに逃げようとする怪人の尻に突き刺さり、しめたとばかり確保に走った警察赤は至近距離で銃口を向けると、「これで終わりだ」とあっさり引き金を引き、ギャングラーに人権はないのだ。
「させっか!」
コレクションごと木っ葉微塵にされては困るとルパンレッドが後ろから妨害した事で弾丸は標的を外れ、赤と赤が揉めている間に怪人は逃亡。
「貴様等が邪魔したせいで!」
「邪魔したのはおまえらだろ」
「言い訳なら取調室で聞いてやる」
一応、快盗には人権がある模様で、ホッとしました。
法を後ろ盾にした四角四面のハッピートリガー連中は相手にしていられない、と飛行メカを巨大化させてトンズラするルパンレンジャーだったが、警察戦隊も同様のギミックで爆走マシンを召喚し、それを追跡。
OPを挟んでスピーディーな追走劇へと移行し、全体的にめまぐるしい画面が多くて少々目が疲れるのですが、パイロット版としては細かく見せたいというよりも、とにかく児童向けのスピード感重視、といった作り。
空と陸の激しい攻防は、鋸で切り裂いた看板を落下させたり、飛行中の青ジェットの眼前に巨大なバーを突き出したり、ガトリングガンで反撃したり、挙げ句の果てにミサイル撃ち込んだり、と全体的に互いの殺意高め。
その中で、荷物落下に続き看板落下をパニックに陥りながらも辛うじてかわす緑が和み要員のポジションを確立しているのは秀逸。……私の中では緑、いっけん腰の低い陽気な後輩と見せて、実は腹黒い裏切り者候補ナンバー1なのですが(笑)
……いやなんか、6人中1人が実は裏切り者(或いは「ルパンの子孫」本人)とか、凄くありそうな気がして。
目くらましを放って飛び去ろうとする赤ジェットを追いかけ、赤マシンはブーストモードで加速するも通行止めに衝突しそうになるが、緑と桃の的確なフォローで大ジャンプし、更に生身で宙を舞うと逃げるジェットに肉薄。
「俺はパトレン1号、朝加圭一郎だぁぁぁぁぁぁ!!」
「マジかよ?!(なんでそこでフルネーム名乗るの?!)」
が、赤ジェットは迫り来るハッピートリガーを寸前で回避しなんとか逃亡、警察赤は真冬の海へと落下するのであった。
「これからはあの熱血お巡りが来る前に片付けないと」
「でも……最悪、コレクションさえ取っちゃえば」
「「駄目だ!!」」
初美花の言葉を魁利と透真が声を合わせて否定し、快盗一味にも微妙な温度差がちらり。
「ギャングラーを倒すのは、俺たちだ」
「……そこは別にこだわんなくても」
第1話の「きっちりそいつも葬ってやる」発言には何やら彼らの個人的こだわりがあった事がほのめかされ、放火怪人の行方を追う魁利は、追跡のヒントを求めて訪れた怪人の元アジトで、宝石強盗の被害者達と向き合う圭一郎の姿を目にする。
「我々は約束を果たせていません。必ずあの化け物を倒します。……あなたがたの店を、家を燃やし尽くした凶悪犯を、必ず。約束します!」
なぜ1−2話、宝石強盗+放火能力、という組み合わせなのかと思っていたのですが、商品を奪われるだけでなく、もっと大事な場所の喪失を描く為、という事でなるほど納得。
「約束ね……」
魁利は路地裏、透真はブライダルショップの前、初美花は噴水広場――快盗達はそこで、1年前の出来事を思い出す。3人はそこで、氷漬けにした人間を消し去る能力を操るギャングラーにより、兄、婚約者?、親友……それぞれの大切なものを失っていた。
そして、呆然と失意に打ちのめされる沈む3人の前に姿を見せたのが、コグレ。
「君の願いを、叶える方法がある」
「ルパン……コレクション……?」
「全て取り戻してくれれば、アルセーヌ・ルパンの子孫である、我が、主が」
「君の願いを叶えよう。コレクションの秘めた力を使えば、どんな願いも叶えられる。消えた人も、取り戻せる」
……「クリックするだけで日収○○万円」ばりに胡散臭い。
第1話では断片的だったのでしばらく引っ張るのかと思ったルパンレンジャーの背景がわかりやく示されましたが、コグレの胡散臭さも予想以上にストレート。過去戦隊でいうと、敵集団に襲われて生死の瀬戸際になったところを見計らっておもむろに「みんな、正義の味方になってほしいんだけど」と契約を持ちかけるボンパーさんレベルです。
……と考えると、見せ方が違うだけで、割と戦隊標準かもしれない(え)
凍結通り魔の犯人として、口笛を吹き、白い帽子のようなものをかぶった謎の怪人(親分に似た姿でもあり)の存在が示唆され、そこはかとなくマッチポンプの疑いもかすめる中、失ったものを取り戻すべく、VSチェンジャーを受け取る3人。
「私たちの願いは一つ」
「たとえ誰かが倒れても、最後にかなえばそれでいい」
「ルパンコレクションを集めて、大事な人を取り戻す。――約束だ」
ルパンレンジャーが仲間の命を顧みないのは、誰か1人でも生き残って目的を果たせば、全員分を取り戻す事を約束しているから。……一縷の望みを賭け、謎の男の裏付けのない言葉を頼みに戦い続ける3人は、目の前で大事な人が砕け散った時に、自分の中の大事な部分も壊れてしまったのかもしれません。
どうやら快盗と警察の様々な対比の中に、「狂気」と「正気」という要素もあるように見え、香村さんが狂気という要素をどう調理するのかは、楽しみ。その点では演出の方はもう少し、快盗3人の抱える危うさを強調しても良かったかな、と思いますが。
また、ルパンレンジャーに続いてパトレン1号にも「約束」を口にさせ、両ヒーローに同じキーワードを与えつつも、
パトレン1号の「約束」は、守るべき人達とのものであり、「外」を向いている
ルパンレンジャーの「約束」は、3人の中のものであり、「内」を向いている
と意味を変えてきたのは秀逸。
この先、果たして「喪失」は何に替えても取り戻すべきなのか? という「選択」を迫られる事も想像されますが、そういった普遍的な物語要素を織り込み、待ち受ける道筋の可能性を先に示しておく事で、受け手の中で物語を膨らませる誘導の仕方が、『ジュウオウジャー』に引き続き、手堅く上手い。
私が香村さんの脚本を好きなのは、こういったオーソドックスな手法を、丹念にやってくれるのが一つ理由だろうな、と。宇都宮プロデューサーの差配もあるのかもしれませんが、“物語の快感原則”に忠実な作り、というのが個人的な嗜好と合致します。
アジトを快盗に襲撃されたと思ったら、続けてネクタイ締めたハッピートリガー集団との抗争に巻き込まれ、なんかもうよくわからないから街を燃やしちゃる、と自暴自棄になった放火怪人が暴れ始め、一足お先にルパン一味が現場に参上。
今週もパノラマカメラをくるくる回すのは微妙でしたが、マジックハンドによる拘束アクションは格好良く、金庫の中のお宝を首尾良く頂戴したところで、やってくる警察。
「見つけたぞ! ギャングラーに快盗ども!」
一応警告はしたので、すかさず撃つぜ!!
警察メカの主要ギミックとしてシンボルにもなっていますが、とにかく警察戦隊は、トリガーが軽くてよろしい(笑) 期待以上に私の求める警察戦隊です。
今作は射撃重視のアクションというコンセプトなのかギャング雑魚も入り乱れての銃撃戦が展開する中、警察赤の銃弾がルパン青に直撃するなど、本気でVSしますよ、という姿勢を引き続きアピール。
「今度こそ必ず、約束を果たす!」
「しゃーない」
警察赤のジャッジメント宣言を聞いた快盗赤は、ギャングラー抹殺すべしにこだわる青をなだめて撤収。
「逃げるつもりか快盗ども!」
「俺たちの一番大事なもんはいただいたからさ。後は頼んだぜ」
「追跡しますか?」
「…………いや。我々は危険度の高いギャングラーを優先する!」
「「了解!」」
毎度このパターンだと面白くないですが、とりあえず、ルパン側が引き下がって高い所から見せ場を譲り、それぞれがルパンコレクションとギャングラー撃破を優先する、という形で棲み分け。……ハッピートリガー赤は、快盗も射殺したいという気持ちを抑え込むのに、だいぶ悩みましたが(笑)
警察戦隊は改めてギャング一般構成員との戦いになり、拡声器……というのは、ありそうで無かったアイテムか? これもルパンコレクションなのか、戦闘員を強制的に整列させると、拡声器から飛び出した警棒でジャスティス執行!
……全体的に装備品がうるさめなのですが、この世界のアルセーヌ・ルパンはもしかして、「歌は気にするな」寄りで、ノリノリで色々と吹き込んでしまう人だったのでは疑惑が。
「後は貴様だけだ!」
前半のチェイスシーンの瞬間的な判断もですが、実質初見の怪人と真っ正面から渡り合い、華麗なコンビネーションで追い詰める警察戦隊が、ただのハッピートリガー集団ではなく、エキスパートなハッピートリガー集団である事を見せてくれたのは良かったです。
真っ向から戦うと中の人達の練度の分、警察戦隊の方が強い、としてくれれば、ルパンレンジャーが搦め手を使う理由にもなりますし、警察戦隊が負けて強しも表現できそうですし(この辺りはまあ、戦隊の作劇だと期待しすぎない方が良いだろうとはいえ)。
「おまえも自分で倒したいんじゃなかったのか?!」
「……ああ。でも今日は、こいつをちゃんと持ち帰る方が大事かなって」
この戦いを高みの見物としゃれ込むルパン一味では赤と青の間の温度差が描かれ、快盗の中にも判断基準の違いがある、という事が盛り込まれてこれまた実に手堅い。
また、自己の「喪失」を取り戻すべく戦う魁利の中に、他者の「喪失」について考える情が残っている事も窺えます。……好みでいえば、もっとバリバリ狂気に寄せてくれても良いんですが(笑) その辺りの舵取りをどうしていくのかは、第3話以降の演出ラインも含め、楽しみな点。
怪人を弱らせてから特殊兵器グッドストライカーをVSチェンジャーに接続・起動したパトレンジャーは、一致団結して、You go,I go,Here we go! 3色合体のパトレン融合もといU号になると、必殺の一撃ストライクで怪人を撃破……そして、三色団子状態になった自分たちの姿に気付く。
「「「なんじゃこりゃぁ?!」」」
もかの有名なシーンのパロディかと思われますが、脚本上で毎回1ネタ入れるつもりなのか、それとも杉原監督のお遊びか。今後これをどう使ってくるのかわかりませんが、いきなりの3色融合モードは、仕掛けとしてはインパクトがありました。香村脚本に宇都宮Pなので、ただのインパクトでない事は期待したい。
「ゴーシュ、若い野心に、もう一度チャンスを」
親分の指示により、ムーディなテーマ曲で現場に現れた青肌の女性ギャングラーが、金庫の残骸にエネルギーを注入して放火怪人を再生巨大化。「デカダンスなボスの指示で妖艶な女性幹部が現場で怪人を直接巨大化」というのはまた、まるっきり『ジュウオウジャー』と同パターンですが、W戦隊に注力する関係で、悪の組織はとりあえず描きやすい要素を配置、という事なのでしょうか。
その中では親分の「若い野心」という言葉のチョイスが、キャラクター性を示していて良かったです。
混乱状態のパトレンU号は地面を転がっており、快盗ジェットを起動して放火怪人に立ち向かうルパンレンジャーだが、そこへ突然、警察の手から勝手に飛び立ったグッドストライカーが合流。
「今のおいらは自由の身さ。気分がいいから、手伝ってやるよ」
快盗のVSチェンジャーに接続・発射されたグッドストライカーは巨大化するとロボットのコア部分となり、快盗ジェットが頭部と両腕として変形合体。いいも悪いも気分次第、ここにシルクハットの快盗ロボ・ルパンカイザーが誕生する!
「おいらの名前はグッドストライカー。ルパンコレクションを強くする、コレクションさ」
ロボのコックピットには、シルクハットをかぶったニンジンとコウモリのキメラみたいな悪夢的生物が顔を出し、100年前の快盗紳士への不信感が激しく募ります。
……まあ実際、原作ルパンは性格に色々難ありだったとは思いましたが(数冊しか読んでいないので、断定はできない)。……原作といえば、どうせならルパンレンジャーの変身コードは「8・1・3」なら良かったのに、とは思いました。
W戦隊で、ロボットを二つ用意(そしてそれぞれを強化)すると特撮も予算も大変そうだけど、どうするのだろう……と思っていたらコアパーツが共用、というのは驚きの展開。そしてそのコアパーツが、警察の束縛から解放されて気分がいいから快盗に味方する、という人格破綻ぶりで不安が入道雲のように沸き上がりますが、ルパンコレクション周辺の胡散臭さを変に正当化しないであからさまに見せていくスタイルは、今後の仕掛けに期待が持てます。
てっきりグッドストライカーは、快盗サイドにつくときは「バッドストライカー」になるのかと思ったらそうでもないようですし……て、今気付きましたが、コウモリモチーフが入っているのは、とりあえずそういう事なのか。
合体したルパンカイザーと巨大放火怪人による、1−2話の予算を注ぎ込んだと思われるCGバトルが展開し、このところ玩具の売り上げ不振が続いているらしい事もあってか、戦隊におけるロボ戦をどう描いていけばいいのか、という試行錯誤が窺える巨大戦。まあ戦隊もライダーも、予算の関係で年間で使えるCG量というはスタート前にだいたい決まっているそうですし、1年間CGで勝負する、というのはどだい厳しそうなので最初だけの目玉という事になりそうですが、こういった挑戦の姿勢は歓迎したい部分(そういう点ではアクション時のパノラマカメラも有りは有りなのですが、個人的には継続使用にはこだわらないでほしい(^^;)。
右手にガトリング砲、左手に丸鋸という、快盗要素は頭上にしかない殺意高めのルパンカイザーは、必殺技がひたすら連射するだけ、というのはあまり面白くなくて残念。今後の事も考えて空中固定になったのでしょうが、どうせならCGを活かして、あり得ない高速起動からの全方位攻撃ぐらい見たかったです。
「永遠に……」
「「「アデュー〜」」」
「気分はサイコーー!」
ハッピートリガーぶりでも負けないぜ!
「結局、快盗に手柄取られちゃいましたね」
「ギャングラーが一体居なくなったんだ。今回は、良しとしよう」
後日――
変な警察官には絡まれたけど、ライターどころか謎のニンジンまで手に入れてラッキー、とほくそ笑む快盗レストランを訪れたのは、なんとあの国際警察の乱射トリオ。
(バレた……?)
まあ99%オチは予想できますが、いきなりのガサ入れ、というかもはやカチコミ、の危機で、つづく。
プールサイドは走ってはいけません、と念入りに準備運動から始めた第1話に対して今回は、飛び込み即200mバタフライという、ハイテンション・ハイスピードで展開。従来的な戦隊作劇で言うと第1話と第2話を入れ替えたともいえますが、前回情報が整理されていた事で、スムーズに楽しむ事ができました。
杉原監督もこのスピード感をよくまとめたと思いますが、惜しむらくは兄を失った魁利のシーンも、花びらを派手に撒き散らして絶叫させる、というインパクト重視の演出になってしまった事。ここはもう少し、喪失と狂気への入り口をじっくりと見せても良かったかなーと。まあこの辺り、役者さんのキャリアもあるので、「叫ぶ」という、やりやすい表現を選んだ部分もあるのでしょうが、『ジュウオウジャー』の印象だと杉原監督はやや芝居の見せ方が弱いところがあるので、今後もローテで参加するならば、役者に芝居をさせてその映像を信じる、というアプローチも期待したいです。
両戦隊のバランスとしては、主軸は基本ルパン側に置き、警察戦隊の掘り下げはまず1号を立たせる所から、となりましたが、「圭一郎が何を軸にしているのか」がわかりやすく伝わり、それが魁利を「動かすもの」である事、そして魁利には「揺れ動く部分」が存在している、という形で十分な流れになったと思います。
次回、快盗一味の温度差が早くも亀裂を生む?! と、手堅いホント手堅い。……というのはメインとしての香村さんの長所であると同時に短所ともいえますが、そういう点では、飛び道具を放り込めるサブライターが入るとアクセントになって面白い、のかも。……キャストに正真正銘の元アイドル(ごくり)……と思わせて荒川さんならきっと、警察ピンクの一日アイドルとかやってくれる筈!
……あ、快盗黄は、色々慣れない雰囲気の赤、色も口調も暗めの青、と並んだ時に、コロコロと表情を変えてよく動き回るのがいいアクセントになっており、作品全体にも華やかさを添える、非常に好キャスティングだと思います。