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『獣拳戦隊ゲキレンジャー』感想・第2話

◆修行その2「ワキワキ!獣拳合体」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:横手美智子
獣拳の世界では名の知れた拳聖らしいマスター猫はあっさりと巨大カマキリを放り投げ、力を失い元の姿に戻ったカマキリはメレ様にシめられるが、ダム大爆破を提案。怪人体となったメレが舌で舐めて覚悟の味を確認するのですが……プ○ャラティ?!
そしてスクラッチに戻ったマスターは、真咲に怒られていた。
「あなたは、戦ってはいけないさだめなんです。獣拳不闘の誓いを忘れたわけじゃないでしょうね」
いかにもジョーカーなマスターですが、その辺りの扱いを曖昧にして大惨事に突入する作品もしばしば存在するので、手早くジョーカーとしての縛りを明言してきたのは安心したところです。第1話に引き続き、今作こういった穴の埋め方には、かなり気を遣っている印象(一方でそれが若干、固有名詞の釣瓶打ちによる説明過多になっている面もありますが)。
「根性一本槍のランはともかく、僕はどんな難しい激気技でも、すぐに修得できる自身があります」
獣拳界のファンタジスタは巨大オーラ技を教えて欲しいとマスターに詰め寄るが断られ、売り言葉に買い言葉で揉める3人の姿を見たマスターは、その修行として、ジャンにビーストアーツを教えてみろ、と指示。
「山は登ってみるまで、海は泳いでみるまでわからんもんじゃよ」
禅問答のような言葉で煙に巻きながら若者達を導いていく老師シャーフー、より近い距離感から細かい気遣いで面倒見の良さを発揮する先輩拳士・真咲、と指導者ポジションの年長者2人の立ち位置が描き分けられ、真咲に諭されたファンタジスタは、ビーストーアーツを好きになってもらう入り口として、ジャンが気に入ったヌンチャクを指導。
「おまえらも激獣拳、ワキワキか?」
素直に激獣拳を学ぶ事を楽しんでいくジャンの言葉に、野生の新入りに反発していた2人も感化されていき、“好き”という純粋な気持ちが険悪だった3人の仲を解きほぐしていくのですが、第1話では上手く詰め込んでいた“正義”と“邪悪”というテーゼに続いて、第2話でまた別のテーゼとして“好き”とは何かを入れるのはやや無理があった感。
後半の巨大戦に集約される要素なのですが、“正義”とは何か、という第1話で示したテーゼを掘り下げて繋げる方がスムーズだった気はします。
典型的な老師キャラの猫マスターと、もう少し現代的なトレーナー兼先輩である真咲の描き分けに時間を取った一方で、肝心のジャンが激獣拳を好きになるくだりが薄味になってしまい、連動していくランとレツの激獣拳への想いも薄味になってしまい、後半の合体の劇的さまで弱まる負のドミノ倒しになってしまったのは残念。
とにもかくにも、共に戦うゲキレンジャーとして一歩を踏み出し始める3人だが、メレ様の秘孔マッサージにより限界まで力を引き出されたカマキリ拳士が再び怪人化してダムを破壊。街が濁流に呑み込まれ…………長い東映ヒーローの歴史でも、実際にダム爆破に成功した怪人、は大快挙なのでは(笑)
侵略宇宙人の円盤が飛んできて街が火の海に、の亜流といえますが、1−2話において臨獣殿がかなり大規模な被害をもたらしているのは、獣拳流派の激突という闇の局地戦になりそうな設定に、スケール感を与えてきて良かったです。後はこの、初手から大きめのスケールがどちらに転ぶか、になりますが。
街に駆けつけた3人の前には、メレ様が初お目見え(なお、臨獣殿の首領としての理央様の名前は、真咲から説明あり)。
「理央様の愛の為に生き、理央様の愛の為に戦うラブ・ウォリアー! 臨獣カメレオン拳使いの――メレ」
激獣拳はどちらの流派も、これをやらないと力が発揮できないのか(笑)
カメレオンの姿で登場後、わざわざ人間に戻ってポーズを決めるあたりメレ様もかなりキており、今頃ヤイバ先輩が草葉の陰で感涙にむせび泣いている事でしょう。ラブ・ウォリアー!と自称されると、それ以上ツッコみにくくて感想書き的にはちょっと困っていますが!
ジャン達は3人並んでビースト・オンし、
「体にみなぎる無限の力、アンブレイカブル・ボディ、ゲキレッド!」
ジャンは基礎練習よりもヌンチャクよりも先に、名乗りを叩き込まれていた(笑)
これをやらなくては、獣の力は盛り上がってこないのです。

「燃え立つ激気は、正義の証!」
「「「獣拳戦隊・ゲキレンジャー!」」」

「折角だけどー、あたし格下とは戦わない主義なの。リンシーズ、代わりに楽しんで」
顔見せ登場のメレ様は戦闘員を放って退場し、台詞回しに加え、リンシー軍団と逆に後ろ歩きで下がっていく時の蔑むような視線が良く、メレ様は立ち上がりからかなり好演で好キャスティング。サディスティック美女幹部として強調される一方で、舌で色々やったり、この後ハエを吐き出したりと、異形の怪人としての描写も繰り返されるのが特徴的で、こだわりを感じる部分です。
「おまえたちセンス0、むしろマイナス!」
「根性が足りないのよ! もっとハートを鍛えなさい!」
青はゲキトンファー、黄はトンファーを繋げたロングバトンを振り回し、それぞれのこだわり(「センス」「根性」)を口にしながらのアクションは見応えがあって秀逸。
赤もまた、取り出したゲキヌンチャクを早くも滅茶苦茶使いこなし……「修行」とは何か、今後の展開に若干の不安が漂います(^^;
加えて、話の焦点はヌンチャクの筈なのに武装としてはトンファーの方が格好良く、今回はこの点も上手く噛み合いませんでした。これは好みもあるでしょうし実質的にそれぞれの個人武器という扱いになるのかもですが、今回ぐらいは同じ武器で合わせられなかったのか(逆に、商業上の都合があるならば、そもそもヌンチャクをキーアイテムにしたのが失策という事に)。
リンシーズを蹴散らすも巨大カマキリの崩した瓦礫の下敷きになるレッドだが、平然と再起してジャンの怪物的頑丈さを強調し、マスターは3人が既に巨大カマキリに対抗しうる力を得ている事を告げる。
「激獣拳の真髄は、心技体のトライアングル。おぬし等にはその真髄が、一つずつ宿っておる」
心はラン、技はレツ、そして体担当がジャン……マスターが腰にトライアングルをぶら下げているのと、かなり強引にジャンをスカウトした理由が判明し、心技体という要素をメンバー3人に象徴させるのですが、「力」ではなく「体」というのが悩ましかったのか、物凄く頑丈という、ある意味でアメコミヒーロー的なピーキーな所に着地。主人公が物理防御担当というのはなかなか珍しい気がしますが、それはマスターも、こ・い・つ・だ、と腕にグローブはめて退路を封じるわけです。
「おぬし等が揃って持っておる気持ちを、重ね合わせるのじゃ」
「揃って持っている気持ち……なに?」
「わかった! ワキワキだ! 激獣拳が、ワキワキだってこと!」
知り合って間もなく、戦いのスタイルも違う3人だが、激獣拳が好きという気持ちは一つ――を巨大化技に繋げるのは上述したようにどうも掘り下げ不足に感じ、獣拳合体と3人の一体化を重ねたかった狙いはわかるのですが、せっかくの“異分子レッド”という要素がインスタントに処理されてしまったのは勿体ない。
これを踏まえて、「宿命」でチームを縛りつつ、内部の温度差による軋轢を引っ張っていったのが後の『シンケンジャー』に繋がるのかもですが。
3人は獣のオーラを具現化・巨大化し、新たなゲキ技で獣拳合体する事で、人型の巨人を作り出す。
ゲキトウジャー、バーニングアップ!」
ロボ、ではなく巨大な闘気を纏っている、という事になるようで、かなり変則的。そしてその誕生を目にしたメレの口の中から突然飛び出してくる、テンションの高いハエ。
「メレとの闘いに敗れて以来、囚われの身のわーたくしでありますが、これより巨大戦ある限り、わーたくし山超え海超えて、ついでにメレの胃袋からも飛び出して、実況させていただく所存でありまーす!」
本当に、実況始めた。
闘気の巨人、実況ハエ、足下に水、と巨大戦はかなり新機軸を打ち出し、記念戦隊の次作という事もあってか、悪役サイドの扱いに続いて、随所に従来作からの脱皮を目指した方向性が窺えます。
……戦闘が面白かったかという、実況含めて個人的には微妙でしたが(^^;
「獣拳は、正義の拳!」
「正しき者は!」
「必ず勝つ!」
見た目は結局ロボなのですが、あくまで闘気の巨人としての柔軟性を発揮しつつ、最後はダブルラリアットで撲殺して、ゲキレンジャーWIN。
第1話のまとまりが良かったのに比べると、合体への集約が上手く行かなかったのが惜しい第2話でした。
身元不明のジャンはとりあえずスクラッチが特別開発室所属のアスリートとして預かる事になり、まだまだ一致団結には遠い3人を見守る老師達。
「あの3人で、獣拳戦隊ゲキレンジャーか。……この先大丈夫かしら」
「ふぉーっふぉっふぉっふぉ、これから見えてくるんじゃよ、あやつらの、道は」
マスターが鳴らすトライアングルの中に収まる3人、という印象的なカットで、つづく。
そしてかずえお姉さんのおまけコーナーではゲキチェンジャーには様々なアイテムが「次元圧縮」されている事が判明し……あれ? この会社、サージェス並にヤバい?