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『獣拳戦隊ゲキレンジャー』感想・第22話

◆修行その22「キュイキュイ!セレブとデート」◆ (監督:諸田敏 脚本:會川昇
注目は、食べ終えたバナナの皮をジャンの頭の上に置くゴリラ。
これが本物のパワハラってやつですよ。
強い者がどうして弱い者をイジメるんですか?!
諸田監督のブレーキ弱めの傾向が悪い方向に転がる一方、臨獣殿では頭に包帯巻いた理央様がいい感じに屈辱にまみれていた。
「負けた……この俺が! 激獣拳の若造に!」
敗北のフラッシュバックから感情を剥き出しにするのは、以前にジャンが理央に負けて恐怖を知った事との重ね合わせと思われますが、そんな理央に囁く腕輪の声。
「小僧……おまえの怒りが、儂の魂に触れた」
最後の拳魔――大地の拳魔の骸は臨獣殿の地下に封じられていたが、タカとクラゲはその復活に乗り気で無い様子を見せる。
「スーパーゲキレッドに勝つ為なら、臨獣殿などくれてやる!」
雪辱に燃える理央は聞く耳持たずに真毒を骸に打ち込むが、大地の拳魔は復活しない。何故ならば、大地の拳魔復活を入念に阻止するべく、その心臓といえる生き肝を激獣拳が奪い取っていたからであった。……ところが、生き肝の保管を任されていたサメがそれを紛失しており、とある富豪の家に先祖が海で拾った宝石として代々伝わっていた事が判明。
かくして、
オーシャンズ・アイは危険な力を秘めたプレシャスなのでサージェスが管理すべきものであり、つまり我々に返して貰う。アタック!」
じゃなかった……現在の宝石所有者である南北アリスに接触するトライアングルであったが、「あげてもいいけど代わりになんか私を喜ぶものをくれ」と交換条件を出されて一斉に「「「え?」」」と返し、純粋な善意はむしろ私利私欲よりタチが悪いのかもしれません!
とりあえず一番手としてレツが自信満々にアリスの絵を描き始め、いや貴方、自分の描いた絵が宝石と同等以上の価値があるって、どれだけナルシストなの……?
「深見レツ、幻の天才画家。その深見画伯が? 肖像画を描いてくれるから、有り難がれってわけ? 私が芸術なんてわかんない馬鹿な子だと思ってる。その気持ちが絵に出てるよ」
ぐうの音もでない!
続いて、お腹が空いたというアリスをスクラッチ近所のラーメン屋に連れて行くラン、いや貴方、それで先祖伝来の宝石を貰う気なの……?
「お嬢様はこういう粗末な店には来ないと思ったでしょー? そういう決めつけつまんない! あんたも駄目ね!」
ぐうの音も出ない!
アリスが感じの悪い我が儘お嬢様、と見せて、少々ひねくれてはいるけれど上辺に囚われない視点の持ち主である、という造形はスパイスが利いて面白い(&悪印象に繋がらなくて良い)のですが、そのお嬢様がジャンを気に入った理由が、「お金に興味ない」「アリスの事を知ってても態度を変えない」という、ステレオタイプ一直線の為、5分の間に人格が蛇行運転して行き先不明に。
そして、ゲストキャラの印象を良くした結果、トライアングル(ラン&レツ)の印象が悪くなる、というのが、凄く『ゲキレンジャー』です。
アリスにスーツをコーディネートされるジャンだが、半裸になると木の上に登り、自分の大切なもの――キュイキュイ――を披露。大切なものを持っていないというアリスに、野生児の純粋さで拾ったキラキラの石を渡して打ち解けるのだが、生き肝の石を欲しがった事から結局宝石目当てなのだと機嫌を損ね、平手打ちされてしまう。更にそこにやたらよく喋る豚拳士(CV:広川太一郎)とメレが現れ、襲われるアリス。
「生き肝、見つけ見つけ、赤坂見附?」
広川さんは最晩年の頃では、と思って確認したら、亡くなる前年の出演でした。
「過激気は出さないの? さっさとスーパーレッドになったらどう?」
メレ様はゲキレッドの攻撃を格好良く捌いて挑発し、おそらく、スーパーゲキレッドを倒す事で、あんなの大した事ないですよ理央様! この間は調子が悪かっただけですよ! と励ましたいのかなと思われるのですが、メレ様それ多分、実現したらショックを受けた理央様が出家しちゃうパターン!
だがレッドはスーパー化する事ができず、メレ様は生き肝を奪い、豚はアリスをさらい、ジャンはどちらを優先するかの選択を迫られる事に……
「ポークは、じゃなくて僕は、悲鳴だけじゃおなかいっぱいになんないわけよ。燻製かなそれともやっぱり、ローストかな。かなかな、ひらがなかな?」
残虐さを剥き出しにする豚はアリスを天井から吊り下げて火であぶり、あわやカーニバルなその時、倉庫へ駆けつけるゲキレッド。
「もうすぐあの子は、丸焼け小焼け。夕焼け照り焼きてーりてり、って、おまえは何の料理に、してやろうかなー?」
調子よくまくし立てる豚に苦戦するレッドだが、落下するアリスを助けようとした所で過激気が発現し、過激気ジェットにより救出に成功。前回から「過激気にアンブレイカブル・ボディ」の決め台詞を少し落ち着いた声音で喋っているジャン、アリス救出のお姫様だっこから「生き肝よりアリスがキュイキュイ」と無自覚ナンパモードを発動する姿に、役者さんがちょっと嬉しそうに見えます(笑)
そこに役立たず達&ゴリラが駆けつけ、劇中始めて、獣人に驚く人が!
「己の為ではなく、大切なものを守りたいと強く欲した時、その正しい心にスーパーゲキクローは、応える」
この気持ちの強弱、無意識の衝動から、より自覚的で強い想いへ、というのが激気から過激気へ、という理屈なのかもですが、第1話で見せた「本質」を、「修行」と「仲間」によって錬磨していく事でより高みへ登っていく、という構造の説得力がどうにも弱く、むしろ第1話で見せた荒削りの本質の方がヒーロー性が高く物語として劇的だったというのが、大変困ったところ。
スーパー化のキーを再確認する中で、會川さん好みの「ヒーローとは何か?」というテーマと上手く接続してくれるかなと思っていたら、実にあっさりスーパー化してしまったのも大変拍子抜けでした。
そして今回も青と黄はジャンのついででスーパー化してしまい、せめて今作の積み重ねを生かそうとするならば、トライアングル一人ずつが自分の問題を乗り越えてスーパー化しなくてはいけなかったのではないか、と、前回の復習をした結果、前回の問題点がそのまま噴出する、という衝突事故。
黒獅子を圧倒したスーパーゲキレンジャーに豚が勝てるわけがなく、ゲキバズーカによる豚の角煮改め豚の丸焼きによりてーりてり。もはやお役御免とばかり思われたゲキバズーカに出番があったのは良かったです(笑)
巨大化した豚に対しては、脂肪の壁を破る為にシャークで獣拳武装し、ゲキトージャとゲキファイヤーで武装が共有できる、というのは面白いアイデア。……まあ結局、ぐるぐる腕を振り回すだけなんですが(^^; 玩具ギミック連動?のロボアクションとしてはともかく、トライアングルのアクションが大変間抜け。
「ジャン、私のキュイキュイ見つけたよ、ありがとう」
豚は輪切りとなって死亡し、ジャンに貰った石を拾い直して微笑むアリスだが……生き肝は理央の手に渡ってしまい、今、大地の拳魔が復活する!
「儂は大地の拳魔――臨獣ベアー拳のマク!」
仁王像のごとき風貌のクマはいきなりメレを殴り飛ばし、癇癪を爆発。
「気に入らん。何もかも、気に入らん!」
その震脚は臨獣殿どころかスクラッチまでをも揺るがし、アリスを助けた自分の選択を謝罪するジャンだが……
「ジャン、君は正しい道を、選んだ」
「ゴリラ……」
サメ師匠、床を転がっている内に、初めての弟子へかけたい良い言葉を、まるごとゴリラに持って行かれる(涙)
拳聖サイドのコメディリリーフとしても扱いの悪さの目立つサメですが、いつか、物凄い見せ場があるのでしょうか……? 臨獣殿では現在、管理職ポストを募集しています!
サメ師匠の転職活動はさておき、過激気に到達したゲキレンジャーは、トライアングルの先へ進むべき時(やはり予定調和なのでは……)と宣言する猫師匠。
ゲキレンジャーに、新たな戦士を加える時ですね」
真咲の衝撃発言に、凄い表情で3人が振り返るのと同じ頃、崩れた洞穴の中から、新たな半裸が現れていた。
「ここは、どこだ……? …………俺は。…………参ったぜ」
謎めいたその男は、いったい何者?! で、つづく。
次回――お母さんは昔、やんちゃしていたのです。