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『仮面ライダービルド』感想・第39話

◆第39話「ジーニアスは止まらない」◆ (監督:山口恭平 脚本:武藤将吾
マッドローグに切り刻まれて変身解除に追い込まれたヒゲの命が風前の灯火のその時、これが、みーたんファンクラブ友情のカバーリングだーーーーーー!!
「心配して来てみりゃこれかよ。ずらかるぞ」
西都陣営との共闘を拒否するも、心友の絆で助けに来たグリスがローグの銃を使って瞬間退場し、銃に付随したスキルだったようです。
万丈は断片的にエボルの記憶を思い出し、内海は一生懸命演出で盛り上げようとされ、打倒エボルの為にパンドラブロックの研究に没頭する葛城は、全てのフルボトルの力を凝縮したジーニアスボトルを完成させる。
エボル、そしてエボルの分身といえる万丈も一緒に抹殺する、と譲らない葛城に対して、「もっと仲間を信頼したら」と戦兎の事を引き合いに出す美空……て、えー……そもそも、美空、葛城の事を仲間だと思っているの?
「仲間なんて信じたところで、馬鹿を見るだけ。僕が信じているのは、科学だけだ」
万丈に対する処刑宣言も大概とはいえ、葛城巧からすれば一方的に「桐生戦兎」を投影されても困るわけですが、擦り合わせ全く無しで進んでいく為、誰も彼もが至近距離から砲丸を投げつけている感じに。
そして階上では、葛城への愛に敗れて脳天に砲丸の直撃を受けたラブ・ウォリアーが錯乱していた。
「俺が行かなければ。俺は内海の思いを踏みにじった! おまえと同じように!」
内海が「ふははははははは!!」とか笑い出したのはファウスト解体ショーでスケープゴートとして射殺しようとしたからだ、と自責の念を叫ぶヒゲですが、そもそも内海、ヒゲの部下時代から難波会長と繋がっており、命令系統の上位は間違いなく難波会長で、影武者作戦の時も難波(&スターク)に内海を始末する気は全く無かったと思うので(なにしろ、スクラッシュドライバーを開発できる頭脳と技術の持ち主)ヒゲの自己陶酔にも程があります。
難波−内海ラインの下で働いていたヒゲが背後のからくりを理解できていないというのはさすがに無理があるわけですが千歩譲って、父の死に続いて葛城ショックも重なり精神的に不安定なヒゲがヒゲなりの責任感もあってそう思い込んでいるというのはまあ成り立つのですが、どういうわけか内海自身も一人語りでそこが転機だったと美しい思い出回想を始めてしまう為、物語が錯乱状態。
本当の友情は、足下にあったの?!
そして内海を歪ませ、葛城の研究を利用し、全ては戦争を望んだ自分の責任だ、とヒゲが戦争責任を訴え出し、一度持ち込んでしまったテーマに最後までこだわろうという姿勢は悪くはないのですが……正直、くどい。今作のこの、似たようなテーゼを複数のキャラクターを通してグルグル繰り返す、というのはここまで来ると意図的にやってはいるのでしょうが、それが面白いのかというと、面白さに繋がっているようには感じません。
事ここにいたって、エボルにはまだ思惑があるようだ……とはしつつも、西都の軍勢が東都を侵略しようと攻め込んでくる、という状況を繰り返すしかないのも、完全に自家中毒に陥っている感。
東都を守ろうとするクローズとグリスはマッドローグに叩きのめされるが、そこに現れて変身する、葛城戦兎。
仮面ライダー――ビルド。創る、形成する、って意味の、ビルドだ。以後、お見知りおきを」
ボトルを自分にフィットするように調整した事でラビラビを使いこなし、ノリノリの葛城戦兎ですが……ふぅむ成る程、これまで今作に期待していたような、桐生戦兎が「過去の自分」=葛城巧を乗り越えて真・桐生戦兎になるのではなく、葛城巧が「桐生戦兎」という仮初めの人格で得た蓄積の影響を受け、ファウストの一員として犯してきた罪業を飲み込んだ上で新・葛城巧になるというのなら、ちょっと面白いかも。
葛城と内海の科学問答は今作いつものやつ、という感じですが、地球滅亡レベルの敵が出てきているのに「科学でこの国を統一! 凄い!」とか言っている内海は本当に大丈夫でしょうか。
ビルドは最強のパワーアップアイテム、ジーニアスボトルを発動しようとするが、失敗。
「理論上では、変身可能な筈なのに……!」
倒れたビルドにマッドのトドメが迫った時、割って入ったのはクローズ。
「気持ちが足りねぇんだよ!! 誰かの力になりたい……誰かを守りたい……! それが……あいつの戦う理由だ。おまえには、そんな気持ち……これっぽっちも、ねぇだろ!!」
今作ここまで、パワーアップアイテムをぞんざいに開発するとそれで強くなってしまう、というのが作劇上の一つの難点になっていたのですが、ここで、力(アイテム)だけでは駄目で、そこに心がともなわなければならない、と力と心の融合を、机上の理論を超える為に必要なもの、としてきたのは今作の特性が出て良かったです。
「桐生戦兎はな……正義のヒーローなんだよ!!」
そして葛城巧に、数多の罪を背負いながらその力でエボルトを倒すというのなら、ヒーローの象徴としての「桐生戦兎」になれ、というのは、桐生戦兎が消失した世界だからこそより強い意味を持ち、格好良かったのですが……ですが…………桐生戦兎がヒーローの象徴になりうるのか?というと傾げた首が戻らないのが、積み重ねとして大変惜しい……。
「勘違いも甚だしい……。なにがヒーローだ。ライダーシステムは戦争の道具に過ぎない。見てみろ! 誰がおまえを助けてくれる? 誰もいない。ヒーローなんて居ないんだよ!」
マッドの反撃を受けたクローズは倒れ伏し、激しく苦しむ万丈の姿を見つめる葛城の脳に甦る、桐生戦兎としての記憶……そして数式の海の中で、向かい合う2人。
(君は信じられるのか、仲間を)
戦兎は葛城の問いに、ただ無言で微笑む。
(…………なら……見せてくれ。君が創る未来を)
戦兎に歩み寄った葛城が手を触れ合わせると、葛城の姿は光となって戦兎の中に消えて行き、動き出す歯車…………
「何やってんだよ万丈。やっぱりサブキャラには荷が重かったみたいだな」
「…………戦兎?」
「自意識過剰な正義のヒーローの、復活だ!」
「記憶が戻ったのか」
「おせぇんだよ!」
これまで死闘を共にしてきた仲間として仕方ないといえば仕方ないのですが、君たち本当に、葛城巧の事どうでもいいよね…………美空さん美空さん、やはり誰も、葛城巧の事は仲間だと思っていなかったようです。
「さあ、実験を始めようか」
桐生戦兎リターンズは葛城巧の遺産といえるジーニアスボトルを発動し、白を基調に色とりどりのボトルが全身に突き刺さった、控えめに表現して気持ち悪い、ジーニアスフォームにビルドアップ。目の所がボトルで表現されているのが完全に敵側のデザインだよ?! で、つづく。
上述したように途中、「新・葛城巧になる」事で、「ヒーローになる」という事を根幹から組み立て直すという奇跡の逆転ホームランの可能性に夢を見たのですが、まあそんなわけはなく、よくわからないけど「自意識過剰な正義のヒーロー」を名乗る男の復活で6−4−3のダブルプレー
好きな方向のテーマというのも含め、ヒーローであらんとし続けた戦兎人格に背中を押される事で、罪の意識を背負い続けてきた葛城巧が真のヒーローに変身する、という形だったら、がらっと見る目が変わったのですけれども。
葛城巧人格の扱いは次回以降を見ないとわからないですが、今回の描写の限りでは「消滅」に思え、もっというとこれ「自殺」に見えるのですが、そうすると都合がいいのは「ファウストで行った人体実験の成果によりライダーシステムは完成した」という罪の問題を葛城巧ごと精算してしまえる事で、そこにしっかりと向き合ってくれるのかどうかは、気になるところです(予告で戦兎が、葛城の実家を訪れている?ようなシーンがありましたし)。
まあ葛城人格、しれっと時々顔を出してもいいですが、というか、むしろその方が戦兎人格にセルフツッコミが入って面白くなりそうというか。
そして、葛城人格が消滅して戦兎人格が復活した事に大喜びの万丈達を見て、次回、ヒゲが、「俺にエボルドライバーを渡せぇぇぇぇぇ!!」と内海に掴みかかり、エボルローグに覚醒しないか、大変心配です。