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『仮面ライダービルド』感想・第48話

◆第48話「ラブ&ピースの世界へ」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:武藤将吾
今週も、大変キラキラでした!
猿渡を失い怒りに燃える3ライダーを蹴散らしたエボルトは、ロストボトルを拾って黒いパンドラパネルを完成させると、それを体内に取り込んで再び怪人キングコブラ男へと変貌。
その力により月をぺろりといただくと、超巨大ブラックホールを発生させ、地球に迫る滅亡の危機!
パンドラタワー完成時(別の用事が出来てスルー)、前回の黒いパンドラパネル完成時、に続いて都合3回目ともなると、地球滅亡の危機もちっとも盛り上がらず、守ろう用法・用量!
「あいつが言ってくれたんだ」
この期に及んで火星のプリンセスパワーに頼ろうとした美空(万丈に注入後、どうなったのかと思われましたが、宣伝映像によると劇場版で登場している模様)をかばったローグは単身エボルに立ち向かい、倒れたら死ぬ仲間だった猿渡が、バーベキューの後片付けにおいて政界への復帰を応援してくれていた事が判明。
「少なくとも……俺はもう許してる」
これ何度も書いていますが、結局今作中盤以降において、正面から他者にケジメをつけてくれるのが猿渡だけであったというのは、本当に痛恨で、万丈が戦兎を甘やかしてきたツケが、積もり積もって物語の致命的な歪みになってしまったと思います。
戦兎に必要だったのは、気軽に他人を「バカ」呼ばわりした時に、「簡単にバカって言うんじゃねぇよ」とどついてくれる相棒だったのではないか。
そんなわけで猿渡の存在を死んで終わりにしなかったのはまあ良かった一方、一応前回「僕が居ないと駄目駄目ですね」みたいな感じでローグと共闘し、形の上ではヒゲと紗羽をカバーリングして散った(なお、建前として守ったロストボトルは、今回ビルドがあっさり落っことして奪われました!)内海は、一切顧みられず、内海は何のために土壇場で裏切ったのか、何のためにサイボーグだった事にされたのか。
「聞こえるぞ。……みんなの声が……祈りが……」
「親父……やっとわかったよ。国を作るのは力を持つ者じゃない。力を託せる者だって」
「親父……少しは近付けたかな」
その後、仮面ライダーへ向けられた市民の願いを背に奮闘した末、渾身のクロコダイルキックを放って力尽きたヒゲは消滅。もはや誰も彼も殺してしまう事で決着をつけるという作劇そのものへの不満は山ほどあった上で、ヒゲ単独の死に様としては悪くはなかったのですが、

・申し訳ないが見る度に反射的に笑ってしまうキラキラ
・話の都合により、ずっと並んでへたばっている戦兎と万丈
・大した交友は無かったけど、ひたすら泣き叫ぶ美空と紗羽

と、萎える要素てんこ盛りで何もかも切り刻まれて台無しとなり、底なし沼の水深がどこまでも深くなっていく『ビルド』仕様。
「おまえは、何もわかってない。……ライダーシステムは、怒りや憎しみじゃ強くなれない。…………みんなの想い一つ一つが、俺たちの糧となり、力となる!」
ローグの壮絶な最期を胸に、仮面ライダーの勝利を願う市民の声を背に受けて変身する戦兎と万丈は、宣伝映像を見る限り劇場版が前振りになっているのかなと思われますが、TV本編に限った話としては、そもそも『ビルド』において、仮面ライダー(ヒーロー)と大衆」の関係性を重視して描いてきた記憶が無いので、ど真ん中の絶好球を強振して見事にキャッチャーフライ。
戦争の被害に遭う市民、は多少は描かれましたが、その後はライダーバトル決着時のリアクションぐらいで、仮面ライダーが国家反逆罪で手配されても別にそれに対する反応が描かれるわけでないですし、今作における「一般市民目線の不在」がまたもリバーブローに。
……逆にその、「市民目線の不在」「市民との繋がりの無さ」を受けた上でなお、一方的な大衆の声に応えてラブ&ピースの為に戦うのがヒーロー、というのが今作の示すヒーロー像であるのかもしれませんが、『ビルド』なりの筋が通るのか通らないのかは、最終回の着地を待ちたいと思います。
どちらにせよ、現時点では、『ビルド』の物語的焦点ってそこだっけ……?(どちらかというと、科学と人間の関係とかなのでは……?)という疑問が先に立って盛り上がれませんでした。
「これが人間の力だ! ……これが仮面ライダーの力だ! エボルトぉぉぉぉぉ!!」
ローグ決死の必殺技によるエボルトリガーの故障で、動けなくなったエボルトに大の字天才キックが直撃し、ブラックホール一発でライダーを倒せるのに、1クール近くだらだら引っ張った挙げ句、体の真っ正面に弱点を主張していたのが敗因、というエボルトは大変残念な負けっぷり(まあ次回が真の決着になるようですが)。
あらゆる面で、出涸らしのお茶みたいな展開。
あと「人間の心」が薄い戦兎が「人間の力だ!」と叫ぶ事に凄く違和感はあるのですが、「みんなの想いを受ける理想の鋳型」がビルド=戦兎であり、桐生戦兎はあくまでヒーローの器にしか過ぎない、と見れば納得できない事もないか。
キングコブラ男の体から引きずり出した黒いパンドラパネルに白いパンドラパネルを合体させると、エボルが発生させたブラックホールの向こうからもう一つの地球が姿を現し、ビルドからボトルを奪ったクローズがエボルトもろとも特異点に突入して降り注ぐ光……で、つづく。
……というかホントに、パラレルワールドの融合で新世界が誕生しました! でオトすの?! なんというか、作った物の責任は一切合切取らないという点では物凄く『ビルド』らしくはありますけど!