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『星獣戦隊ギンガマン』感想・第35−36話

◆第三十五章「ゴウキの選択」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子
樽爺、捨てられた……(笑)
これといって強調されないが、ざっくり酷い導入で、『超光戦士シャンゼリオン』(1996年)で監督デビューした諸田さんは、これが戦隊監督デビュー。
バットバスがイリエス結晶によってダイタニクスの腐敗を止める姿も描かれてイリエス魔人族が冷酷に使い切られ、更にイリエスの魔力は、ダイタニクスの心臓に鼓動を甦らせる。
「折角動き出した心臓だ。ダイタニクス復活は、何を犠牲にしてもやりとげるんだ」
「任せてくれ、船長。これからの復活作戦は、全部心臓への一点集中だ」
バットバスが声をかけるとハンマー魔人が率いる大量の船員がブリッジに集合。
「俺たちは?」
「「「バットバス・魔人部隊!」」」
「目障りなのは?」
「「「ギンガマン!」」」
「つえぇのは?」
「「「俺たちだー!」」」
「よーし野郎ども、ビズネラから作戦を説明させる」
魔人の号令に船員の集団が足並み揃えて声をあげ、更に参謀によるブリーフィングまで入ってガラリと雰囲気が変わり、行動隊長の交代にともなう諸要素の色分けは、今作においてかなり巧く行っている部分の一つ。
バットバスの副官としてすっかり立ち直ったように見えるビズネラは、作戦の狙いはダイタニクスの心臓の動きを補助するポンプの強化にあると語り、その指示により、魔人部隊は大量のガラスを集めに街へと出撃する。
その頃、戦闘の負傷が激しいタウラスの為にヒュウガは乗馬倶楽部を離れ、ゴウキは鈴子先生へ告白しようと頭をひねっていた。
「よし、慰める会、準備しとくか」
花を手に学校へ向かうゴウキだが、そこで豪華な花束を抱えた告白のライバル・岸本(演じるは猿顔の一般市民こと岸祐二)と出会い、どちらが先に花を渡すか、をピアノのメロディに合わせてコミカルに演出した末、もつれ合った2人は教室へ派手にダイブしてまとめて怒られる事に。
恋のライバルとして牽制し合うゴウキと岸本は、鈴子と共に割れた花瓶を買いに街に出るが、そこで、大量のガラスを集める為にビルを丸ごと破砕しようとするハンマー魔人部隊と遭遇。
ダイタニクス復活の為に「ある物」を集める、という状況設定はサンバッシュ編と重なっているのですが、ビルそのものを破壊する事で砕けた窓ガラスなどを一気に集める、という目的と手段の底抜けのギャップで恐怖を与えてくるという見せ方に工夫が見えて秀逸。
ギンガブルーが魔人部隊に立ち向かう中、銀河戦士達との度重なる接触で内なるアースに目覚めたのか、襲われている市民を助ける為にカートアタックを仕掛ける鈴子だが、銃撃を受けて負傷してしまう……というシビアさが凄く『ギンガマン』。仲間達が駆けつけ、ガラス回収に使うポンプが破壊された事で、魔人部隊は撤退。だが鈴子は足を怪我して入院し、見舞いに行ったゴウキは岸本から厳しい言葉をぶつけられる。
「ハッキリ言う。鈴子先生には、もう近づくな!」
「え?」
「先生が無茶したのは、絶対おまえの影響だ。戦いにも巻き込まれるし、それなのにおまえは、先生を守れないんだからな」
「そんな、俺は先生を」
「守れない。だいたい先生が怪我をした時、おまえは何をしていた? 戦ってただろ。当然だ。戦士なんだからな。でも、鈴子先生の事は、守れなかった」
戦いの中で生じる公と私の選択を突きつけられ、言葉に詰まるゴウキだが、タイミング悪くハンマー魔人部隊が再び出現したとの報が入る。
「行けよ。街は任せた。……鈴子は、俺に任せろ。すきなおんなのそばにいてまもってやれないおとこなんて、鈴子には、必要ない」
恋敵を蹴落とそうとかさに掛かるも、声が裏返り気味の岸本は悪人になりきれないのですが、脚本段階からこうだったのか岸祐二氏のキャスティングでこうなったのかは、少々気になるところです。
「…………そうですよね」
「え?」
「馬鹿だな、俺。そんな事に、気付かなかったなんて」
星を守る戦士として、公の大義を取る苦渋の選択をしたゴウキは、自作のお守りを岸本に託して戦場へと走り、これ幸いと一度はお守りを捨てるも、そのまま無かった事にできずにお守りを拾ってしまう岸本。この辺りは、設定した、教師、という職業への配慮もあったでしょうか(子供が日常的に関わる大人なので)。
(戦士だ、俺は……戦士なんだ! 戦士なんだ!)
天堂竜教団の教えを胸にひた走るゴウキはハンマー魔人軍団に立ち向かい、病院では岸本からゴウキのお守りを受け取った鈴子が、松葉杖を突きながらも病室の外へ。
「戦うんだ……俺は、戦士だ!」
星獣剣すら弾き返す鋼鉄ボディを誇るハンマー魔人の攻撃に倒れながら、必死に立ち上がろうとするブルーだが、その戦いの場に鈴子が姿を見せる。
「危険です! 戻って下さい!」
「戻りません!」
そのタイミングで、思い切り鈴子の足下に海賊兵を蹴り飛ばしてしまうギンガグリーン……ハヤテ……婚約者持ちなのに恋愛相談で全く役に立たない事に定評があるハヤテ……。
鈴子に迫る海賊兵の刃だがしかし、渾身の力で振り下ろした松葉杖がクリティカルヒット(笑)
伊達に! 勇太くんの担任教師ではありません!
「誰が守ってほしいって言いました?! 私、自分の事は自分で守ります。だから、大丈夫です」
市民に対する脅威である事が明確に描かれ続ける海賊兵を、鈴子先生がノックダウンしてしまうのは若干やりすぎた部分もあるのですが、鈴子先生が守られるべきヒロインという記号ではなく、独立した一人格である事を力強く宣言する姿と重ねる事で劇的な説得力を与えるのに成功しており、強烈なカウンターパンチが鮮やかに炸裂しました。
「……鈴子先生!」
その笑顔に百人力を得たギンガブルーはハンマーを受け止め、アイアンクローから投げ飛ばす愛のパワーを発揮。
「バルバン! これ以上はさせない!」
からフル名乗りでギンガの閃光から更にギンガブルーの追撃2発で撃破すると、ハンマー魔人は「やろー、作戦変更!」で巨大化。今日もざっくり苦戦したギンガイオーの要請により「接近戦を得意とする」ギガライノスが出撃するとパンチの連打で吹き飛ばし、弱ったところに必殺剣を放って勝利を収めるのであった。
戦い終わり、いよいよ告白のチャンスが来るも緊張のあまり言葉にならないゴウキに対し……
「ゴウキさん……私、私だけを守ってくれるより、星を守って、戦っているゴウキさんが……好きなんです」
未だライクかラブかはわからないものの、鈴子先生が好意を示して歓喜のゴウキは気絶、でエンド。
次回――(深刻なBGM)
突如、ハヤテと晴彦の手が繋がったままに。それは、ギンガマン最大のピンチか、それとも――
「お任せ下さい」(メインテーマBGM)
今、街の危機に、晴彦が立ち上がる! 走れ! 跳べ! 駆け抜けろ!
格好いい予告の多いギンガマンですが、番組史上最高かも(笑)


◆第三十六章「無敵の晴彦」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子
今回も魔人に合わせて大量の船員登場からブリーフィングが描かれ、砲弾魔人部隊が、ビズネラの用意した宇宙鉱石を蒸し焼きにする為に、街一つを火の海にする作戦の為に出撃する。
「作戦失敗したヤツは?」
「「「てめぇで頭を食いちぎれ!」」」
効果的に街を焼き払う為に、30箇所に爆弾を設置して一斉に起動する、というこれまでのバルバンとはひと味違う綿密な作戦を遂行する魔人部隊だが、設置時のミスで誤爆が発生。これをキャッチしてギンガマンに知らせるモークだが、この時、銀河戦士達は一つのトラブルに見舞われていた……乗馬倶楽部の補修作業中の事故により、ハヤテの右手と晴彦の左手が、モーク特製接着剤でピッタリとくっついてしまっていたのだ!
「晴彦さんすいません、付き合ってもらいます」
状況は喜劇だが、戦いとなればあくまで真剣な表情を見せるハヤテだが……
「感激だなぁ……私、前から一度、戦いのお役に立ちたいと思ってたんですよ。こんな形で、果たせる日が来るなんて」
やたら前のめりで、無駄にジャンプしたりする晴彦に振り回される事に。
「ほんっとに気持ちだけで……」
一方、他にも爆弾が仕掛けられているのでは、と街を調べ回っていたリョウマ達だが、砲弾魔人の仕掛けていたトラップにより、見つけた爆弾に触った途端に指が張り付いてしまい、全員行動不能に。
「前から、やってみたかったんですよ、これ」
爆弾を運ぶ海賊兵のトラックに行き会ったハヤテと晴彦が、走行中のトラックの屋根にダイブしたり、そこで戦闘を繰り広げたりと、ドタバタコメディの勢いで無茶をしている頃……
「いつ爆発しちゃうんだろ……」
間抜けな体勢の残り4名は、割とかつてない生命の危機にあった。
アジトに突入して起爆装置の解除と破壊に成功するハヤテと晴彦だが、ハヤテが溶鉱炉に落下寸前のピンチとなり、そんなタイミングで効力を失う接着剤。だが晴彦は我が身を省みずにハヤテの手を握り続け、山から駆けつけた黒騎士ヒュウガの登場により窮地を脱する。
「少しはお役に立ちましたか、私」
「……ええ、とても」
「良かった」
立ち上がったハヤテは、敢えて再び晴彦の手を握ると、合流したギンガマンを苦しめる砲丸魔人に対し、背後の高い所から姿を見せ、飛び降りから2人で決めポーズ。そのまま一緒に突撃すると、まさかのコンビネーションアタック(1人が手を広げて踏み台となってもう1人が高々とジャンプするのと、空中で横になった1人の足の裏を押して加速をつける定番のやつ)を放ち、あまりの事に直撃を受けてしまう砲弾魔人(笑)
新バージョンの一人ギンガの閃光で魔人を打ち砕き、巨大化した魔人の砲撃に苦戦するが、「抜群の跳躍力を誇る」フェニックスの応援によりギンガマンは勝利を収めるのであった。
以前に父子愛エピソードがあったので、もうフィーチャーはないのではなと思っていた晴彦さん、まさかのメイン回でしたが、“ならでは”という要素が薄いまま肉体的に活躍してしまった為、出来は微妙。
もう少し、妻子と暮らす街への愛情が挿入されたり、絵本作家の閃きがピンチを切り抜けたり、途中にあった近道のような街への知識がハヤテを助けたり、などあれば良かったのですが、そういった晴彦さんの特徴が活かされないまま、年甲斐もない戦士への憧れという「生兵法」の部分がドタバタコメディの勢いであまりにも肯定的に描かれてしまったのは面白く受け止められませんでした。
晴彦さんの純粋さと献身が勝利に繋がる、というのを夢見がちな父親像の肯定として描く意図だったのかもしれませんが、プロフェッショナル戦隊である今作の一線は踏み外してしまった印象で、言ってしまえば小林さんの脚本を、諸田監督が『シャンゼリオン』(井上敏樹の筆によるすれ違いコメディやバディ形式を活かしたスラップスティックコメディが十八番)に変換して撮ってしまったようなエピソード。
前回−今回は、ギンガマンと関わりの深い周辺人物2人の姿を通して、ただヒーローに“守られる”だけではなく、“戦う”意志を持つ事は誰にでも出来る、と描いた一対のエピソードといえるのですが、鈴子先生がここぞのピンポイントだったのに対し、晴彦さんは終始戦闘状況というのはやり過ぎだったと思いますし、2話連続かつ同じ監督の為に、演出側でアプローチを変える事を迫られた、というのが悪い方向に転がった感。
……あと東映戦隊のノリで言うと、晴彦役の高杢さんが本当に「前から、やってみたかった」可能性もありそうでしょうか(^^;
(※本来はハヤテと手を繋ぐのはヒカルの予定で脚本も完成していたが、ヒカル役が手を負傷した為に、急遽、相手役が晴彦さんになったとの事)
次回――ギガシリーズのあおりで部屋の隅に追いやられつつあるゴウタウラスと黒騎士に迫る影! かつてない強敵がギンガマンを襲う! 縛られるの何度目だヒュウガ! そして……!