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いろいろ

合併問題とか何やかやに対する色々です。一応、言いたい事は書いておかないと健康に悪いのでやっぱり。要素がたくさんありすぎて、自分でもまとめきれる自信が無いのであちこちに話が飛ぶかもしれませんが(^^;
ええっとまず、この記事、というよりも、この記事が一旦公開された後に削除されたという事実は残しておくべきだと思うので、原辰徳公式サイト『HARA Spirit』より、7月8日付け「プロ野球界を思って」全文。


現在、プロ野球界は、激震しています。プロ野球ファンなら誰でも知っているでしょうが、近鉄オリックスの合併問題から始まり、「1リーグ制」への移行についてです。今の私はユニホームを脱ぎ、現場から離れていますので、一人の野球人として、自分を育ててくれたプロ野球界の行く末が心配でなりません。私個人の考えを話してみたいと思います。
私も皆さんと同じように、マスコミで報道した事実しか知りません。これまでの経緯をまとめると、球団経営に困ったパ・リーグの球団が合併し、5球団でのペナントレースを争うのは厳しいということで、1リーグに移行するという流れになっています。どんなことでも、何か大きなことを改革しようとすれば、大きな非難やリスクが生じるのは当たり前です。改革する側、改革される側は、双方とも犠牲を払い、血を流さなくてはなりません。しかし、大事なのは、その改革が「未来のプロ野球界のためになること」かどうかです。目先の利益に飛びつくための改革でないことが大前提であり、その一方で 「未来の野球界のため」になるのであれば、多少の犠牲は目をつむらなくてはならない、ということです。
そのことを大前提に話します。はっきり言って、球団数の削減という流れに 賛成するプロ野球人はいないでしょう。私もそのうちの一人です。単純に言えば、プロ野球選手になろうと夢を見ている子供達の受け皿が少なくなるからです。選手のプロテクト枠を増やすとか、3軍を増やすなどしても、スポットライトの当たる1軍のグラウンドで戦える選手は少なくなるのです。それでも「そんなことは当然、分かっている。でも、どうしようもないんだ」という説明をして「球団数を減らし、1リーグにすることは未来のプロ野球界にとって、こんなにメリットがあるんだよ」という説明があればいいのです。これまでの説明では、プロ野球人気の原動力になっている選手やファンに対し、あまりにも不十分だと感じます。
いきなり、経営できなくなった球団があるから1リーグへ移行するというのは、あまりにも乱暴な気がします。大企業の経営者でもない私が言うのも生意気ですが、なぜ経営できなくなったかを考え、議論する必要があります。セ・リーグパ・リーグの交流試合をやってパ・リーグの球団を助けるとか、ドラフトやFAで選手を獲得する際にもっとお金のかからない制度を考えるとか、球団を買うときに発生する30億円の加盟料を撤廃し、プロ野球球団を持つにふさわしい企業が参入しやすくする方法を考える方が先決だと思います。
近鉄を買いたいと言ってきた企業の話も聞かずに門前払いしたり、意見を言った選手を一括したり、現状の流れでは、経営者側の論理だけで話を進めている感を拭えません。改革のためにある程度の「犠牲者を出す」、「血を流す」のは仕方がないとはいえ、もう少し納得できる説明と、未来への指針を明確に打ち出すべきではないでしょうか。単純に経営が苦しくなったから合併して1リーグにするという考えならば、改革をしてもその場限りのものになり、また同じように球団経営に困る球団が出てくるでしょう。もう止められない改革なら、コミッショナーが言っているように「小異を捨て、大同につく」という言葉を肝に命じ、より良いプロ野球界のための改革になることを願います。
基本的には、当たり前の事を原らしく理屈に沿って書いているだけなのですが、こういう文章を書ける人が貴重なのは確か。たぶん原はもっと凄い事を書きたかったのだけど立場上ギリギリ許されそうな範囲までトーンを下げて書いたのかな、とは思うのですが許されなかった模様。……いやまあ、ONに比べれば普通に見えるというだけで原は原なりにとんでいるので、素で書いたという可能性もまあ有りますが。
まあとにかく、原ファンとして、彼が彼のファンを裏切らなかったという事は喜びたいです。



さてとりあえずもう一度、「プロ野球とは何か?」「2リーグ制とは何か?」という事を考えないといけないのだろうな、と思って、その辺りを詳しく書いてある所は無いか探したのですがほとんど見つからず。
唯一見つかったのが、こちら。
プロ野球の歴史を語る
www.geocities.co.jp/Athlete/4950/ (※リンクフリーで無いらしいので、こういう形で)
出来れば幾つかの文章を対比させて読みたかったのですが、年表はあっても、背景まで説明しているようなページはここしか見つからず。後は図書館とかで探さないと駄目そうです。
とりあえずこちらを読んだ限りでは、チーム間の選手引き抜き合戦とか国民リーグとか喧嘩別れで2リーグとか、そういう滅茶苦茶な諸々を体感したり見聞きしている世代の球界関係者は、今回の合併問題に対してトーンが低いのも多少仕方ない所はあるのかな、とは。



個人的に、暗に中村紀洋を批判しておりますが、これに関して誤解を招くと嫌な事があるのでもう少し詳しく書いておきます。
基本的に『一般のサラリーマンと比べて法外な給料を貰っている野球選手が云々』というつもりは全くありません。プロ野球選手は税法上は個人事業主であり、自分の力で稼いだ分を手に入れる権利はありますし、球団と交渉してお互いに納得済みで動いたお金です。それは本人達の問題。
ただ、(槍玉にあげているのは正直個人的な感情もありますが)中村に関して言えば、これまで散々好き勝手にやってきた選手であり、それが今になって急に「他の選手が」と言い出す事が、信用出来ないのです。ホントに他の選手とかチームの事考えているなら、もっと違う言動や行動が合っても良かった筈。
例えば清原にしても、「パの選手の代わりに俺が」などと息巻いているようですが、自分に、発言力・求心力・集客力が有るとわかっているなら、なんでセリーグへ(しかも巨人へ)来たのかと。ホントにパリーグが心配なら、FA権を使ってやれる事は他にもあった筈。
無論、FAは権利であり、夢を追うのは自由であり、根本的な所で“いつ稼げなくなるかわからないのに先の保証が全くない”という問題があるので、一概に選手を批判する事もまた間違いであります。多くの選手が目前の給料の為に汲々としないといけない構造的問題は存在します。更にもちろん一部で、両リーグの発展の為に出来る事を考えていた人達も居るとは思います。全てが全て、自分の事ばかり考えている選手では無いでしょう。
しかし実際、例えば3年前に、10年先のプロ野球全体の事を考えていた選手がどのぐらい居たのか?
「仮にパリーグがたちゆかなくなったらプロ野球全体が困るから、だったら俺が行って盛り上げてやる!」
と思った選手が居たのか?
誰だって、ばばを引くのは嫌なものです。上記の構造的問題も、無茶を言っているのも承知の上で、しかしこれは敢えて、問いかけたいのです。
今回、オーナー側に対する批判の一つとして「プロ野球は永遠だと思っているのじゃないか? 何をしてもファンがついてくると思っているなら大間違いだ」という意見が有り、それは全く正論だと思うのですが、果たしてそう思っているのはオーナー側だけなのでしょうか?
はっきり言えば、選手も、ファンも、少なくない部分がそのような事を思っていたのではないかと私は考えます。
2リーグ12球団は常に存在する
という前提は確かに守れるに越した事はないものなのですが、では誰が守る為の努力をしたのか?と。
一ファンとしての過去の自分自身も含めて、それに関しては正直疑問があります。
……さて次は、オーナー達の幻想が試される番です。
果たして「プロ野球は永遠であり、何をしてもファンはついてくる」のか?



でまあ長々書いてきて何ですが、上全て、他企業の買収・参入を簡単にするシステム、というのが導入されればとりあえず解決する、といえば解決するんですよね(勿論、長期的に見れば必ずまた上の問題に帰結すると思うのですが)。ただこれに関しては、そもそも1リーグ制は堤・渡辺ラインが何年も前から実行しようとしていた流れであって、財界の人間関係の問題すら出てくるので、ちょっと解読不能な世界にいってしまうのですが(^^; (要するに、「なぜライブドア以外の企業の名前が出てこないのか?」という話)



さて最後に、1リーグ制反対(※追記:というか、この流れ・やり方に反対)の方は、球場に行くのを辞め、TVで野球を見るのも辞め、グッズを買うのも辞め、ついでにスポーツ新聞を買うのも辞めるのが有効な対抗手段であると考えます。
現在ちょうどオールスターの最中ですから、後半戦から実行すれば、まだまだ間に合います。
何よりも大事なのは、1リーグ制にするなら野球ファンを辞めるという事を明示する作業であると考えます。その為には、マーケットが消失するという事を見せるのが一番であります。戦っている選手達には申し訳ないですが、残り60試合あまり、観客動員数が毎試合毎試合、5000人も行かなければオーナーの人達もさすがに考えるでしょう。内外野がらがらの巨人×阪神戦が全国中継されれば、それだけでも効果はかなりのものです。そう、何なら、広島の主催試合だけ行くと良いかも(笑)
あと、選手会のストには、基本的には賛成。
正直、どっちに転ぶかわからない所もありますが、ある程度、白黒は出ると思いますし。選手会として「10球団1リーグは望ましくない」と主張するのであれば、それに関して言える理屈と出来る行動は表面化するべきだと思います。それは是非の問題でなく、存在意義の問題として。



最後になりましたが、オーナー側の主張が正しいと言うつもりも、オーナー側を擁護する気もありません。ただ、オーナー側に対する批判は溢れていますから、少し違う角度の意見という事で。