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『塊魂』

塊魂 PlayStation 2 the Best

塊魂 PlayStation 2 the Best

2004年にナムコから発売された奇作。もう本当に、奇作。
酔った勢いで星空を破壊してしまった大コスモの王様(大きい)。真っ暗になった星空を元に戻す為、王様はモノだらけの地球に息子である王子を飛ばします。父親の尻拭いで地球で塊を転がす事になった王子(5cm)は、果たして星空に輝きを取り戻す事が出来るでしょうか――?
ゲームの目的は極めてシンプル。塊(謎の球体。触ったものをくっつけて巻き込んでどんどん巨大化していく)を転がし、地球に溢れる様々なモノを巻き込んでいき、目標の大きさにします。塊を目標の大きさにする事が出来ればステージクリア。塊は新たな星となって、空に浮かべられます。
というわけで設定がぶっ飛んでいるのですが、キャラデザもぶっ飛んでいます。主題歌もぶっ飛んでます。至る所で飛んでいるんですが、その雰囲気に関しては公式サイトを参照して下さい。
この雰囲気にアレルギーある方も居ると思いますが(実は私もそうだったんですが)、ゲームの内容は予想外に考えられておりよく出来ています。ただの色物と侮ると足下すくわれます。
基本的なルールは、モノを巻き込んで塊を大きくしていく事だけ。ただし、対象のモノが大きすぎると触っても巻き込めません。そこで最初に小さいものを巻き込んで徐々に塊を大きくしていき、どんどんと大きなものを……という手順になります。塊が大きくなればそれまで乗り越えられなかった壁を乗り越えられるようになり行ける場所も増える、などとなり、更に大きなものを巻き込んで……と。
各ステージには目標の大きさが決まっていますが、制限時間内ならば目標達成後も引きつづき塊を大きくしていく事が可能。
操作は基本的に移動の方向と、方向転換などのみ。
難易度はそれほど高くありませんが、どこで塊を大きくしてどっちに進むと効率的か、など多少は考えないといけない所もあり、全く考え無しではクリアできません。他、各ステージでどこまで塊を大きく出来るか、というのもあり、やり応えはなかなか。
で、このゲーム、何がよく出来ているとかというと、ゲーム全体のインフレ感、そしてミクロからマクロへとシフトしていく見せ方、これが素晴らしい。
最初の方は目標の大きさも20cmとか50cmと小さいのでそれ程でも無いのですが、中盤以降、5mとか15mとかの塊を目標に転がしていくようになると、そのスペクタルたるやかなりのものです。
最初は画鋲や消しゴムなどしか巻き込めなかった塊が、牛乳瓶や電話を巻き込めるようになり、天井だと思っていた物が自動車の底だとわかったり、壁だったものが階段になったり、どんどんエキサイト、そしてインフレ。
特にこの、障害物だったものが段差になり、やがて巻き込む対象にさえなってしまう、という辺りは非常に見事。
最初の頃は個人住宅の床を走り回っていたのが、やがて街の大通りを蹂躙していく――ガードレールも電柱も、象だって巻き込んでしまう。
塊が大きくなるにつれて、世界のスケールがどんどんと広がっていくのですが、その感覚が極めて爽快。
後まあこれは私の趣味なんですが、塊、2mぐらいになると人間ぐらい普通に巻き込むのですが、気分はもう、侵略者。海辺から上陸して逃げ回る人間を次々と巻き込んでいったりするのが、凄い楽しいです(笑) 警官が容赦なく銃撃してきますし。
最終盤にはインフレ度合いは行く所まで行ってしまい、100m級の塊を転がす事になるのですが、ここまでくると気分は
−−−
「これから本当の夜をお見せしよう 大 怪 球 フォーグラーーー!!」
「何か出てくるぞ!」
「こ、こいつはまさか……」
「いや、間違いない。ヤツだ!」

「全世界に告げる。全世界に告げる。シズマドライブに頼って生きる全てのものに告げる。今、10年前の全ての借りを返す時がきた。これは、BF団の名の元に行う復讐である。シズマドライブへの復讐である!
そしてその鉄槌を下すのが、この黒い大怪球、フランケン・フォン・フォーグラーーー!!」
(BY『ジャイアントロボ THE ANIMETION 〜地球が静止する日〜』)
−−−
て感じ(おぃ)
惜しむらくはBGMにポップ調のものが多い事ですが。一つぐらい、伊福部マーチ的なのが欲しかったです。……まあ、それやると洒落にならないという気もしますが。
ああ後、BGMも凄い飛んでます。メインテーマを歌うのは田中雅之!(クリスタルキング) 更に、松崎しげる水森亜土など、どこからどう集めたのかよくわからないメンバーのイカれたしたヴォーカルが入りまくり。とりあえず公式サイトで何曲か視聴できますので、是非。
色と一緒に毒も強いので、気に入る気に入らないはかなり個人差出るかと思いますが、個人的にはかなりお薦めの一本。