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『特警ウィンスペクター』感想4

◆第5話「襲う!巨大怪鳥」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進
見所は、バイクルとウォルター、鳥に負ける。
謎の巨大鳥に、人が襲われる事件が発生。襲われたのは、バイオ関係の会社で成功した若手の実業家二人で、二人とも、1億円の脅迫を受けていた事が判明する。事件を追う特警は、バイオテクノロジーによる人体改造論を発表して学会を除名された生物学者・権藤が、その陰に居る事を突き止め、権藤の屋敷を訪れる……。
茶店で朝食を摂っている竜馬の元へ事件発生の電話がかかってきたり、目撃者から情報を集めたり、本部で白衣くんも交えて事件について話し合ったり、と細かい段取りを踏んだ上で、黒幕らしき男の屋敷に潜入、とかなり意識して刑事ドラマ風のAパート。
屋敷に入ったら、まず中に声かけろよ、とは思いましたが(笑)
何故かこっそり侵入する竜馬と女刑事の二人は、権藤が操る問題の鳥に襲われるが、何とか事なきを得て権藤を逮捕する。混乱の中で外へ逃げていった巨大鳥は、ある親子から2年前に権藤が買い取り、バイオテクノロジーによって強化処理したモルモットなどを餌にする事で作り上げたスーパー怪鳥であった! 権藤はその鳥により、自分を裏切った元助手の二人を襲わせていたのである。
なおスーパー怪鳥は、大きいといえば大きいのですが、「巨大怪鳥」という程でもありません。鷲の二回りぐらい大きい感じ……? まあ、日常レベルでは充分に大きいですし、襲ってきたら人間には脅威ですが、特撮標準的には少々パッとしない(笑) この辺りが、今作の一つの指針というか特徴ではあるのでしょう。巨大な着ぐるみ、というわけではないので、それなりに本物らしく、しかし動くようにもしなくてはいけない、というのが難しかったようで、造形的には少し厳しい出来でしたが。
権藤の屋敷を逃げた鳥は、元いた巣に帰ったのでは、と推測した特警は、かつて鳥を拾って育てていた少年(小山弟の友人)の協力を得てその鳥を拾ったという山岳地帯へと向かう。本部長から「場合によっては、射殺もやむをえん」と指示を受けていた竜馬達だが、少年の「まさか、殺さないよね」という言葉に、一瞬動揺、結果、鳥は殺さないと約束する。
権藤博士の取り調べシーンまで出てきたAパートから、Bパートはアクション編。巣に戻った怪鳥を追う特警、かつて自分が育てた鳥を思いやる少年、が錯綜し、巣を守ろうと攻撃してきた鳥に襲われ、次々と敗れるバイクルとウォルター
崖上で少年が鳥に襲われそうだ、と崖を登ろうとする着化したファイヤーとバイクルに、上から落石で攻撃する鳥
一方、崖上では鳥と少年の間に友情が戻っていた。
そんな事はつゆ知らず、懸命にクライミングするファイヤーだが、更なる落木攻撃でバイクルが落下(笑) 地上の女刑事・ウォルター・バイクルに追撃をかけにいく鳥。その間に少年を無事に崖上から救出したファイヤーは地上へ降り立ち、ショック弾で鳥を気絶させると、目を醒ました鳥は空へと飛び立っていくのであった。
……そもそも少年が自分で崖上に行った筈なので、少年の足で上り下りできるルートがある筈であり、一生懸命クライミングする必要がないというのが、シナリオ上、最大の問題(^^;
ファイヤー達は少年が鳥に襲われそうと思ったので急いで登ろうとしたのでしょうが、その辺りが演出的にどうも伝わりにくい為、微妙に間抜けな感じになってしまっています。崖上で少年と鳥が友情を取り戻したのは聞くまでわからないから仕方ないとはいえ、落木を食らって倒れるバイクルなどが、非常に哀れ。
最後、攻撃を止めない鳥をやむなくファイヤーが射殺……? ――実はショック弾でした。というのも演出的に今ひとつうまく行かず、盛り上がりませんでした。既にファイヤーは、鳥が少年に育てられた記憶を取り戻したという話を(あくまで少年の主張とはいえ)聞いているわけで、ファイヤーがもう少し追い詰められてくれないと、ぎりぎりの選択を迫られた緊迫感、というものが出ません。明らかに、射殺したわけないよね、という絵と展開になってしまい、脚本・演出ともに、やや滑りました。
それにしても、飛び立っていく鳥を見ながら、
「あの鳥は昔の事を思い出したんだ。だから二度と人間は襲わない。僕はそう信じる」
警察として、本当にそれでいいのか
Aパートの博士の尋問シーンで、「おまえのせいで、あの鳥ははぐれ鳥になってしまった!」と、鳥の為に怒るなど、竜馬さんは熱くて格好いいのですが、
俺が信じるからOKみたいな傾向があって危ない。
この辺りは刑事ドラマの人情もののイメージなのでしょうが、多分に結果オーライ的。
最後に、「ウィンスペクター本部には、それ以来、巨大な鳥が人間を襲ったという報告はない」、とナレーションで締めれば許されるというのは、あまり良くない。
その内、竜馬のそういった人格面の背景も、描かれるエピソードがあるかもしれませんが。
そんな竜馬は、権藤博士の屋敷の調査シーンで、逃げる博士を追いかけた際、ナチュラルに2階の窓から飛び降りたような気がして、前回の垂直気味ジャンプといい、微妙にどこか改造されているような気がして仕方がありません(笑) まあ、2階ぐらいなら、訓練を積んでいれば飛び降りられますが。
そもそも、階段の下で女刑事を助けたのに、窓の外を見たら見下ろし視点で博士が逃げていく所、という映像がおかしかった気がするので、カメラ位置間違えただけで、竜馬は1階に居たような気もするのですが。
あと、女刑事とは、「竜馬さん」「純子さん」と、若干よそよそしい事が発覚。
アイキャッチは今回から、ウィンスペクター揃い踏みカットが入りましたが、前回までの本編映像に被る方が格好良かったので、出来れば戻してほしい。