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『特警ウィンスペクター』感想18

◆第29話「昆虫採集の妖!?怪」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進
剣山で遭難事件が発生。救助へ向かったウィンスペクターは、洞穴で倒れていた二人のサラリーマンを保護する。その頃、剣山近辺の相沢村で昆虫採集をしていた六角と良太が、どこかで見たような巨大な鳥と、謎の妖婆に襲われる。良太のカバンに潜り込んでいたデミタスからの「相沢村にお化けだ!」という緊急連絡を受け、村へと向かう竜馬とバイクル、ウォルター。倒れていた二人を助けた竜馬達は、たった一人で村に暮らす宮部徹という男と出会う……。
鬼婆伝説の残る村、黒マントの鬼女、次々と襲われる特警……夏のホラー祭、というほど怪談展開にはならなかったものの、如何にもな夏休みエピソード。
なぜ怪談にならなかったかというと、暗躍する黒マントの妖怪婆よりも、ロボットの癖に催眠電波に洗脳されて襲いかかってくるバイクルの方が怖いから(笑)
後、そんなバイクルをさくっと射撃して活動停止に追い込む竜馬さん
最終的には、熱心な自然保護者である宮部が、鳥や妖婆を村に近づく人間にけしかけていた事が発覚。
「自然を荒らす奴を許すな、殺せ! 殺せ!」
環境テロリスト、怖い。
妖婆の正体は、突然変異で巨大化した人面コウモリ……って、コウモリで済むか、という巨大さ(人間着ぐるみ)なのですが、鳥もコウモリも、死んでしまった後に宮部がメカ化して操っていた事が判明。突然変異の巨大生物はやっぱり無理があるだろうと適当に理由をつけたらその科学力の方が無理があるような、というありがちなダメ設定(^^; 両方ともファイアーにざっくり撃破され、宮部は逮捕されて事件は解決する。
最初から最後まで、軽い夏休み回、といった具合のエピソードで出来悪し。
◆第30話「ママ…ママ助けて」◆ (監督:小笠原猛 脚本:荒木憲一)
メ○モちゃん メ○モちゃん メ○モちゃんが持ってる 赤いキャンディー 青いキャンディー 知ってるかい
自動車事故で瀕死の重傷を負った3歳の立花エミコは、その命を救う為に未完成の電磁細胞活性化装置で治療を受け一命を取り留めるが、装置の作用によって急速に成長、3歳の知能のまま、見た目だけ7歳程度になってしまう。更に成長は加速し、激しい頭痛とともに肉体が13歳程度にまで育つエミコ。このままでは、未完成の装置の作用で細胞の急速な老化が進み、彼女はあと数時間で死んでしまう。ふとしたきっかけで、見た目7歳時のエミコと知り合っていた久子は、彼女を救う事が出来るのか?!


珍しくロングスカートで、ちょっとお洒落ファッションの久子さんが可愛い。
以上(待て)
……失礼。
見所は、
さらっと女子トイレに侵入する竜馬さん
……げほごほ。
謎の少女にエミコちゃんの面影を見た久子さんがショッピングセンターのトイレを探るシーンで、しれっと一緒にいますよ竜馬さん。いや、警察手帳を提示してから中に入ったのでしょうけど。凄く平然としているのが、さすがは我らがウィンスペクター隊長。
断片的な手がかりをつなぎ合わせた久子の突拍子もない推理から、姿を消した謎の少女が全て同一人物であり、行方不明のエミコなのではないかと推測した特警は、成長促進の研究をしている研究所をリストアップ。その一つ、パレス化成の研究所所長が、自らの罪を告白する……。
しかしまあ、事の発端(交通事故の原因)が、母親が坂道でベビーカー放置なのが、なんともかんとも。転がってきたベビーカーを轢いてしまった所長達が、そのまま3歳児をさらって電磁細胞活性化装置にかけてしまうのも、もちろん問題ですが。
所長は細胞の老化を防ぐ為に、エミコちゃんに逆の電荷をかけようとしていたが、エミコちゃんが研究所から失踪。事ここにいたって警察に連絡しようとした所長だが、それを知った部下の二人(一人は広瀬匠!)が裏切り、機械を持ち逃げした為に困り果てていたのであった。一方、助手の二人はエミコが立花家に戻っているであろうとアタリをつけて彼女をさらうと、証拠隠滅の為に彼女を放置する事でその抹殺を図り、機械を持って海外へ逃亡を企む。
エミコが体に帯びている電磁波を手がかりに、彼女を発見し突入する特警。パイプ椅子を振り回して久子さんに襲いかかる広瀬匠! 二人を逮捕すると共に機械を取り戻し、細胞の老化によって老けメイクになったエミコが死亡する前に、所長の尽力もあり彼女を元の3歳児に戻す事に成功するのであった。
お約束の工場炎上こそするものの、レスキュータイムリミットを、細胞老化による幼女の死亡、と持ってきたのは新しくて面白い所。回路の一部がショートしている機械を動かす為に、ファイアーが手を突っ込んで「僕の体を送電線にして電気を流します!」という所は、演出の持って行き方で、もう少し格好良くなった気がするので、微妙に盛り上がりそこねたのが、少し勿体ない。
ラストでは、エミコちゃんが無事に元に戻ってにこやかに終わらせていますが、ウィンスペクター的に、所長は逮捕だなぁ。
自動車運転過失致傷、未成年者略取、殺人未遂辺りは固いか。
まあ車を運転していたのは所員だろうし、自動車事故の過失責任に関しては坂道でベビーカーを放置したエミコ母のものも認められそうなので、結果的に被害者の生命を守ったことから、多少の減刑はされる……かもしれませんが。あと、裁判を通して保護者の責任問題に発展して、立花家がどろどろになりそうで、関係者の行く末を考えると、とてもブラック
シリーズ初参加の荒木憲一は、この辺りがデビューかなと思ったら、デビュー作は『仮面ライダーBLACK』との事。メインライター杉村升の弟子筋なので、弟子にゲストで1本、という所かと思われます。細かい辻褄はかなり苦しいものの(知能は3歳児の筈なのに、服を万引きして成長に合わせて着替えるエミコとか)、明確な悪人が最初に居るわけでなく各人のやむを得ないその場しのぎが幾つか交錯して犯罪になってしまうというのが意外と新機軸で、それなりに楽しめたエピソードでした。
しかし最近、明らかに久子さんの方が純子さんよりヒロイン係数高いなぁ。
次回、いよいよパワーアップ展開?!