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漆黒の打撃系ヒロイン

◆橘まことさん
 >何せ名前からして、ダークでシャドウな組織ですからねえ。ヤイバが期待して入社するのも無理はありません(笑
「我が社を志望した動機は?」「御社の社名が魂に響きました!」というやり取りがあったのですね(笑)
 >ゲッコウ「ヤイバよ。この春から正社員に昇格だ。ついては貴様にも異名をつけてやろう。そうよのう……」ヤイバ「闇で。」ゲッコウ「……」ヤイバ「闇。」
考えてみると、組織の名称をそのまま二つ名にしていたヤイバ先輩、心が太い……。
 >《黒》側かそうでないか、だけの話だったと思うのですが、それをプレシャスと結びつけた結果、とんでもない化学変化を起こしてしまった感が強いですね。
それぞれ別個に扱っている部分には問題なかったのですが、比喩と超常の要素が、一番悪い形で噛み合ってしまいましたよね(^^; そういう連結で飛躍できる場合もありますが、今回は食い合わせが悪かったな、と。
 >残り話数的に、一気で片付けないとまずかったのでしょうが、この辺りは荒川さんが本筋とほとんど関われなかったのが惜しかったなあと。
よくよく考えると今作5本目ですものね……(^^; そういう意味では、ここまでの要素を拾って縫い合わせる手腕はさすがではあるのですが。
◆さやまきさん
 >荒川さんの脚本家になろうとした動機がこの光と闇というテーゼにかなりストレートに出てるような気がしました
成る程、メインストーリーに関わってこなかった分、終盤のまとめに際して個人の持っているテーマが強く出た、というのはあるのかもですね。
 >荒川さんはウルトラを書きたくて脚本家になった(と方々で言ってるのだから円谷も使えば良いのに)
おおそうだったのですか。『デカ』にウルトラ風味が入っていたのは、荒川さんの志向性もあったのですね。
 >光と闇というのは非常に象徴的なテーマ
それゆえにこう、問題はテーマの掘り下げを物語の中でどう積み重ねていくのか、という部分の薄さになってしまったのは残念でしたね……。
 >ボウケンでは特にキャラクターの位置付けもキチンと色分けされてる(笑)訳ですし
真墨(黒)との関係において、チーフ(赤)と菜月(黄)を光サイドと見ると、それぞれ眩しい昼の光と穏やかな夜の光、というのは穿って見るとなかなか面白いですね。
 >ライハの背が低っく!(笑)
ジード』的にはリクとの対比もあってちょうどいい位置づけになっていましたが、アクション女優としては、もう少し背が欲しいのでしょうね……。
 >相変わらず最近のウルトラ映画は説教くさい所を盛るなぁと思いつつとにかくジャグラーさんご馳走さまでしたww
結局ジャグラーさんなのですか!(笑)
そういえばチェックしていなかった『オーブクロニクル』で『オーブ』劇場版を分割放送している事に今日気付いて、それなら録画しておけば良かった! と今日軽い後悔を。ちょうどちらっと見た瞬間、ジャグラーさんがノリノリで闇の力をお借りしていました(笑)
◆八手四郎次郎さん
 >今回の記事を拝見していて、"ヤイバ先輩最後の挑戦"という重要エピソードだったにもかかわらず、
 >一番惹き付けられたのが"伊能真墨のプリキュア化"だったことに申し訳なさを感じていたんですが...。
す、すみません……東映特撮で話の成り行きで変な組み合わせの2人組が出来上がると、とりあえず『プリキュア』ネタに逃げる、という単なる私の悪い癖です(^^;
◆輝剣さん
 >それどころか、陛下やボウケンジャーから庇ってますし。
つまり伊能真墨は、ヤイバ先輩のプレシャス。
 >だ、大丈夫、陛下の真の見せ場は次回……(踏み台にならないとは言ってない)
色々時間が足りるのだろうか、という不安はありますが、陛下最終決戦はホント楽しみです。
 >そうか、今回はスターウォーズだったのか(違います)。
テーゼとしては、凄く古典を正面からやった感じですよね。光と闇が行きすぎて、『ボウケンジャー』ってそんな話だったっけ……となってしまったのが残念でしたが(^^;
 >おお、ここで4か月の時を経て、私の疑問に答えが(笑) ヤイバ先輩、ネンドガミの偽記憶を褒めてましたからね〜
出ましたね(笑) 考えてみると、菜月をDS陣営に引き込めば、真墨がボウケンジャーを離脱してスカウトしやすくなる、という所まで見越した遠大な作戦だったんですかね……。
 >初期の話では指揮官として人事管理と育成にも手腕を発揮する真の万能型レッドだったんですが、高橋氏が役者として成長すると共に崩れましたからね。
役者さん自身の上達と、若い役者さんの引き出しを広げる為のシナリオや演出、それらの化学反応がキャラクターを作っていく、というのも戦隊の楽しさですねー。
 >様をつけてしまう所がシズカの忍びとして未熟な点であり、同時に「手加減はせぬ」と言いつつヤイバが見逃してやった理由でしょう。
色々と忙しい中で、この二人の上司部下の関係も、ちょっと掘り下げて始末をつけたのは良かったですね。
 >……もしかして、今まで説得できなかったことがなかったから?
 >さくらも蒼太も真墨も菜月も映士もボイスもズバーンもミニスカサンタにマサキゴーストまで、みんな勢いで何とかしてきたし。
……あ、あれ? 言われてみると、意外と説得に成功しちゃってますねチーフ……説得というか、自分の好きな台詞を言ったら、相手が勝手に納得したというか……。
 >これって「うかつじゃった。まさかヤイバと話が合う奴が実在しておったとは」ともとれなくはない気が(笑)
……ああ、まさに(笑)
 >本当に三角関係に敗れた感じのセリフですね、ヤイバ先輩
この局面で、自分が最強の力を手に入れるのが目的なのではなく、二人で闇を統べたいよね、というのがホント、広大な世界の片隅で、自分と同じジャンルをやっと発見したのでしょうね……(涙)
 >西堀さくらをリーダーとして活動するジャッカー冒険隊といいところだけかっさらっていく仮面のチーフ・ヤイバ。
闇の先輩はヒーロー化したら絶対、おいしいところだけ持っていく役ですね(笑)
 >そして、アシュを追う謎のシルバーにはメカマサキ(笑)
出てくる度に、良心回路と戦闘回路の間で苦しむのです……。
◆やずみさん
 >ヒーロー物としてみるなら真墨の心情変化は(特に最後の急降下は)あまりにも急すぎ、不自然にさえ思えます。
レギュラー幹部の退場回という事でヤイバ先輩に尺を採った都合もあったのでしょが、〔闇の囁きと迷い〕9に対して、〔光を取り戻す〕0.5、〔再び闇へ〕0.5、ぐらいの配分になってしまったのはどうにもバランスが悪かったですね(^^;
 >(個人的な感覚として、「夕日の中を独り去る」のは早川さんとかガイさんとかヒーローにはありがちですが、
 >「夜の街に独り消える」のは『仮面ライダーアマゾン』とか『ジェットマン』の凱とかの正統派ヒーローらしくないキャラに合うというか)。
ヒーロー的表現から、アンチヒーロー的表現へ繋ぐ、という意識は成る程、頷ける見立てです。後こう、映士なんかだと街そのものが似合わないので、雑踏に消える、というのは真墨ならではになった感もありましたね。
 >多大なストレスや禁断症状によってフラッシュバックを引き起こし、先行きに絶望してしまう、というのはある意味リアルではあります
物語としてはこれでうまく、早すぎた光と再び闇へ転落、のバランスが取れてくれると良いのですが。
 >……と、『クウガ』の雄介の道のりを超高速で辿ったようにも見えます(具体的な考え・悩みの内容はかなり違いますが)。
 >社会問題にも踏み込む姿勢といい、今回の荒川さんの仕事は『クウガ』っぽかったように感じます。
今回個人的に感じた、大筋はまあわかるのだけど端々が雑、という印象は、個々の要素の掘り下げを割り切ったダイジェスト的な構成であったからでは、というのは納得です。
 >帰ってくる會川さん、果たしてキレイなクロージングというさらなる奇跡を見せられるかどうか。
ここまで面白い作品だったので、なんとか綺麗に収めてほしいものです會川さーん!
◆五月サツキさん
 >「伊能」に「異能」がかかっているという発想はありませんでした(笑)。
真墨の出自はハッキリしないので、レムリア文明の末裔なみの運命の子という可能性もありますよね(笑)
 >不滅の牙の「獲物はお前」も強烈でしたが、ヤイバ先輩の「俺とおまえの、闇に満ちた未来」も凄い。
ヤイバ先輩、ここまで見事な変態として散るとは思いませんでした……。
 >因縁の相手を倒したものの、そのまま離脱したのもヒロイン力爆上げに一役勝っているのがまた。これが荒川マジックなのでしょうか。どうなる真墨。
荒川さんのヒロイン押しスキルが暴発してしまった、と考えるとこれはもはや必然なのか……。
 >チーフはまた悪手を打ちましたね。素直に菜月をぶつけていれば、真墨の離脱は避けられたかもしれないのに……。
真墨的にも絶対嬉しかった筈なのに……(笑) ヒロイン力か、ヒロイン力が邪魔をするのか。
 >真墨対ヤイバのオーラっぽいのも、表現の1つでありあくまでイメージに留めておけばよかったのではと。
あくまでマンガ的イメージだったら、ノリと勢いの産物という事で良かったのですが、ヤイバ先輩に見えてしまった事で(この人もまあ、ノリで見えてしまうタイプではありますが……)ちょっと悩ましい感じになってしまいましたよね(^^;
 >ここにきて真墨とヤイバの因縁の纏めを任された荒川さんの負担は大きかったと思うんですけど、會川さんがもう少し早めに復帰できていたらどうなってたかとちょっと考えてしまいます。
荒川さん、通年でちょこちょこ関わっていたわけですらないですものね……菜月はどうにか片付けていきましたが、映士と真墨がちょっと割を食う形になったのはホント、勿体なく思います。
 >あ、ダークシャドウの出番はまだありますのでご安心を。
良かった!(笑)

『仮面ライダービルド』感想・第22話

◆第22話「涙のビクトリー」◆ (監督:上堀内佳寿也 脚本:武藤将吾
「今度は西都のボトルか。は?! ……(カメラ目線)スタークか」
「ビンゴぉ!」
あらすじ劇場への参戦と、戦兎との師匠ごっこを満喫して北都へと戻り、今回もノリノリのスタークですが……うーん、さすがに、北都の首相が頭悪すぎでは。
東都に全軍を送り込んでいたので西都軍にあっさりと官邸を制圧されましたにしろ、すっかりスタークを信じ込んでいたにしろ、幾ら何でも国家のリーダーとは思えません。
基本的にブラッドスターク(マスター)があらゆる登場人物を掌で転がしながら進んでいく今作ですが、主人公の戦兎だったり、悪の組織のボス然として出てきたナイトローグ(ヒゲ)だったり、転がされる方にも格があるから、転がして蹴落として玩具にするのが面白くなるわけで、北都首相のこの露骨な当て馬ぶりと頭の悪さでは、スタークが裏切るという予定調和が全く面白くなりませんでした。
せめて、スターク裏切る→警戒していた北都首相が逆にスタークを拘束しようとする→しかしスタークと西都のライダーの力がそれを上回る、ぐらいの成り行きがあれば北都首相もそこまで馬鹿ではなかった事を描きつつ西都ライダーのデビュー戦を鮮烈に出来たと思うのですが、あまりにもビルドvsグリスに尺を割きすぎてしまい、西都のライダーもただガーディアンひきずってくるだけになってしまったのは残念。
……まあ、火星パワーを浴びると闘争本能が刺激されて感情的になると同時に知力が下がる(或いはもっと直接的に「スタークの誘導に逆らえなくなる」のか?)、など副作用があるのかもしれませんが、悪役が強大でないとヒーローが魅力的にならないように、悪事が一定のハードルを越えないと悪役も魅力的にならないのです。
そして頭が悪いといえば万丈……は今回、暴走したビルドA1を食い止めるという超久々の見せ場を貰い、馬鹿な手下への面倒見が良い猿渡から「殻を破った」と優しい視線を投げかけられてしまうのが面白かったのですが、問題はその暴走した人の方。
「そのスイッチを押すと、トリガーが破壊されて俺は消滅する」
ええーーーーーーーーーーっ?!
激しい修行を終え、万丈から代表選手の座を強引に奪い取ったライダーデュエル前夜、戦兎が美空に自爆スイッチを渡し、最初はただ「ビルドが止まるだけ」と説明するのですが……いやさそれ戦兎、もし美空がその言葉を真に受けた場合、
ハザードトリガーを使ったビルド暴走

美空、言われた通りにビルドを止めようと軽い気持ちでぽちっとな

ビルド消滅

戦兎ーーーーーっ!
という、物凄いトラウマスイッチなわけですが、何を考えているのか戦兎。
これ本気なら最悪にタチ悪いのですが、戦兎が美空をそこまで馬鹿だと思っていないだろうと考えるとそれもまた極めてタチが悪くて、つまり、停止スイッチという事にして渡す→美空がその正体を薄々わかっても敢えて問わない事を期待している、わけで、年下の女の子に甘え果てるにも程があるぞ戦兎。
それはみーたんも、「おいおまえ、こっち向いてちゃんと話せや」と怒るわけです。
自爆装置を突き返し、
「あなたは人間なの。自分より他人の幸せを優先する、馬鹿でどうしようもない人間なの!」
と、前回のマスター発言を受けて自虐的に「俺は兵器だから人殺しでは無い」と逃げ道を与えようとする(それが逃げ道にならない事は戦兎自身が一番知っているというのに)戦兎を美空が一喝するのは、では「人間」と「人間以外」の差はどこにあるのか? というテーゼを盛り込んできて良かったのですが……スイッチを頑なに拒絶する美空を説き伏せようとする戦兎、
「俺とおまえで作ったビルドだ! ……おまえにもその責任がある」
更に駄目男上乗せ。
この台詞自体は、第17話の「それが俺たちの作った、ビルドだ!」を裏返して負の面から用いる事に意味を見出したのでしょうが……いやさ戦兎さん、全てマスターの差し金だったとはいえ、美空のボトルの浄化に“正義”の理由を与えたのは、葛城巧でも佐藤太郎でもなく「桐生戦兎」だったわけで、それは戦兎が一番、美空に言ってはいけない言葉だと思うのですが。
これが逆、美空の側から「私とあなたで作ったビルドだから責任を取る」と自爆装置を握り、戦兎がそれを止めようとするも美空が押し切るなら良いのですが、幾ら切羽詰まっているにしろ、戦兎がこれを言ってしまうのはあまりにもいただけません。
で、ここしばらくの一連の流れ(と、細かい感想を後で書くかもしれませんが、Youtube配信の特別編)を見てハッキリしたのは、桐生戦兎というのは、物凄く「心が弱い」という事。
考えてみると、記憶喪失 → “理想のヒーロー”を演じる事で自己を保つ → それは俺の擦り込みなんだよ戦兎ぉぉぉ! → 俺は自分が信じる正義の為にあんたを倒す! → ところがおまえは俺の心の友、葛城巧なんだよぉぉぉ!
と、紆余曲折の末に取り戻した(と思われる)アイデンティティへの嫌悪が根っこにあるので、戦兎が本質的に自分自身を信じる事が出来なくて当然の面はあり、今作の真の野心的目論見はこの「心の弱い」主人公像、にあるのかもしれません。ただしかし、それで美空をここまで追い詰めてしまうというのは、ここまで地味にポイントを積み重ねて割と嫌いではなかった桐生戦兎への好感度が、今回だけで一気にマイナスに転じました(^^;
特別編で(幾ら販促用の番外編とはいえ)内海に煽られてハザードトリガー使った事に、いやさすがにそれは……と思っていたのですが、本編も似たようなレベルで酷かった。
加えてここ数話の戦兎と龍我の関係性に個人的にもうひとつノれなかったのは、要するに、心の弱い男同士がうじうじと互いの傷をいじり回しているからだったのだな、と納得。この辺りは今回、龍我が一皮剥けたのと、今後も続けて絡むのであろう大人の男・猿渡による化学変化を期待したい所です。
……しかし改めて振り返ると、
俺は悪魔のYoutuberだったのー?! → いや俺はナルシストで自意識過剰な正義のヒーローだ! → この氷室幻徳が煽って戦争始まったから一緒に戦おうぜ葛城! → 責任を感じて絶望 → 大事なもん守る為なら何度だって立ち上がる! → スクラッシュそしてハザード問題 → もうたたかいたくない → 修行すればハザードトリガー使いこなせるようになるかもしれないぞ戦兎ぉぉぉ! → 情熱の扇風機!
と、10話あまりの間に物凄いアップダウンと踊らされっぷり(^^;
ビルドvsグリスの代表戦は気合いの入った長時間のバトルでしたが、営業活動、もとい連続ビルドアップでまとめてベストマッチを見せると、今作のギミック的弱さが明確に見えてしまうのは難。
元々は、
1・新しいボトルの力を使う
2・二つのボトルの組み合わせで多彩なバリエーション
3・ベストマッチなら更に凄い力が!
という見せ方をしていくつもりだったのでしょうが、ある時期から1と2の段階をすっ飛ばしてほとんど3から始めてしまう為に、組み合わせの妙を楽しむ、という最大の魅力が完全に削がれてしまっています。
そして1と2の段階が無いので、3の特別性も失われてしまう、という負のドミノ倒し。
1クール目は比較的、玩具展開との連動が上手く行っていた今作ですが、2クール目に入ってから生じた綻びが塞ぎきれないまま広がって、ハザードトリガーで完全に破れてしまった印象。
……ハザード鷹ガトリングは技もえぐくて良かったのですが、一つ一つのフォームの意義もどうしても薄まってしまいますし、ボトルボトルボトル新ベルト新ライダーボトル新アイテムボトルボトルボトルの乱れ打ちが、ここまで連続で書いてきた脚本家のキャパを超えてしまった感もあって、心配。
そんなわけでビルドは代表戦でグリスを破り、一皮剥けたクローズチャージがビルドA1の暴走を止め、北都が西都に制圧され、西都のライダーが姿を見せたところで、つづく。