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藤沢デビュー

『用心棒日月抄』、読了。
初・藤沢周平とあいなりました。


藩政に関わる密謀を洩れ聞いてしまったが為に、人を斬って脱藩する事となった青江又八郎。国許からの刺客を退けつつ、糊口をしのぐために用心棒稼業に身をやつす日々だったが、なぜかその周辺に、赤穂浪人に関わるきなくさい臭いも漂い始める……
NHK時代劇『腕におぼえあり』の原作でありますが、お陰様で脳内ビジュアルは完全に村上弘明坂上二郎渡辺徹(笑) 特に坂上二郎が強力で全く抜けません。
凄い面白かった、という程でもありませんが、時代物も好きな物書きとしては、やはりこの辺りを通っていかなかったのは不覚、というか。もっと若い頃に読んでいたら、今とはまた違う形で肥やしになっていたに違いないなぁとか思ってみたり。スタンダードというかフォーマットというか、蓄積されている歴史の階梯というやつは出来る限りはひとくさり眺めた方がいいよね、と改めて思った次第。
というわけで今年の後半は、時代小説の世界を遊覧飛行か?
近代チャンバラ小説まで踏み込むかどうかが、思案のしどころですが。……というか歴史の階梯をひとくさりするんだったら、本当は野村胡堂あたりまで戻って、捕物帳も抑えるべきなのですけど。
ああそうそう、『用心棒日月抄』読んでいて面白かったのは、青江又八郎が、やたらにヒ首や短刀に苦戦しがちなところ。正統のサムライが変則のアサシンにちょっと困っているみたいな。
さて次は、『秘太刀馬の骨』かなぁ……で、『用心棒日月抄』の次も気になる。