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『特警ウィンスペクター』感想14

◆第23話「父のマンガはがき」◆ (監督:小笠原猛 脚本:鷺山京子)
山間を行く1台のトラック。コンテナの冷蔵庫の不調と、荷台での怪しげな物音。道ばたで車を停車して荷台を確認した運転手は、収められていたドラム缶の中から伸びた植物の蔓に囚われ、コンテナの中に呑み込まれる。運転手のポケットから落ちる、一枚のハガキ。助手席の男は慌てると運転手を見捨て、トラックの扉を閉めると再び車を走らせる……。
その頃、ヒッチハイクをしようとしていた少年を見てパトカーを停めた竜馬は開口一番、「ぼく、警察なんて大嫌いだ!」と言われるが、ジュースとパンで懐柔に成功。事情を聞くと、行方不明の父を捜しているという。少年の言葉を頼りに彼の父を捜すのを手伝う竜馬だが、その行方は知れない。少年を家へ連れて帰るとその母親は「主人は北海道へ出張していると研究所から電話があった」と言う。だが少年は、父が欠かさず出張先から送ってくる、特徴的なマンガ絵の描かれたハガキが今回に限って届かない事から、父の身に何かが起きているのだ、と主張する。
特警で事情を説明すると、「ベム・ケミカルは一流企業。それが出張だって言ってるんだから」と、純子さんが冷たい(笑)
本部長の許可を得て捜査に乗り出す竜馬だが、ベム・ケミカルではやはり、少年の父親(相川)は北海道に出張中だという。連絡を取ろうとしたが、移動中で取る事が出来ない。
実はベム・ケミカルでは、研究の過程で出来た産業廃棄物から、動物に寄生して増殖する奇怪な植物を生み出してしまっていた。会社はそれらを秘密裏に海へ投棄。相川はその途中で、冷蔵庫の故障から活動を再開した植物に囚われ、所長の指示でトラックごと廃工場に隠されていたのだった。
えーとまず……人間を襲う(というか、肉の切れ端からも花開いていたので、タンパク質などを栄養源にしている、のか?)バイオ植物が、産業廃棄物というのはいったい。
そんな産業廃棄物の出る研究、なぜ続けているのか(^^;
それから、所長さんは相川入りのトラックを隠して、この先どうやって誤魔化すつもりなのか
とにかく、ベム・ケミカルの人が色々と杜撰。
せめて、産業廃棄物として謎のバイオ植物を生んでしまう研究が会社(社会)にとって極めて価値が高い為に止められない、という設定でも入れば良かったのですがそこが描かれない為に、非常にバランスが悪い。
川岸でのバーベキューパーティが謎の植物に襲われた事件などもあり、ベム・ケミカルの暗部を知った特警は、相川の居場所を突き止めるべく、少年に、父からハガキが来た、という演技をしてもらう。トラックの中に閉じこめた筈の相川が逃げ出したのではと脅えた助手席の男と所長は、トラックを隠した廃工場へ。
というか、中から相川さんの声が聞こえているのですが助けてあげて
とりあえず助けだして便宜を図って口をつぐませた方が色々と安上がりだと思うんですが。
それが出来そうになくて口封じの為に抹殺する気なら、早くすればいいし。
終始、この人達が何をしたいのかわかりません。
相川の存在を確認した所長は、何を思ったのか、トラックの丸焼きを決意。同行していた男も、産業廃棄物の不法投棄を繰り返していた事を知られるのを恐れ、所長の指示のまま、トラックに火を放つ。
そこへ駆けつける特警。
火にあぶられて高温で活性化したバイオ植物とのバトルなどあり、相川を無事に救出。相川さんは何日放置されていたのかわかりませんが、花に寄生されてはいなかったようで、冷温で植物が活動停止していた為、低体温と栄養失調、雪山で遭難していたような感じか?
所長達を「廃棄物不法投棄と殺人未遂で逮捕する」と言う所は好き。
科学の暴走と産廃問題に切り込み、1話で置いたテーマ性と絡めた所などは悪くなかったのですが、いかんせん、ベム・ケミカル側の行動が支離滅裂すぎました。プロット自体は悪くなかったので、もうちょっと丁寧に描けば面白くなったような気がするのですが、残念。


◆第24話「私のピーコちゃん」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進
六角刑事・復活
懲戒免職くらわなかったようで……半年後ぐらいに地方の閑職に回されてひっそりとフェードアウトコースか。
駐車場で暴走族が撃たれる狙撃事件が発生。現場に急行した特警は、狙撃ポイントとおぼしきビルの屋上で、幼い少女の姿を見つける。彼女の名は、めぐみ。純子が数日前に知り合った少女だった。
ビルの階段に座っていただけなのに、すっかり「ここに居た奴の顔を見た」ことになって、六角刑事から詰問される、めぐみちゃん。典型的な駄目な脚本(&演出&編集)というのは何が悪いかというと、「〜かもしれない」→「〜だ」の間が無くて、いつの間にかすり替わってしまうのですが、実に良くない見本。
何も語らないめぐみちゃん。彼女と純子が出会ったのは数日前、朝のジョギング中の純子が、ゴミ捨て場に奇妙な声を聞いたのがきっかけだった。それはゴミ捨て場に捨てられたインコの物真似で、純子はインコを探しに来ためぐみと、その友達の青年・湯浅と出会う。ゴミ収集前に、隠されていたダンボールから無事に見つかったインコが呟く、「悪いやつ悪いやつ むらい にしもと くろいわ」という謎の言葉。
数日後、そのインコが、公園で暴走族に襲われて殺される。
サブタイトルにまでした割には、実にさくっと(^^;
そして再び起こる狙撃事件。
再び、狙撃現場に居合わすめぐみ。
純子の問いかけに彼女はただ、「お姉ちゃんと喋っちゃいけないって、お兄ちゃんがそう言っていた」とだけこぼす。
警察の捜査により、狙撃された二人が、黒岩という男をヘッドに据えた暴走族のメンバーだという事がわかる。その名前が、インコが呟いていた名前だと気付く純子。そして湯浅もまた、黒岩の手下の元暴走族であった。湯浅の動向を探っていた純子は、彼が黒岩を待ち伏せる現場に居合わせるが、現れた黒岩はめぐみを人質に取っていた!
一ヶ月前に轢き逃げにあって死亡しためぐみの父。実はその轢き逃げ犯は黒岩らのチームだった。それをきっかけにチームを辞めた湯浅は自責の念から彼女の隣りの家に引っ越し友達となる事で、自分を誤魔化す日々を送っていた。だが、万が一の為にチームのメンバーの名前を覚えさせていた、めぐみのペットのインコが殺された事で、彼女に代わって復讐を決意。次々とチームのメンバーを狙撃していたのだった(この辺りの時系列は、微妙におかしい気が)。
純子の手によってめぐみが救い出され、全てを告白した湯浅は、自分の喉元に銃口を向ける。
「俺達はろくでなしだ! めぐみちゃんに死んでお詫びするしかないんだ」
その時、投入される火炎ビン
ひゃっはーーー、汚物は消毒だぁ!!
黒岩の手下の暴走族が乱入。
凄い『GTA』(グランド・セフト・オート)状態になるがウィンスペクターの活躍により全員が逮捕され、湯浅もまた、罪を償う事になるのであった。
エンディング、めぐみちゃんに新しいインコをプレゼントする純子。
「新しいピーコちゃんよ」
……って、名前ぐらい、好きにつけさせてあげてください。
めぐみちゃんも「ピーコ」扱いだったけど。
最後にどばっと放出される、自責の念を抱きながらも自首するまで思い切れない犯人のねじれ、みたいな物は面白かったのですが、全体としてはガタガタ。インコに酷い話でした。
ところで最近、空気感の激しいデミタスに「捜査が飯よりも好き」という設定が台詞で加わりました。……飯、って充電の事か?