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『ウルトラマンオーブ』第4話感想

最高気温40度の猛暑に見舞われる東京上空に、燃えさかる巨大な火球が出現。アイスの恨みで立ち向かうオーブだが次々と必殺技を跳ね返され、何とか火球を大気圏外まで押し上げるも、力尽きて落下してしまう。SSPは現場で拾ったガイをオフィスで休ませるが、ガイは目を覚まさない……酷暑の東京の運命は如何に?!
前半、ギャグ風味も交えながらの熱暑描写から、後半、首都圏に降り注ぐ火球のスペクタクル、という展開は面白かったです。ビル街の向こうに浮かぶ太陽と、迫り来る偽りの太陽、というカットも良かった。さあここから逆襲だ、という所で主題歌が入るというストレートな演出も好み。
戦闘シーンでは、フォームチェンジは瞬間で出来ると判明。また、基本キャッチーな技ではありますが、受け止めて軌道変更、複数同時に続いて、巨大なスーパー八つ裂き光輪、というのも面白かったです。その後の分身光線とか、EX技を連発しすぎて、スペシウムゼペリオンの今後がちょっと心配になりますが(笑)
さて今回、ビートル隊の活躍シーンが明確に描かれ、少なくとも大気圏外まで飛んでいける戦闘機と、多数の地対空ミサイルを所持している事が判明。
相変わらず組織全体の概要が存在目的からしてさっぱり見えない為、おじさんが特別フランクなのかどうかわかりませんが、民間の変人集団に頻繁に情報を求めた挙げ句に怪しい古文書を根拠に電話1本でミサイル打ち込む辺りの緩さと、その所持戦力とのバランスが早くも若干噛み合っていない感じがあるので、巧くすり合わせて欲しい所です(^^;
その辺り、作品全体の緩めの雰囲気を優先する為に、てっきりビートル隊は“コロンボのかみさん”路線にするのかなぁと思っていたのですが。
で、ビートル隊が割と戦力を持っている事と、前回のジェッタの叫びを合わせて改めて気になるのが、今作における「怪獣」の扱い。
第1話を見て、怪獣をシリーズ既存の概念に依るのではなく、『ウルトラマンオーブ』における「怪獣」像を描こうとしている雰囲気を感じてそこは好みだったのですが、前回−今回とどうも、<ウルトラマン>だから怪獣が居て当たり前、という世界観になってしまっている気がします。
特別リアル怪獣シミュレーション路線は求めていないのですが、せっかく民間のトンデモ追っかけ集団であるSSPという視点を置いているのだから、足下からの「怪獣とは何か?」という要素をやって欲しかったかなぁと。
アバンタイトルでも拾われた第3話の
「スクープだけの問題じゃない! 俺達がこうやって追跡取材をして、リアルタイムで更新する事で、炎上しても拡散さえすれば、怪獣から避難できる人がいるかもしれないだろ」
という台詞に何となく覚えていた違和感の正体がハッキリしたのですが、この台詞はあまりにも怪獣の存在が前提にされすぎていて、今回いみじくもジェッタ自身が口にした「突然現れた怪獣達」という要素が薄い。ジェッタが内に秘めていた熱情と「怪獣」を繋げてしまうのが改めて早すぎた感がありますし、これをやるならやはり、「怪獣の現れた世界における心境の変化」というのをしっかり描いて欲しかった所です。
物語、というのはそこに生じるものだと思うわけで。
まあこの辺り、あくまで私が勝手に期待していた要素でありますが。
というわけで、怪獣スペクタクルとしては面白かったのですが、幾つか見えてきた地雷がちょっと気になる第4話でした。
次回――宇宙人現る。勇躍、地雷原にダイビングする感もあるので、大爆発しないといいなぁ。