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『重甲ビーファイター』感想17

◆第18話「大首領死す!!」◆ (監督:金田治 脚本:浅香晶)
前回の敗北を受け、割と深刻に落ち込んでいる3幹部(笑)
悪の幹部が揃って、暗い部屋で俯いて座り込んでいる、という絵はなかなか見ない気がします!
「奴等が虫けらなら、おまえ達はゴミだ!」
そこに現れる、お怒りの社長。
「しかしだ……我が要塞に、ゴミの捨て場は無い」
3幹部はビーファイターとの直接対決を命じられて出撃し、先陣を切って戦闘機部隊が街を破壊するが、ビートマシンがそれを迎撃。対峙したビーファイターと3幹部はガオームツモにより、ブルービートvsジェラ、ジースタッグvsギガロ、レッドルvsシュバルツでそれぞれ1対1のマッチアップ。
ビーファイター、お前達の力、とくと見せて貰おう」
ガオームが見つめる中、始まる戦いで、これまでの敗北を回想する3幹部。それぞれ部下が倒されたシーンを回想する事でマッチアップの因縁を強化しているのですが、いきなり回想から入ってしまうのと、戦闘シーンではBGM無しで回想シーンに入るとBGMが流れるという音楽の使い方が微妙で、ややテンポ悪し。ビーファイター側も回想を返し、お互い回想の出入りに変なフラッシュ演出があるのが凄く謎。
「何故だ……何故ビーファイターは、戦えば戦うほど、強くなれるのだ。奴等の力の秘密とは、いったい何だ。是非とも我が手に入れなければ……ぬぅぅ」
ガオームに何やら思惑がある一方、邪悪の気配を感じて、アカデミアを訪れるカブトムシ長老。ビーファイター優位に進む戦いは3対3に合流し、いよいよ3幹部に最後が迫ったその時、突如、戦場にガオームが降臨する!
「我が名はガオーム。あらゆる次元に君臨する、ジャマール王国を治めし者。我が名はガオーム」
ふわふわ浮かぶガオーム様は念力ビームでビーファイターを圧倒し、今回も追い詰められる3人。だがそこに現れたグルが、老師バリアーで3人を救う。
「何者だ?!」
「儂は昆虫界の老師、グル」
「なんだと……?」
ガオーム様は多分、「昆虫界」ってな・に? と思っています。
ビーファイターは我々の希望の戦士。やらせはしない」
ビーファイターを逃がそうとするグルだが、3人はそれを拒否して突撃。その姿に、グルは3人に昆虫エネルギーを追加注入し、溢れる昆虫魂を纏った3人の特攻アタックが、ガオームを貫く!
折角「希望の戦士」という所は前回を拾ったのに、安易な突撃・安直な奇跡、という凄く雑なパワープレイ展開に(^^; まあ、今回に関しては脚本どうこうというより、構成上仕方なかった感じですが。
「ガオーム! これが人間と昆虫の力の結晶、インセクトアーマーの力だ!」
「人間と、昆虫の力……? そうか! それがお前達の……」
スティンガーウェポンに貫かれながらも、ガオームは至近距離でインセクトアーマーに手を伸ばす事により、昆虫魂のデータを入手。
「そうだったのか……ちっぽけな昆虫が、これほどの力を持っていたとはぁぁぁ! それで、倒したつもりかーーー! がおぅーーーむ!!」
ガオーム様のデザインの都合か、4人で重なり合うように倒れ込んだ所で、大爆発。
……なんだろうこの、迸る玉砕感。
爆発の中からヒーロー復帰を見せるビーファイターは残る3幹部を脅すが、その時、激しい地鳴りと炎、まばゆい閃光と共に凶悪な顔をさらしたガオームが虚空に現れ、3幹部を回収。……それにしても3幹部、インセクトアーマーボロボロで弱っているビーファイターを前にすっかり逃げ腰になってしまい、ここを生き残っても、どうやって脅威としての存在感を維持できるのか(^^;
ビーファイターよ、お前達の力の秘密は、全て手に入れた。本当の戦いは、これからだ」
異次元には巨大なガオームの姿が浮かび、ジャマール要塞と合流。もしから要塞はガオーム本体の手なのか、という大きさのバランスは、なかなかのインパクト。
「今こそわかったぞ。虫には虫なのだ」
そして、漆黒の影が姿を見せるのだった……。
変身前の3人が一切出てこないという変則エピソードなのですが、ではアクションが超充実していたかというとそうでもなく(火薬は大量に使ったけど)、ビートマシン出撃や回想シーンなどで微妙に尺を稼いでいる辺り、麗が出せないのでいっそ3人とも出てこないエピソードを作った、というような気配。
ガオーム様自体は恐らく、次元侵略の為に数多くの戦いを繰り返す中で、行った先の戦力を入手してより組織(自身)を強化しているタイプと思われ、ガオームの真の姿?を見せつつ劣勢になった悪の組織がヒーローチームの力を分析して取り込もうとする展開自体は悪くないのですが、vsガオームがあまりに唐突かつネタ割れしすぎて露骨に茶番になってしまい、盛り上がりに欠けてしまいました。
エピソード単体でどうこうというより、諸事情合わさった結果、巧く歯車が噛み合わなかった感じ。もう少しBFvs3幹部のバトルが面白ければ“そういう回”として楽しめたと思うのですが、今ひとつ工夫が無く、総じて「3幹部リタイア?!」「ビーファイター今度こそ危ない?!」「ガオーム様死んだ?!」という、緊迫感に欠けたのが残念。
次回――予告に登場した黒い戦士のデザインはえらく格好良いので、新展開に期待。