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駆け足『仮面ライダーフォーゼ』感想7

〔GYAO!〕で1週間12話ずつ配信と思われる、『仮面ライダーフォーゼ』感想。タイトル通り駆け足気味で、ボリュームは、その週の視聴ペースと、心身の余裕により増減予定。
◆第25話「卒・業・後・髪」◆ (監督:諸田敏 脚本:三条陸
「俺はな、弦太朗。仮面ライダー部に入れて良かったと思ってる。高校生活の最後に、宝物が出来た」 (大文字隼)
見所は、屋上でスピーチの練習をしている校長先生(笑)
卒業式が迫り、キングは天高伝統の卒業式後のダンスパーティ・プロムに熱心にクイーンを誘うが、敢えなく玉砕。元ゾディアーツの3年生達が新聞部部長に問い詰められているのを目にした弦太朗は割って入るが、アルターゾディアーツの写真を見せられて反射的に律子を疑ってしまい、株が大暴落。
キングからのしつこいアプローチと弦太朗の鈍さに美羽がイライラを募らせる一方、弦太朗に協力を頼むキング。フォーゼがスコップで中庭に大きく「LOVE」と描くイメージシーンがあるのですが、えー……スコップ、初めて見る気がするのですが、未使用スイッチなのか、キングの妄想なのか(^^;
弦太朗とキングの男同士の会話、というのは珍しくて良かったのですが、全体的に、諸田監督のCG過剰演出がやりすぎ感。
プロムの準備を妨害するように暴れるカメレオンとドラゴンは、髪の毛座のゾディアーツが作り出した分身ゾディアーツであると判明するが、友子に腕を掴まれて現場に来た流星は、隠れて変身できずに苦い顔。
「逃げちゃ駄目……」
髪の毛と分身アルター、更に落語カニの参戦で追い詰められるフォーゼだが、新シフトとして強制的に台座ロボに乗せられたジェイクが意外と健闘。
ここで声援を送る一同、流星が友子に手を掴まれているのがおいしいですね!
いいぞ、そこをもっと押すんだ。
クイーンへのアプローチの新ネタで、ピエロの扮装をして遅れてやってきたキングはジェイクの奮闘を喜ぶが、それに激怒するクイーン。
「何が嬉しいのよ? あたし達の居ない仮面ライダー部の何が!」
そしてプロムの事で頭がいっぱいのキングに、クイーンは遂に戦力外通告を突きつける。
「あたしがプロムで踊りたかったのはね、その弦太朗よ!」
クイーン説得の協力を頼んだ弦太朗こそクイーンの本命だった、という道化の扮装をしたキングがまさに道化という酷すぎるネタで、3年生卒業寸前に色々こじれる仮面ライダー部は、無事に新年度を迎える事が出来るのか?!


◆第26話「有・終・輪・舞」◆ (監督:諸田敏 脚本:三条陸
「嘘!? ジェイク、奇跡の大勝利」 (野座間友子)
見所は、せっかく練習したスピーチが披露できなかった(出番がなかった)校長先生(涙)
台座ロボ@ジェイクが分身アルターを撃破するも、落語カニの装甲はマグネット超電磁ボンバーすら防ぎ、髪の毛とカニは逃走。更に律子達とゾディアーツを関連づける校内新聞が貼り出されるが、理事長の方針により卒業式もプロムも予定通りの日程で行われる事に。学校を愛するあまり、なんとしても卒業式を妨害しようとする新聞部部長は、髪の毛座の正体を現してメテオに零距離リミットブレイクを決められるも、即座にスイッチを押して逃亡。3年生のダチ達に笑顔で卒業してほしいと、弦太朗を中心にした仮面ライダー部はプロムに迫る髪の毛座の前に立ちはだかる!
「新生仮面ライダー部は未完成です。……僕の見るところ、ユウキさんは閃きは凄いがパニックに弱く、ジェイクは、瞬発力に勝るが、持久力がありません。今のは僕の独り言です」
強制的に律子のパートナーにさせられた流星は、弦太朗のはからいでパートナーとなったキングとクイーンを会場で煽り、ダンス中、食べ物メカがそれとなく会場内部に配備されている事に気付いたキングは、弦太朗達の戦いを知る。
「……俺のプロムはここまでだ」
「え?」
「弦太朗達は今戦ってるんだよ、ゾディアーツと。俺達のプロムを守る為に。俺も行ってくる」
「でも! 引退した私たちの居場所なんて、もう……」
「無いならこじ開けるさ。俺はまだ天高を平和にしてない。あいつらにだけ任せておけるか」
こじ開ける、というのが何となくアメフト風味でいい台詞。
「……格好いいわよ、隼」
男を見せたキングは会場を飛び出していき、それを追いかけるクイーン。
「もう駄目だー!」
「こんな程度で諦めない! 黙って私たちを守るなんて生意気な事をしたんでしょう。しっかりやり遂げなさい、仮面ライダー部!」
クイーンの一喝で仮面ライダー部は生気を取り戻し、キングは台座ロボに搭乗。それにしても台座ロボは、そもそもどんなパイロットを乗せるつもりで設計されていたのか(^^; どうにも根本的な設計ミス感が漂うというか、やはり実験兵器なのか。
フォーゼと台座ロボは友情の合体攻撃・ライダー超電磁タックルを放ち、カニには逃げられるが、髪の毛を撃破。
「弦太朗、頼みがあるんだ。今ここで……俺達だけのプロムをやりたいんだ」
台座ロボから降りたキングは、自らのジャケットを弦太朗に着せる。
「美羽と踊ってやってくれないか」
前回は道化にまで落ちぶれ、今回は今回でクイーンのお情けをいただいていた裸のキングが、ここで逆転のキング格好いい祭。最近すっかり三枚目と化していた上に、事情を耳にしていたのにズルズル美羽とプロムに参加してしまう、という幾ら何でもプライドなくしすぎて再浮上不可能な舞台袖に転落する寸前で、ギリギリ踏みとどまって芯のある所を見せました。
「クイーンの私が、トラッシュとこんなプロムをやるなんて」
「なんだよ」
「最高の夜だわ」
かくして美羽と隼は天高を去り、年度変わってラビットハッチへ集まった部員達が目にしたのは……
「高校は卒業してもライダー部は卒業しない事にしたわ」
うんまあ、そんな事だとは思っていたのですが、かくして、仮面ライダー部に面倒くさいOBとOGが誕生するのであった。
3年生部員の処理としては最も妥当かつ最も面白くない方策で、正直、特にそこで面白くする気がないのだったら、卒業絡みで前後編のエピソードを展開する必要が無かったような(^^;
特に良くなかったのが、「卒業する事で仮面ライダー部員で無くなる喪失感」と「プロムにまつわる淡い恋模様」を同時展開した事でクイーンの感情描写が中途半端になってしまった事と(幾つかの想いが複雑に組み合わさっているのは構わないのですが、その組み合わせを巧く描けなかった)、恐らく映像的に卒業式のシーンが難しいため焦点をプロムに合わせた事で、学園物としての重要イベントである「卒業」そのものの印象が薄くなってしまった事。
結果的に、「キングとクイーンが卒業する事」そのものが、ほぼ弦太朗・キング・クイーンの3人の中だけで進行してしまい、後輩達のリアクションもほとんど無し(特に賢吾は無関心にしか見えない)で、オチがますます活きない、という形になってしまいました。ユウキの焦点も、二人の卒業よりも、自分が部長になる事がメインですし、一番そこでちゃんと二人に接しているのが流星というのはどうなのか。
卒業・進級というわかりきったターニングポイントなのに前振りが一切無かった点も含め、冷蔵庫の残り物を全て鍋に詰め込んだら、真っ二つに割れて机の上に散乱したような感じに。
あと私どうも、三条さんは恋愛要素をうまく描けない、というイメージがあるのですが、今回ますます強く(^^;
次回――なんか嬉しくないルートに正体がバレた。