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四次元立方体

短編集『タンジェント』(グレッグ・ベア)読了。
うーん……いまいち。
翻訳が悪いのか、原文が悪いのか、単純にグレッグ・ベアの文章が合わないのかわからないのですが、なんとなく、小説そのものが読みにくくてピンと来ない所もあり。まあ、バリエーション有るので全部が全部というわけではないのですが、社会通念的イメージにおける“小難しいSF”を地で行っているような所が感じられます。まあこれは、私の古典趣味の問題もあるのかもしれませんが。正直言うと、80年代以降のSFはひとくくりに、何となく読みにくさを感じないでもないので(^^; 一種のアレルギーじみているのもまずいなぁとは思うのですが。
イデアの料理の仕方に今ひとつ魅力を感じないんですよね。勿論、うまくて面白いのもあるとは思うのですが、例えばクラークとかアシモフとかアンダースンとか(て、この辺と比べるのがまず問題かもしれませんが)の技巧と比べると、“読ませる”力が弱い。これが正直な感想。
収録作の中では、『姉妹たち』と『ペトラ』が秀逸。SF的なメッセージ性とかビジョンは割と好きなんですが、下手にこね回さないで、それを比較的ストレートに書いてくれた方が面白い作家な気が。
……作家としての評価は、『ブラッドミュージック』読んでからにしようと思いますが。
ちなみに私は、『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)を読んで、「ああこれをポール・アンダースンが書いたらなぁ」という感想を抱いてしまったので、相当脳味噌腐ってるのかもしれませんが(^^; まあ、アイデアもその作家の武器であるのは勿論ですが、『星を継ぐもの』は同じネタでポール・アンダースン辺りが書いたら、凄まじく面白いと思うんですけどねぇ。あれは正直ちょっと、ネタ倒れだと思っているのですが。力量的に作家が処理しきれなかったというか。