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『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第22話

◆第22話「覚醒か?カン違いか?」◆ (監督:加藤弘之 脚本:香村純子)
いや今回面白かった!
ランニング中、倒れていた自転車を起こそうと触れた瞬間、手に異常な悪寒を感じるさわお。不審を抱きながらもランニングを続けると、なんとその背後で自転車が大爆発。
「俺の触ったものが……爆弾に変わるんだ」
ちょうど買い出し中だったレオ・セラ・アムが爆音を聞いて駆けつけると、さわおは素っ頓狂な方向に思い込みを発揮しており、そんなさわおに笑顔でトイレットペーパーを差し出すアム。
「じゃ、これ触ってみよっか?」
爆弾が居た(笑)
でも賢いので、実証実験としては極めて有効な辺りが、恐るべし。
「きっとこれは呪いだ……ジニスの下僕となった俺に、天が罰を下したんだ。俺にはやはり……お前達の仲間になる資格は……ない」
自虐フォームを発動したさわおは実験を拒絶して座り込み、仕方が無いのでデスガリアン反応に向かった3人は、踊り狂うイリュージョン怪人と遭遇。
イリュージョンなのでマジックではありますが、デザインや動きは、劇場版のサーカスとの繋がりを意識した感じでしょうか。あと、ここで対メーバの生バトルは吹き替え無しっぽく見えるのですが、セラけっこう動ける?
メーバを蹴散らしている間にイリュージョン怪人は姿を消し、大和とタスクが合流。5人は一旦、さわおの元へ戻る事に。
「大丈夫。呪いじゃないよ。気のせいだって」
《説得》を試みつつも、ちょっと距離のある大和(笑)
そして、更に距離のあるジューマン達(笑)
面倒くさがるレオと遠巻きにする女性陣に対し、大和がさわおから話をしっかりと聞き出し、そこに検討する価値がある、とタスクがやや距離を縮める、というのは前回を受けて丁寧な仕事。でも最初から積極的に肩入れするわけではない、というのも丁寧(笑)
「大和、タスク……ありがとう」
友情の尊さに、思わず大和とタスクの手を取ってしまうさわお
「は?! 触ってしまった!! どうしよう?! 二人が爆発する!!」
「しないしない」
直後、爆発(笑)
「あーーーーーーー!! 爆発したぁぁぁ!!」
爆発に関する誤解を上手くさわおの落ち込みやすい性格と結びつけ、過剰になりかねないリアクションを笑いとして物語に収めながら、追加戦士の既存メンバーに対する存在感と関係性を確立していく、という流れが実に鮮やか。役者さんのはっちゃけ芝居も、良い感じに馴染んできました。
「してない! よく見て」
爆発が発生していたのは、怪人が踊り回っていたショッピングモールの広場。物体の爆発は、呪いでもなければ勿論さわおが新たな力に目覚めたわけではなく、触れた無機物を爆弾に変えてしまうイリュージョン怪人の特殊能力だったのだ。
「よくも俺の純粋な心を弄んだな!」
やはりさわお、根っこが太い(笑)
「これから奴等は、身の回りの何がいつ爆発するかしれないという、スリリングな日々を過ごす事になります。いかがでしょう、ジニス様」
「…………そうだねぇ、悪くはない」
前回、さわおに対してうすーーーい反応だったジニス様、今回はグラスに手を伸ばさず、じわじわと不機嫌を溜めているようですが、さて、どうなりますか。享楽的で表向きは感情表現のオープンだったジニス様がここで明らかに本心を見せなくなる、というのは面白く、どういう形で爆発するのか、楽しみです。
正直、今作で一番しっかりしていないキャラクターがジニス様なので、この辺りでボスキャラとしての強固な確立を見たい所(爆発の仕方次第では、いっそリタイアの可能性もまだ捨てきれませんが)。
地上では、巨大な爆弾を仕掛けてあると言い残してイリュージョン怪人が姿を消し、それを探す事になるジュウオウジャー。そしてサワオが植木鉢爆弾を回避した事から、大和はある事実に気付く。
「みっちゃんは、物を爆弾に変えるんじゃない。爆弾を触ったからぞわっとしたんだ」
「ジューマンパワーの影響で手の感覚が覚醒したのか……」
「サイの力かな。サイの肌は、意外と敏感だから」
クバルの思惑通り、爆弾化能力で普通にサスペンス物に出来そうなのに随分ネタ割れ早いと思ったら、ここでしっかり「鋭敏触覚」を使ってくるという展開。爆弾探しがジニス様のゲームと被ったのはちょっと惜しかったですが。
「操……変人扱いして悪かった! この通りだ! もうおまえしかいねぇんだ。頼む! 爆弾探してくれ」
相変わらずさっぱり、土下座を敢行するレオ。
「さっきはごめんね。この手ににそんな力があったなんて」
続けてアムが手を握りしめ、さわお、激しく狼狽。
「だ、だがしかし……俺なんかにそんな、大事な、任務が……」
「出来るよ! 私達はあんたの手にかける」
セラも参加し、女性二人に至近距離で見つめられ、高鳴る鼓動、始まる妄想。
「おいおい、女の子に手ぇ握られちゃったよ。しかも二人」
「もしかして、脈あり?! うわぁ、やべぇ! 選べねぇよ〜〜」
さわお煩悩覚醒。
妄想フレンズの姿を借りて、アムちゃんもセラもどっちもいいな〜という辺りが実にダメですが、うん、やっぱり、まだちょっと、女子との接触は早かったんじゃないかな……。
それはそれとして、他人からの期待×ちょっぴりの下心で、さわおのジュウオウゲージはMAXだ!
「よし……わかった」
鼻息荒く、不適な笑みを浮かべて立ち上がるさわお
その背後で、何かに気が付いた小悪魔が、唇の端を吊り上げているとも知らず。

アムはLVが上がった!
アムは《覚えると(周囲が)危険なスキル》をおぼえた!
アムは<悪女>への道にまたいっぽちかづいた!

画面左手前に拳を握りしめるさわおのアップ、その後方でニヤリと笑うアム、という酷すぎるカット(笑)
そんなこんなで、さわおのおさわり大作戦がスタートするが、成果が無いまま刻一刻と迫るタイムリミット。
「やはり俺は、役立たずの能なし野郎だったのか……」
だがしかし、うなだれて手を付いた立体駐車場の壁が、さわおの触覚を揺さぶる。なんと、怪人は一つの建物全体を爆弾にしていたのだ。イリュージョン怪人が妨害に現れて戦闘が始まり、その最中、サワオに駆け寄るタイガー。
「操くんお願い! なんとかして」
「アム、なんとかって」
「さっき爆弾見つけた操くん、素敵だった、輝いてた! 操くんなら出来る! セラちゃんも、ね」
「え?」
シャーク、巻き込まれる(笑)
「あたし達操くんの事、信じてる♪」
「あ……うん」
「……二人が……? 俺の事を? あぁ……よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
信じる力は超能力、絆は光だ!!
(※各方面への配慮として、そういう事でお願い致します)
ジュウオウゲージが天元突破したサワオは、猛ダッシュして高い所に上ると釣り竿を取り出し、立体駐車場をふぃーーーーーしゅ! そのまま、建物を丸ごと釣り上げて、虚空で爆発させる事に成功する。
…………改めて、サワオ作ったジニス様、凄い(笑)
メインで動くのがアムで、サワオが煩悩覚醒して頬を染めたりはしていますが、“誰かの期待に応えたい”という人間が一般的に持つ感情(そしてさわおが満たされていなかったもの)、を押さえておく事で、単なる下心のみではなく、今後の拡張性も確保しているのは、今作の丁寧で手堅い所。やり過ぎるとアムが嫌な感じになってしまうので、なかなかギリギリな所でもありますし。
「みっちゃん、すげぇぇぇ!!」
「フッ、まあな」
「うん、予想通り♪」
「どういう事?」
「操くんって、勘違いしてすぐへこむけど、勘違いして調子にも乗りやすいのかなーって」
「……え? それでわざとおだてたの?」
まだまだ女の子に夢一杯のイーグル、軽く引く。
「操くん、すっごーい格好良かった!」
思い当たる悲しい過去でもあるのか動悸が激しくなったライオン、心臓を押さえる。
これを機に、レオが女嫌いになって男の友情を優先するようになったら面白いなぁ(笑)
「ぬ〜〜〜、こうなったらこんな星、一瞬で消してやります! 私のイリューージョンを、舐めるんじゃあーりません!」
「おまえこそ、この星を、そしてこの俺を舐めるなよ!」
準備動作まで入ったイーグルの台詞を横から奪い取り、今回も、挿入歌でサワオ無双。
「つよ」「いけいけ♪」「本当に滅茶滅茶調子に乗ってる」「調子のいい時と悪い時の差が激しすぎる」
サワオの号令で連係攻撃をかけるジュウオウジャー、釣り糸と鞭剣で動きを封じた所をなます切り&狙い撃ちにするというのは、ヒーローとしてどうかと思うえぐさ(^^;
「レベルが違うんだよぉ!」
そして今回、この台詞が入ってくるとは(笑)
巨大化したイリュージョン怪人は、戦闘機と合体してパワーアップ。
「ふふふ、このイリューージョン、お前達には真似できまい」
「ふん、真似なんかするか! 俺達はもっと凄い物を見せてやる!」
「もっと凄い物って、なに?」
「今考えるんだよ。俺達なら、出来る!」
巨大化した敵の前でキューブをあーでもないこーでもないとやるのは最初どうかと思ったのですが、“遊び”とはそういうものか、と考えてみると、むしろ『烈車戦隊トッキュウジャー』でやってほしかったネタかも。……それこそ、宇都宮プロデューサーが『トッキュウジャー』の時に使おうとして使い損ねたアイデアだったりするのか、と思ってしまうほど凄くトッキュウジャーぽいノリ。
色々試しては失敗するのですが、サイの荷台にキューブ1〜8までを縦に積む、というのは割といい線行っていたと思います(笑) 最後はサワオの勢いジャグリングが上手く行き、手持ちのジュウオウキューブを全て合わせたワイルドトウサイキングが完成。
足の横にくっつくだけという武装アニマル4体の扱いは雑すぎますが、早くも13体合体なのか……!
そもそも既存ロボが負けたわけですらない新ロボお披露目戦は彼我の戦闘力差が圧倒的なまま進行し、右腕のパイルバンカーによるジュウオウダイレクトストレートでイリュージョン怪人は木っ端微塵。そのままテンションMAXで森家を訪れるさわおだが、急な来訪だったので夕食の数が足りず、残酷な人生の仕打ちに、おのが存在の無意味さをそっと噛みしめて丸まるのであった……。
「やっぱりこうなるんだ……」
「調子の良さは長持ちしないようだな」
むしろ、良い時の方が状態異常みたいな扱い。
「あーー、やっぱめんどくせぇ」
「でも、操くんとの付き合い方はわかったでしょ?」
かくしてまた一歩、さわおと5人の距離は縮まった! 縮まっ……た…………? おかしい、なんかまたちょっと、友情から離れた気がするよ?!
劇場版合わせだったのか全合体ロボの登場はやや強引でしたが、謎のメールによる変形合体もそれはそれで強引なので、能動的な取り組みという手法そのものは良かったです。さわおの思い込みと落ち込み、そして妄想を存分に活用したテンポの良い展開は笑いどころが多くて面白く、楽しいエピソードでした。
この先、鳥男を絡めての一山・一波乱が予想されますが、是非ともこの勢いで、残りも突っ走ってほしいなぁ。
次回――ジャスピオン?