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『仮面ライダー響鬼』感想

第1話・第2話と続けて見ました。
まあ何はともあれ、色々新しい事をやろうとしているのは、高評価。一つ問題をあげるとすれば、石田秀範(監督)の考える“面白い事”と私のそれの間に明確な差がある事か。まあこの辺りは『アギト』の頃からはっきりしていたので、今更というかまあ仕方ないか、という気分なんですけど。
石田がここまではっちゃけたので、他の監督がどう料理するか、が今は楽しみ。
気になった事幾つか。

  • ちゃちなCGを使うよりは使わない方が良い

というのは私の信念(趣味)なのですけれど、ラストの巨大蜘蛛はまあ良いとして、1話冒頭の飛行機とか、なんでCG使いますかねー。いらないでしょう、あれなら。というのを筆頭に微妙に気にかかった所が他にもちらほら。好みで言えば、蜘蛛の糸なんかもあの質だったら(TVでは仕方ないんですが)なんか実物の代用品使ってくれたら良いのに、と。まあこの辺、もはやCG使った方が楽だし安上がりなのかな、という事情はわからないでも無いですが。
それと私自身が、偽物を本物と思い込む力、を発達させすぎているので(多分、古くからの特撮ファンは多かれ少なかれこの能力を所持している)気になる、という部分は確実にあるので、これはもう、趣味の問題と言われればそれまでではあるのですが。

  • 効果音とかBGMが大きくないか?

一部、役者の声が聞き取りづらかったような。それとも今回、アテレコ?

日経新聞のCMの仕事以外知らないんですが、ある程度経験のある役者さんという事で、ちゃんと演技しておりました。その分、「はあっ」とか「ふうっ!」とか気合いの声を言い慣れていないのが凄い目立ってましたが(笑) そして玩具のCMがどうしても、日経のCMに見える。
まあ今回、映像作品として一番大きいポイントはやっぱりこの起用だとは思うのですけど。
近年の特撮作品では(少なくとも序盤においては)出来なかった、主人公による長台詞・表情と間合いのみでの繋ぎ、というのが経験値を所持している役者を配する事で、出来るようになったのですよね。これは、映像・脚本的には非常に大きい事な筈であって、それがどう転ぶか、というのは興味を持って見ております。

  • 「変身!」

今後言うんですかね? それとも、言わないのか。正直、言ってほしいのですけど。

思いの外、メタリック。というか、反射光、キラキラ。どうしてもシャンゼリオン思い出します(笑)
音叉とか太鼓とかは知っていたんで、一番ビックリしたのは
フェイスオープン→口から炎
一番インパクトあったのはこれ(笑)
口から吐く炎で敵を焼き尽くす主人公。
鬼ですな。
響鬼のデザインに比べると、怪人がやや薄いのはちょっと懸念材料。アギト以降、怪人のデザインが今ひとつ面白くないと思っている身としては、今回もあんまり期待出来ないのかなぁと。
−−−
全体としては、そんなにまあ面白く感じはしなかったのですが、今後次第かなぁと。石田以外の監督だと、すんなりと見れる可能性も否定できないですし。見る側(私自身)の感覚という物も含めて、色々な歯車がカチッとはまった途端に、物凄く面白く見れそうな予感も何となく。
少年の成長物(?)としてちゃんと描ききれればそれなりの見応えにはなりそう。香り的には物凄く、途中で激しいテコ入れとか路線変更とか有りそうだなぁとは思うのですけど(笑) とにかく、そういう部分も含めて、70年代的なものを妙に感じます。
そもそも、
ヒーローvs妖怪
という構図がもう、70年代テイストですが。
ただ、永久かと思われた氷河期を抜け、まがりなりにも特撮の春といっていい時代がきている現在、さすがに全盛期とは比べるべくもありませんが、こーいう鬼子が生まれるというのはある種の必然なのかもしれません。
要するに70年代がそうであったように(無論、他の要素も含みますが)、作品数が増えればそれに合わせて個々の作品の極化・分散化は当然増えていくのであろうと。
どういうわけか飽和的均質に流れてしまったTVアニメーションに比べると、よほど健全なのは確か。
まあ、健全だから長続きするとは限らないわけで、むしろ板子一枚下は地獄、という境界線にあるのも感じるのですけど。
ただ、概ね特撮ファン歴長い人は、特撮のそういう所が好き、という場合が多い(笑)
欲を言えばこういう設定は、ヒビキ&少年(+花的女性キャラ)によるロードムービー形式で日本各地の邪悪を倒して回る、という構成で見たかったりするのですが、さすがに現代では少年連れ回して歩けない、というのが現実でしょうか。
そういう新世紀テイストまで投げ出す気は無いのでしょうし。
今の所は、新世紀テイスト+70年代テイストの融合を目指す姿を何となく見たりするのですが、完全新生、何を見せてくれるのか、しばらくは付き合いたいと思います。
ああ後、『魔法戦隊マジレンジャー』の予告を見ました。
どう持っていくのかは判断つきませんが、“母さんが謎の戦士”というのはきっと衝撃だよなぁと(笑)
予告終了後の、「主役交代」みたいなのはお遊びだとは思いますが、巧く作っていて感心。