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『特警ウィンスペクター』感想8

確認。ファイヤーのあれは、クラステクター。
◆第11話「良太の初恋急行便」◆ (監督:小笠原猛 脚本:宮下隼一)
フランスから輸送されてくる濃縮ウランを狙う死の商人・神崎茂は、その護送役として任命された竜馬を狙いその身辺を探った結果、小山良太の存在を弱点と見定める。神崎の部下に狙われた良太は、たまたま一緒に居た憧れの相手である茜ちゃんを人質に取られ、仕方なく竜馬を神崎の元へと連れて行くが、茜ちゃんを解放するという約束は当然守られず、二人まとめて人質にされてしまう。
良太と茜の命を守るため、やむを得ず神崎の指示に従う事になる竜馬は空港から濃縮ウラン護送の任務につくが、盗聴マイクを仕掛けられ、神崎の部下達の車に監視されている為、迂闊に本部に連絡する事も出来ない。
なんとかこの窮地を報せようと考えた竜馬は、本部が気付いてくれる事に賭けて、定時連絡に紛れさせて、モールス信号を送る
インターポールから流れてきた神崎入国の情報と、竜馬の行動と言動の微妙な不自然さが引っかかっていた正木はこれに気づき、さくっと解読
……そこはマドックスを使ってあげて下さい。
竜馬が良太を人質に神崎に脅迫を受けているという事を知った正木は、このピンチを切り抜ける為に女刑事とともに出動。移動中の車の背後に回り、今度は車のライトで竜馬へモールス信号を送る。
それを読みとり、本部長の意図を理解する竜馬。
ここで流れる挿入歌。
いやー、『ウィンスペクター』、格好いいなぁ。
この作品は、こうでないと。
難を言えば、竜馬の行動を監視する神崎部下の車がパトカーの直後に張り付き過ぎですが、この辺りは撮影の都合もあるので、仕方ないか。
本部との協力プレイにより、神崎の部下達を駐車場で待ち受ける事に成功した竜馬達は、部下を逮捕。運んできたパトカーで「着化」した竜馬は、用意した偽のワゴンに乗り換え、神崎のアジトへと向かう。
その頃、アジトでは勇気を奮った良太が神崎に体当たりし、茜ちゃんを逃がそうとしていたが逆に追い詰められてしまっていた。良太へ向けられる銃口……だがその時、天井をぶち破って現れたバイクルとウォルターが二人を守り、銃弾は弾かれる。
久々にバイクルとウォルター大活躍……するわけがなかった。銃弾を防いだのも束の間、神崎がアジトにしかけていた罠にはまり、宙づりにされる2体
更に神崎の取り出した大口径ライフル(対物ライフルというには銃身が短いですが、バイクルとウォルターの装甲にダメージを与えているので、そうとう威力は高い)の射撃を受けてピンチに陥るが、そこにファイヤーが駆けつける!
問:この作品のヒロインは誰か?
……はまあ今後の課題として、マックスキャリバー・パルスビームでバイクルとウォルターを助けるファイヤー。だが、アジトの奥へ逃げた神崎が、切り札をファイヤーへと向ける!
「これが対戦車ロケットランチャーだ!!」
飛び交うミサイル!
吹き上がる火花!

爆発は正義
火薬こそジャスティ
この国の税関はザルすぎる
眼鏡に背広姿の中年が、肩にロケットランチャー担いでメタリックな戦闘スーツのヒーローにミサイル撃ちまくる図というのは、『MASTERキートン』に通ずるものがあるかもしれない(通じません)。
いや、絵てとしては凄く好きです。やるならこれぐらいやってくれた方が、いい。
なんとか猛攻撃をくぐり抜けたファイヤーは、神崎を逮捕。こうして濃縮ウランも、人質にされた子供達も、悪の手に落ちる事はなく、無事に事件は解決されたのであった。憧れの茜ちゃんに格好いい所を見せた良太は、引っ越しをする事になった彼女(東京は危険だから! 半分ほど嘘)にお別れに頬にキスをしてもらい、「甘くて苦い初恋で、オトナの階段のーぼるー」みたいにナレーションが締めるのですが、なんか東映はこういうの好きな気がするのですが、ある種の伝統芸なのでしょうか。
まあ、そうそうセミレギュラー化するわけにもいかないので、ゲストキャラが一話限りの使い切りになりがちな都合上、ある程度のパターン化はやむを得ないのでしょうが。次回予告見て、『宇宙刑事ギャバン』の「初恋は銀河特急」回を思い出してしまったのですが、若葉ちゃんに比べれば遙かに良い扱いでした良太。あの回の若葉ちゃんの扱いは、今思っても本当に酷かった……。
今回は、特警の連携プレーの格好良かったエピソード。
モールス信号でのやり取りなど、海外の一話完結型の特殊部隊もの作品っぽい雰囲気で、プロフェッショナルなチームらしさが出て、作品の幅をまた一つ広げたエピソードかと思います。
特撮ヒーローものの悪習として、“最後にヒーローが解決する”という構造を遵守しようとする余りに、支援組織ないし周辺組織があまりに頭が悪すぎるという傾向があるのですが、『ウィンスペクター』は、ヒーローが突出していない分、特警というプロフェッショナルなチーム、というのをある程度は志向しているようで、この路線は続けてくれれば楽しみな所。
おそらく、女刑事が旧来の同ポジションのキャラクターに比べて有能なのも、そういったプロフェッショナル志向の現れなのでしょう。女刑事に関してはそれが少しいきすぎて、実務有能以外でのキャラが未だに出ていないですが(^^;
ところで駐車場で、同ナンバー・同型の車を用意していという事は、本来はそれで神崎を騙すというシナリオだったのだと思うのですが、尺の都合で最終的にカットされたのかなぁ……その展開も見てみたかった気はします。運転席は「着化」済みですけど
多分、撮ってみたら「やっぱり誤魔化すの無理がない?」という事になったのではないかと愚考。
あと結果的に犯人を逮捕出来たから良いものの、落ち着いて考えると色々と大問題になりそうですが、竜馬さんがかなり特殊な人材(クラステクターを5分装備できるのは日本で香川竜馬だけ!)である事や、5年で捜査一課から新部署立ち上げしてそこの本部長に収まるなど、どうも寝業が物凄く得意っぽい正木が、コネクションなどを総動員してうまく誤魔化したのでしょう。
本部長は《説得》スキルは無いけど、《恫喝》とか《根回し》スキルを持っているに違いありません。
更に考えると、濃縮ウランの護送役が香川竜馬、という情報がかなり早い段階で洩れているのもおかしいので、その辺り内部にリークした人間がいるに違いない、という辺りを突いて政治的に決着をつけるのです、本部長、侮りがたし。


◆第12話「僕の友達ロボット」◆ (監督:小笠原猛 脚本:鷺山京子)
スイスの研究所で開発されていた夢のロボットが奪われ、偽装工作として、日本のスイス駐在大使の名前を使って家族の元へ送られる。
子供の頃には遊び相手、大人になったら仕事を手伝い、老人になったら介護してくれる……パートナーと共に成長するコンパニオンロボットだが、防衛システムが未完成という重大な欠陥を持っていった。
川口大使からの極秘連絡を受け、
一旦防衛システムが作動すると歯止めが利かず、あらゆる武器を吸収しながら巨大化し、周囲に無差別攻撃
を行うに至るというロボットを回収する為、動き出すウィンスペクター。
なぜ、コンパニオンロボットに、仮に完成しても充分に危険な匂いのする防衛システムが必要なのかといえば、この世界では、日本のみならずスイスにも危険が一杯なのです、間違い有りません。
基本、国民皆兵の国ですし、永世中立を守る為には、武力が必要。
これぞ、スイスクオリティ。
一方、川口家に届いていた荷物は、大使の息子アキオによって開けられ、中から出てきたロボットの頭部にしてコア部分は、夜の内に、家の中の電気スタンドや目覚まし時計などを取り込み、小学生程度の大きさのロボットへと成長していた。
アキオ少年はロボットにロボオと名付け、「友達」となる。
そこへロボットを回収しに二人のギャングが現れ、振り切って逃げ出す少年とロボット。
目からビーム出したり、防衛システム作動前でも充分に強そうなのですが、これぞスイスクオリティ…………?
必死に逃げる少年とロボットだっが、スクラップ置き場でギャングに追い詰められ、アキオ少年を守る為に作動する防衛システム。ギャングの銃器やスクラップを吸収し、武装ロボットへ成長するロボオ。
一気にごつくて危険な感じに。
それにしても、サブマシンガン片手にしたギャングに体当たりを敢行するアキオ少年は、勇者の資質あり。
なんだかよくわかっていなかった、のだとは思いますが。
そして毎度犯罪者が色々な銃火器を持っているのは、面白みを出す為というのもあるのでしょうが、スタッフが楽しんでいるっぽい。
駆けつけた竜馬と女刑事がギャング相手に立ち回り。
吹き替え無しで空中回し蹴りとか、竜馬さん凄いなぁ。
女刑事も、毎度タイトミニこそ履いていますが、どちらかというと、顔より(失敬)、動ける人、という基準で選ばれたのかしら。割と生身アクションがキレる。
ギャングを逮捕した竜馬はアキオ少年とロボオを保護しようとするが、暴走した防衛システムはアキオ以外の全てを、敵と認識。
いきなり撃たれる。
アキオ少年を背に乗せ、逃亡を図るロボオ。目的は「友達を守る為」ではあるものの、絵的には、「少年を人質」状態。この辺りはロボオのデザイン的な面白さもあって、雰囲気がうまく出ています。
空き地で追いついた竜馬は対話を試みるが、ロボオはアキオ少年を離さない。
再び射撃されるが、バイクルとウォルターがガードに入る。最近、バイクルとウォルターの仕事は、ばかり。……まあ、壁に入るのに全く躊躇しなかったり、ロボットらしさも出るし合理的でいい使い方ではあるのですが。ガード役をこなしながら共に説得をしようとするが、バイクルの名古屋弁は日本語として識別不可能と言われる(笑)
名古屋弁をばかにしやすか!」
一方ウォルター。
「マニュアルに従え。まず説得を行うべきです。おとなしくお縄をうけなさい。お上にも、お慈悲というものがあります」
と2体のキャラをちょっと出しつつ、結局はバイスピアーとディスライダーで戦う事になりますが、ロボオに吸収される(笑)
今回もこんな扱いか
と思いましたがこの後、ファイヤーとの連携攻撃でちょっと活躍。
ロボオをなんとか説得するべきか、破壊やむなしかと逡巡する竜馬の元に、スイス政府からの要請で正式にロボットの破壊命令が出されたとの連絡が正木から入る。
「既にミサイルの発射が決定された」
……ど、どこから?
やむを得ず「着化」したファイヤーは、連係攻撃でまずはアキオくんを救出。ロボオを破壊しようとするが、アキオ少年の声にマックスキャリバーの切っ先を止める。だが、駆けつけた本部長の連絡もわずかに遅く、ミサイルは発射されてしまう。迫り来るミサイルの着弾前に、ロボオと共に退避しようと、決死の説得を試みるファイヤー。
ロボオの攻撃を受けて何度も吹き飛びながら、「友達を守るとは何か?」と問いかけるファイヤー。
ここはこれだけで充分に格好良かったので、ミサイルの要素は全く要らなかったと思います。
最終的には防衛システムとアキオ少年の呼びかけとの間で混乱を来した人工知能がショートを起こし、動きを止めたロボオのコア部分を、ミサイルの着弾の中でファイアーが回収に成功。残された最後のエネルギーで少年に別れの挨拶を告げ、ロボオはスイスへと帰るのであった、という顛末。
……あれ、バイスピアーとディスライダー、ミサイルで消し飛んだ?
少年とロボットの友情もので、ベタな筋ながら悪くはなかったのですが、とにかくミサイルが余計でした。派手な事をやらないと、という意識と、タイムリミット的な盛り上がりが欲しかったのでしょうが、大失敗で残念。もっと自信を持って社会派路線を貫いてくれて充分に面白いと思うのですが、もう少し派手な展開にしてくれ、みたいな話がそろそろ上から来たのかなぁ……
それにしても幾ら何でも、人質解放前にミサイル発射してしまう、のは無理がありすぎました(^^;
なんかこう、スイス政府としては闇に葬りたい事情があったのか。
(何者かに奪われたと主張しているけど、そもそも一部機関の目論んだテロ計画だったのではないかと)
ロボオの成長前も含めたデザインの面白さとか、珍しい着ぐるみバトルとか、話そのものは割と楽しめたので、ミサイルのくだりだけ勿体なかったエピソード。背後で凄く普通に乗用車走っているし(笑)