◆第21話「帰ってきたWSP
どうやら世界をまたにかけてギガストリーマー乱舞を行っているらしい竜馬さんの依頼で、ICPOから預かったギガストリーマーのオーバーホールを行ったソルブレインでは、大樹がその最終テストを行う事になる。何故なら、世界広しといえども、ギガストリーマーマキシムモードを使用可能なのは、ファイヤーとブレイバーだけだから!
……本当に、何を考えて作ったのでしょう、このオーバーキル兵器。
いつもの試験場へと向かう道すがら、
(ファイヤー……ウォルター……バイクル……おまえたちは今でも、私にとってかけがえのない存在だ)
という正木の台詞から、前作の回想シーンへ。
……えーとあれ、本部長、ひとり、お忘れではないですか?
と思ったのですが、映像の方では何故かしっかり、純子さんの見せ場特集もありました。純子さんどころか、完スルーされるかと思われた久子さん特集まであった。
にしても、竜馬の回想メインがよりによって、vs死神モスのスーパーカー回。
こんなとんでもアクション回でなくても、もっとテーマにあったレスキュー回とかあった気がするんですが!
そして台詞とは裏腹に出番の無い、バイクルとウォルター。
回想シーンのチョイスに色々と疑問はあるものの、物凄く稀少な、優子とのシーンで締めたのは偉い(笑)
試験場で凄く不吉なBGMでテストに挑むブレイバーだが、射撃時の反動を制御する事ができない。自分の能力に自信を持つ為にも、使いこなせるようになりたいと射撃試験に挑み続けるブレイバーの姿を見ながら、正木はかつてのファイヤーの事を思い出す。
(ファイヤーも試練に耐えてマスターしたのだ)
ここで入る、水木一郎による「ギガストリーマーのテーマ」?がなんか物凄い。
今度の回想シーンは、ギガストリーマー登場編の、31,32話。
ファイヤーがギガストリーマーを使いこなすまでの試練のように編集されていますが、ロボット刑事ブライアンとの戦いはともかく、正木を血みどろにしたのは、警視庁のセキュリティシステムです。
正木が回想にふけっている間、ついにギガストリーマーを的に当てる事に成功し、大喜びの皆。増田は「ファイヤーは二日かかったのにさすが先輩」とよいしょするが、大樹は比べるものではない、と首を振る。香川竜馬とは直接会ったことは無い大樹であったが、
「扱った事件のファイルを見て、凄いなーと思う。尊敬しているんだ」
……えー……心がこもってない。
そしてドーザーの台詞から、バイクルとウォルターメインの回想へ。前半の回想で使われないと思ったら、こちらで使われました。
ソルブレインはICPOにギガストリーマーのオーバーホール完了を連絡するが、竜馬は不在。行き先に対しても言葉を濁される。そんな中、パトロール中にバイクルとウォルターの姿を見かける玲子と増田。
「日本に来たならソルブレインに顔出してもいいはずなのに、いったいどういう事ですか」
……かつての職場を避けるウインスペクター。
……問い合わせに言葉を濁すICPO。
結論:捜査対象は、ソルブレイン
遂に国際警察機構の捜査が、正木の身辺に!
その頃、大樹は街中で少年が銃撃される現場を目撃する。車の中から子供を銃撃した男……それは、香川竜馬だった! 少年を追う竜馬を止めようとする大樹に炸裂する、竜馬さん必殺の飛び回し蹴り! 大樹を振り切った竜馬は車に乗って走り去るが、果たしてその真意はどこにあるのか?! 今、二人のヒーローが交錯する!!
◆第22話「非情のファイヤー
明らかに不思議な事になっているサブタイトルですが、本来は「帰ってきたWSP
街中で子供に向けて銃を撃つという竜馬の暴挙に混乱するソルブレイン本部。ICPOへの重ねての問い合わせにも「香川竜馬は不在。日本には行っていない」の一点張りの中、バイクルから電話が入る。合流した本部長と大樹が話を聞くと、米軍機で極秘に厚木から日本に入国した後、「この男を4日以内に捜し出さないと大変な事になる」と一人の男を捜索しに行ったまま、竜馬からの連絡が途絶えてしまったというのだ。
まずは竜馬を捜し出さねば、と動くソルブレインに入る、豊島町で拳銃乱射事件発生の報! 発砲している男は、香川竜馬と思われる!
微妙に漂う、遂に通報されてしまったか感。
まあ、世紀末TOKYOでは、住民がパニックにもならない程度の、よくある出来事ですが。
現場に駆けつけたソルブレインは成り行きで竜馬が追っていた中年男をボーリング場のロッカールームにまで追い詰めるが、一つしか出入り口の無いロッカールームに居たのは女が一人だけ。忽然と姿を消した男……いや、その女こそが、竜馬が追っていた男だった!
男の正体は、数時間なら自在に姿形を変えられる最新型ロボット・メサイヤ。前回、竜馬が銃を向けた少年もまた、メサイヤの変身だったのである。屋上に追い詰めた女(メサイヤ)に向けて情け容赦なく撃ちまくる竜馬だが、転落したメサイヤはそのまま逃亡してしまう。
……4人居るのだから、誰か一人ぐらい、上から見張っていて。
増田! 下っ端の増田!
竜馬さんがパーティインすると、ただでさえ下っ端の増田の、チンピラ度の上昇が本格的に刑事とは思えないレベル。
香川竜馬が極秘裏にメサイヤを追っていた理由……それは、命令違反を犯したメサイヤの頭脳に埋め込まれた自爆装置が起動状態になっており、あと4日で大爆発を起こす為であった。市街地で爆弾が起爆するその前に、何とかメサイヤを確保・破壊しなくてはならない!
警察の仕事というよりは特殊部隊というか、色々な意味で国際問題まっしぐらな香りがするですが、米軍のヘリに乗せてもらったり、この世界のインターポールはどういう位置づけの組織なのだろう(笑) なんかこう、今川『ジャイアントロボ』的な国際警察機構っぽいですが。
かくてウインスペクターとソルブレインは協力してメサイヤの行方を追う事に。
オーバーホールを終えた
ここではまた、バイクル、ウォルターと、ソルドーザーが、「ロボットの心」――なぜメサイヤは自爆の危険を冒してまで命令違反をして日本にやってきたのか? について語り合うなど、前作では敢えて踏み込まなかった所に触れてきました。
ちょっと、『ブレードランナー』も入っているかもしれない。
……まあ自爆装置は、バイクルとウォルターにも付いているのですが。 あと多分、自覚無いだけでドーザーにも。
一方、逃亡したメサイヤは民家に押し入るとボディにめりこんだ弾丸を抜き取り、電話帳を漁ると1ページを切り取って姿を消す。女→中年男性への変身シーンなど、少なくともメサイヤが竜馬の言う通りのロボットである事の、映像的補完。
無くなっていたページからメサイヤが自分の開発チームの一人である、松川電子工業の藤波博士の下へ向かっている事を察知した竜馬はその研究所へと車を走らせる。ロボット工学の権威である藤波博士は、数年前までNATOの関連組織で働いていた。そしてメサイヤの誇る変身能力から、正木はメサイヤがNATO(北大西洋条約機構)の開発した諜報用ロボットであると推測をたてる。いったいこの事件の裏には何があるのか……?
研究所へ乗り込んだメサイヤの放った銃弾が、研究所の設備に引火、大爆発する研究所。ウインスペクターとソルブレインが勢揃いしてのレスキューアクションは、忘れそうになっていましたが、久々の本分発揮に各自の見せ場があり、かなり良かったです。火事場を走る抜けるジャンヌさんとか、22話にして、初めてソルジャンヌが格好良かったような。
ソリッドステ−ツ−1も、消火弾投下の新アクション。
藤波博士を助け出したブレイバーは博士から「メサイヤが人間の意識に目覚めたのかもしれない」という言葉を聞く。研究所の奥でメサイヤにギガストリーマーを向けるファイヤー。研究室の書類を漁っていたメサイヤが手にしていたのは、瓜二つの顔の男が、家族と共に映った写真。メサイヤは本当に、ただのロボットなのか?! 銃口を向けるファイヤーを、咄嗟に食らいついて押しとどめるブレイバー。その隙にメサイヤは研究所から逃亡してしまう。
果たしてメサイヤは、ロボットなのか、人間なのか。
写真はいったい、何を意味するのか――。
盛り上がってきたところで、更に次回へ続く。
ウインスペクター再臨編、前回は回想祭(約半年経っているので、仕方ないといえば仕方ない)でしたが、今回は充実の内容。特に終盤にレスキューシーンをしっかりと入れてくれたのは非常に良かったです。また、次回の完結編でどうなるかわかりませんが、前作では深入りしなかった“ロボットの心”の問題を改めてテーマとして持ってきたのは、注目。
大樹(今の主役)を持ち上げる為に、ソルブレインの理念を持ち出して竜馬さん(前の主役)をおとしめる展開になると嫌だなーと思ったのですが、竜馬さんは以前からロボットには容赦ないので、二人の関係性という点では、過度にキャラを歪ませる事なく上手に物語を回す事にも成功しました。
また、事件にタイムリミットを設定する事で、元来、知的で物わかりの良い竜馬さんが妙につんけんしている事にも、一応の理由付け。
次回予告が格好良すぎて不安になりますが(笑)、どう決着をつけるか、楽しみです。
「撃て大樹、流星となって、今こそ燃え上がれ!
ソルブレイバー、入魂のマキシムモード!
『特救指令ソルブレイン』、「竜馬から大樹へ!」」
摩擦熱で、燃え尽きるのか、ブレイバー?!