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『特命戦隊ゴーバスターズ』感想5

◆第5話「キケンな熱暴走!」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:小林靖子
ダークリュウさんは面白かった。
出来れば今後も、随所で使ってほしい設定。
「長い付き合い」だけど、黄色が青の暴走状態を見た事が無かった点について青と黄色の関係性(あくまで庇護対象と良いお兄さんポジション)に絡め、戦いの中での人間関係の変化(これまでのような気を遣った戦いは無理かもしれない→黄色の戦士としての独り立ちの進行)、そしてまだ二人と距離感がある赤の視点(それがどうしたの?)を挟み、赤の朴念仁っぷりを見せながら赤と黄色の関係性に繋げていく(赤、ハンカチ常備は姉の教育かバイクの躾か)、という流れと造りは丁寧でお見事。
次のステップは、黄色がもう一段階赤あるいは青に自分を認めさせるか、或いは青と赤が本当の戦友になるか、といった所でしょうか。まだ各人の長官との関係性も描かれていないですし、ネタは色々と転がせそう。
と、見ている側が先の展開に想像を広げられる部分を含め、ようやく、脚本家が活き活きしてきました。
ヒロムに女心を語るバイク
も面白かった。
……だけに、転送時間はだいぶ前に既にわかっている筈なのに、赤と黄色がやいのやいのしている内に、敵が転送完了して本部がメカ発進、というくだりが、本当に残念
本部はバカなのか
既にほとんど、オペレーターが転送完了時間を算出する意味が無いレベル。
この展開なら、敵の巨大メカが出てきたからロボット発進、でも何の問題もありません。
繰り返しになりますが、「転送完了時間を計算する」→「その間に本部が何らかの対策を取る」動きを見せないと、この要素そのものに意味がありません。なぜ本部は、転送完了寸前なのに、赤と黄色とバイクの漫才を延々と放置プレイしているのか。
ギミックが、ロボット物として、全く活かされていない。
そこだけきちっと処理されれば、今週は良かっただけに、とても残念。
映像演出としての、転送完了時間関係は、今回は完全に消滅
柴崎監督が自分の中で面白い演出だと思って独自にやったのか、企画段階でやってみようという事になってやってみたけど3話までのラッシュ映像見たらあんまりだったのでやっぱり止める事にしたのか。真実はわかりませんが、今回、輸送中に転送完了時間の連絡が来た際、時間には一切触れずに赤が「これなら間に合う」みたいな事を言っていて、ここまでの流れを考えると(時間表示の有無に関係なく)転送時間について全く言及しないのは不自然なので、音入れ段階では、「ここで画面下に時間表示が出ます」という予定だったのではないかと、ちょっと穿った推測さえしてみたくなります。
キャラクターのやり取りは安定して面白いので、後はドラマ部分とロボ戦のバランスが取れて、シナリオがきちっと戦闘にリンクするようになれば面白くなってくるのでは、と先に期待の持てるエピソードにはなりました。
怪人との戦闘が今ひとつ面白くない、敵側の作戦バリエーションの不足、など改善していかないといけない要素はまだ色々とありますが、この辺りはむしろ、サブライターに誰が入ってきてどんな話を書くか次第、になるかなぁ。
あとは悪玉側の個性を全てエンターで出そうとしすぎで、そのエンターが(これは好き嫌いがありますが)ちょっと滑り気味ではないかなというのは気になるところ。特にエンターが嫌いというわけではないのですが、彼一人に悪サイドの個性を全て背負わせるのは、無理があると思います。
その辺りも今後、怪人と作戦で悪の個性が出てくれる事に、期待。