というわけで、突然ですが『ゴーバスターズ』感想、再起動です。『ゴセイジャー』マラソンを走り抜けた事で、ちょっと勢いがついたとか。空白期間など無かったかのように、いきなり9話から始まります(笑) これまでの『ゴーバスターズ』については、こちらで→■〔『ゴーバスターズ』再起動作戦<準備編>〕
週1だと約1年かかるので、最低週2ぐらいのペースで進められるといいなぁと思っております。
◆Mission9「ウサダ奪還作戦!」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:小林靖子)
見所は、エンターさんがエンターキーを力いっぱい連打するとタイマーが加速する仕様の時限爆弾。
……ヴァグラスは、ストレスの多い職場です。
ヨーコと喧嘩して、単独でエネルギー管理局にエネトロンを輸送したウサダが誘拐され、身代金代わりに大量のエネトロンが要求される。「てめえんとこの身内の不始末はてめえで片付けろや」と管理局に通達された特命部は、素人丸出しの誘拐犯の確保には成功するが、そこへお手軽にエネトロンの入手を目論んだエンターが乱入し、ウサダをさらってしまう。改めてエンターから取引を要求されたゴーバスターズは、二重三重の囮作戦で、ウサダの奪還を目指す……!
3年ぶりの再起動という事で、色々と忘れたりあまり構えずに見た為か、本放送時8話までほどの引っかかりは感じませんでした。
本部でのオペレーションを重視したり、誘拐犯アジトへの突入シーンなど、改めて、『ゴーカイジャー』後に新しい見せ方を目指した、という志はひしひしと伝わってきます。致命的な問題は長官が無能だったりオペレーターが無能だったり特命部そのものがガタガタの組織という事なのですが、その辺り、だいぶ忘れたので新しい気持ちで見ようと思います(笑)
今回は丁度、ウサダとヨーコの絆を描きつつ、そんな特命部のチームとしての強さ、を描くというエピソード。頭の固い上司にどやされて1人で頑張るエンターさんを、オペレーターまで現場に投入する変装作戦で騙くらかし、ウサダの奪還に無事成功。
「なるほど。街よりバディロイドを選んだんですねぇ」
「エンター。お前は勘違いしている」
「ああ。俺たちは3人じゃない」
は良いのですが、どうしてその直後に、敵の巨大メカを相手に時間稼ぎをするゴリラメカが、路肩の車を吹っ飛ばすという映像を入れてしまうのか(^^;
他の作品なら特に気にしない箇所なのですが、「社会を守る」事に重点を置いた『ゴーバスターズ』ではそれは避けないといけない演出だと思うのですが、とにかく今作は、物語のコンセプトと劇中の描写が噛み合っておりません。
一方、8話まで見た時点で、その特命部が守るべき「日常社会」が画面にほとんど映らない事が悪い意味で非常に気になっていたのですが、それに関しては今回、モブシーンが2回ほど登場し、改善されました。
少しずつ、こういう細かい部分が良くなっていく事に期待したい。
改善してほしい所といえば、本部シーンなどで、やたらに背景で小芝居させるのですが、改めて見てもやはり画面が煩雑になって鬱陶しいだけなので、この小芝居路線は出来ればやめてほしいなぁ(これは、好みの問題が大きいですが)。
◆Mission10「戦う理由」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子)
冒頭から、大量のヴァグラス戦闘員と戦うゴーバスターズ。長時間の戦闘に冷却が間に合わずダークリュウジが降臨してしまうが、まあ戦闘が早く片付いていいのでは……と思ったら、味方ごと思いっきり撃ったので、良くありませんでした。戦闘員を派手に壊滅させたダーク青は、変身解除して満足げな笑顔で沈没。
……特命部は、ストレスの多い職場です。
一方、エンターはそれを囮に、入手した新型バスターマシンの設計図から新たなメガゾードを作り出す材料として、レアメタルを強奪。ゴーバスターズに対して人間の壁を配置し、レアメタルを亜空間に転送しようとする。
ゴーバスターズが手出しできないようにと、レアメタルの入ったコンテナの周囲を洗脳した人間で囲ませ、上に子供が張り付いている、というのはかなりエグい画。
もしレアメタルが転送されたら、周囲の人々まで亜空間に送られてしまう。人々の犠牲を防ぐべく、ゴーバスターズは救出作戦を敢行する!
これに、1話以来の登場となるヒロムの姉・リカが絡み、生来の機械嫌いに加えて両親を一度に失ったショックでバディロイドやゴーバスターズを嫌悪しヒロムに執着するリカを、会おうとしないヒロムに代わって嫌われているのを承知でニックが説得。転送されそうになっている人々と、過去の自分達を重ね、ヒロムは自分達と同じ悲劇を繰り返させない為に戦いを決断したのだ、とリカがヒロムの選択を尊重し、ヒロムのモチベーションをもう一度描きつつ、ヒロムとリカの関係はニックを含めてひとまず落着。
――「バラバラになる為じゃない。もう、誰もバラバラにしない為に!」
(それが、あなたが戦う理由……)
から、
バスターズ・レディゴー!
全てはあの日きっと 始まっていたディスティニー
僕らは逃げたりしない 止まる事無く 未来を見た
と、主題歌に繋げてのロボバトルは格好良かったです。力を入れている割に、これまでもう一つ物語と連動しきらずパッとしない巨大戦でしたが、戦隊的カタルシスを与える事で、盛り上がりました。
結局オーソドックスな盛り上げ構成に落着してしまったといえばしてしまったのですが、姉がヒロムを認める所から、ロボ戦の入りに用いた、というのは今作らしさも出て良かったと思います。まあ、姉を説得した最後の一押しは、ヒロムではなくニックの台詞なんですが!
演出面ではまた、闇に葬られていた転送時間表示をラスト20秒だけ画面に乗せ、“物語と繋げる”のではなく、“巨大メカ登場の前振りに使う”事で、供養。
これで、以後2度と使われなくても、そういう意味があった、という事になりました。
ゴーバスターズは洗脳された人々の救出には成功するが、レアメタルは亜空間に転送されてしまう。果たしてヴァグラスは何を目論むのか、そしてミッションに成功したエンターは特別賞与を手にする事は出来るのか?!
◆Mission11「ねらわれたウイークポイント」◆ (監督:竹本昇 脚本:下山健人)
9−10−11とバディロイド編という事なのでしょうが、今回はリュウジとゴリサキのターン。13年前――ヒロム(7歳)、ヨーコ(3歳)と出会ったニックとウサダが互いにずけずけ物を言い合う仲なのに対し、当時15歳だったリュウジとの間に、遠慮と距離を感じ続け、悩めるゴリサキ。
ゴリサキとニックの長めの会話シーンがあったり、徐々にバディロイドのキャラクターを深めつつ、前半コミカルに展開して、なかなか面白かったです。ただ後半、人気の無い所でひたすら強風を起こすだけのファンロイドと必死に戦っている理由が薄かったのが勿体なかったですが(^^;
いや、放置しておくわけにも勿論行かないのでしょうが、他の2人はメガゾード倒しに行ってしまいましたし、熱暴走のリスクを冒して必死に踏ん張っていなくても、壁の裏などに隠れてやり過ごしていれば良かったような。
熱暴走の弱点を突いてブルーを仕留めようとするエンターだったが、長官の制止を振り切ったゴリサキが救援に駆けつけ、扇風機ロイドを撃破。空を飛ぶメガゾードは2号機と1号機のスカイラブハリケーンによりシャットダウンに成功し、リュウジとゴリサキはお互いの本音をぶつけあえる仲になるのであった。
“亜空間に突入可能な貴重な人材である筈のヒロム達”は囮作戦に使う癖に、“バスターマシンの心臓部だから”とバディロイドの方を大事に扱う黒木司令はメカフェチなのか。
黒木司令の駄目ぶりを見ていると、それはお姉さん、ヒロムを特命部で戦わせる事に頑なに反対するわけだ、としみじみ頷けます。