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『炎神戦隊ゴーオンジャー』感想14

◆GP−25「母上(おかん)サヨナラ」◆ (監督:諸田敏 脚本:會川昇
ヨゴシュタイン、喪中。
まだ振り切れてなかった(笑)
害地大臣が部下の死を悼んで蛮鬼獣製造装置に籠もってしまった為、「作れないなら、見つけるぞよ」とヘルガイユ宮殿から外へ出る害気大臣と害水大臣……一方、ゴーオンジャーはヒラメキメデス撃破記念一休みモード続行中で、海へ行こうと盛り上がっていた。
予算が無いと却下しようとする大蔵大臣もとい家計を預かる香坂連だが、メンバーのテンションに押されて、旅行を企画する事に。
「オカン、か……」
メンバー全員から、とうとう公然とオカン扱い(笑)
こうして連をわめき落としたゴーオンジャーは、夏期休暇に出発。宿代の節約の為、連の実家である高級旅館「香坂」に泊まる事に……と、ここで以前に出た設定を拾ってきました。
「連お坊ちゃま、ゴーオンジャーのお仕事、ご苦労様です」
実家公認だった(笑)
一人息子がメカニックになりたいと言って跡取りを拒否したのに、それでOKなのか実家。
海だ旅館だ豪華な食事だ! と盛り上がる4人だが、どこか様子のおかしい連。それを気に掛ける軍平は、海で遊んでいる最中にそっと姿を消した連が、ゴミ捨て場になっている海辺の洞窟をひっくり返しているのを目撃する。
「気になってついてきたんだ。おまえ、急に、なになにっス、て言わなくなったし。……ここは?」
色々と疑わしくなってきた元刑事、久々に、注意深い所を発揮。
「ちょっとした、思い出の場所だよ。みんなの邪魔をしたくないから、一人で来たんだ」
「そーいうところが、オカンだっていうんだよ」
あるものを探してゴミをかきわける連だったが、突然、山のようにあったゴミが洞穴の中にあった石像の中に綺麗さっぱり吸い込まれる。その石像こそが、連の探していた思い出のお地蔵様であった。
……てこれ、地元では便利な、謎のゴミ消去システムとして使われていたのか?(^^;
お地蔵様との再会を喜ぶ連だが、そこへキタネイダスとケガレシアが現れ、お地蔵様を渡すように要求。連と軍平は変身するが、さすがに蹴散らされる。
「これは我らの仲間! 渡すぞよ!」
「嘘だ……! これは俺と母さんの、お地蔵様だ!」
ガイアーク反応に宿でくつろいでいた3人が駆けつけ、ピカピカ兄弟も唐突に登場。金銀は問答無用で地蔵を破壊しようとするが、青はやや錯乱気味に二人からお地蔵様を守ると、皆を振り払い、石像を抱えて逃走。大臣ズはそれを追いかけ、残された4人は、ピカピカ兄妹とポエール教官から石像の正体について聞くのであった……。
かつて、マシンワールドでは、ガイアーク以前にも蛮鬼族による反乱事件があった。それが、アレルンブラ家の乱。蛮鬼族の名門・アレルンブラ家はマシンワールドで暴れるだけ暴れ回ると、忽然と姿を消す――その一部が異次元を渡ってヒューマンワールドへと辿り着き、自然の豊富な美しい環境で仮死状態になっていたのが、連の思い出のお地蔵様の正体であった。
前々回、ヒラメキメデスの台詞で「ガイアーク決起前夜」というのがあって、「ん? 決起?」と思っていたのですが、どうやらガイアークは他次元からマシンワールドへ侵略したのではなく(特に言及は無かった気はするけど、そうなのかと思っていた)、もともとマシンワールドで生活していた蛮鬼族の組織(国家?)であった模様。
…………て、あれ、これ、もしかしなくても、被差別階級と差別階級による機械生命体の階級闘争にヒューマンワールドとばっちり受けた?!
かたや炎神。
かたや蛮鬼族。
根深い差別の歴史を感じずにはいられません。
「決起」という単語のチョイスといい、これ明らかに、炎神が蛮鬼族を搾取する構図しか思い浮かばないのですが、炎神はどこまで真っ黒なのか。
ボンパーさん悪魔どころか、炎神全部真っ黒なのではないか。
ジャッジメント! ジャッジメントを要求したい!
話が進むにつれて、次々と明るみになっていく不都合な真実。『海のトリトン』展開になったらどうしよう(笑)
美羽の「○○○った?」的な相変わらずの直球なツッコミに戦慄しつつ、連を探しに散らばる面々、何か理由がある筈だ……とひとり気遣う軍平、とちょっと珍しい絡み。
黄昏が迫る頃、逃亡者・連は、山奥に隠れてお地蔵様にオムレツを食べさせていた。ほのぼのと懐旧にひたる連だったがそこへ、走輔とは逆ベクトルで話を聞かない男・大翔がやってくる。
「無駄だ。そいつを放っておくわけにはいかない」
あくまでお地蔵様を守ろうとする連へ冷たく迫る大翔。だがそこへ駆けつけた軍平が、後ろから加速をつけて気持ちよさそうに大翔を殴り飛ばす。
「軍平!」
「よっ」
いい笑顔の軍平さん、熱い(笑)
「何をする」
「あの地蔵には手を出すな」
「おまえは馬鹿か。アレルンブラ家はとても危険だ」
「だが! 連の大切な思い出だ!」
連×軍平でも珍しいのに、そこに大翔も絡むという、ひたすら珍しい組み合わせ。
病弱な母親の為に、「○○っス」という言葉遣いで笑わせ、母の大好物のオムレツを懸命に作っていた幼少期の連。失敗作のオムレツをお供えしたところ地蔵に消化吸収されて以来、母親が亡くなるまで毎日拝んでいたのが、このお地蔵様であった。
尋問モードで仲居さんから聞き出した情報により、ストレートな説得を試みる軍平だったが……お返しに殴られる。
「戦士とはやりたいことをやっていいものじゃない」
「だったら俺も戦士じゃないな。……俺は、昔から正義のために、命を賭けて戦いたかった。それがやりたくて、ゴーオンジャーをやってる」
おおここで、軍平のテーマも絡めますか。
「おまえも、自分の才能を最大に活かしたかった! 結局やりたい事をやってるだけだ。連もそうしてなにが悪い」
「おまえは間違ってる!」
大翔のパンチをがっちり受け止める軍平。
ウイングスの登場により、最も存在意義の薄くなった軍平が、ここで己の信念を掲げて大翔と真っ向から対等にぶつかる、という対決シーンは非常に熱い。言葉だけではなく、肉体言語も駆使する事で、一方的だった上下関係にも補正を入れています。また大翔というキャラクターにとっても、走輔以外のジャーメンバーと、真っ向から絡むという重要な展開。
これは14話以来の脚本となった會川昇が、お見事。
「連は優しい奴だからな! 俺たちに甘えられれば、やな事だって断れない。だが、今度は連がやりたい事をやる番だ! 連が地蔵を守りたいなら、俺も守る!」
掴み合い、殴り合いにもつれ込む二人。
「俺の……やりたい事……」
小刻みにヒーロー論を入れてきている『ゴーオンジャー』ですが、英雄的大義とか使命感はさておいて、「好き」でやっている、という点を強調してきたのは面白い。特に思想は正道ながら、その志そのものが自分の勝手である事を軍平が認めた上で、色々と建前で武装した金兄を、「俺もお前も好きな事をやっているという点では同じだ」と同じ地平に引きずり落としにきたのは多分、尋問で鍛えた詭弁マジック。
軍平の台詞は前半で正義を謳っているのに後半で正義とか悪とか乗り越えてしまっているのですが、根本にはメンバーに対する一線を守るという信頼があるのだ、という事にしておきたい。
あまり踏み込まれてこなかった軍平の背景(刑事から無職へ)に関しては、特にイベント的なものはなく、単純により自分の願望を充足できる職業に転職した、とこれでまとめられるのかなぁ……残りを考えると、手が回りきらなかった場合は、これで、みたいな感じか。
「やめろ! 二人ともやめるんだ!」

けんかをやめて 二人をとめて
私のために争わないで もうこれ以上

番組の途中ですが、しばらくこちらをご覧下さい。

そんな修羅場の真っ最中、大臣ズが地蔵を発見。ケガレシア様が汚水を注ぐと、仮死状態になっていた地蔵は蛮鬼族としての姿を取り戻す――その名を害水騎士・ウズマキホーテ。
もともと探すのを嫌がっていたり、ケガレシアを「姫」と呼ぶなど、アレルンブラ家は、ケガレシア様と何か繋がりがある様子。
変身した金と黒をまとめて吹き飛ばしたウズマキホーテは生身の連に向けて槍を突き出すが、その動きが途中で止まり、苦しみだす。長い地蔵の時代に連のオムレツを吸収していたウズマキホーテは、その部分だけ汚れが浄化されてしまっており、連を攻撃できない体質になっていたのだ。
そもそもウズマキホーテに地蔵時代の記憶は無く機械的にエネルギー補給をしていただけであり、連の思い入れは一方通行に過ぎないのだけど、システム的な不調の背後に心の交流を見たければ見てもいい、程度のバランスに収めたのは良い所。
その場を走り去った渦巻きは、森の中で残り4人と遭遇。エネルギーを吸収して反射する能力で4人を蹴散らすと、閃きさん殉職後の新展開への布石なのか、かなりの能力を見せつける。
思い出のお地蔵様を破壊すべきかどうか、揉める黒と金を押さえる連。
「俺が行く」
暴れ回る渦巻きの姿に覚悟を決めた連は、ゴーオンブルーへと変身。
「二人とも、喧嘩をやめるっス」
「連……スって」
「仲直りして、俺と一緒にあいつを倒すっス」
「おまえ……」
「オカンになる。それが、俺のやりたい事っスから」
「オカン?」
素っ頓狂な発言に、戸惑いを隠せない兄(笑)
「はい、仲直り」
その動揺の隙を突き、ブルーは二人を握手させる。
なにやら連は、早くに亡くした母への思慕の念がねじくれ曲がった結果、他人の面倒を見る事で充足を得るようになってしまったらしい。
「子供の兄弟喧嘩を止めるのも、オカンの仕事っス」
「おい! 兄弟喧嘩って!」
「……俺たちの事か」
連の狂気に呑まれだす金兄(笑)
忘れがちだけど第5話で範人に見せたように、連は深く静かに狂っているのでありました。
青は二人に指示を飛ばし、連携攻撃から一斉射撃。かつて母が死んだ日、衝動的にお地蔵様に石をぶつけてしまった際に出来たひび割れ狙う事で、渦巻きを撃破する。倒れた渦巻きは、アレルンブラ家の王子ニゴールが近くに眠っている事をケガレシアに伝えると、キタネイダスからビックリウムエネルギーを与えられて巨大化。出撃する3大ロボだが、青空王と頑張王がエネルギーを吸われてピンチに陥ってしまう。そこでブルーが、新開発の給油ソウルを打ち込んでエネルギー補充。
久々の主題歌とともに、立ち上がる青空王と頑張王。大翔と軍平はむさ苦しい兄弟としてまとめられ、逆らったら何されるかわからん……と渋々それを受け入れると、給油パワー全開で、三大ロボ連携攻撃。ハイオク満タンプロペラアタックにより、渦巻きを撃破するのであった。
連のメカニックネタはいつも唐突なのですが(「こんな事もあろうかと」的な伝統芸といえばそれまでですが)、ここまでが丁寧だっただけに、ラストの強引さは少々悪目立ち(^^;
ただ全体としては、一応連と並ぶジャーの年長者ポジション(?)である軍平を連と絡め、軍平と大翔を信念の在り方でぶつけつつ、連の狂気にちょっと引く大翔、と、噛み合わなそうな3人を巧く絡めて見事な展開。……まあ軍平の場合、気を遣うならもっと普段から気を遣え、というのはありますが(笑)
「母さん、お地蔵様は、無くなっちゃったけど、今の俺の家族と、新しい思い出、いーっぱい作ってるっス」
このドタバタもいっそ楽しい、とどこまでもオカン魂を発揮する連であった。
というか連、存命の父親をナチュラルに家族から外してないですか(ガタガタ)。
ゴーオンゼミナールは、「兄、劇場版で号泣する」という、捏造広告(笑)


◆GP−26「恋愛カンケイ」◆ (監督:諸田敏 脚本:會川昇
前回、海なのにむさ苦しい男達の暑苦しいエピソードだったので、今回はキラキラ天使達のスイートでラブリーなエピソードをお届けします。
ヨゴシュタイン、引き続き喪中。閃きさん編は確かにヨゴシュタイン目立ちまくりで他の二人の活躍が少なかったですが、それにしても、梁田さんが都合により出られなかったのではないかというぐらい、2話続けて完全に無言(^^;
そんなわけで、酷暑の野外活動に勤しむキタネイダスとケガレシアは、遂にアレルンブラ家の紋章を発見。ケガレシアが汚れたオイルを注ぐと、ヒューマンワールドで眠っていた王子が復活する。
「おお! なんとケガレシア姫、いつ見ても貴女は、なんて清らかで美しいんでしょう!」
美しい、それは汚れを愛する蛮鬼族にとっては、最大の侮辱。
「こやつは蛮鬼族のくせに、美しいもの、清潔なものを愛する変態でおじゃる」
ケガレシアがニゴールを毛嫌いする理由、それは、自分にまとわりつく男が、変態だったからというやむにやまれぬ事情によるものだった。
以前の範人×ケガレシア回(脚本は會川昇)を拾う形で、ケガレシア様の過去のトラウマが発覚(笑)
ニゴール王子役の野島健児というと、後に『海賊戦隊ゴーオンジャー』で、ダメス・ギル王子(なんか違う)やっていたっけ、と思ったら、そちらは野島裕史でした。そして兄弟だった。というか(話ずれますが)、野島裕史って、ゲイナーくんか! 全然繋がっていなかった。
ニゴール復活を阻止しようとしていたウイングスが一歩遅れて姿を見せ、戦闘開始。
「キラキラと美しい。では、こちらも美しくお相手しましょう。ビューティウガッツで」
謎のビューティパワーで強化されているらしく、腰巻きつけたビューティウガッツに思わぬ苦戦をするウイングス。そこへジャーもやってくるが、王子は間抜けな見た目と頓狂な発言とは裏腹に、スピーディなレイピア捌きでジャーを圧倒。追い詰められた赤の姿を見た銀は、愛玩動物を保護しなければ、と底力を発揮してビューティウガッツを蹴散らして、赤を救出。
7人揃ったゴーオンセブンが害水騎士・ウズマキホーテを倒したと聞いたニゴールは、「ならば姫、ともに美しく戦いましょう」「えーーーーー、あれをやるでおじゃるかぁ?!」と嫌がるケガレシアを説き伏せ、
「害水合身・ミックス・ケガレゴール」
で、いきなりの合体巨大化。
対する炎神王G9は初撃でG9グランプリを炸裂させて大ダメージを与えるが倒し切るには至らず、ケガレゴールが天候操作で呼び寄せた雷撃とサーベル攻撃のコンボで、大ダメージを受けたジェットラスが分離してしまう。
…………なんかもう、炎神王G9が駄目そうだ!
瓦礫に埋もれたジェットラスを助けるべく、自ら合体解除してジェットラスを助けようとするベアールV。その姿に美しい愛を見てしまった王子は「美しいものは、汚す事はできない」と合体を解除して退却し、九死に一生を得たゴーオンセブンの中、早輝はベアールの気持ちに気付く。
…………うーむ……何が生まれるんだろう(おぃ)
再戦に向けて、それぞれがキャストの掃除などを行う中、美羽の元を訪れる早輝。
ここで最もキャラの薄いジェットラスをフィーチャーしてくる辺り、相変わらず今作は構成が巧み。
にしても、緑→ケガレシアの後に、車同士のラブネタが来るとは思いませんでしたが(笑)
「うち……あんたの牙から逃げられなくなってしもた。トラやん、好きやぁ!」
早輝が通信機を差し出し、ベアールV、ジェットラスに告白。
銀「え?!」
黄「よしっ」
ジ「え、いや……」
決め台詞を面と向かって他人の口から聞かされるという羞恥プレイに、動揺するジェットラス。
ベ「今度一緒に、タイガースの試合見にいかへん?! お願い!」
ヒューマンワールドに来て半年、随分と現地の文化に馴染んでいた模様(笑)
言われてみると、早輝、タイガース色。
黄「お願いします!」
ジ「君たち……」
銀「お断りよ!」
しかし何故か、美羽が断る(笑)
「どうして美羽が断るの!」
「ジェットラスは、私の大切なバディだから」
食い下がる早輝に、恋心なんて、戦いの邪魔でしかない、と突っぱねる美羽。
「好きな人を思えば、もっとパワー出る出る。美羽にも経験ない?」
早輝の言葉に、ちょっとばかり、さっきの戦闘を思い出しちゃう美羽。
「あーーー、なんでこんなの思い出すのよ?!」
「何、やってるの……?」
あれは動物、愛玩動物、ペットへの愛情。理想は兄。せめてクール系クール系。
「おこちゃまには付き合ってられないわ!」
「大人ぶってると、すぐおばさんになるわよ」
「なんですって!」
一応この二人は、美羽が若干年長ポジションになる模様。まあ散々、食事とか服とか、与えられてますしね……。
恋愛観の違いで揉める二人に、突如横から差し出される花束。
「お嬢さん! どうぞ私の愛を受け止めて下さいませ」
たぶん耐性が低い為、ストレートな告白に満更でも無さそうになる二人だったが……
「美しい……ベアールV」
何とその声の主は、ニゴール王子。
「お目が高いのね。でも残念。ベアールにはとっくに」
「めっちゃ最高や〜。うち嬉しいわ〜」
「はぁ?!」
王子の求愛を受け入れたベアールソウル、ニゴールの元へ走る(笑) 喜ぶ王子は二人を捨て置き、雨雲を呼び出すと嫌がらせでずぶ濡れにして帰還。
一方その頃、王子の天候操作に対抗すべく、馬鹿どもは、大量のてるてる坊主を作っていた。
「……がんばれ」
それを見た兄、視聴者の気持ちを代弁する。
ベアールの行動は、本命のジェットラスをやきもきさせようという恋の駆け引きに違いないと断ずる美羽。二人は乙女心についてまたも揉め、ケガレシアに見つかったら危ないとベアール救出への協力を早輝は頼むが、美羽はそれを拒否。
しかし、
「本当に自分を必要としてくれる者の為になら、戦士となれる。それが君だ。――行こう、バディ」
ジェットラスの説得を受けた美羽は考えを改め、早輝と再合流。二人は美羽が探知可能なニゴールの気配の元へと向かう……と、ジェットラスのエピソードに併せて、ここまで特に触れられていなかった、美羽がシルバーとして戦う理由にも言及。
この兄妹は基本ひたすら、ノブレス・オブリージュが土台にある模様。
特別蔑んでいるわけではなくて、そもそも階段の上と下に居るから仕方がないんですよ!
結婚式の準備に盛り上がるニゴールはベアールのソウルを破壊しようとするケガレシアを止め、アレルンブラ家の乱が中途半端に消滅したのは、ケガレシアにプロポーズを断られた傷心のニゴールがマシンワールドを飛び出した為だった、という事実が発覚。
これがいわゆる、歴史の影に女あり。
早輝と美羽はベアールVのキャストにジェットラスのソウルを入れ、大騒ぎさせる事でニゴールを誘き出すと、ニゴールの手元の炎神ソウルが偽物だと惑わせる事に成功し、ベアールのソウルを無事に回収し、揃って変身。
「おお〜、スマイルキラキラ、美しくってクラクラ!」
新挿入歌がかかり、てるてる坊主装備でやってくる馬鹿メンズが(以下略)で、金兄も参戦。野郎達がビューティウガッツの相手をしている中、華麗なツープラトン攻撃を王子に浴びせるラブリーエンジェルズ。
左右で二人が同じアクションをして、連続攻撃を決める、というのが非常に格好いい。
「美しい乙女の力」「甘く見ないで!」
ダブルキックを受け、吹き飛び膝をつく王子。
「馬鹿な……! かつて私は、マシンワールドを支配する寸前でした。炎神たちが、私にかなう筈は無い……」
ただの変態ではなく、割と実力者だった模様。炎神王G9を弱体化させてしまったフォローもありそうですが。
驚愕する王子の前に浮き上がる、ジェットラスとベアールVの炎神ソウル。

ジ「その時無かったものが、今の私達にはある」
ベ「頼もしい相棒」
ジ「最高のバディ」
黄「人間と炎神の友情が」
銀「私達にしかない力を生み出したの!」

あ、ちゃんとまとめた(笑)
コメディ寄りの回だったので、正直、これはビックリ。この辺りの構造はお見事。
「おぉ……あ、愛の力か……美しい」
黄と銀の二人合体射撃技、フラワーキャノンボールの直撃で王子はお花畑に沈み、最後はゴーオンセブンのダブル必殺技一斉射撃を受けて彼方へと吹き飛んでいく。荒野まで吹っ飛んだ弱ったニゴールの前に、ビックリウムエナジーを手に姿を見せるケガレシア。
「王子、ニゴール・ゾ・アレルンブラ。おまえは眠っているべきだったでおじゃる。ガイアークに、美しさなど不要」
手を伸ばす王子の目の前でケガレシアはエナジーを踏み砕き、
「姫! そ、それでもあなたは、美しい……」
王子、大爆死。
炎神ソウルの破壊を拒否した時点でガイアークにとって裏切り者という理由が出来た事もあり、王子を始末する事で久しぶりにケガレシア様の非情な所を出す事が出来ました。油断していると、スタッフがすぐにケガレシア様を可愛くしすぎますし。惜しむらくは、ここは予告では隠しておいて欲しかったか。
そして――改めてジェットラスの気持ちを聞く事になるベアールVだが「まずは友達から……」とあくまでお堅いジェットラスに対し、「あの告白は無かった事に」と、いきなり黒歴史に葬り去るベアールV。ニゴールを誘き出す為の物真似作戦が気持ち悪かった事を理由にフられる……と酷い目に遭うジェットラス(笑) そしてベアールVの乙女のハートは人間のイケメン達も守備範囲に含め、慌てて逃げ出す男達。真っ先にぎんじろうの中に逃げ込んだ大翔が、熊のぬいぐるみでバリアーしているのが秀逸(笑)
終わってみると、ジェットラスのキャラクターそのものは相変わらず薄いのですが、美羽の背景も含めて、このタイミングでスポットを当てたのは非常に良かったと思います。スピードルとか空気だったけど、久々に炎神が話の中心に来たのも良し。
この手のエピソードは「女は怖い」に流れがちですが、どちらかというと可愛げでまとめているのは、今作の特徴か。一番怖いのは、ケガレシア様でも早輝でも美羽でもなく、恋の駆け引きの為に相棒を危険にさらす(変身不能にする)ベアールV。
にしても、思わせぶりに色々やった割には、人間の方の関係は一つも動いていない、というのは凄い(笑)
あとアレルンブラ家は新展開への布石かと思いきや、夏休みネタで消費、というのも凄い。