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『炎神戦隊ゴーオンジャー』感想30

◆GP−49「最終ケッセン」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希
あ……酒飲んだ。
正義解散によりゴーオンジャー4人と炎神9体を消滅させ、もはやヒューマンワールドに敵は無し、と乾杯するヨゴシマクリタインと大臣ズ。
「「「るねっさーんす!」」」
どうして髭男爵(笑)
「いよいよ、ヒューマンワールド殲滅作戦の始まりナリナ」
街をバンドーマの大軍団が襲い、今は4人と9体の事は胸の内に収めて世界を守る為に戦う時、と走輔達は出撃。次々とバンドーマを撃破していくが、その猛威は倒しても倒しても尽きる事がなく、炎神王を起動する事に。
無限に湧き出るバンドーマ軍団……その秘密は、ヘルガイユ宮殿にあった。ヨゴシマクリタインの設計に基づき、ヨゴシュタインが作成してヘルガイユ宮殿に飾ってあった歯車、それこそが、無限力にアクセスする事で、バンドーマを無限に生み出すエネルギーを生み出す、デウス・ハグル・マギアだったのである。
OPで大臣達の背景にあった紋様オブジェが、ガイアーク究極のマジックアイテムであった事が判明。
特にこれまで強調された事は無かったので、唐突といえばえらい唐突。最後の最後だけに、出来ればもうちょっと伏線は欲しかった所です。合わせて、ヨゴシマクリタインとヨゴシュタインの繋がりに触れられましたが、これも強引に言い訳した感じ(^^; 両方とも、それほど気にする箇所では無いにしても。
まあそもそも「デウス・ハグル・マギア」が、「デウス・エクス・マキナ」のもじりでしょうから、メタ的にはこれでいいのかもしれませんが(笑)
デウス・ハグル・マギア、という名前は非常に格好いい。
炎神キャストの時間切れまであと20秒。なんとかバンドーマ軍団を掃討したゴーオンジャーだったが、合体強制解除で、投げ出されてしまう。
「これで終わりではないナリナ」
その前に現れる、ヨゴシマクリタイン、キタネイダス、ケガレシア。
ここで3vs3の一騎打ち展開となり、最近すっかり三下要員となっていたキタネイダスとケガレシアに、戦闘見せ場。ケガレシア様、吊りを体験。やっぱり、直接戦うと強いガイアーク大臣……とりあえず普通に戦っておけば良かったのに、酒だ! みんな酒が悪いんだ!
レッドもサーベルストレートを総理に弾かれ、叩き伏せられる3人。
「いいざまでおじゃる。そろそろ終わりでおじゃるなあ」
「遂にガイアークの、勝利の時が来たゾヨ」
「しょせん3人で抵抗など無理ナリナ」
圧倒的な総裏大臣の力に、3人となったゴーオンジャーはこのまま屈してしまうのか――いや。
「俺たちは……俺たちは3人だけじゃねえ! 大翔も、美羽も、軍平も範人も、みんなここにいる! 俺たちは、みんな一緒に戦ってるんだ!」
例え世界から居なくなったのだとしても、共に戦ってきた仲間達との繋がりが消える事はない。3人は再び立ち上がると、消えていった仲間達の武器を装備する。
「範人、あなたの思いをぶつけて!」
「軍平、君の根性を見せてやるっス!」
「大翔、美羽、おまえたちのオンリーワン、借りるぜ!」
「「「ゴーオン必殺スピリッツ!!」」」
仲間達の魂を借りたゴーオンジャーの合体攻撃に対し、ヨゴシマクリタインは両脇の大臣ズを盾にして防御。更に「傀儡傀儡政権」によって洗脳した二人を砲弾にして放つ(笑) ゴーオンジャーはバーニング大臣ズミサイルを受けて吹き飛び、追い打ちの「砕けろ。必殺・定額給付弾!」により撤退。圧倒的な力の差を見せつけたヨゴシマクリタインは、無限バンドーマ軍団を再出撃させるべく、ヘルガイユ宮殿へと帰還する。
「ふん、おまえ達を使い捨てのウガッツ以上に思った事はないナリナ」
砲弾攻撃への抗議を、バッサリ切り捨てるヨゴシマクリタイン。
「我一人居れば、この世界をゴミの山に出来るナリナ!」
「あ、あれが、我らの総裏大臣ゾヨ……情けの深いヨゴシュタインとは、正反対ゾヨ」
「我らを捨て駒としか思わぬ、冷酷な方でおじゃるとは」
「むぅぅ……」
ここに来てようやく、ちょっとムッとする二人、どこまで暢気なのか(笑)
「回れ回れデウス・ハグル・マギアよ。無限バンドーマ軍団、再出撃ナリナ!」
ぎんじろうでは、ゴーオンジャーが反撃の一手を閃いていた。ヨゴシマクリタインが無限バンドーマ軍団を出撃させるという事は、裏を返せば、大量のバンドーマが短時間の内にまとめて出現するという事。それを逆手にとって、ガイアーク探知機を最大出力・最大エリアで作動させる事を連が思いつく。通常なら負荷が大きすぎて短時間で使用不能になってしまうが、大量のバンドーマ軍団が出撃してくる事がわかっている今ならば、その短時間の内に、バンドーマの出撃地点――すなわち敵の本拠地を発見する事が出来る筈。
そしてデウス・ハグル・マギアの力により無限バンドーマが出撃を開始し……最大出力のガイアーク探知機は、その中心を捉える事に成功する!
「これ、片道切符の出撃にならないよね」
49話にして遂に判明したガイアーク本拠地・ヘルガイユ宮殿へ乗り込むべく、海の向こうを見つめる3人。
「怖いんなら、残ったっていいんだぜ」
「行くわ。ヒューマンワールドを守るために、3人で頑張るのよ」
「俺たちの命は、あのサーキットで炎神に助けられなきゃ、無くなってた命っス」
ここで浮上する、悪魔の契約(笑)
「みんな、正義の味方になってほしいんだけど」
回想シーンのボンパーさんが超軽い(笑)
「そう、あの時から、連と、走輔と、生きるも死ぬも、一緒なんだから」
「俺たち、ずっと、最高の仲間だぜ!」
すっかり鬼畜ボンパーさんに洗脳され尽くした3人は、揃って変身。炎神王を起動し、乾坤一擲の大勝負、一発逆転を狙ってヘルガイユ宮殿を目指す……泳いで。
ここでまさか、あのダメだった22話のネタが生きるとは(笑)
飛び交うバンドーマ軍団をやり過ごし、本拠地強襲作戦で上陸に成功したゴーオンジャーは宮殿内部でウガッツ達を蹴散らしていくが、その前に再び、ヨゴシマクリタイン、キタネイダス、ケガレシアが立ちはだかる。
色々面倒くさくなってきたのか、ヨゴシマクリタインは早速大臣ズシールドを発動。
「盾としてゴーオンジャーと共に散るなら、おまえらも本望ナリナ!」
満タンガンの斉射を大臣の盾で防ぐと、そのまま大臣ズごとハンマーからの極太ビームで撃ち貫き、吹き飛ぶゴーオンジャーと大臣ズ。いよいよ、正義、完全に解散の時、とメットが外れて倒れるゴーオンジャーの前で、ヨゴシマクリタインはエネルギー源であるゴミ箱に手を伸ばす。
無限ゴミ箱から取り出されるのは、ヨゴシマクリタインが滅ぼした三つのワールドのゴミ――そこに込められた次元パワー。すなわち、ブレーンワールドそのものの力であった。
「あと一口で、撃てるナリナ」
その時、度重なる盾扱いで満身創痍となったケガレシアの鞭が一閃してヨゴシマクリタインの手からゴミ箱を奪い取ると、それを受け取ったキタネイダスが、ゴミ箱を破壊する!
「馬鹿な!」
「これで、正義解散のパワー源は断ったゾヨ」
権力争いとは縁遠く、みんな仲良く世界を汚し、後から出てきたよく知らない偉い人にも素直に従ってきた大臣ズ、最後の最後で、まさかの反乱。
「おまえ達どういうつもりナリナ?!」
「ガイアークに、独裁者はいらないゾヨ!」

「妾達が目指したのは、蛮鬼族全員が気持ちよく暮らす理想のゴミ世界。仲間を踏みにじるお前に、そんな世界は」
「作れないでおじゃる!」「作れないゾヨ!」

嗚呼、この人達はやはり、差別と戦っていたのだなぁ。
「死に損ないが世迷い言を!」
ヨゴシマクリタインはハンマー攻撃で大臣ズを倒すと、「我が本当の力を見せてやるナリナ」と奥の部屋へと去って行く。思わず宿敵であった大臣ズへ駆け寄った3人は、瀕死の2人から宮殿の奥にあるデウス・ハグル・マギアが、無限バンドーマ軍団のエネルギー源である事を教えられる。
「ボンボン! それだ! その装置を壊せば、範人やみんなが、戻ってくるかもしれない」
そこへ入るボンパーからの通信。
「あいつら……死んじまったんじゃねえのか?!」
大翔と美羽の決死の行為により、正義解散の分析を進めていたボンパーは、4人と炎神達が完全に消滅したわけではなく、世界を構成する究極の“揺らぎ”の状態になって、波動レベルでヒューマンワールド内に存在している事を突き止めていた。そしてその状態を維持しているのがデウス・ハグル・マギアから供給される無限のエネルギー。故に、それを破壊してエネルギーの供給を断てば、4人や炎神達は、揺らぎから実体化して復活する筈。
無限エネルギーとか次元パワーとか究極の揺らぎとか色々出てきましたが、書いている方も勢いでないかと(笑) 本当はもうちょっと伏線があれば万全な所でしたが、まあ、よくわからないけど凄い感は伝わってきます。
また、「正義解散」が大がかりかつ強力だけど、揺らぎに変えた状態をわざわざ維持しているとか、割と遠回りな必殺技である事が判明しましたが(ヨゴシマクリタインの戦闘力なら正面から倒した方が早い)、これはたまたまゴーオンジャー相手に使ってみただけで、もっと究極の目的の為の、無限エネルギーや次元パワーに関する実験過程の一産物なのかと思われます。
「仲間と、再会できるの、良かったでおじゃるね……」
「ありがとう。でも、あなた達……」
「我らも、仲間の……ヨゴシュタインの、待つ世界へ……」
「ともに、手をたずさえ、旅立つで……おじゃ……る……」
キタネイダスとケガレシアは互いに手を伸ばし合うが、重なり合う寸前、二人は同時に力尽きる。
地面に落ちた二人の手を取り、重ねる早輝。
ここに名悪役だったガイアーク3大臣、全員殉職。
いや、素晴らしい幹部キャラ達でした。
そして最後の最後まで、異常に愛されたなぁ(笑)
ヨゴシュタインのリタイア後、どんどん迷走していたキタネイダスとケガレシアでしたが、最終的なヨゴシマクリタインへの反乱の理由が、権力欲でもなければ正義のヒーローにほだされたのでもなく、自分達の理想の為には目的の障害であるゴーオンジャーよりもむしろ、身内の危険思想の方が敵である、という認識でそれを打ち倒そうとした、というのが凄く素敵。
「悪の美学」ではなく、「棄民である蛮鬼族の夢」の為に散る、と、非常にらしくまとまりました。
先のヨゴシマクリタインへの叛意の芽生えも、「自分達が使い捨てのウガッツ同様の扱い」を受けた事に憤っていたのではなく、「捨て駒という考え方」そのものへの怒りだった……と、怪人に優しく福利厚生の厚い悪の組織ガイアーク、を崩さず通しました。
情けないまま踏み潰されて終わるのも、善意に流れてゴーオンジャーに手を貸す展開も、どちらも嫌だなぁと思っていたので、最後までガイアーク大臣として格好良く散ってくれて(大きな意味では内ゲバ内ゲバなのだけど、個人の美学ではなく、あくまで組織が先に立った上でというのがポイント)、ラスト2話は、ここだけでも大満足です(笑)
「ガイアークに、独裁者はいらないゾヨ!」
は超名台詞。
宿敵達の思わぬ最期を看取ったゴーオンジャーは、ヨゴシマクリタインとの最終決戦に向けて奥へと進む。
ここで、キタネイダスとケガレシアの手を重ね合わせた早輝が、すぱっと立ち上がって走輔と連にメットを投げるのは良かった。
「走輔、連!」
「ずばり、エネルギー源を破壊するっス!」
「よーし、マッハで行くぜ!」
衣装の都合で、メットはそのまま被れない為、角度が変なのはご愛敬(笑)
デウス・ハグル・マギアのエネルギーが満ちるこの部屋で、我は3倍の強さになるナリナ」
ヘルガイユ宮殿最奥で待ち受けるのは、青白い光を纏う、ヨゴシマクリタイン。
「それがどうしたっていうの!」
「その歯車は何がなんでも破壊するっス!」
「俺たちが居るかぎり、てめえの好きにはさせないぜ!」
今、最後の戦いが始まる――!
一足早く最終回のゴーオンゼミナールは、ぎんじろうの名前の秘密。早輝の実家の犬の名前でした、とまあ、比較的どうでもいい感じでこのコーナーらしく締めました(笑)


◆GP−FINAL「正義ノロード」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希
デウス・ハグル・マギアから無限力を引き出してゴーオンジャーを叩きのめすヨゴシマクリタインだったが、3人はコンビネーション攻撃から総理を蛮鬼獣作成部屋へ閉じ込める(笑)
まさかこの局面で、そのギミックが使われるとは。
レッドがスピードル、バスオン、ベアールVの3つのソウルでカンカンエクスプレスを放ってデウス・ハグル・マギアを破壊……とさすがに無理矢理なねじ込み感の強かったカンカンバーも一応使用。
デウス・ハグル・マギアが破壊された事で無限力が逆流し、吠えるヨゴシマクリタイン、崩れてゆくヘルガイユ宮殿。
「ガイアークの、最期っすね」
「俺たち……勝ったのか?」
「これで、範人達も帰ってくるんだよね」
炎神王によって脱出した3人は完全に崩れ去った宮殿を見つめるが、突如、数千数万の漆黒の歯車が空中で重なり合い、巨大なヨゴシマクリタインの影となる。
「ふっふっふ、総裏大臣は永遠に不滅ナリナ」
巨大ヨゴシマクリタインは炎神王を捨て置くと、日本上陸。破壊光線を放って世界を崩壊させていく。
「全てはゴミより生まれ、ゴミに還るナリナ。ゴーオンジャーが追いつく頃には、既にヒューマンワールドは滅んでいるナリナ」
だがその時、ぎんじろうの中で、机の上から消える4つの武器。
「え……? そうか、これは!」
「最後の仕上げと行くナリナ……なにっ?!」
何故か人間大に戻ったヨゴシマクリタインに突き刺さる、4つの閃光。
そこに立っていたのは、無から舞い戻った、ゴーオンゴールド、シルバー、ブラック、グリーン!
「地上がやたらうるさくて、ゆっくり死んでいられなかったんだ」
「兄、やっぱり地上はキラキラ輝いてるね」
「この世界を守る為なら、俺たちはいつでも戻ってくる!」
「今度は、おまえが消える番だ!」
なお、4人を見たヨゴシマクリタインが「死んだ筈では?!」と驚いてるので、ヨゴシマクリタイン自身も、正義解散の特性を完全に把握していなかった模様。この後の台詞も合わせて考えると、やはり十一次元制覇の為の次元エネルギー研究過程で生まれた副産物だったのではと思われます。
4人はヨゴシマクリタインに連続で必殺攻撃を浴びせ、足止めに成功している間に3人が合流し、3話ぶりに揃い踏みするゴーオンセブン。
「我を倒すとは笑止……我は全てに君臨する。十一次元の全てを、我が物とするのだ。必殺・強行採決!!」
いちいち技名の面白いヨゴシマクリタインの放つ無限力ビームの電光に打たれ、倒れる7人。一撃で7人の変身は解除され、吹き飛ぶメット。足下まで転がってきた赤のメットを、ヨゴシマクリタインは哄笑と共に踏み潰す。
「ふふふははははははははは、雑魚も遂に終わりナリナ!」
ここで大翔の顔アップにかかって、OPが流れ出すのが、超格好いい。
今作の主題歌はかなりお気に入りなのですが、ヒーロー物主題歌は、本編でイントロかかった時に「来た!」と思わせるのが命であるな、と。改めて今OPのイントロの盛り上げは素晴らしい。

金「わかってないようだな」
銀「あなたに、私達を倒す事は出来ない!」
赤「心と心で、結ばれた仲間たちを!」
青「ゴーオンジャーと呼ぶっス!」
黄「この世界に、仲間が居る限り!」
緑「僕たちは、何度でも!」
黒「何度でも、立ち上がる!」

OPをバックに、それぞれ、倒れながらも変身アイテムを構えた顔アップに台詞を乗せて、立ち上がる7人。


「「「「「「「レッツ・ゴーーーオン!!」」」」」」」

OPの「ゴーオン!」の後に、変身の叫び、と当然計算づくでしょうが、タイミングもバッチリ。
そして変身した7人、メット無しで名乗り。
メット外し(スーツ+役者顔出し)を多用していた今作ですが、最後はこうまとめてきました。ジャー+ウイングス合体名乗りは無かったものの、揃い踏みは7人並び。
スピードルソウルでスーパーハイウェイバスターを、バスオンとベアールVのソウルでウイングブースターを、と7人の心と3体の炎神の魂による合体攻撃が、ヨゴシマクリタインに炸裂。
必殺武器は最後まで炎神ソウルと絡めて、巧く使い切りました。
「おのれ……仲間などと下らぬものに、負けるナリナ! 偉大なる……第三次産業革命!!」
巨大化するヨゴシマクリタインだったが……その時、復活した炎神達が駆けつける。スピードル達も巨大化し、全員が乗り込んでヨゴシマクリタインに向けて疾駆する12体の熱き炎神達!
「バタバタ、また組めて嬉しいぜ、兄貴!」
「俺もだ、トリプター」
「また一緒ね、ジェットラス」
「ギィーン、バディ、最後まで美しく、戦おう!」
「吾輩の教えの集大成を見せるであーる」
「百万年の仇、今度こそ、討つでござーる」
「ガンパード、待ちかね過ぎだぜ」
「ファイナルターゲットは、外さないぜ、相棒」
「アミーゴ、明るい明日を掴むーチョ!」
「うん、ドキドキの明日をね」
「早輝、最高の女の度胸、見せるんや!」
「うちに任せんね!」
「連、今までの分、たっぷりお返しでぃ」
「ズバリ、やるしかないっス!」
「相棒、マッハで行くぜ!」
「OK! みんな、いいな!」
さすがに古代炎神の字幕は抜きも、最終最後のG12フォーメーション、今ここに発動。

「ヒューマンワールドの人間と、マシンワールドの炎神の心が、絆で繋がれる時、炎神王G12が、降臨するんだぜぇ! ドルドル!」

伝説巨神G12は、合体するや否や、いきなり先制のG12グランプリでヨゴシマクリタインを轢き潰し、大量の歯車となって砕け散るヨゴシマクリタイン。
「やったか?!」
今回やたらフラグを立てる走輔だったが、ご期待に応えてヨゴシマクリタインは再生復活。
「ふふははははははは、今の我は無限のパワーを取り込んで、無敵。我は十一次元の覇者! 我を倒すは、いかなる神でもなせぬ業ナリナ」
特大の火球を喰らい、4回目の登場にして初のダメージを受けるG12。だが……
「覇者とは、いつかは敗れるもの!」
「無敵なんて存在しない!」
「俺たちの正義の炎は!」
「ずっと燃えているよ!」
「みんな、あたし達の力を、見せてやろうよ!」
「ああ。人間も炎神も、心を一つにするっス!」
「俺たちの絆は、どんな力よりもはるかに強く、大きいぜ! 行くぞみんな!」
一つになった19の魂は燃え上がり、怯まない。
「無駄ナリナ。最終独裁宣言、ヨゴシマニフェストブレイク!!」
ヨゴシマクリタインの放つ特大のビームに対し、炎神王G12、飛ぶ。
「G12・ファイナルグランプリ!!」
空中で炎の鳥と化した(スピードルのイメージ?)炎神王12は、ビームの連射を高速機動で回避すると、科学忍法的なファイアーバードアタックで突撃、ヨゴシマクリタインの体を貫く。
ここでヨゴシマクリタインに空いた大穴の中で、内部機構がひくひく動いているというのは、いい演出。
「ばーかなぁ……我が負ける、だと? 決してあってはならぬナリナ……我は十一次元の覇者……ガイアークの総裏……大臣……アイムソーリーー!!」
最後まで、作品として芸風を貫きました(笑)
「「「「「「「チェッカーーーフラッグ!!」」」」」」」
復活から火の鳥から撃破まで、ラストバトルは敵も味方もひたすら勢いオンリー(笑)
結果としては、クリスマス回にロボットオールスターをやっておいた事により、ロボと炎神に関してはG12発動前の台詞のやり取りだけで済み、尺を割きすぎず、かといって不足という事もなく、と丁度いいバランスでまとまりました。
人間大での必殺武器も合わせてほぼ使いきった中、唯一、タイヤの出番がありませんでしたが、しょせんタイヤは道具という事か。ラストのG12グランプリの前にタイヤ使ったけど尺の都合でカットされた可能性がありそうですけど。
そして戦いは終わり……別れの時が来る。
次元の安定の為、むやみに別のワールドへ居てはいけない決まりがある為、炎神達はマシンワールドへと帰っていく事に。
「元気でな、バディ。お嬢さんがよくここまで成長した」
「あなたのお陰よ。忘れないよ、ジェットラス」
道中いくつか振りはありましたが、結局、美羽は一番、ジェットラスとのフラグが進んだなぁ(笑) まあ戦隊の場合、メンバー間恋愛はメインライターなりが本気で主軸に据える気がない限りは、一部ライターが趣味で散りばめる以上のものにはなりにくいわけですし、そういうものだと思ってこちらも見てますが。
そして自分が役に立った言質を取るボンパーさん(笑)
「どこまでいっても未練は尽きないが、そろそろ頼むぜ、相棒」
すっかり、たまに芝居がかる癖がついてしまったスピードル(笑)
7人は炎神ソウルを取り外し、消えるゴーフォン、炎神化するキャスト達。炎神達は空を飛び、次元の穴からマシンワールドへと帰っていく……。
「じゃあ、あーばよ!」
「さようなら、炎神達! さようなら、俺たちの相棒!」
ドライってわけでもないけど、思いの外さばさばと帰って行く炎神達(笑)
この後に重点を置く構成の都合でしょうが。
それから数ヶ月後――警視庁、特犯係。
まさかの左京さん再登場……と思ったら、警察に復帰して特犯係に配属された軍兵が、左京さんの物真似をしていた、と『相棒』パロディ再び。ここで軍兵に話しかける美空警部補役は、キタネイダス役・真殿光昭。隣の刑事部屋は恐らく、本物の『相棒』の映像の合成、となんか物凄いシーン(笑)
軍兵は何故か手錠をはめられた範人を連れて、ケーキ屋へ。そこでは早輝が、ベアールV声の店主(井上美紀)の元で夢に向かって働いていた。給料をお姉さんが持っていたという話を聞かされ(これは正直、いらないネタだった)、驚いて持っていたケーキをぶつけたのは……ケガレシア、ならぬ、清水奈央。
と、敵幹部から炎神声優まで、次々と特別出演。
早輝と、ピザの配達に来て手錠をイタズラしている内に手錠がはまってしまたという範人を乗せ、軍平の運転するぎんじろう号は須塔兄妹の元へ。
車内に、7人の集合写真はともかく、軍平一人の写真が飾ってあるのですが、ぎんじろうは軍平が引き取ったという設定なのでしょうか。それにしても、ポーズ取った自分の写真をダッシュボードの上に置いているのはどうかという感じですが(笑)
上流階級のパーティでコネクション作りを行っている大翔は、浄土頭取(梁田清之)とるねっさーんすしていた。
この2年後に、『天装戦隊ゴセイジャー』で山田ルイ53世が長官ポジジョンを演じる事になりますが、東映内部で流行っていたのか髭男爵
「さすが、須塔グループのパーティは豪華なり」
「どうぞ、楽しむなりよ」
「ん、なーりなー」
ここはもう完全に、2人が遊んでいます(笑)
面白くなさそうな兄をたしなめる、おめかしドレス姿の美羽のイヤリングが床に落ち、2人の感じる不吉な予感……パーティ会場の入り口で騒ぐ庶民が3人。
「そういえば、今日は……」
ピカピカ兄妹を加えた5人が向かったのは、ツインリング茂木。
そこでは、バスオン声の運転手(江川央生)と話していた連が5人を出迎える。
そう、今日は
「見にきたぜ、走輔のレース再デビュー」
連は見事にメカニックとなり、走輔は早々とレーサー復帰、したのだが……
「夢はでっかくグレード1だけど、あはは、1年半のブランクの後で、今はこつこつと」
「「「「カート?」」」
2人が参加しているのはカートレースであった。
走輔とやりあう先輩メカニックは、浪川大輔
皆が微妙な顔になる中、ようやく外れる範人の手錠。
何はともあれ、久しぶりの再会を喜び、炎神達に思いを馳せる走輔達。
「あいつらも、平和ボケしてんだろうな……」
ところがその時、突然サーキット上空に次元の穴が開くと、そこからスピードルとボンパーが現れる。
「おーい、あいぼーう!」
「スピードル?! ……スピードル! 俺夢見てんじゃねえよなぁ?!」
「ドルドル! また手を貸してほしいんだ!」
「ボンボン、行方不明とされてた蛮鬼族の害統領が、グラスワールドを滅ぼして、ガンマンワールドに攻め込んだんだよ」
「みんな、もう一度、正義の味方になってくれないか? おまえ達の相棒も待ってる」
ガイアークとの戦いを終え、それぞれの夢に向かって再び日常を歩み出した7人だったが……
「もちろん行くぜ、スピードル」
「走輔、いいっすね?」
「へっ、世界が危ねえんだろ。ほうっとけっかよ。そうだろう、みんな?」
「OK!」「OK☆」「OK」「OK」「OK」「OK♪」
世界の危機を前に、黙ってはいられない。

「マッハで出発だ!」
「「「「「「「ゴーオン!!」」」」」」」

こうして7人はまた、立派な無職になるのであった。
須塔兄妹はいいけど。
というか最終的には、須藤兄妹がレーシングチームとケーキ屋のパトロンになるしかありません(笑) 軍平と範人は……そこで雇ってもらうか。
実は誰も触れないけど、ちゃっかり制服刑事になった軍平が一番、社会復帰に成功しているのですが、たぶん、ポエール教官あたりを通して政治的圧力がかかった。
Bパートを完全に割いたラストは、明るく楽しくお祭りで締め。
声優陣特別出演はメインで絡んだ人しかわかりませんでしたが、もしかしたら他にも出ていたかもしれません。
そしてヒーローは前向きにフォーエバー、というのは、後の『ゴーカイジャー』に通じるといえるか。
それにしても、それにしても、結局、マシンワールドにおける炎神とガイアーク(蛮鬼族)の細かい背景は劇中で語られませんでしたが、どうしても炎神が諸悪の根源としか思えません(笑)
劇中台詞によると、11次元中、4つ(マジック、プリズム、サウンド、グラス)がガイアークによって滅ぼされている事になるのですが、そもそもの問題はマシンワールドの権力闘争ではないのか。
元々の元凶と言って良さそうなヨゴシマクリタインと害統領に関しては筋金入りの「悪」なのかもしれませんが、劇中描写を見る限り、その後のガイアークもとい蛮鬼族は根っからの悪というわけではなく、真摯に歴史を見つめて互いに許し合えば、マシンワールドでもう少し平和的に炎神達と共存可能だった気がしてなりません。
たぶん、ガイアーク特区とかあって、そこで機能していた政府が差別に耐えかねて決起したのでしょうけど。
勿論、手法にもろもろ問題はありますし、ヒューマンワールドからすると生存競争としての敵なのは確かなのですが、蛮鬼族そのものは絶対悪というわけではなく、追い詰められた末の暴走であり、マシンワールドの根深い闇を感じます。
でこれ恐らく、ガイアークによって滅ぼされた次元に対して、“お詫びとして復興活動に協力”という名目で、マシンワールドから人や物が大手を振って乗り込んでいって、気がつくと乗っ取るという筋書きなんだろうなぁ(待て)
今回の件でヒューマンワールド――少なくとも日本は政治経済に深刻なダメージを受けていますし、誠意を見せると言いながら、色々と潜り込ませるには、実に都合がいい筈。

「グラスワールドが滅ぼされました」
「かまわんさ別に。いずれにせよ、ブレーンワールドは全て、滅びなければならない。生き残るのは、究極のワールドただ一つ。そして私は、神の声を聞くのだ」
という人が炎神上層部に居ても、全く驚かない(笑)
……与太はさておき、何度か触れましたが、年間構成の綺麗なシリーズでした。
キャラエピソードのバランスとタイミングの良さ、お約束イベントをきっちりこなして転がす流れ、ある程度声優頼りの相棒キャラ・炎神との絆を描きながら、組み替えロボットも存分に活用。戦隊シリーズの歴史を巧く踏まえながら、特に00年代戦隊の総決算といえる作品かな、と。
サブライターとしては『デカ』『ボウケン』に参加しているものの、メインライターとしては『ガオ』以来という事で、武上純希にもその辺りの意識はあったのでは、と思われます。
正直、初めて評価できると思ったメインの武上さん他、00年代戦隊に多数参加の會川昇、ベテラン宮下隼一、アイドル回の大御所・荒川稔久、戦隊初参加でテクニカルな脚本を見せてくれた古怒田健志と、ライター陣に恵まれた作品となりました。
演出陣も、渡辺勝也、中澤祥次郎、竹本昇、と00年代を支えるメンバーが油の乗った好演出。
また、モチーフをわかりやすく押し出しコミカル要素の強い怪人、恐怖とユーモアの混じった敵幹部、ストレートなヒーロー達、親しみやすい炎神のキャラクター性、繰り返し描かれる相棒の絆、と、00年代に改めて、戦隊のニュースタンダードを志向していた節がありますが、それに一定の成功を収めたといっていいと思います。その上で、随所に「ヒーロー論」が盛り込まれていたのも、面白い所。
難を言えば、終盤空気になっていたスピードルにもう一押しあっても良かったとは思いますが、前半の見せ場で我慢しようという事で。
メインライター武上純希、CGの相棒キャラ、玩具玩具した印象、と正直全く期待しないで見始めたのですが、アベレージ高く、望外に面白く、楽しい作品でした。良かった。
他なにか、思いついた事があれば、またまとめで。