◆GP−38「乙女ノホンキ」◆ (監督:竹本昇 脚本:武上純希)
前回からOP映像がちょっと変わって、ガイアーク側が大臣2人バージョンに。ただ、これまでヨゴシュタインのアップだったカットがヨゴシュタイン不在のまま残されており、これは、誰かがここを埋めるのか……?
超強力な酸性雨シャワーで街を溶かそうとシャワーバンキが現れるが、何故かその酸性雨は全く効果を発揮せず、ゴーオンジャーはあっさり撃退。だが、神の気まぐれか悪魔の悪戯か、ケガレシアが調合ミスした液体は、思わぬ効果を得るに至っていた。
それは、性別:オスに限って、その活動を停止させる事。
早輝と美羽を除く5人の男達は、意気揚々と引き上げてきたぎんじろうで機能停止。目を開けたまま彫刻のように固まる野郎共……という、なかなか壮絶なスタート。
炎神たちまで機能停止に陥り、残された早輝と美羽はパニック状態に。特に大翔を失った美羽が激しく動揺するが、ここでベアールVが「女は度胸」を見せる。
「ええかげんにせんかい! ええか、みんなを守れるのは、あんたら2人だけなんやで」
男性陣の機能不全による女子回の体裁を取って、実質ベアールV回。常々「愛嬌と度胸」を口にしてきたベアールVが芯の強い所を発揮し、早輝と美羽を叱咤。どちらかといえば、他人を引っ張っていく方だった美羽は、あくまで“大翔がいてこそ”であり、大翔不在だとぽんこつ化する事が判明しました。この辺り、美羽不在で大翔が大暴走した29話の鏡合わせといった所か。
ヘルガイユ宮殿では、こちらも機能停止したキタネイダスの姿と、シャワーバンキからの報告により事態に気付いたケガレシアが、バンドーマで街を強襲。ベアールVの激励で自分を取り戻した早輝はベアールVの奥の手ミサイルでバンドーマを撃退すると、ガイアークの襲撃を防ぐ為にぎんじろうを迷彩で保護……が、ぎんじろうの大きさでは隠しようもなく、そこへ迫るシャワーバンキ。思わぬ大ピンチに陥るゴーオンジャーだったが、ぎんじろうに乗り込もうとしたシャワーバンキと戦闘員、巨大な落とし穴に落ちる。ぎんじろうの迷彩幕も、敵を見ての怯えた様子も、全てこの為の布石だったのだ。
……早輝、恐ろしい子。
「行くわよ!」
「早輝、免許持ってるの?」
「勿論! 無事故無違反、バリバリのペーパードライバーよ!」
ひとまず追っ手をまく事に成功した早輝は、鬱々としてひたすらネガティブなぽんこつ美羽に、とうとう平手打ち。美羽もこれで正気に戻り、ベアールVを含めた2人と一体は、野郎共を守る為に、戦う事を決意する。
「「「キラキラスマイルのタフガール、ゴーオン!」」」
アバンタイトルでジャムの蓋が開かないエピソードなど入れてはいるのですが、美羽はともかく、早輝は別に男達に依存していた感じがあまり無かったので、どうも美羽に付き合わされた感。……まあその分、割とさくっと立ち直りましたが。初期は走輔が早輝を妹っぽく見ているという言動(第6話)はあったので、武上さん脳内ではそういう設定が強かったのかもしれません。
翌日、バンドーマに発見されてしまい、追い詰められるぎんじろう。早輝と美羽を蹴散らしたウガッツがぎんじろうに乗り込むが、車内に居たのは固まった男達……ではなく、ジャケットを着せたマネキンのダミー。狭い車内に引き込んだ所で、ゴローダーGTに入ったベアールが一網打尽、という釣・り・野・伏。逃走中に追い詰められたのも、変身せずにウガッツに追い払われたのも、全てこの為の布石だったのだ。
……早輝、恐ろしい子。
なお本物の5人は、ショーウインドウのマネキンとすり替えられて女装していた。
…………早輝&美羽、無慈悲で恐ろしい子。
戦闘員の撃破に成功し、反撃に転じる、早輝、美羽、ベアールV!
「乙女の祈りはいつの日も」
「この世に花が満ちるよに」
「正義がこの世に満ちること」
「「「3人揃って、ゴーオンプリンセス!!!」」」
G3プリンセスのテーマソングをBGMに、ニゴール回で見せた華麗なツープラトン攻撃を炸裂させるイエロー&シルバー。そしてベアールVがゴローダーキックから強烈なラッシュを叩き込む。弱った所に、ブースター&空中タイヤ攻撃・プリンセストリプルアタック&パンチ、で3人は見事にシャワーバンキを撃破。
ネタとしては、26話(ニゴール回)&30話(走輔×タイヤ回)&31話(アイドル回)の盛り合わせで、これまでのアクションの蓄積を活かす形で、派手に決めました。特に最近、マッハ全開で限りなく透明な存在になりつつあったタイヤに、派手な回し蹴りなど着ぐるみアクションで見せ場を作ったのは、バランス的に良かった所。
シャワーバンキは産業革命するが、硬直の解けた野郎達と炎神が駆けつける。頑張王と青空王、単品でスピードルとバスオン、という組み合わせの連携から、頑張王ジェットラス、青空王ガンパードの腕組み替え炎神武装によるダブル攻撃で、シャワーバンキを爆殺。
全員女装の野郎達(多分、兄がとりあえずカードで購入してきた)は、頑張った早輝と美羽の一日下僕になる事を約束するのでありました、でオチ。
40話近いのに「女の子」「女の子」扱いもどうかとは思うものの、単発エピソードとしては楽しい出来でした。目を開いたまま固まっている図というのはどうしても無駄に面白くて、走輔達やキタネイダスの硬直カットが入る度に笑えるのはずるい(笑)