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『炎神戦隊ゴーオンジャー』感想26

◆GP−42「学園ノヒミツ」◆ (監督:加藤弘之 脚本:武上純希
分別反対エコ反対、でゴミ捨て場を荒らす、原点回帰な蛮鬼獣、ビンバンキ。熱湯攻撃を放つがぬるま湯で効果無く、ゴーオンセブンに滅多打ちにされて階段落ち。手分けして追跡した7人は、ケガレシア=汚石冷奈が、教師として学校に入っていく姿を目撃する。内部のガイアーク反応を検知できない妙な高校の近くでビンバンキも反応を消し、美羽が女子高生に扮装して、潜入捜査を行う事に。
野暮ったい眼鏡をかけて転校生となった美羽、いきなり『涼宮ハルヒ』パロディを行うが、滑る。
一方、保健の先生になりすましたケガレシアは、クラスでちょっと浮いた天才少年・湯島学を煽動し、何かの研究を進めていた……。
「それにしても、人間の高校生頼みとか、なんか作戦が、地味ゾヨ……」
ケガレシアにエールを送りながら、ひとりトランプで暇を潰すキタネイダス(笑)
まあ、某ネジレジアは、第15話にしてそこまで落ちぶれていたので、まだ全然大丈夫だと思います!(何が)
電磁戦隊メガレンジャー』(1997)15話の脚本は柳川茂なのですが、シリーズのメインライターは武上純希なので、これもセルフパロディの意図があったのかなかったのか(笑)
今回は『ハルヒ』パロディに続き『冬のソナタ』パロディなど、一切、脈絡も節操も無し。そしてこの学校は、ケガレシアが潜入しているからおかしいのではなく、多分もともとおかしい。
映画研究会の勧誘から逃げ出した美羽は廊下で湯島とぶつかり、野暮ったい眼鏡が外れてキラキラ世界で、ガリ勉くんをテンプテーション。チャームの直撃を受けたガリ勉くんは、
「実に面白い。たまには非論理的行為も面白い。そうだ、彼女でためそう。僕の仮説を、証明する時だ」
と、青春スイッチが下心方面へ起動する。
「バディ、今日はノリ過ぎだぞ。慎重にな」
「でも、よくわからないの。学校の事」
幼い頃から家庭教師に教わっていて学校に通っていなかった美羽にとって、高校生活は新鮮にして、わからない事だらけであった。今度は飛んできたサッカーボールをフルパワーで打ち返してしまい、運動部の勧誘に囲まれる事に。兄の渡してくれた秘密兵器を取り出してみるが……それはヨーヨー。意味のわからないまま逃げ出した美羽は再び湯島と出会い、湯島はノートパソコン片手に謎のステッキを振りかざす。ステッキから飛び出したキューピッドの矢は美羽に当たるが、胸元に収めていたヨーヨーにぶつかって無効化。湯島は失敗に頭をかきむしって走り去り、美羽は湯島の落としたステッキを手にする。
「魔法の杖だ。マジックワールドで見たことがある」
「魔法ですって?!」
ジェットラス、物凄くさらっと(笑)
「あの高校は、魔法の力に包まれている。それが一種の結界になってるんだよ、ボンボン」
「はあ?!」
ナンデモアリ(笑)
事の起こりは一ヶ月前、マジックワールドから魔法のステッキとその呪文書が次元の亀裂を通って落ちてきた事にあった。魔法は極めて難解な呪文を解読しないと使えないが、天才・湯島はその解読に成功し、ケガレシアはそんな湯島をうまくおだてて魔法の力を利用しようと画策していたのだった。
ビンバンキを湯島に見られた事で開き直って正体をあらわにするケガレシア。一発ネタでは勿体ないという事でか、汚石冷奈再びだったのですが、範人と一切絡まない、という割り切りっぷり(笑)
ケガレシアは美羽を捕まえて魔法のステッキを取り戻し、ケガレシア様の歌をバックに複雑な魔法陣を書き上げた湯島による魔法の力で、ビンバンキがパワーアップ。
魔法の力で……魔法瓶バンキに!
そういう事か!!
悔しいけど、このネタは面白かった(笑)
熱闘攻撃の筈がぬるま湯に……というギャグの天丼まで、伏線だったとは。
「これでもう、お湯が冷めない。ありがタイガー」
けっこうギリギリだなぁ、企業名ネタ(笑)
ところでまったくの余談ですが、ずっとタイガーが社名だと思っていたのですけど、「タイガー魔法瓶」が正式な社名でした。象印も、「象印マホービン」が正式な社名だった。
ビンバンキに立ち向かう6人だが、魔法で混乱状態となり、強制的に同士討ちを始めてしまう。間抜けな軽犯罪蛮鬼獣から一転、強力な魔法生命体となったビンバンキによって大ピンチとなる6人。一方、囚われの美羽は湯島に連れ込まれた部室で目を覚ましていた。
「僕は湯島学。魔法で世界を征服する男だ」
湯島くんは、ひねた天才少年、というよりは、純粋に駄目な感じの年頃の変態に。
「絶対君を、僕の虜にしてやるんだ! 恋の呪文は……」
スキトキメキトキス
「さあ、ここに来て、僕に……キスするんだ」
魔法に操られ、湯島に近づいていく美羽……その顔が近づいて、と思ったら、平手打ち。魔法なんかに頼っているようでは、女の子の心は掴めない、と美羽は説教し、大切なのは真心だと諭す。素で魔法が効かないのは、体質か。
同士討ちを繰り返しながら、魔法瓶バンキに追い詰められる6人……その時、魔法瓶に炸裂するヨーヨー!
「何不自由なく暮らした私が、何の因果か炎神の相棒。ゴーオンシルバー、須塔美羽。おまんら、許さんぜよ。――教えてあげる。ただ一つ、女の子のハートを動かせるのは、男の子の真心だけよ」
スケバン刑事』(2代目)パロディですが、どう考えても、金兄がヨーヨーと一緒に台本を仕込んでいます。何してるんだ、兄。ナンノか、ナンノが好きなのか。
なおTVドラマ版『スケバン刑事』シリーズは東映の制作で、スタッフに田中秀夫、小西通雄、坂本太郎杉村升武上純希などが関わっており、戦隊シリーズとは姉妹というか兄弟といっても過言ではない関係。
ちなみに、神恭一郎役の中康次さんは、後の道士カク(『五星戦隊ダイレンジャー』)であり、花形(『仮面ライダー555』)であり、伝説的うさんくささ。
美羽の背後からは黒マント姿の湯島が現れ、魔法瓶の攻撃を魔法バリアで防御。
「キラキラ世界、ゴーオンシルバー! 湯島くん、もう一度、真心を見せて」
「あ……うん」
なんか、調教完了した。
シルバーと湯島の合体攻撃で魔法瓶バンキの魔法の力は消滅し、6人の同士討ちも解除。ビンバンキは産業革命し、7人は炎神王G9で立ち向かう。
「ふんばるゾヨ! 負けるな蛮鬼獣!」
応援が、ちびっ子化しているキタネイダスが泣ける(笑)
だがその時……
「作戦が甘いでありますなぁ。だが我が手にかかれば、炎神とて……ふふふふふ。まずは小手調べ」
「今の声は……」
ヘルガイユ宮殿に響く正体不明の声……そして、G9グランプリン発動直前、死角から謎の攻撃を受けた炎神王G9は、キャストとソウルが強制分離され、炎神達が意識を失ってしまう。果たしてその攻撃の正体は?! あ、ビンは強烈王がざっくりディスティネーションで片付けました、ハイ。
事件は解決し時間経過で炎神達は回復するが、謎の攻撃は正体不明のまま。そこに、魔法の力で協力しよう、と格好つけながら湯島がやってきて美羽をナンパするが、ノートパソコンを踏みつけて解読した呪文のデータを失ってしまう。そんな湯島の面倒をにこやかに見る美羽……新しい野良犬、ゲットだぜ!
ダメンズを見ると、世話を焼かずにはおけないのよね」
皆の視線、走輔に集まる。
クライマックス展開前に、ピカピカ兄妹それぞれ単独のキャラ話。両エピソードとも別のワールドの力が中心となっており、ガイアークがじり貧気味な描写は、意図的な所でしょうか。そして次回、いよいよ新幹部登場! 社会的にゴミっぽいゴーオンジャーは年末大掃除されてしまうのか?!
ゴーオンゼミナールは、かねてから謎だったポエールソウルの神出鬼没の秘密でしたが、「教えを求める生徒のもとにはいつでも駆けつける」と、物凄いお茶を濁されました。
どうやら、真相を知ったら消されるレベルの機密らしい。