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『重甲ビーファイター』感想38

◆第46話「絶望!!重甲不能」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:扇澤延男)
「「「ジャマールホール?!」」」
地球をまとめて死の星に変える事でセントパピリアを誘き寄せるべく、存在するもの全てを飲み尽くす究極の次元の裂け目に地球を丸ごと飲み込ませる、ジャマールの最終作戦が発動。メガオームは自らの生命エネルギーを用いてその核を作り出すと、ギガロとシュバルツにはホール拡大の為のエネルギー集めを、ジェラにはブラックビートの討伐をそれぞれ命じて、地球へと出撃させる。
「ゆけ、我がジャマールが誇る、3幹部どもよ」
そうだったのか……(笑)
初期は非常に感情的かつ場当たり的な命令で駄目上司の雰囲気が強かったガオーム様ですが、メガオームにクラスチェンジ後は大物の貫禄と部下を手の平で転がす余裕を見せつつ、時々お茶目をしてみたりと、なかなか面白いボスキャラになってくれました。ジャマール関係の描写は通してブレ気味なのですが、今作はヒーローチームの立て直しが主眼だったので、これは仕方の無い所でしょうか(^^;
そういう点では、ガオーム→メガオームへの変身により、誰も退場させる事なく一旦雰囲気を切り替えられたのは、巧く機能したと思います。
また最終作戦ジャマールホールが、明確な関連性の言及は無いものの、一応ガオームゾーンと関係ありそうな異次元ネタになったのも流れを拾って良かった点。
「我がジャマールにとって最終手段。ジャマールホールを作り出す事は、ガオーム様も命がけ。――ならば俺も。シュバルツ、俺は生まれ変わる。よりガオーム様のお役に立てるよう、究極の合成獣へと」
上司の意気に覚悟を新たにしたギガロは、至高の配合遺伝子をシュバルツに撃ち込ませる事でアルティメットギガロへと更なる進化を遂げ、配色が紅白に。道中ブレた所もありましたが、決戦間近に同僚の手を借りてパワーアップするという、ジャマール幹部はどこまでも仲良し路線。メガオーム様や不穏分子であるブラックビートも含めて、ジャマールは最終的にはなかなか、まとまりのいい悪の組織になったと思います。
ここに来ての大幅モデルチェンジによるギガロ最終決戦仕様も雰囲気を盛り上げてくるのですが……よりによって、デザインにカニが混じっているのが凄く不安です(笑)
その頃、一足先に地球へと向かっていたジェラは、ブラックビートと間違えて拓也を襲っていた(おぃ)
そこへ目撃情報から拓也を追い詰めていた大作と舞が駆けつけ、勘違いに気付いたジェラは退却。拓也に職場復帰を求める大作と舞だが、拓也は 昆虫魂の禁断症状に苦しんでいた ブラックビートの誕生に重い責任を感じ続けていた。
「俺には……正義の戦士の資格はないんだ……」
あくまでも悪いのはジャマール、と自分を納得させようと努力していたものの、どうしても体が戦いを拒否する……と震える手を見せる拓也。
これまで、「正義とは何か?」という部分には自明のものとしてテーマ性を置かずに来た今作ですが、ここで、“自分の正義と表裏一体の破壊者”が現れる事で、ヒーローの孕む暴力性が抉られると同時に、誰しもが持っている“自分の中の汚い部分”を主人公が目の前に突きつけられる、という展開。
ブラックビートという形を取った人間の負の面を、揺らぎの少ない主人公であった拓也がどのように乗り越えるのかは、楽しみにしたい所です。
超存在であるセントパピリアが全生命の中からわざわざ拓也とシャドーに注目しているというのは無理を感じる流れではあったのですが、ブラックビートを生命の負の要素の純粋抽出と置く事で、ミクロからマクロに重ね合わせる形になるのか(その点では、拓也が先行してマクロとミクロを重ねすぎている感はありますが)。
「俺はもう、お前達の仲間じゃない。ビーファイターじゃないんだ!」
拓也は走り去ってしまい、悪い事にギガロとシュバルツが破壊活動を開始。ギガロが街を無差別攻撃し、その際に生じる破壊エネルギー(と何かもやもやしているけど、人々の恐怖の感情?)をシュバルツが回収。止めに入った大作と舞だが、昆虫パワーを吸い取られてしまい重甲解除、変身不能に。この危機にグルが乱入して一旦退却は相変わらず都合良く適当で、グルの扱いは最終盤までどうにもなりませんでした(^^;
「セントパピリアは……」
その頃、羽を片手に秘境探検隊みたいになっていたシャドーは、今度こそ本物を見つけたジェラと激突。一方、唯一起動可能となったビーコマンダーを扱える拓也を改めて捜し回っていた大作と舞は、再びジャマールの破壊活動に遭遇し、生身でギガシュバに立ち向かう事に。

「たとえ重甲できなくても……」
「俺達はビーファイターだ!」

必死に立ち向かうも幹部2人に一方的に嬲られる中で、同じ扇澤脚本という事もあってか、シュバルツがマッチョ兄貴に言及したのは細かく良かったです。
「動かない……体が、言うことを聞かない……。…………どうして俺に戦える? 一緒に戦う資格がある? 平和の敵、ブラックビートを生み出してしまったこの俺に」
これを物陰から見ていた拓也は、ジャマールの破壊行為に巻き込まれて怪我をした少年の叫びまで聞いたにも関わらず、震えながらその場を逃げ出してしまう……!
調子に乗ったギガシュバからジャマールホールについて聞き出した大作は、全滅寸前の状態からメガヘラクレスを召喚し、オートパイロット、役に立つ。
メガヘラクレスの砲撃を受けてギガシュバは撤退し、ここに向けて狙い澄ましたというよりは作ってしまった設定を拾ってみたという感じですが、九死に一生を得る大作と舞。
「ビートマシンは重甲しなくちゃ動かせない。でもこいつは、オートパイロットモードで動かせるんだ」
「ありがとう、メガヘラクレス
「……しかし、これが限界だ。重甲も出来ない……ビートマシンも使えない。メガヘラクレスがあっても、必殺のメガビートキャノンは撃てない。そんな俺達に、どう地球を守れってんだ!」
即座に限界を指摘する事で、全面的に戦闘が茶番にならないように一応フォローを入れましたが、やはりオートパイロットで動かせるようにしたのはまずかったのでは……? 感が強く漂います(^^;
「拓也……どこへ行ったの?」
どうせ居なくなるなら契約書に拇印を押してくれればビーコマンダーが新たな戦士と再契約できるのに、と思ったのか思わなかったのか、その名を呟く舞だが、地球に残された唯一の昆虫戦士である甲斐拓也は、フラフラ歩いていた所をトラックの運ちゃんに拾われていた。
「顔色真っ青だぜ? どうかしたのか?」
「……仲間を……見捨てた」
ここで拓也に、内心の葛藤だけではなく、ヒーロー失格の行動を自覚的に取らせた事で、失意の拓也を追い詰めていく物語が、非常に締まりました。どうしても心の問題が本人の取りよう次第になってしまう所で、それを具体的な行動に反映させる事で(助けを求める少年の叫びを聞いたのに応えられないシーンがまた効いている)、誰の目にもわかりやすくなったのは、とても良かったです。
「回れ……回れ……。全ての歯車よ……このガオームが、セントパピリア――永遠の命を手にする、その時へと向かって」
更にこの流れから、小刻みに場面転換をして主要キャラクターの姿をそれぞれ見せていったのは、最終決戦手前の雰囲気が出て良い演出でした。……それなりに役に立ったギガシュバに対して、ブラックに負けて岩場でヒクヒクしているジェラの扱いだけ酷かったですが!(笑)
そしてカメラは再び舞と大作に戻り、拓也の捜索に使っている三人一緒の写真を手にしながら、舞は拓也と共に過ごしてきた日々を思い返す……と、総集編で舞分が足りなかったと思ったのか、舞が入ってからの拓也回想。
「大丈夫。拓也はどこかで元気にしてるよ」
「うん……」
前回ラストで使われた昭和歌謡風挿入歌が流れる中、写真を胸にかき抱く舞だが、その拓也は完全に死んだ目になって逃避行の真っ最中であった…………
昭和歌謡系メロディ・降りしきる雪・お台場の夜景・拾ってもらったトラックの助手席でプルプルする拓也・雪の中をどこかへ走り去るトラック・輝いていた頃の3人の写真
が次々と映され、そのままつづく!
このラスト1分、やり切った演出で物凄く面白かったです(笑)
挿入歌の使い方を前回のラストに重ねてきた事もあり、OPクレジットで名前を確認しているにも関わらず、この1分間、すっかり三ツ村演出を見ている気分になってしまいました(笑) 気分は『特捜ロボジャンパーソン』第36話。
まだローテ入って3年目ぐらいの時期とはいえ、どうも『ビーファイター』(メタルヒーローの現場?)と相性の良くない感があった渡辺監督ですが、今回後半は良かったです。
物語としても、時間をかけて拓也の彷徨を描き、そこへジャマールの今度こそ最終作戦発動を重ねる事で深刻な危機をうまく煽り、予告も含めて最終決戦手前の溜めとしてはかなり盛り上がってきたので、次回の爆発に期待。また前回今回は、要素としては存在しているのだけど、正直ノイズな所があるセントパピリアを無理に出そうとしなかったのも、焦点が散らばらず良かったと思います。
……――いよいよ近づく地球最後の時、果たして、昆虫魂欠乏症になった拓也は戦う意志を取り戻す事が出来るのか?!
「大きな虫が、飛んだり跳ねたりしている……あはは……大きい! カブトムシかな? いや違う、違うな。カブトムシはもっと、ばぁーって動くもんな!」
次回、シュバルツも本気。