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『超人バロム・1』感想17

◆第27話「魔人キバゲルゲが赤いバラに狂う!!」◆ (監督:田口勝彦 脚本:島田真之)
見所は、少年を念入りに柱に縛り付け、外から倉庫に鍵をかけるバロム・1。
そして、その鍵をヘアピンで開ける少女(笑)
思えば以前に健太郎も自室の鍵をこじ開けていましたし、70年代の地球の小学生にとって、《鍵開け》は基本的なスキルなのです。
子供達を美しい物を壊さずにはいられない悪の心を持ったキバ人間に変えてしまう魔人キバゲルゲは、肩から胸部が巨大な唇に見立てられ、そこから突き出した2本の巨大な牙が両腕を為すという、なかなか面白いデザイン。
玩具屋店主の殺人事件から、現場を立ち去ったオサム少年の身辺を調べる猛と健太郎だが、オサムを気にかける少女カオルからは、オサムを虐められているのだと勘違いされてしまう。カオルに襲いかかったキバ人間・オサムを気絶させて倉庫に監禁したバロム・1はキバゲルゲを探すが、その前に、キバ人間にされた大量の少年少女が立ちふさがる。
(これでは迂闊に手は出せない……ドルゲめぇ)
今更ですが改めて、こういった葛藤をバロムワン内部の猛と健太郎に与えて欲しかったな、と思うところ。2人セットで行動するのも通例になってしまい、序盤の面白みだった2人の個性が皆無になってしまっているのは、本当に残念です。……まあ健太郎、かなり序盤に「仕方ない」まで振り切れているので、果たして葛藤するのだろうか、という問題はありますが。
正義に冒されすぎて葛藤できない主人公達の代わりに、苦しむオサムとそれを見ていられなくて逃がしてしまうカオル、という形で葛藤をゲストキャラに振り分けているのですが、キバ人間になる前の少年の描写がほぼ無い事もあり、前回の島田脚本における、賽銭泥棒の少年ほど上手く機能せず。
キバ少年少女に囲まれてもジャンプ一発で脱出したバロムワンが、オサム少年を人質に取られると急に反撃不能に陥ったり、カオルが出てきたら唐突にアクティブに反撃したり、今度はそのカオルが人質に取られて慌てたりと、いつも以上にしっちゃかめっちゃかになってしまい、カオルの歌がオサムの中に残った正義の心を呼び覚ますというのも、劇的に盛り上がらず残念でした。


◆第28話「魔人クビゲルゲが窓からのぞく!!」◆ (監督:田口勝彦 脚本:滝沢真理)
霊能力者・影小路に扮し、悪魔の首飾りによって若い女性を次々と洗脳していくクビゲルゲ。延々と暗いトーンのスリラー演出で洗脳した女性を屋敷に呼び出したと思ったら、
「おまえは、ドルゲの首飾りを作る為に、働くのだ!」
人手不足だったのか!
クビゲルゲは真ん中に頭部のない太い首がでんと構え(例えるなら『タイガーマスク』のミスター・ノー風味)、両手の先に長い髪を振り乱す二つの頭がついているという、直球でホラーな造形。手に首を持っているとも捉えられ、その首が宙を飛んで襲ってくるなど、デュラハンやろくろ首の要素も入っている感じ。また、若い女性を下僕に使うという所からの発想か、夜が明けると棺の中で眠るなど吸血鬼の要素も混ざっており、人間体の影小路がちょっと岸田森風味なのは、和製ドラキュラとして岸田森が名を馳せた『呪いの館 血を吸う眼』(1971)への意識もあったのかも。
悪魔の首飾りの洗脳により、姉が行方不明になってしまった少女の話を聞き、姉を助けてくれるなら大事な人形をあげてもいいという少女の願いに密かに燃える猛と健太郎、は久々に秘密のヒーローとしての2人が格好良くて良かったです。
少女を励ます猛姉になんとなくスポットが当たるが特に掘り下げはなく、クビゲルゲにさらわれた少女を追ったバロム1は、誘い込まれた影小路の屋敷で、隠し通路の奥に地下首飾り工場を発見。
そうとは知らない影小路は、応接間でバロム1を待っていた(笑)
バロム1が地下工場を破壊した事で、屋敷に鳴り響く警報……
「誰だ、地下の洞窟に忍び込んだのは」
おまえが呼び込んだ奴です!
クビゲルゲが困惑している内に目を覚ました少女は自力で屋敷を抜け出し、大事な人質に逃げられた、と慌てて探し回る怪人。それとすれ違う形でバロム1は、ようやく応接間に辿り着いていた(笑)
洗脳を解くためにクビゲルゲを倒さねばならぬと応接間を探るバロム1は、秘密通路から出てきた棍棒装備のアントマン、そして一旦戻ってきたクビゲルゲとばったり遭遇。
「待ってたぞ、バロム・1」
クビゲルゲ、その場を誤魔化す勢いで、人質作戦を諦める。
実力でバロムワンを排除しようとするクビゲルゲだったが、どたばたしている内に夜が明けており、苦悶しながら退散。日光に弱い上に防御手段を持たないという致命的な弱点を突かれ、棺の間を破壊されて陽光の下に引きずり出されると、破れかぶれになって首ナパームで突撃するも、爆弾パンチで粉砕されるのであった。
Aパート前半を割いたゴシックホラーのパートは長すぎるように感じましたが、ヒーローにそれを力技で蹴破られ、目標を見失うクビゲルゲの反応は一周回って面白かったです(笑)