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『マスク・オブ・ゾロ』を見た


時は1820年代メキシコ領カリフォルニア。圧制に苦しむ民衆を守って活躍する黒マスクの英雄ゾロだったが、悪徳総督のラファエルにその正体を見破られ、屋敷を襲撃された上に妻を殺され娘を奪われてしまう。そして20年後――投獄生活からの脱出に成功した彼はは、盗賊上がりの青年アレハンドロを見出し、自らの後継者として、第二のゾロに彼を育て上げていく。
一方、一事はメキシコ軍にカリフォルニアを奪われて逃亡していたドン・ラファエルがカリフォルニアに帰還する。彼は、ある謀略を、胸に秘めていた――。
レジェンド・オブ・ゾロ』が公開されるという話を聞いたらどうしても見たくなって、映画公開が近くなったら何か特別版とかまた出るのではなかろうかと思いつつ、昨年末にDVDを購入してしまったのですが、年が明けてようやく見ました。
いやー、うん、やっぱり好きだなぁ。
基本的に、私の愛する2大馬鹿アクションヒーロー映画(もう一つは『ロケッティア』)。
しかし、初めて見た時も似たような事書いたのですが、どうしてアメリカ人にこれが出来て、日本人にはこれが出来ないのか、それが不思議。要するに根本的な所で往古のヒーローを甦らせるというアプローチなわけですが、同じアプローチをした場合、日本人が作るリメイクヒーロー物よりも、アメリカ人が作ったものの方が、よほど特撮ヒーロー映画として優れているんですよね(笑)
まあ、予算とか配役の問題とかもあるわけですが、『マスク・オブ・ゾロ』なんか完全に、特撮ヒーローした上で映画としてちゃんと造られていて、普通に面白いですし(興行的にどうだったのかは知りませんが)。
……まあ、日本人の方が、考えて造りすぎなのか、という気はしますが。
アメリカ人の方が“照れ”が少ないのは確か。
そういう意味で、昨年の『仮面ライダー THE FIRST』なんかは、“照れ”が少ない、という点においてもある程度の評価をしているわけなのですが、日本のある世代以下の監督は、自分が思う“格好いい”を大事にしすぎるというか、“恥ずかしい”を“格好いい”に昇華させる努力が足りないとか実は思っていたりするわけで。
まあこれは私の持論なんですけど、「恥ずかしい」は「格好いい」に通じる、と思うのですよ。
「格好いい」は「恥ずかしい」と紙一重、という言い方も出来ますが。
例えば今作のゾロにしても、格好だけ見れば単純に恥ずかしい人ですしね(笑) それをひたすら劇中では格好いいヒーローなのである、という演出でそう見せていくわけで。
ああ、この映画で一つ非常に上手いのは、初代ゾロが二代目ゾロを鍛えて育てるというコンセプトが含まれているわけですが、それで最初、覆面つけてゾロの格好をしていても、二代目には間抜けなアクションとかがあるのが、どんどんどんどん後半に向けて動きが格好良くなっていって、洗練されたヒーロー化されていくのですよ。作品全体のベクトルと合わせて、その見せ方と演出が実に見事。おまけに、終盤で「ゾロはなぜ覆面をつけるのか?」の理由付けもされてしまうという隙の無さ。
特撮ヒーロー映画として、完璧(笑)
(いやでも実際、スタッフにはほぼ確実に日本の特撮ファンが居ると想像されます)
真面目な話としては、細かい筋とかはツッコミ所もあるのでしょうけれど、そういうものをあまり気にさせない、というパワーがあるのはやはり重要なのですよ。こういう映画は、コンセプトと大筋がしっかりしていれば、場面場面は演出とアクションで誤魔化す、というのは正しい姿勢だと思いますし。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じるヒロインとかはかなり困った性格と行動してますが、なんかもう、色々となし崩しで。そもそも、ゾロに惹かれた理由が「視線がセクシー」というのは、日本人には絶対書けないし、もし書いてしまったら批判続出だろうし、実際見ていて「おいおい」とは思うのですが、ひたすらその路線なので、もうこれはDNAのせいなのだろうと思うしか無いというか。
その父親(アンソニー・ホプキンス!)は、葉巻くゆらせながら鞭をビシバシ唸らせていたりで、こちらもこちらでかなりキていたり。
惜しむらくは、敵役のインパクトがやや弱いという事ですが、向こうの人って、完全に怪人化しない限りは、意外にこだわり薄い気がする。
まあそんなわけで、『レジェンド』は楽しみでもありちょっと不安でもあり。しかし、バンデラスの代表作はもはや『スパイ・キッズ』なのか! と予告を見てちょっと哀しくなりました。※いま「はまぞう」で検索してみたら、やはり去年末にデラックス・コレクターズ・エディションとかいうのが出ていたらしい。廉価版で無いなら興味無いですが。メイキングとかむしろ別に見たくない人ですし。