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『超人機メタルダー』感想21

◆第37話「大崩壊!ネロス帝国」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進
正気を取り戻した舞パパからの情報で、桐原コンツェルン本社ビルの秘密エレベーターからゴーストバンクへ乗り込もうとする、メタルダートップガンダー。だが、ゴッドネロスもそれを待ち受けていた……! そして遂に……
八荒、戦力外通告
外部で発信機のモニター役を頼まれますが、「発信機が停止したら警察に駆け込んでくれ」と言われたのに、地下で電波が途絶えて信号が止まっても、メタルダー達の生存を信じるあまりに全く駆け込む様子が無いと、超役立たず。
先日トップガンダーにやられた再生メンバーがまた復活してたり、色々と適当な感じになってきた待ち伏せを撃破しつつ遂にゴッドネロスのもとに辿り着いたメタルダートップガンダーだが、その目の前でゴッドネロスはゴーストバンクの自爆装置を起動させる。全ては、彼等を道連れにする罠だったのだ!
……ですが、なんか触手をトップガンダーに撃たれ、椅子の上でもがき苦しむゴッドネロス様。
よくわかりませんが、ご本人が脱出に失敗。
そして何故かふらふらしていた美人秘書に脱出を手伝わせようとするも、土壇場で二人が逃げようとすると、触手で捕まえて道連れに。
「爆発マデアト1分。全員避難ヲ完了シタカ?」
凄く丁寧な自爆装置は、やはりゴッドネロス様お手製なのか?
一方、懸命に脱出しようとしていたメタルダートップガンダーは行き止まりにぶつかってしまい、ゴーストバンク大爆発。
……しかし、何事もなく助かってしまう二人。
惨憺たる有様の玉座を後に、残っていたゲートで地上に出た二人を待ち受けていたのは、機甲軍団!
「ゴッドネロスは倒れても、機甲軍団が残っている! ネロス帝国は不滅なり」
メタルダー、そんな機甲軍団を、ゲートの砲台で大虐殺。
トップガンダーの狙撃も合わせて、死屍累々の大盤振る舞い、軍団長ドランガーも一騎打ちの末にメタルダーの二段レーザーアームで大爆死し、機甲軍団、ざっくりとここに壊滅。
だが――! 勝利の余韻に浸る間もなく、背後から忍び寄ったクールギンの斬撃がトップガンダーを捉え、続く一撃がその急所を貫く!!
倒れ伏すトップガンダーの姿に、メタルダーに敢えて「怒る!」と言わせたのは、演出として良かった。
しかし、クールギン、逃げる!
トップガンダーを仕留めたクールギンはあっさりと身を翻し、メタルダーの腕の中で、トップガンダー、死す。
流星は、
最愛の友 ここに眠る
という墓標をトップガンダーの為に立てると、ネロス帝国の完全なる壊滅を亡き友に誓うのだった。
残る敵は軍師クールギン(ナレーションでいきなり軍師に)、ロボット軍団ローテール、そしてゴッドネロスがあれで死んだとは思えないメタルダーであった……。
ううーん、最終回目前だというのに、酷かった。
色々あったのですが一番の問題は、
椅子の上でもがいているゴッドネロス様が意味不明
美人秘書がふらふらしているのも意味不明
そして何より、
自爆装置の威力が弱すぎた
という、一連の自爆シーン。
カウントダウン時の逃亡シーンをスペクタクルのように演出しておいて、「行き止まりだ!」の後にメタルダートップガンダーも何のダメージもなくぴんぴんしている、というのは何のための自爆だったのか(^^;
トップガンダーも以前に瀕死状態から修理しているだけに、大爆発でもしてくれないと、直せそうな気がしてなりません。まあ、中の回路を貫いているような描写が入ったので、致命的な回路を破壊されたとか、そういう事だろうとは思うのですが、作品としてそういう表現を蓄積していない(やろうと思えば幾らでも出来たのに)ので、いかにも唐突。
結局の所『メタルダー』は、重いテーマ性を背景に横たえた作品にも関わらず、生死の表現がいい加減すぎるという欠点を引きずったまま来ていたのが、このクライマックスで非常に足を引っ張りました。その時々で、生きていたり死んでいたり復活可能であったり可能でなかったりが、あまりにも適当すぎる。
美人秘書ズに関しては、さすがにメタルダーにざっくり殺させるのもまずいし、こういう始末の方法しか無かったのでしょうが。


◆第38話「大逆襲!愛と憎しみの荒野」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:藤井邦夫)
メタルダーの戦いで大きな損傷を受けていたバルスキーは、ローテールから帝国崩壊の報告を受け、戦闘ロボット軍団の勇士達の戦いを振り返る……みんな、いい話みたいに脚色して(笑)
ゴチャックは最初にメタルダーに頭吹っ飛ばされるも復活してビッグウェイン回で少しスポットが当たった後、明確にメタルダーにやられた記憶がないのですが……依願退職
ローテールが蓄積している軍団員の戦闘データを自分に与えるよう指示するバルスキーだが、「これ以上、メタルダーと戦ってほしくないのです」とローテールはそれを拒否。突如漂うロマンスの香り。バルスキーに生きてほしいと願うローテールであったが、ネロス帝国戦闘ロボット軍団長の誇り、最強の戦闘ロボットの意地から、バルスキーはあくまでメタルダーとの戦いを望み、姿を現したクールギンと共に去っていく。
バルスキー×ローテールは先日の展開からやるのではないかと思ってはいましたが、まさかここまで直球で来るとは。
藤井邦夫は戦隊シリーズではがっかり脚本の代表的人物の一人ですが、今シリーズではなかなか面白いものを書いていて、見直しました。要するに、ある程度フリーハンドと尺の長さが必要で、縛りの多い戦隊が合わないんだろうなぁ(^^;
一方、クールギンの匂いを追っていたスプリンガーは、その微妙な違いに違和感を覚えていた。以前のクールギンとは汗の匂いが違う……もしかして、ゴーストバンクと共に自爆したゴッドネロスは、本物ではなく影武者クールギンだったのか?
視聴者にとっては自明ともいえる展開ではありますが、しかし、片や鉄仮面、片や特殊メイク、なので、桐原剛造の顔を共有している必要性が全く無いんだよなぁ(笑) まあ、ゴッドネロス様の老け顔になるには、ベースが桐原剛造の顔でなくてはいけないのかもしれませんが、だとしても、影武者がベースの方の顔である必然性は無く、何かが凄く根本的に間違っている。
そもそも前回の自爆が、メタルダーの顔見てスイッチぽちっとするだけなら誰でも出来るわけで、貴重な影武者ゴッドネロスを囮に使う必要性も全く無い。そしてよくよく考えると、クールギンさんが美人秘書二人を道連れにしたという事なのか。
結論:前回の自爆作戦は、クールギンと美人秘書のていのいいリストラ
そう考えると、触手がよくわからなくゴッドネロス(クールギン)を捕まえていた事にも説明がつきます。あれは、そもそもリストラの為の罠だった!
流星の推測通り、バルスキーを修理施設に連れて行ったクールギンは仮面の下のゴッドネロスの素顔をさらし、前回のネタばらし。
「クールギンは失敗し、ヨロイ軍団・鎧聖として見事に散った」
……えーーーーーっ、必死に逃げ出そうとしてあがいていた上に、女二人を道連れにしていたように見えたのですが。
ゴッドネロスによって修理を受けたバルスキーは、メタルダーに勝負を挑む。

バルスキー、貴様もネロスにさえ造られなかったら、もっと別の生き方があったはずだ!」

「黙れメタルダー! これが俺の運命! そして、おまえも俺と変わりはしない! 所詮人間に造られ、与えられた使命でしか生きられないのがロボットなら、俺は力の限り、戦う!
俺達ロボットに、情けも哀しみも、人間の心など無用!!」

おお、先日ツッコんだ所を、ちゃんと拾ってくれました。
これは嬉しい。
色々と迷走した『メタルダー』ですが、ここのテーマだけでも拾えたのは良かった。
哀しげに首を左右に振った流星はメタルダーに瞬転。だが戦闘のさなか、メタルダーの放ったGキックが、バルスキーをかばったローテールに直撃してしまう。致命的な損傷を受けるローテール、抱きしめ合う二体のロボット、そしてまさの融合・合体。
「俺は軍団員の為に貴様を倒す!」
ローテールのメモリーを吸収したバルスキーは、戦闘データを基に各軍団員の攻撃を再現。本当に変形しているのか、技を使用する時のイメージ映像かはわかりませんが、各軍団員の姿でメタルダーへ怒濤の連続攻撃。
ネロス帝国の男らしい担当だったバルスキーさんだからこそ、部下の思いと力を受けて戦う、というのが非常に熱い。
冒頭に差し込まれた、ここに来て尺稼ぎかと思われた回想シーンも、この伏線だった事が判明。
いっそ、“裏切り者でも部下は部下”と、トップガンダーの力も使って良かった気はしますが、さすがに先日いきなり撃たれた事を根に持っていたのか。
苦境に追い込まれたメタルダーは、軍団員の力を封じる方法を探し、バルスキーのボディをサーチ。
「ローテール……そうか!」
軍団員の能力をローテールの戦闘記録から得ている事を見破ったメタルダーローテールのメモリーを貫く。
血も涙もない
ローテールの戦闘データを失い、全身から煙を噴き上げるバルスキー、バラード調のBGMをバックに、空中で交錯するメタルダーバルスキー、最後の激突!
壮絶なキックの撃打ち合いの末、倒れたバルスキーにメタルダーは駆け寄る。

「俺はもう駄目だ……メタルダー。俺も、おまえのように生きたかった」

バルスキーを助けたいと願うメタルダーであったが、既にその体内では自爆装置がカウントを刻んでいた。

「これでいいんだ……俺は精一杯戦って敗れたのだ。俺は、ローテールや、皆の所に行く」
バルスキー……」
メタルダー……おまえは誰にも利用されずに、俺達の分まで生き抜いてくれ。さらば、だ……」

戦闘ロボット軍団・鎧聖バルスキー、ここに爆死。
メタルダー』ぽくて良いなぁと思うのは、バルスキーが凄くさらっと、既に死んだ「皆の所に行く」と言うところ。戦闘ロボット軍団長が、誰よりもロボットであろうとしながら、「破壊」と「死」を別枠に置いている、というのは、実にいい。
今回、急にメタルダーが博愛主義を取り戻しすぎではあるのですが、もしかすると、このバルスキーの最期に関しては、作品の初期構想に近い展開であったのかもしれません。
そういえば:ザーゲンさんの能力を使わなかった
戦いの決着を見届け、去っていくクールギン(ゴッドネロス)。
ナレーション「ラストファイトにかけろ、メタルダー!」
えー…………最終回、今回より盛り上げる事が出来るのでしょうか……?
何が不安って、それが一番不安。
正直、トップガンダーの最期より、バルスキーの最期の方が盛り上がったしなぁ。
次回、いよいよ決着。
予告を見る限り、こいつは凄い(不安が募る)ぜ!