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『超人機メタルダー』感想10

◆第19話「夏休みはゴーストバンクへ冒険ツアー」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進
夏だ海だ水着回だ! というわけで海で遊んでいる流星・舞・八荒の3人は、キャンプに来た親子連れと知り合う。男二人が水着を履き分けているのは、無駄に細かい(笑) 八荒はやっぱり、ブーメランパンツ。
楽しく遊ぶ3人と家族連れだったが、父親が釣りをしている間に山の方へ遊びに行った娘・マリコが、訓練中のヨロイ軍団・暴魂チューボが開けっ放しであった秘密通路から、ゴーストバンクへ入り込んでしまう。
少女が入り込んだゴーストバンクは、コウモリが飛んでいたり蜘蛛が蠢いていたり毒々しい液体プールなど、お化け屋敷っぽい演出。そして彷徨う少女は、かつて戦闘回路を取り付けられてメタルダーと戦った事のある音楽ロボット・ラプソディと出会う。
この再登場は、ちょっと嬉しい。
軍団員とすれ違うたびにヴァイオリンを弾いて誤魔化しながらマリコを親元に帰そうとするラプソディだったが、訓練を終えたチューボと出会ってしまう。「秘密を知った子供を返すわけにはいかぬ」とすごむチューボ。
更に、ゴッドネロス様、出てきちゃう。
4大軍団長も、揃っちゃう。
ラプソディ、大ピンチ。
つい先程までマリコちゃんがあちこちを彷徨っていた間、ほぼ無人だった事を考えると、恐らく皆、慰安旅行の熱海からバスで帰ってきたところ
一方地上では、マリコの不在に気付いた大人達が彼女を捜し、スプリンガーに匂いを追わせていた流星は、チューボが戸締まりを忘れていた秘密通路と、地面に落ちたマリコの帽子を発見。覚悟を決めて、スプリンガーと共にゴーストバンクへと突入する。
「世の帝国を覗いた者は、たとえ誰であっても許すわけにはいかん」
少女を助けてほしいというラプソディの懇願を当然はねつけるゴッドネロス。マリコに処刑の刃が迫るその時……剣流星が現れる!
夏休みの閑話休題バラエティ回かと思って油断していたら、出会ってしまう二人。
だが流星はマリコを人質にされて捕まってしまい、逆に処刑の危機に。チューボの刃がその首に振り下ろされる直前、流星の後から潜入したトップガンダーの放った銃弾が、その危機を救う! 混乱の隙をついたラプソディがマリコを解放し、流星はメタルダーに瞬転。
戸締まりの不注意から割と真剣に危機に陥るネロス帝国
ゴッドネロスに迫るメタルダーを阻む四大軍団長、そしてクールギン。
敵味方入れ乱れての着ぐるみ集団バトルは、なかなかの迫力。戦闘機能を持たない筈のラプソディが華麗に蹴りとか決めているのは少し気になりますが(笑)
あと、強化後もさくっとトップガンダーに敗れたクロスランダーはスクラップ行きになっているかと思われましたが、しれっと混ざっていました。まあ着ぐるみの都合で混ざっていただけで、話にはもう絡まないかもしれませんが。
マリコを連れてラプソディがゴーストバンクを脱出し、ゴッドネロスに逃げられたメタルダートップガンダーもそれに続くと、後を追ってきた軍団員を引きつける囮となる。その中から、メタルダーとの決着を一人でつけるべく進み出るチューボ。
「全て俺の不始末から起こった」
……自覚あったのか(笑)
トップガンダーを制し一騎打ちに応えたメタルダーは、激しい戦いの末に、新技メタルトルネード(Gキックのパワーアップ版?)でさくっと爆殺。
そのデザイン(わかりやすい鎧兜)もあって1話から比較的目立っていたチューボさん、
「このもの、戸締まり不注意の罪」
により、遂にリタイア。
1話で古賀博士を囲んでいた軍団員の一人(ただし、惨殺シーンは描かれず博士の悲鳴だけだったので、誰がとどめを刺したかは不明)だったのですが、さくっと流されたので、博士の仇、というわけでは無かったのか……?
かくて親子は無事に再会、ネロス帝国と完全に縁を切ったラプソディは、遊園地に再就職して幸せに暮らしましたとさ。
中盤の着ぐるみ大投入の集団バトル、後半のメタルダーvsチューボの一騎打ち、と二つのバトルが対比もあって面白く、ラプソディと少女の絆なども巧く描かれていて、予想外な秀逸回。……いやだって、予告があれで、サブタイトルがあれで、冒頭が海ではしゃぐ3人とか、面白くなりそうな要素が一切無かったのに(笑)
すっかり、メタルダーが敵の滅殺に躊躇なくなってしまったのはどうにも気になりますが、これはもう、前半の事は忘れて受け入れるしか仕方なさそう。それでも、前半で生き延びたキャラクターを絡ませてくる意地は評価。
次回、バンク映像でミサイル撃つのが主なお仕事で個性不足を囁かれていた機甲軍団に、ついにスポット……?!


◆第20話「ターゲットは仔犬? 火をふく機甲軍団」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進
悲しむ娘の目の前で山の中の木にロープを縛り付けて犬を捨てた後で河原遊びに興じ、娘が犬が心配だというので「様子を見てくるよ」と言って車に乗ったと思ったら夏の盛りに車のトランクの中に放り込んでいた子犬3匹を人気の無い場所に追加で捨て、何事もなかったのように戻ってきて河原で娘と遊んでいる父外道すぎるのですが、もしかして普段はネロス帝国で働いていて、タグ兄弟の中身とかではなかろうな(笑)
(もっとも、いっけん犬を可愛がっている娘の方も、知っていて車のトランクの中に仔犬を入れっぱなしだったりで、要するに親子揃って酷い)
人間の醜さに触れた流星さんが「怒る!」でレーザーアームを発動してしまい、衝撃の新展開ルートが発生しかねないレベル。
メタルダーの基地見学に向かう途中で舞と八荒がこの捨て犬を見つけ、流星が犬から「仔犬が3匹居る」という話を聞いた事から、捨てられた仔犬を探す3人は親子と接触し、父親がこっそり3匹を捨てた場所へと向かう。
だが何とそこは、ネロス帝国機甲軍団の演習場だった!
新型の自走ロボット砲デスターX−1を闇の武器商人にプレゼン後、その後かたづけを行っていた機甲軍団員ブルチェック(前半からバンクでよく出る戦車頭)は、捨て犬の入った段ボール箱を発見し…………近所の牧場に侵入して絞りたてのミルクを与えるなど、めろめろ。
しかし演習場に、犬を探しに流星達が現れた事で状況は一変する。
砲撃をしのいだメタルダーに対し、ブルチェックの上司は都合が良いと犬を囮にするように命令。ブルチェックは拒否をするが、同僚のミサイル頭も上司に同調して2対1では命令を受け入れないわけにはいかず、仔犬達の入った段ボール箱は地雷網の中に設置され、更にデスターX−1がメタルダーを待ち受ける。
今回の演出で、機甲軍団は「アーマーパックを装着する」という設定であった事が発覚。犬と戯れたりしないといけない話の都合な気もしないでもないですが、ようやく戦闘ロボット軍団と仕様の違いが明確になりました。
待ち伏せを見破ったメタルダーは、サーチ機能により地雷原も回避。だがメタルダーが箱を手にしたその時、箱の中の一匹が地雷原の中へ駆けだしてしまう。咄嗟に犬を助けるために走り寄ったブルチェックが地雷に接触し、犬と共に爆発の炎の中へ。メタルダーは無事だった2匹を舞に預けに戻るが……
「八荒は?」
「仔犬たちを探しに」
「なにー?」
本気で不愉快そう
ミサイル頭と接触した八荒はポーズを取りながら「怒る!」を決めてみるが、もちろん何も起こらず。今回もこのまま役に立たずに終わるのかと思われましたが、熱源に対して自動攻撃をしかけるデスターX−1を攪乱する為に自ら囮となり、メタルダーをサポート。へたれなりに、巧いバランスでいい所を見せました。
デスターX−1を撃破したメタルダーは、ミサイル頭を
「このもの、か弱い動物の命を弄んだ罪」
により、今回も新技プラズマパンチで処刑。
そして地雷の爆発に巻き込まれたかと思われたもう一匹の仔犬も、ブルチェックによって守られていた。
「動物は、みんなかわいい……その命を吹っ飛ばすなんて俺にはできねえ」
ブルチェック、顔はいかついけど心は優しい戦場帰りの男、みたいなキャラに。
そしてメタルダーは、動物好き仲間として、ブルチェックに敵ながら奇妙な友情を感じる――

ナレーション「剣流星は、ネロス軍団の中にも、動物を愛するものがいる事を知り、爽やかな気分に包まれていた」

一番大事なのは、そこですか
チューボさんだって、チューボさんだって……部屋でハムスターを飼っていたんだよ?!(未確認情報)
今後メタルダーと戦う軍団員には、飼っている動物(自己申告)の写真を胸に貼り付ける事を推奨したい。
こうしてメタルダーが罪もない犬達を横暴な飼い主と機甲軍団の魔の手から救い出すのに成功した一方、デスターX−1がメタルダーに破壊された事により商談決裂の憂き目にあったゴッドネロス様は激怒していた。

「なに、新型自走ロボット砲デスターX−1の商談に失敗しただと。
嘆かわしい。どうして余の軍団員には、己の本分を忘れるものが多いのか」

クールギンさんが、もみ手で布団圧縮袋を売り込んだりしている姿を想像すると、ちょっと時めく。
なお今回、メタルダーの基地で流星と出会った八荒が、「剣流星=超人機メタルダー!」と認識。誰にとってもどうでもいいネタではありましたが、余計な面倒事にならない内に、手早く処理された感じ。