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はじめての『プリキュア』感想15

◆『GO!プリンセスプリキュア』#20◆
カ・ナ・タ様ーーーーー!!
ここまで、王国の大事な魔法のアイテムを人間界でナンパに使った疑惑、武勇に偏りすぎたパラメーター配分疑惑、海藤兄に対抗する為だけにイケメンアピール通信を送ってきた疑惑、など数々の問題が取り沙汰されてきた1人レジスタンスことカナタ様ですが、全ての疑惑を一刀両断して地平線の果てに蹴り飛ばす、カナタ様超格好いいフェスティバル。
ヤバい、カナタ様が格好良すぎてヤバい。
前回、ホープキングダムに眠っていた謎のパフュームを手に入れたトワイライトは、ディスピアから新たな闇のキーを渡され、更なる力を手に入れる……その不穏な音楽を繋げたまま、9つ集まったキーを並べるはるか達に場面は変わるが、突然、まばゆい光に包まれて、はるか、みなみ、きらら、パフ、アロマ、はホープキングダムへと召喚されてしまう!
メガネっ子、居残り。
鬱蒼と茂る紫色の森、落葉、そして紫闇に染まる空に浮かぶ巨大な門――はるか、みなみ&パフ、きらら&アロマ、バラバラになった3組は困惑するが、その時、ドレスアップキーが輝きを放つ。ロングのカットを多用しつつ、不安を煽る薄暗い森と、それを切り裂くドレスアップキーの光が印象的。
キーの光に導かれて歩き出すはるかだが、突然、目の前に2体のウサギ型ゼツボーグが姿を現す。
……って、罠だ!! キーの。
Wウサギの華麗な連携ツープラトンに苦戦するフローラだが、間一髪のその時、白馬に乗った王子様が駆けつける!
誰あろうその名も1人レジスタンス、プリンス・カナタ!
王子、普通に超格好いいんですが、王子。
「はるか……」
「カナタ……」
「どうしてここに……」
と呟くもすぐにその疑問を振り払うと、カナタは自分から距離を詰め、膝を折って恭しく一礼する。
「ようこそ、ホープキングダムへ」
なんだこのイケメンーーーーーーー。
「……またお会いできて嬉しいです、カナタ王子」
プリンセスらしく、礼を返すフローラ。
「素敵なプリンセスになったね、はるか」
なんだこのイケメンーーーーーーーーー。
カナタ様何が凄いって、ただ顔がいいだけでも、ちょっと自分に酔い気味なわけでもなく、女の子に恥をかかせないように振る舞っている、わけですよ! 何この純粋培養された王子力の高さ。目眩がするほどの攻撃力。
なにぶんこれまで、パフとアロマの反応しかカナタの人徳を担保していなかったので、まさかここまでレベルの高い王子キャラだとは予想外でした。この人、人間界に放つと道行く女子がみんな「え? もしかして私もプリンセス……?」とか勘違いしてしまうから、ホープキングダムに閉じ込めておかないとダメだ!
カナタと合流したはるかは2人でキーの光の示す先へと向かい、ちょっミステリアスな音楽で3パーティそれぞれの移動シーン。ここで台詞は無いけど口の開閉などはさせた上で、ただ真っ直ぐに歩くみなみ様、階段昇って疲れたーみたいなきらら、など表情や仕草でそれぞれのキャラクターを見せているのが秀逸。
3パーティはそれぞれ、先代プリンセスプリキュアに関わる建物に辿り着き、先代の残したメッセージを受け取る。それは、大いなる闇を封じた先代の3人が、闇の復活に備えてもう一つのパヒュームを準備していたが、それが今、闇に染まろうとしている事。それを阻止しなくてはならないと、はるか達はキーの力で強制召喚されたのであった。
「そういう事だったのね」
「やるっきゃないみたいだね」
メッセージが語り始めたところで盛り上げ音楽が流れ出し、3人それぞれがメッセージを受け取った所で音楽の山が来て、一番盛り上がる所で、次の目的地へ向けて一直線に闇を貫く、キーの光。
「この光の先は恐らく、ホープキングダム城」
決意を込め、歩み出す3人。
「行きましょう」「行こっか」「行こう」
今回、ロングや口元だけのカットを割と多用して作画の省カロリーをしているのですが、それを巧く演出に取り込んでおり、統一された演出のトーンと、それを補う劇伴の使い方が非常に素晴らしい。
また、一方その頃……を小刻みに交えつつ、そこで描かれるちょっとした表情や仕草、台詞回しで3人のキャラクターをしっかり描き分けられているのは、今作の強みです。
道中、マーメイドの前にはシャット、トゥインクルの前にはロックが立ちふさがり、ここでようやく、OPの対決の構図が用いられました。まあ今更、改めて因縁付けとも思えないので、折角だからというサービスの範疇でしょうが、パーティ分割をうまく用いてここでOPの始末をつけたという感じで良かったと思います。
ジェット噴射する空飛ぶ馬で城へ向かっていたはるかは、バイオリンの話をした事で、カナタの妹――トワにまつわる悲劇を知る。カナタと共にバイオリンを練習し、グランプリンセスになりたいという一途な夢を持っていたトワは、幼い頃に謎の失踪を遂げ、今も行方知れずのままなのであった。そして、王国の希望の象徴ともいえたトワを失った事で国民が覇気や夢を失った事が、後のディスピアの侵攻を易々と許してしまう原因となったのであった……。
国の景気動向を左右するとか、トワ様、超アイドル。
そしてカナタ様は国民に勇気とか与えられないのか不安になりますが、
「そうだ、俺達にはまだ、顔が良くて性格も良くてジェントルで武勇に優れたカナタ様が居るじゃないか!」「でもカナタ様、算数出来ないんだぜ……」「やっぱりトワ様じゃないと駄目だーーーーー!!」
みたいな、初期パラメータ配分のミスなのか。
或いは、ホープキングダムは伝統的に女王制だったりするのか(これはありそう)。
「はるか……僕が笑顔を取り戻せたのは、はるかのお陰なんだよ」
過去の悲劇に涙をこぼすはるかに、優しい言葉をかけるカナタ。かつてキーを追いかけて人間界に出た時、カナタは、はるかに妹トワの面影を見て、プリンセスという夢を目指す者へキーを託したのだった。
「君のお陰で、僕は夢の大切さを思い出せた。――君と出会えたから、僕はディスピアとの戦いにも、耐える事が出来た。……そして今も、闇に染まらず、こうしてここに居られる。はるか、僕と出会ってくれて、ありがとう」
ここで、10年ほど前からの諸々が繋がりつつ、これまで、魔法の道具の授与者であり、都合の良い助言者でしかなかったカナタ王子が、はるかと互いに補い合う関係だった事がわかり、キャラクターとして物語の中に降りてきました。
これは非常に素晴らしい。
「……私こそありがとう。そんなに辛い思いをしていたのに、私を励ましてくれて。私、もっとカナタの力に、なりたいよ」
すっと涙をすくうイケメン無罪。
「僕はね、こう思ってるんだ。僕のバイオリンの音色は、今もトワに届いてるんじゃないかって。だから僕は妹を――トワを、見つけてみせる」
それは、彼女と出会って得られた、希望の心。――夢を諦めないという力。
はるかとカナタは城へ辿り着き、はるかを馬から下ろすカットがちゃんと描かれている所に、カナタ王子の王子力の高さを感じます。妨害を振り切ったマーメイドとトゥインクルも追いつき、城内で全員合流。
キュアマーメイドキュアトゥインクルも、今までありがとう」
狭い世界に入らないで、即座にこれが出てくる辺りがまた、カナタ様はレベル高い。
無人の城内を進む4人+2匹だが、その前に、トワイライトが姿を見せる。
「トワ……?!」
……それはちょっと無理がある気がするよ王子?!
「トワ、僕だ、カナタだ」
無防備に近づいていったにもかかわらず、トワイライトの大火力の攻撃をしれっと受け止めてみせるカナタ様。
「わたくしはブラックプリンセス。大魔女ディスピアの娘、トワイライト」
トワイライトは黒く染まったパヒュームとキーを使い、暗黒蝶々仮面へと変身する。
「気高く貴く麗しく――わたくしこそ、唯一無二のプリンセス」


◆『GO!プリンセスプリキュア』#21◆
「その大きく強い夢、かなえてあげよう……」
バイオリンの練習をしていた幼いトワに忍び寄る黒い闇……と、回想シーンで、トワ失踪の真実が判明。それは、夢を求めるトワの心につけ込んだ、ディスピアの囁きであった。兄の名前を出され、期待と不安を煽られたトワは、魔女の甘言に乗って、夢をかなえられると信じてディスピアの手中に囚われてしまったのである。
「わたくしは、グランプリンセスになりたい! 夢を、かなえたい!」
今作ここまで、ほのめかされながらも正面から見つめてはこなかった、“強い夢のネガティブ面”――その一つとして、夢をかなえたいと願う余り道を踏み外してしまう事、がトワがディスピアに囚われた原因として描かれました。これは幼さゆえの過ち、として片付けられる可能性もありますが、今作において避けない方が面白くなる要素だと思うので、後半戦へ向けた大きな布石だと期待したい。
「わたくしは、ブラックプリンセス。この世界に、絶望を……」
幼いトワと、闇に染まったブラックプリンセスの姿が重なり、変わり果てた妹の姿に動揺するカナタ。しかも闇のキーとパヒュームの力は、振るえば振るうほど、トワ自身を削り取ってしまう。
「大丈夫。そんな事、絶対にさせない!」
「詳しい事情はわからないけれど、このまま、彼女を放ってはおけないわ」
「ま、兄妹の再会ってのは、もっと感動的じゃないとね」
はるかの前向きな善良さ、みなみの力ある者の責任感、きららの浪花節、と、この局面で大義や英雄的正義ではなく、それぞれの拠って立つところに従って戦う姿が、台詞一つで描写されているのが、今作の良く出来ている所です。きららが口に出しては浪花節になるのは、照れでありましょうが。
プリキュアはドレスアップキーの連続攻撃で闇のキーの力を浄化しようとするが、ブラックプリンセスは絶望の力で第二形態に変身。極太ビームを発射して消し飛ばされそうになるプリキュアだが、カナタが光子力バリアでそれを防御。
基本的に強い、しかし作品の構造上、戦闘であまり活躍させるわけにもいかない、と強引に役立たずにされる可能性が危惧されたカナタ様ですが、精神的動揺によるステータス低下の上で、プリキュアを守る防御力を見せる、とバランス良く用いました。
だがそこに、巨大なディスピアの影が姿を現す。
「どうだカナタ王子? これが、絶望の力だ」
ディスピア様は、とうとうと過去のネタばらし。
「だが夢は、大きければ大きいほどその道のりは遠く険しい。己の未熟に苦しみ、不安に溺れた王女の心に、私は呼びかけた。そして――王女は、自ら踏み行ったのだ。絶望の森の、奥深くへ」
トワの過去シーンに続き、ディスピアの象徴として茨のイメージがハッキリし、ディスピアは“森の魔女”化が進行しました。
トワの失踪により国民の労働意欲が減退し、ホープキングダムは弱体化。更に国民の「駄目だ、もうこの国はおしまいだ……」「カナタ様が王位についたら、1日6時間の筋トレが国民の義務になってしまう……」「うちの娘とトワ様で、ユニット組んでCDデビューを目指す予定だったのに……!」等々という絶望からディスピアは力を得ると、戯れにトワの記憶と心と夢を消し去り、ディスダークのプリンセス・トワイライトとして育てたのであった。
絶望のエネルギーに押し負けて王子バリアが砕け、崩れ落ちる王子の姿でホワイトアウト。そこから対照的に黒反転し、倒れるプリキュア達を傲然と見下ろす大魔女ディスピア。
「さあ、絶望せよ――」
……だが。
「……夢は、あるよ。夢も、希望も、まだ、消えてない!」
ここで立ち上がったフローラの姿でCMへ、と前回今回と、気合いの入った演出。この辺り、1年物の強みを活かし、前後編でそれぞれのシーンをしっかりと描きつつ、間延びしていないのはお見事。今作の得意とする細やかな感情の見せ方と、ヒーロー文法の作劇が、ここに来てうまく融合しました。
「希望はある……今、私の目の前に!」
笑顔を浮かべるフローラが胸に抱く希望、それは、初めて出会ったあの日聞いた、トワイライトのバイオリン。
襲いくるトワイライトの拳を弾き、舞うように戦いながらフローラはトワイライトへと語りかける。
「バイオリンは、心を閉ざして弾くもの。貴女は、そう言ったよね。でも私、あなたの演奏に凄く感動した。貴女みたいに弾けるようになりたいって、思った! それはきっと、あなたの音色は、心を閉ざしても抑えきれない夢、それに、遠く離れたカナタへの想いで、溢れていたから!」
「言ったはずだ。王女の心は消え失せた」
「心の無い人に、あんな素敵な演奏、出来ないよ! 貴女の心は、無理矢理閉ざされているだけ! 貴女の夢も、カナタへの想いも、その中で生きてる!」
トワイライトが奏でていたバイオリン――そう、記憶も、心も、夢も失った筈のトワイライトがバイオリンを弾き続けていた事こそが、黄昏と茨の奥に閉じ込められていたトワの思い、カナタとトワの繋がりだったのだ!
ここでフローラの長台詞に重ねて、花びら(2人の闘気?)が舞い散る中をダンスのステップを踏むようにしばき合う2人のプリンセス、というのは『プリンセスプリキュア』だからこそ、という素晴らしい演出で良いシーンなのですが、
終始笑顔のフローラが超怖い(笑)
ここまで、良くも悪くもネジの2、3本抜けた娘として描かれてきたはるかですが、その猪突猛進な前向きさが、“希望がある限り笑顔を浮かべ続ける強さ”として集約され、強さ担当の面目躍如。21話にして、真の強さとは――どんな時でも微笑みを忘れない事だ!!みたいな領域に到達してしまいました(笑)
夢を希望を失わない限り、笑い続ける打撃系ヒロインとして、OPのカットに繋がったのも良し。
また特に、「心の無い人に、あんな素敵な演奏、出来ないよ!」という台詞と共に、満面の笑顔で正拳突きを放つシーンは、マッド系ヒーローの歴史に新たな1ページを刻んだと思います。
フローラの示した希望にカナタは立ち上がり、マーメイドとトゥインクルもシャット&ロックの横槍を防ぐと、今度こそ、プリキュアは合体必殺技を発動。その光輝はブラックプリンセスの動きを止めるが、後一歩のところで黒いキーがそれを防いでしまう。
「無駄な事。私が生み出した黒いキーより溢れ出る絶望。おまえ達ごときでは、消せはせぬ。まして12個全て揃っておらぬドレスアップキーの力ではな」
「私達だけじゃない。希望の力は――」
「――そして夢は。トワ、君の中に」
王子ーーーーーーー!!
ここでアップから、バイオリンを弾き出すカナタ王子! この前のシーンでパフが画面の外へ向かうシーンがあり、バイオリンを取りに行っているのが細かい。
「……トワ、この曲を覚えているかい。あの頃、トワの喜ぶ顔が見たくて、僕は何度も弾いてあげた。一緒に弾きたいと懸命に練習するトワを見て、とても幸せだった。君と、また一緒にバイオリンを弾きたい。それが、僕の夢。君とでなければかなえられない夢。トワ、どうか思い出してほしい。あの時、聞かせてくれた、君の夢を。強く願えば、夢は必ず叶うのだから」
カナタの想いがバイオリンの響きと重なり合って最後の一押しとしなり、遂に砕け散る闇の仮面。
「おにい、さま……」
トワイライトは燃えるような赤毛の少女、プリンセス・トワの姿を取り戻す。
前回、はるかとカナタの相互の補完を描いた所で、今回も、プリキュアだけでもなく、カナタだけでもなく、両者の繋いだ希望がトワの夢を呼び覚ます、というのが綺麗に収まりました。
特にカナタを、役立たずにするのでもなく、都合の良い奇跡の行使者にするのでもなく、物語の流れに沿ったパスを受け取った上で最後のゴールを決めさせた、というのはお見事。脚本間のパスも綺麗に繋がりました。
ここで、変貌したブラックプリンセスの姿を見て美しいーーーと大興奮していたシャットが、トワの姿に興味を失う、というのは、人間とは違う価値観が強調されて細かく良かった所。それはそれとして、「トワイライト様に会えた事が生涯最大の喜び!」とか騒いでいたので勢いでリタイアするかと思ったら生き残りましたが、三銃士はここからV字回復できるとも思えないし、後半戦はどうする事やら(^^;
トワを取り戻し、城の転移ゲートから人間界へ撤退しようとするはるか達だが、その背後に怒れるディスピアの魔力の結晶である茨の触手が迫る。
「逃がさぬ。夢はかなわぬ、希望は消える、世界は絶望で満たされるのだ――」
これまで、ホープキングダム侵略→プリキュア抹殺、の後の行動計画が見えないディスダークもといディスピアでしたが、世界を絶望に満たしたい人、という事で良いのか。
一行は何とか扉に辿り着き、カナタは王子バリアで触手の追撃を食い止めると、トワを連れたはるか達へ転移を促す。そして……
「君たちが翔んだ後、この扉を破壊して、閉ざす」
ディスピアの魔力が人間界まで影響を及ぼさぬよう、自らはその場に残り、ゲートを破壊する覚悟を決めるカナタ。
「そんな! 1人じゃ無茶だよ! 私も!」
「はるか」
背を向けたままの、ここの台詞のニュアンスが素晴らしかった。前回今回で株価が急上昇した王子ですが、ここでまた、非常にいい芝居。
「え?」
「君たちのおかげで、僕は再びトワと会うことが出来た。無くしていた希望を、見つける事が出来た。……すぐに行くよ。まだ、かなえたい夢もあるからね」
カナタは立ち止まるはるかを魔力で扉の向こうへ押しやると、扉を封じる。
「はるか……トワを、頼む」
バリアが砕け散り、迫り来るディスピアの影に向けて、魔力を振り絞るカナタ。
「逢いたいと、心から望めば、きっと…………はるか、また逢おう!」
ホープキングダムまで来てしまった時点で、王子の一時リタイアは予定調和として、最後のこの台詞で、王子が自己犠牲ではるか達を逃がしたのではなく、希望を信じて次の戦いを始めたのだ、としたのは作品のテーマと重なってうまくまとまりました。前回今回でとにかく王子を格好良く描いた事で、新展開へ進む物語の中で新たなモチベーションを自然に生めたのも良し。
敢えて言えば、「強く願う→夢は叶う」が強調して肯定されすぎたとは言えますが、今作はここまにでおいて「夢を強く願う」=「夢を叶える為に努力する」事が描かれているので、許容範囲かと思います。
王子の扱いがどうなるにせよ(ディスダークのテコ入れは必要でしょうが、洗脳されて新幹部ネタは続けないでしょうし)、今回、魔法のステッキがダメージを受ける描写がやたら繰り返し強調されたので、後半の新たなキーアイテムになるのか。
トワイライトが、元来ホープキングダムの王族だった、というのは割とストレートに来ましたが、バイオリンに対するミス・シャムールの反応、海藤兄妹の姿へ苛立つトワイライト、など、細かい伏線が丹念に張り巡らされており、改めて今作、引っかかる描写はだいたい意図的であると信用して良さそうです。
というわけで今後、他人に勝利して達成される夢、という要素に向き合うのと、みなみ様のリカバリーに期待したい。
次回、新プリンセス、降臨。