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はじめての『プリキュア』感想37

◆『GO!プリンセスプリキュア』#48◆
「夢に満ちた愚かな世界。この世界はこれより、我が物となり、おまえ達の夢は絶望に変わり、全て私の――力となるのだ」
ノーブル学園に襲来するディスピア様、そこに戻ってくるはるか達。だが4人は友人らに止められてしまい、プリキュアに変身する事が出来ない。学園を呑み込み、巨大な花のような姿と化すディスピアを目にして、覚悟を決めるはるか。
ヒーローの正体バレ展開ですが、はるかに続いてそれぞれが歩き出すシーンで、にかっと笑うきららさんが相変わらず格好いい。
「みんな、行こう!」
「「「ええ!」」」
「「「「プリキュア! プリンセス・エンゲージ!!」」」」
ここで、プリキュアの揃い踏みの後にまとめてリアクションさせるのではなく、一人ずつ名乗る度に関係の深いキャラクターのリアクションが挟まれる、というのは今作のキャラクターを大事にする姿勢が貫かれていて良かった点。
なおプリンセスとしてのはっちゃけ具合が白日の下に曝され、失う物が多いのは圧倒的にみなみ様だと思います! 開き直って芸風に出来れば、むしろ最強説もありますが。
「噂の戦うプリンセス……」
「まさか……」
「春野が……フローラ?」
やはり、打撃系として“戦う”が大事な所なのか。
ここで呆然とする生徒達の間を走り抜けていくカナタ様がまた格好良く、お付きの不思議生物達が意思疎通可能なのも、皆が知る事に。
「はるかちゃん達は、ずっと私たちの夢を、守ってくれていたの」
そしてゆいちゃん、皆にこの1年間の事情を説明。
ディスピアの元を目指すプリキュアにストップ&フリーズが立ちふさがるが、カナタ様が新技のローリングプリンスバリアを披露し、シャムールと共に足止めに。だが先へ進んだ4人の前には、クローズと巨大なロックが立ちはだかる。
「なんだか、操り人形みたい……」
以前の戦いとは打って変わり、「ディスピア様の為に」を繰り返しながら暴れるロックの姿に違和感を覚えるフローラ。プリキュアは連携から3色ビームを放つが、それを見たクローズは絶望のエネルギーを入手する為に、生徒達の前へと転移。
現れたクローズを前に、藍原少年が、咄嗟に女子をかばった!
まあカナタ様との差別化もあったのでしょうが、これまでの描き方に微妙にスタッフからの愛が感じられないだけで、決して悪い男では無いのでしょう(笑) 少し立ち位置の可哀想な所はあったので、今回、細かい芝居が入ったのは良かったと思います。
クローズは生徒達を絶望の檻に閉じ込め、そのエネルギーを供給されたロックは更に巨大化。そのあまりの猛攻に、魔法のロッドとバイオリンが砕け散ってしまい、大技を使えなくなったプリキュアは大ピンチに。
「負けない……絶対に諦めない。私たちみんなで、夢を叶えるの!」
すっかり《絶望耐性》のついたゆいは、檻の中でその光景を見つめて正気に返ると、絶望に負けない意志を取り戻す。
「みんな……そうだよ……私、もう、こんな所に閉じ込められている場合じゃない。……自分の夢だもん。叶えたいなら戦わなきゃ! 助けてもらってばかりじゃ、駄目だ!」
大切なのは、「夢が叶う」事ではなく、「夢を叶える」事。
その為に、立ち上がるのは、自分。
「戦うんだ、私も。はるかちゃん達と、一緒に。うう……うわぁぁぁぁぁ!!」
七瀬ゆい、遂に、自力で絶望の檻を破壊(笑)
その後の皆の反応を見ても、地球とホープキングダムの歴史に残る快挙の瞬間であった。
金色の光の粒子が舞う中、ゆいは不思議生物達と一緒に、皆を起こそうとする。
「私だって、檻から出られたんだもの。みんなだってきっと出来るよ!」
プリキュア4人+ゆいは、大雑把に言うと、ロースペック組〔はるか、ゆい〕・ハイスペック組〔みなみ、きらら、トワ〕に分かれているのですが、どちらかというと自分に自信が持てない人物として描かれてきたゆいちゃんをここに持ってくる事で、主人公属性にならざるを得ない(そしてもはや永久機関と化している)はるかと上手く差別化。
誰だって、何度転んでもくじけずに立ち上がり、絶望を乗り越える心を持っている筈だ、というテーゼに説得力を持たせました。
そして、それを導く光は――
「みんな! こんな所で、絶望しちゃ駄目だよ! プリキュアが、はるかちゃん達が守ってくれた夢を、思い出して!! ――大丈夫、きっと絶望なんて、乗り越えられるよ。ここはノーブル学園。夢を叶える為の、場所だもの!」
そう――
「思い出してよ、自分の夢! ある筈だよ、何度消されても忘れられない、夢が!!」
(夢……)
「一緒に戦おう。最後に夢を叶えるのは、自分だよ……」
(俺の、夢……)
闇の中で瞳に輝きを取り戻した藍原少年を皮切りに、次々と夢を取り戻し、絶望の檻を砕いていく生徒達&学園関係者。ここのイメージカットで、ドリームファッションショーも仕込みとして機能。
絶望のエネルギーが失われた事により、ロックは弱体化してスルメのように。その苦しむ姿に、意を決したクロロがロックを助けられないかと口にし、シャットの時を思い出すフローラ。そこに隙を突いてクローズが絶望光線を放つが、飛び出してきたシャットがそれを切断し、まさかのクロスカウンターを炸裂させる。
シャットはてっきり、プリキュアカバーリングして満足して死亡、みたいな事になるかと思ったのですが、これがマフラーでドーピングされた力なのか。思わぬ戦闘力を見せました(笑) 美しさは強さ!
「ロック! 貴様さんざん私を馬鹿にしておきながら、そのザマはなんだ! あれだけ偉そうにしていた貴様は、どこに行った! 見ろ! 私たちが落ちぶれている間に、プリキュアどころか、妖精も! 人間どもも! どんどん変わっていく! 変わるぞ、私たちも。ディスピアの呪縛から、抜け出すのみ!」
「…………だね」
親離れするシャットですが、悪い人なのは変わってないような……?(笑)
プリキュアがボンバーで殴ると(まあプリンセスの必殺技は基本的にゼツボーグをドリーミングするものなので、物理属性なのかどうか微妙な所ではあり)ロックはぼろ切れになってクロロがそれを拾い、クローズは撤退。
「おのれプリキュア。だが、時は来た――」
「みんなの夢は、消させない。ディスピア――さあ、お覚悟は、よろしくて!」
と見得を切った所で、続く。
アバンタイトルで妙に描き込まれた腕の振りでフレームインしてきたり、はるかを止めたり、初めて紳士スキルを発動したり、藍原少年にかなりフォローが入ったのですが、果たして次回、藍原少年はカナタ様との銀河系規模の差をどこまで縮める事が出来るのかっ?! いよいよ、決戦ディスピア!


◆『GO!プリンセスプリキュア』#49◆
「シャット……ロック……我が魂から作った絶望の下僕ながら、愚かな者達。だがクローズよ。おまえは甦らせて正解だった。今までよくやった」
「なんと有り難きお言葉」
ここのクローズが、とてもいい愉悦の表情。
「さあ、我が内に還るが良い。新たな絶望の世界の為に」
ディスピアはクローズを吸収し、大きく振動するノーブル学園島。
「時は来た。今こそ……」
「戻ろう」「ああ戻ろう」「「我ら本来の姿に」」
ストップとフリーズは、真ディスピア様のパーツ?だったという事になり、これ以上広げてもややこしくなるだけなので、収まる所へ収まった感じです。
島全体を巨大な茨が覆っていき、逃げ惑う人々の中で、振り返ったシャットが「ディスピア様……」と呟くのは、親離れを決意したけど、親を捨てたわけではない、というニュアンスが描かれていて、非常に良かったです。こういう所、今作はホント丁寧。
「愚かな夢を抱く者どもよ。お前達の夢は終わる――」
そして誕生する、超巨大な真ディスピア。少し残念だったのは、ここしばらくプリキュアに負け通しだったディスピア(ディスダーク)が、何をどうしてファイナルモードを発動するエネルギーを集めたのかに関する言及が、一切無かった事。前々回はエネルギーチューブみたいな描写がありましたし、前回は「時間が必要」と言って何か溜めている描写はしていたのですが(恐らくホープキングダムの絶望パワーでしょうが)、もう一歩、物語に組み込んで欲しかった部分です。他がレベル高いだけに、最後の最後でまた、敵サイドの描写不足が瑕疵になってしまいました(^^;
「ここが正念場ね……私たちの学園を取り戻しましょう」
「ディスピアを倒せば、この夢と絶望の戦いにも、決着が付くはず」
「ここまで来て、負けられないよね」
「私たちの夢は始まったばかり。終わりになんて、させない!」
タイトルコール後からすぐの盛り上げBGMで、真ディスピアに向けて真っ直ぐに進んでいくプリキュア達。ここで敢えて歩かせたのが、立ち上がって前を向いて進んでいく物語である今作らしくて格好良かったです。
そして突撃、からの最強単体必殺技連打(やはり桜は少しぞんざいなような気がする)を浴びせるプリキュア
「トワ!」
に、しれっと混ざって謎のステータス強化ビームでスカーレットを補助するカナタ様がこの最終局面でもひたすら格好良い。
だが、4人の必殺技コンボも真ディスピアに傷一つ負わせる事は出来ず、逆にクローズの力によるフェザーミサイルの絨毯爆撃を受けてしまう。そして広がる絶望の茨は、夢ヶ浜どころか全世界――地球そのものを飲み込んでいく。
茨に覆われていく世界が描かれ、あのイケメン執事と奥様も居た!
ホープキングダムだけでなく、この世界まで。これがディスピアの狙いか。どこまで絶望を広げるつもりだ……」
「全ての夢が、果てるまで。夢と希望の世界、ホープキングダムになぜ私が居たのか、考えた事はあるか」
「え?」
「夢のある所には必ず闇が生まれる。叶わぬ夢、失われた希望、挫折、後悔……それは全て絶望となる。そうして王国に生まれた絶望が、いつしか茨の森となり、私となった」
「じゃあ、あなたは……」
「そう私は! 絶望そのもの。――あらゆる夢を閉ざし続ける存在」
度々気にしてきましたが、今作が見ない振りをしてきたともいえる「夢」の負の側面(ただし第39話で救済に繋がる要素を入れたのが凄かった所)がラスボスそのものであった、という形にディスピア様の正体は着地。
物語上で目を逸らしてきた要素が物語の「悪」だった、というのは少々メタ構造ともいえますが、そういう負の存在を物語の中で認めた、というのは大きな意味があったと思います。また、早めに明かすと構図が単純化してしまうので、最後の最後まで明かさなかった意味も生まれました(勿論、名前は最初から「ディスピア」=「絶望」ではありましたが)。
そんな絶望そのものから生まれた筈の三銃士が自立していったり、闇のキーが希望の炎スカーレットのキーへと転化したというのは、なかなか示唆的で、今作のテーマと繋がっていると思えます。幼いトワが魔女の甘言に招かれたのも、夢に対する重圧からでしたし。
ディスピアを倒せるのはグランプリンセスだけだが、どうすればなれるのか、具体的な事はミス・シャムールにもわからない。
「あの子達は、あんなにも立派に成長したというのに、まだ何かが足りてないというの?」
疲弊していくプリキュア達は、それでもディスピアに立ち向かっていく。
「大丈夫。みんなの夢は、私たちが守るから」
そんなプリキュア達を押し潰すように迫るディスピア分身軍団。
「さっきは驚いたけど、よく見りゃあいつ、春野まんまだな。何も変わってねえ」
「うん。はるかちゃんはいつだって、真っ直ぐなはるかちゃんだよ」
前回今回と、正直今まで悪かった、みたいな勢いで良い場面と台詞を貰っている藍原少年ですが、やはり若干の急に持ち上げた感はぬぐえません(笑) 過去を謝罪するのではなく、仮にもプリンセスという“名”を持つキュアフローラを、今の春野はるかそのものだ、と認める形での精算は、テニスボーイらしい所に落着したといえますが。
ちなみに藍原少年が格好良いシーンを貰っても、同じかそれ以上にカナタ様に格好良いシーンがある為、男の格差は全く縮まりませんでした!
プリキュアボンバーを放つ4人だが真ディスピアに通用せず、とうとう変身解除。そして絶望の扉に数多の夢が吸い込まれていき、世界は絶望の闇に閉ざされてしまう。
「さあ……絶望の世界の、誕生だ――」
力を失い、倒れるプリキュア達。もはや、全ての夢は失われ、絶望の中で静止してしまうのか。
「世界は絶望した。後はお前達だ」
だがその時、立ち上がるロイヤルフェアリー。そういえば外付け補給カプセルだったっけ……と思ったら、普通に突撃(笑)
……あ、あれ?
「はるか! みなみ! きらら! トワ様! 元気出すパフ!」
「こんなのへっちゃらロマ! プリンセスをお助けするのが、ロイヤルフェアリーロマぁ!」
「それがパフ達パフ! だから、負けないパフぅ!」
私が割と不思議生物がどうでもいい人なので感慨は無いのですが、よく考えると妖精達にも夢があるわけで、ここでしっかり拾って活躍の場を与えたのは良かったと思います。
そしてその姿に、前へ歩き出す生徒達
「そうよね……。たとえ世界がこんなになってても、私たちの気持ちは、ここにある!」
ここでパフを助けて最初の台詞を貰う風紀委員のメガネさんは、ホント、やたらスタッフに愛されているなぁ。土壇場でゆいちゃん大活躍もありましたが、スタッフ内部に、強硬なメガネ勢力が存在しているのか。
「春野。おまえ、格好良すぎだぜ」
「凄いよ、4人とも」
「内緒にしてたのは、水くさいけどね」
まあそういうシーンではないのですが、結構凄いポーズで倒れているみなみ様を助け起こすわけでもなく、歩いて行ってしまう生徒会の二人には、どうも、友情の薄さを感じてしまいます(笑)
「今までありがとう」
「これからは戦いましょう。私たちも」
カナタ様やシャットもその列に加わり、拾ったパーカーを手に自分の無力さに歯がみするクロロ。
「僕も何か、力に……なりたいロロ……」
恐怖と絶望を乗り越え、今、プリキュア達をかばうように、ディスピアの前に並ぶ学園の人々。
「友達が守ってくれた、私たちの夢。絶対に諦めない。何度檻に閉じ込められたって、破ってみせる!」
最初、もしかしてOP歌手枠? とか思った記憶があるのですが、ゆいちゃんの声優さんも上手くなったなぁ……。
「私たちは、負けない!」
そこへ迫る分身軍団だが、皆の体から放たれた光がそれをかき消し、光は鍵の姿になる。それは、ロックとの戦いで砕けたプリンセスロッドの欠片が皆の夢と結びついて結晶になったものであった。と前回、皆が絶望の檻を破るシーンで散らばっていた光が伏線だったと判明し、檻を破れた理由も補強。
「夢は……プリキュアの力になる。……みんな! 私の夢の力、受け取って!」
ゆいちゃんを筆頭に、学園の人たちが次々と夢の鍵を心からプリキュアに託し、溢れる光。夢の力を託された4人は見る間に傷が癒え、再び立ち上がる。
ここで揃って笑うのが、どこまでも『プリンセスプリキュア』です。
そしてパヒュームが浮き上がり、流れ出すOPテーマ。4つのパヒュームは、4人の前に4つの虹の道と4つの扉を現す。
「4つの扉……?」
「扉なら……」
「このキーで」
「開けろって事だよね」
それぞれの扉へ向かって駆け出す4人にディスピアの影が迫るが、その妨害を次々と食い止める、カナタ、シャムール、シャット、クロロ(ロック融合)、パフ、アロマ、そして皆の願い――
「みんなが……」
「背中を押してくれる!」
「あの子達がここまで心を磨いてきたのは、この為だったのね」
「夢を守るプリンセスから――全ての夢を希望に導くプリンセスに」
強制的に絶望を吸い上げるのではなく、信頼をもって夢を託され、それを希望へと運んで力にする存在……夢の光が4人の姿をプリキュアに変えていき、遂に扉へ突入するフローラ。扉を開けた瞬間、真っ白な光の中で、フローラはあの日の言葉を思い出す……。


「あたし、プリンセスになる!」
「なれるさ」

「――プリキュア。……プリンセスエンゲージ」
そして開かれた4つの扉に皆の夢の力が集い、金の力でアルティメット化したプリキュア達は、黄金のドレスをまとったグランプリンセスへと遂に到達する。

「わたくし達は夢の導き手。絶望には屈しない!」
「冷たい檻に閉ざされた夢」
「返していただきますわ」
「さあ! お覚悟は、よろしくて!」

前回ラストはいつものバンクが角度的に微妙に映像と合っていなかったのですが、今回は新規カットのグランプリンセスでの決め台詞が、ばっちり決まりました。それはそれとして、「GO!」担当のスカーレットの台詞にはいつも微妙に悩んでいる感が漂います(笑)
真ディスピアの放つハイメガ絶望ビームに対し、4人の力を結集したライジングアルティメット光線を打ち付けるグランプリンセス。
「絶対に、みんなの夢は! 私たちが未来へ導く!!」
互いの光線が拮抗したその時、そこに現れる呪いのアイテム、もといプリンセスキー。

「強く!」「優しく!」「美しく!」「わたくし達の夢は!」
「「「「絶望を乗り越える!!」」」」

まばゆい輝きと共に、総数幾つかもうわからなくなったプリンセスキーが合体すると一つの黄金のキーとなり、4人はそれに全力を込める。
「「「「「開け! 夢への扉!!」」」」
巨大な鍵が閃光となってディスピアを貫くというのは、最強最後の大技らしく、格好良く決まりました。
「うあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁ……忘れるな……絶望は……!」
希望の鍵によって打ち砕かれ、断末魔を残してディスピアは消滅。元の明るさを取り戻した世界で、フローラが「ごきげんよう」を決めて、続く。
第47話がぎちぎちにロジックを詰め込んでいたのに対して、盛り上がりを重視した、悪い意味ではなく1年間の“答え合わせ”みたいな最終決戦前後編。
テーマ的には、ディスピア様の正体が「絶望そのもの」だった時点でもうプリキュアは勝ってしまっているので、グランプリンセスに関しては、ディスピアに勝つ為に物語上の説明をつけました、というような印象。
物語を終わらせる為ではなく、戦いを終わらせる為のギミック、とでもいいましょうか。
ただそうする事で、第47話でハッキリ形を取った「はるかのプリンセス」は「はるかのプリンセス」、グランプリンセスはグランプリンセス、として描かれたのは、ゴールに辿り着いて終わる物語ではない、という今作の志向性と重なって良かったと思います。
最終決戦は王道展開で綺麗にまとめた上で、シャットにロックに藍原少年など、踏み込もうと思えば踏み込める要素が幾つか残っていますが、その辺りを最終回でどこまで拾ってくれるかは純粋に楽しみ。ストップとフリーズが姿を変えた豆の木みたいなのも残ってましたけど、あれ、ホープキングダムに繋がっていたりするのでしょうか。
予告見るとカナタ王子とはるかの会話もばっちりあるようで、王子がどんな王子力を発揮してくれるのかは凄く期待です。それにしても、グランプリンセスになると、頭上にずっと、レース織りが浮かんでいるのか……(笑)
で、この展開だとクローズは明らかに残っているよなぁ、と思ったら予告に浮かぶ怪しい黒い影。今回が戦いの決着だとしたら、次回はただのエピローグ後日談ではなく(それはそれで好きですが)、『GO!プリンセスプリキュア』とは何だったのか、という最終回になってくれそうで、非常に楽しみです。とりあえず、カナタ王子がナイフで刺されないといいなぁ……(やめろ)