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『ジャッカー電撃隊』感想8

◆第11話「13ジャックポット!! 燃えよ!友情の炎」◆ (監督:奥中惇夫 脚本:高久進/新井光)
命中した人間を跡形も無く溶かしてしまうという、恐るべき酸化蒸発弾によるライフルを用いてクライムが現金輸送車を襲撃。その効果から、かつて近代五種のオリンピック候補生としてライバル関係にあり、その後、ゴミ問題の解決の為にゴミを溶かす研究の道に進んでいた親友、若宮の事を思い出す桜井。
2人の青春の回想シーンが、河川敷でギター弾いて「若者たち」を歌う、というのが時代を感じさせます(笑)
若宮が研究を途中で放り投げて研究所を辞めた、と知った桜井は、街中で不審な動きを見せる若宮を目にする。
「おまえは蒸発剤の研究に成功した。違うか? その研究結果が今、クライムの手で恐ろしい犯罪に使われているんだ。本当の事を言ってくれ」
「俺をそんな目でみていたのか」
桜井、目を逸らす(笑)
「変わったのは桜井の方らしいな。昔は俺を疑ったりしなかった」
理想に燃えていた親友が犯罪に荷担しているのでないかと苦悩する……という展開なのですが、7:3ぐらいで黒だと思っているのが、ドライで凄くジャッカー(笑)
だがその若宮が、クライムの狙撃を受ける。実は若宮は開発した蒸発剤の研究成果を所長に取り上げられ、その所長が研究をクライムに売り込む事で、クライムボスの地位を手に入れていたのである。自分の研究が犯罪に使われているのを見過ごす事は出来ない、と単身でその責任を取ろうとうする若宮はアジトに潜入し、その後を追う桜井とカレン。乱戦の中で公害ボスはデビルマシンガンに射殺され、ジャッカーと若宮は研究施設の破壊に成功し、クライマックスの戦闘へ。
ここで、マンションの非常階段に縦に並ぶという変化球の名乗りが、非常に格好いい。
マスク部分が半分透明で中の配線が見えている、というなかなか面白いデザインだったデビルマシンガンは、いつもより余計に回されたコバックで大爆死。……顔デザインは面白かったのですが、さしたる活躍の場はありませんでした(^^;
桜井と若宮は、夕陽に照らされた屋上でがっしりと握手をかわし、何故か走り出す、という今回も青春路線エンド。


◆第12話「10ピラミッド!! 黄金仮面の迷路」◆ (監督:奥中惇夫 脚本:上原正三
注目は、サイボーグには、催眠ガスと自白剤が効く。
ファラオの黄金マスクがクライムに狙われているという情報から、3手に分かれて輸送任務を行うジャッカー。だが、依頼者であるカーメン文化長官がクライムに盗聴器を仕掛けられていた事で秘密が漏れてしまう。本物を輸送していた桜井はクライムの襲撃を受け、マスクを隠して逃走するも、敢えなく捕虜となり、拷問を受ける事に。
「ファラオの黄金マスクは、ヨーロッパのコレクターから、是非手に入れてくれと、せがまれておる」
相変わらず大変だな、クライム。
電気椅子にかけられ、またも原子炉大爆発の危機(なおこの場合、桜井どころかクライムボスも消し飛ぶ凄絶なチキンレースである)に桜井はフルパワーで逃走するも、背後から撃たれて川に転落。
「殺ったぞ! 引き上げろ」
意気揚々と帰還していくクライム戦闘員達……いや、帰ったら駄目だと思うのですが(笑)
仲間に発見される桜井だが、拷問による肉体的ショックと自白剤に対する抵抗の影響か、死んだ魚のような目で記憶を失っていた。カーメン文化長官の見守る中、ショック療法で記憶を取り戻させようとするも功を奏さず、道端の花を愛でる死んだ魚のような目の桜井。
文化長官「うぅぅ……クレイジー……!」
大直球
一方クライムは、黄金マスクは手に入らなかったが、ジャッカーの戦力が減った今がチャンス、と大喜びで大規模な略奪を繰り返し、当初の目的をすっかり見失っていた。
怪人の出番が少なくなりがちな今作ですが、今回の怪人・デビルエジプト(仮名)は、この襲撃シーンなどで割と活躍。スフィンクス顔に鋼のボディ、白いジャケットと裏地が紫の白マントを身につけ、先がマシンガンになっているステッキを振り回す、とデザイン的にもなかなか面白い。
ジャッカーでは、カレンが第1話で桜井に助けられた時を再現する、という大胆なショック療法により、炎の記憶と共に、心の中の正義の炎を取り戻した桜井が復活。合わせて、当たり前といえば当たり前ですが、カレンが桜井に命を助けられた事を深く恩義に感じている事が判明。そういえば、「命を助ける」イベントを消化済みでした。
記憶を取り戻した桜井は隠し場所からマスクを回収すると同時に、カーメン文化長官の正体を暴く。やたらに桜井の記憶の回復をせっついていた文化長官は、クライムボス(演:黒部進)の変装だったのだ! ――当初の目的を忘れていなかった!
本物の文化長官は大使館に監禁されていた所を救出され、正体を現したボスはマスクを持って逃走。ジャッカーは立ちふさがるデビルエジプトをコバックで撃破するも、マスクを奪われてしまう……かと思われたが、ウルトラボスが手にした黄金マスクは真っ赤な偽物で、ボスはアイアンクローによって「死刑!」。本物のマスクはエース車の燃料タンクの中に隠されており、無事に文化長官に返還されるのであった……。
マスクの本当の隠し場所は、宝石密輸トリックなどからのアイデアと思われますが、本来ならクライムはエースが山中に放置していったエース車(ジャッカーの戦力)を破壊か回収するべきだったと思われ、危うく深刻な国際問題になる所でした(^^;
正直そろそろ、早くビッグ1出てこないかなぁという気分になってきましたが、次回、サブタイトルが微妙に『ゴレンジャー』風味でどうなってしまうのか。