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『重甲ビーファイター』感想16

◆第17話「死闘!!合体怪人」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
予告からてっきり宮下さんかと思ったら、扇澤さん働いているなぁ。
傭兵デスマルトとブルービートの戦いで始まり、ビートルブレイクにより勝利する青。
「ジェラ! かつては無敵を誇ったおまえの傭兵軍団も、今や虫けら退治すら出来ぬのか!」
侮蔑表現としての「虫けら」が、ビーファイターの特性とかかっているのは、地味に良い所。
後年だと、『炎神戦隊ゴーオンジャー』で、元警官のキャラクターが自分を「野良犬」と卑下するのが印象的だったりしましたが、こういった細かい重ねに気が利いていると、全体の面白さを底上げしてくれます。
「この役立たずどもめ!」
3幹部は連帯責任でまとめてお仕置きされ、おまえのせいで社長に怒られたじゃないかばーかばーか、と低レベルの内輪もめ。
「仲違いなどしている場合か!」
ここで険悪になって足の引っ張り合いと身内同士の追い落としに走るのでは無いのが、相変わらずの連帯感(笑)
だが、このままでは平社員降格どころか、見せしめの為に処刑されてしまうかもしれない……
「ええっ?! やだ〜、そんなの絶対やだ〜やだ〜!!」
「俺も嫌だ!」
おいギガロ(笑)
扇澤さんが完全に、ギガロを面白枠にしようとしている……。
とにかくこれ以上の失態は許されない、とジェラの発案により、3幹部はデスマルトを合同で改造する事に。
その頃、拓也と大作は、たこ焼きをつつきながら小学生を相手に勝ち戦の自慢話をしていた(笑)
「どうしてそんなにビーファイターは強いの?」
「どうしてなんて、聞かれたって……」
ところが休息も束の間、再生強化された合体怪人デスマルトが街を蹂躙。
「帰って来たのよ地獄から! ――貴様等の首を取る為にな」
変身する青と緑だったが、インプットマグナム無効・飛行能力・背中に2門のキャノン砲・腕から変なガス・強力な剣技・重力光線、と武装と耐性山盛りの合体デスマルトに圧倒され、援護にやってきたテントウムシまでもが撃墜されてしまう。合体デスマルトが、ビートルブレイクさえ受け止めた所で、自慢しに現れる3幹部。

「傭兵としての戦力は勿論」
合成獣の攻撃力を併せ持ち」
「その上、戦闘メカも完備しているのだ。いひひひ」

予告通りなのですが、知力は。
「三つの能力を併せ持つ、最強の合体怪物……」
「虫けらどもめ、地獄へ落ちろ」
砲撃で吹き飛ばされたビーファイターはアーマーが限界になり、一時撤退。研究所で弱点を分析するが、これまでのビーファイターの攻撃パターンを全てインプットされたデスマルトには、弱点を見つける事ができない。意気消沈するビーファイターに対し、3幹部は撮り立てほやほやのビーファイター敗北映像を街の上空に投影する事で挑発すると、更に人間狩りを始める。
「人間どもよ聞け! これより貴様達を片っ端から磨り潰す」
「体中の脂を搾り取り、戦闘メカの燃料にしてやる」
「更にその絞りカスを、我が合成獣どもの餌にしてくれるわ」
残虐非道かつ連携の取れた悪の幹部として実にいい嫌な台詞、だったのですが……
「泣け! もっと泣き、わめけ! ただの脅しとも知らず愚かな奴等め」
実行しないのか(笑)
…………うん、追加の業務をやるには、社長の決裁下りてないから、仕方ないですね。地球侵略にも、予算の限界という組織の都合があるのです。
この光景に我慢できず、今回も大作は単独で突撃。これだけだとマッスル信仰の悪化になってしまうのですが、インセクトアーマーの回復を待つべきと止める拓也と対比させる事で、確かにそれは正論だけど、ヒーローには正論で足を止めてはいけない時がある、という形に収めました。同時に、闇雲に突っ込んで事態が解決してしまうパワープレイ展開にしない為に、大作を止める拓也が機能しており、2人の対比で巧く物語とヒーローのバランスを取っています。
そして……
インセクトアーマー使用不能・弱点の無い最強の敵、という絶体絶命の局面で人々を救う為に大作が選んだ手段とは、
腹マイトで自爆
というのが物凄く『ビーファイター』(笑)
昆虫魂が、脳細胞に、回ってきただろう!
侵略者を討つ為なら特攻は当然の手段、選ばれたヒーローがもし倒れてもビーコマンダーが次の適格者を選べばいい……故に自爆に活路あり、と凄い所に一貫性が出て参りました。
デスマルトに組み付くも爆弾のスイッチをはじき飛ばされてしまう大作だが、大作を止めようと追いかけてきた拓也がそれを拾う。
「今だ拓也! そのスイッチで!」
「大作! 馬鹿な事を考えるな!」
おい拓也、今、明確に間があったぞ(笑)
「渡せ! 奴の懐に飛び込んで吹っ飛ばす以外ないんだ!」
「渡さん! 希望を捨てるな、大作!」
「希望? 希望なんてどこにある?! コンピューターは弾き出したんだ、まともな手じゃ俺達に絶対勝ち目はないって!」
「おまえはどうか知らない! でも俺は、勝てる自信があって戦った事なんか、一度だってない……」
知恵と勇気とインセクトアーマーがあればどんな敵も恐れはしない、みたいなノリかと思われたビーファイターですが、ここで拓也が内心の恐怖をさらっと明かすというのは、なかなか熱い展開。
「聞こえる筈だ、みんなのあの声が」
ジャマールに囚われながらも、声援を送ってくる人々の声が、2人に届く。
「俺達がボロボロにやられる映像を見せられながら、それでもまだ、希望を託してくれてるんだ」
「拓也……」
「コンピューターにも弾き出せない弱点が、必ずある筈だ。こんな絶望的な方法じゃなく、しがみつくんだ、希望に!」
一応まとめて吹き飛ばされた後とはいえ、2人の会話が長い割に怪人がちっとも襲ってこないのが惜しかったですが、改めて、リーダーとしてビーファイターを引っ張る拓也が描かれたのは良かった所。加えて、何かというと玉砕を推奨してくる昆虫魂の特攻主義に、さすがに若干の否定と修正が入りました。
「希望の光……」
そして、昆虫魂と科学のの結晶であるインセクトアーマーを、前向きにヒーローの“象徴”として修正再定義。
「よーし、希望の光にしがみついてやろうじゃないか!」
2人は変身し、レッドルも合流するが、やはりデスマルトを相手に手も足も出ない。ところがいよいよトドメが迫ったその時……どの武器でビーファイターを倒すかで揉め始める3幹部。
えええ?!(^^;
ヒーローの志の激突とか、それを支える人々とか、希望の象徴インセクトアーマーとか、中盤の山みたいな展開で来ていたので、ここでいきなりギャグになったのは驚きました。しかも3幹部が、切羽詰まって仕方なく結託したとはいえ基本仲良し路線だったので、この局面で揉める、というのはやや強引になった印象(そしてこの3幹部の場合、揉めてもギャグになってしまう)。
希望を持って最後まで戦い続けるビーファイターと、土壇場で利得に走ってバラバラになる3幹部、という善と悪の対比構造はわかるのですが、ジャマール側の蓄積を生かし切れなかったのは、残念。
「弱点があった!」
剣で切れ、尻尾で刺せ、ガトリングで粉砕しろ、という外野からのめいめい好き勝手な指示に行動不能に陥るデスマルトの姿に勝機を見るビーファイター
「所詮は3軍団の力の寄せ集めの合体怪物。継ぎ接ぎだらけなんだ、こいつの意志は」
「頭の中が、混乱している今なら」
「倒せる!!」
弱点:やっぱり知力
ビーファイターは背を向けた怪人に背後から容赦なくスティンガーコンボを浴びせ、トドメはビートルブレイク・クロス。人々と、少年達の歓声に応えるのであった。
「僕たちがどうして強いのか、まだその質問に答えてなかったね。それは、最後まで希望を捨てないからさ」
そう、幾つ死体を積み重ねても、執念が継承され続ける限り、我々は負けた事にならない!(あれ?)
一方、逃げ帰った3幹部はガオーム様にまとめてお仕置きされて平謝り、でオチ。
ラストカットは本編と全く関係なく、えらく高い山の上に立つ3人の空撮なのですが、何か別の日に撮ったカットかしら。
逆転の要因はやや拍子抜けでしたが、拓也と大作が真っ正面からぶつかり合うという展開は面白かったです。今回、弱点分析を麗が行ったり2回の戦いにいずれもレッドルが遅れてきたりと若干不自然な展開があるのですが、この頃、麗が撮影中に負傷していたそうで、登場をアースアカデミア内だけに限定する為の都合と思われます。拓也と大作の話になったのも、その事情からの逆算でしょうか。
次回――首領怒りのガオームツモ。そしてまさかの急展開?!