はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第27話

◆第27話「本物はどっちだ」◆ (監督:杉原輝昭 脚本:荒川稔久
夏の終わりの総集編風味ですが、荒川さんクラスの人が、『ゴースト』コラボ回に続き総集編にも参上してくれるという引き続きのサポートぶり。中日ドラゴンズが色々あれな感じの今日この頃ですが、お陰で香村さんの負担を減らしつつ田中さんに色々なタイプの話を書いてもらって、と良い布陣が構築されています。ちょうど配信で見ていた『オーズ』などで助監督に名前のある杉原さんは、今回が監督デビュー?
キレた大和くんの鬼畜ラッシュから風車クラッシュそして凶器は地球のコンボを受け、とうとう酒に走ってしまったバングレイは、新たな嫌がらせを思いつくと、買い出し帰りのセラとタスクを襲撃。2人を叩きのめすと、2人の記憶から“偽のセラとタスク”を具現化し、更に本物と偽物合わせて4人に高性能爆弾ベストを装着させる。制限時間以内に正体を見破って偽物を倒さなければ爆弾がドカン、無理矢理外そうとしても爆弾がドカン。見た目も言動もまるで区別の付かない4人を見分ける為に大和達が思いついた手段――それは、クイズ・ヒントで連想アタックショック面白ダービーリーグ総本家発見選手権さま〜っ!
というわけで、クイズの問題という形で回想シーンを見せていくという趣向なのですが、爆発まで30分も無いのにクイズにノリノリすぎる大和くんは、少々悪ふざけの領域に入ってしまった感じ。総集編はどうしても絵が地味になってしまいますし、見た目明るく楽しくしたかったのはわかるのですが、なにぶん失敗すると大爆死なので、天秤のバランスが悪かったように思えます(^^;
一人二役×2の面倒な撮影は、途中から片方がジューマンになる事で今作の特色を活かして解決。クイズの結果はジューマン顔チームが勝利し、追い詰められて逃げ出す人間顔チーム。だが、後を追った大和達が偽物として示したのは、あまりにも記憶が完璧すぎ、仲間の引っかけ問題に1ミリも動揺しない、ジューマン顔チームであった!
「ごめんね2人とも、追い込んじゃって」
……ぜんぶアムの罠か。
後は偽物を倒すだけ……しかし、
「いや、俺達は倒さない!」
セラとタスクの記憶から生まれた存在を消し去って終わりにはしたくない……大和達がクイズで時間を掛けていたのは、見極めた偽物の救済手段を考える為でもあった……というものの、結局、何も思いついていないのですが(^^;
偽物はジュウオウジャーの姿に心打たれ、自ら消滅。本物の爆弾は解除され、ジュウオウジャーは改めて、バングレイに怒りを燃やすのであった……でつづく。
理想を掲げても全く実現できない、という点では非常に困ったオチなのですが、まあこのメンバー、愚かでもなければ覚悟が決まってないわけでもないので、本当にギリギリになったら間違いなく殺ったであろう、という面での謎の安心感はあります。逆に言えば、その積み重ねがあってこそのこのソフトランディングというか。出来ればこの失敗(目の前で誰かを救えなかった事)が、一つの挫折として後の糧になるような展開があると良いのですが……そう考えると、偽物の消滅はいっそもっと重く描いてしまった方が、筋は通ったのかも。
個人的にオチ以上に凄く引っかかったのは、
「恐らく偽物は見分けるだろう。だがその時こそ、地獄への入り口だ」
「そろそろクライマックスだな。幾ら繋がりが大事とか言ってようが、自分が助かる為なら、仲間と同じ姿のヤツでも、殺すしかねぇんだよ」
と、いちいち事前に入る、バングレイの過剰解説。
脚本段階からあったのか演出段階で足したのか何ともですが、完全に、これからこういう事が起こります(そしてそれをひっくり返します)、というのを台詞で先に言わせてしまう下策で、もっと映像を信じて欲しかったです。
今回、スーツアクターさんも大胆にお休みで、変身して戦うのは青と緑だけなのですが、その分、冒頭のバトルには短いながら力が入っており、
〔バングレイに剣を絡め取られる青 → 緑、その剣を軸に自分の剣を回転させてパス → 緑の剣を受け取った青、バングレイに切りつける → バングレイが下がった隙に、緑、青の剣を取り戻して攻撃〕
とか、思わずスロー再生で動きを確認してしまいました(笑)
青が切りつける所でカットは割っているものの、回転パスからキャッチまでは実際に一連の動作で凄い。
まあ、戦力の差は如何ともしがたく、結局さくっと叩きのめされてしまうわけですが、誰か、ジューマンズに力を。
EDには「ちまたでウワサの宇宙海賊たち」からビデオが投稿されているのですが、タスクがかわいく見えるレベルでアイム姫の踊りが異常にやる気無いのですが、純粋に苦手なのですか、姫。それとも本当にやる気がないのですか、姫! 一方、鎧は画面4分の1でも十分に鬱陶しかった。
次回、夏休みの割に物語が進んでいたのは、このスペシャルコラボが控えていた為だった! 戦隊シリーズ2000回記念に、海賊戦隊登場。過去作コラボは一種の麻薬みたいなものだと思っているのでTVシリーズではあまり濫用してほしくないのですが、2000回記念ではやむを得ないところか。プロデューサー・監督・脚本と『ゴーカイジャー』に関わっていたスタッフなので、その辺り、巧くバランスを取って見せてくれる事に期待したいです。