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『重甲ビーファイター』感想30

◆第35話「カブト君まいど」◆ (監督:坂本太郎 脚本:宮下隼一)
白いビーファイターとでもいった見た目で、微妙な関西弁を操る陽気な異次元調達屋カブトが地球次元を来訪。道行く人々に気さくに声をかけ、意外に平然とスルーされている……と思いきや、ジャマール怪人と間違われ警察に追われる羽目に。
「いったいなんやねん、ジャマールって」
そのジャマールでは、シュバルツが人間の持つ好き嫌いという感情を操る作戦を発動し、自ら背中に装置を背負って出撃すると、好き嫌い逆転ビームを発射。このビームを浴びた人間達は、新婚旅行へ向かうカップルは喧嘩別れし、泥棒と警官はワルツを踊り、塾で勉強していた子供達はゲームセンターへ向かい……と大混乱。
警察からの連絡により、新たなジャマール怪人……と誤解されたカブトを探し回っていた拓也達は、逆転ビームの効果により人々から声援を送られるシュバルツと遭遇し、ビーファイターに変身。
「出たな、お笑い3人組」
というのが恒例の文句になったようですが、明らかに3幹部を示すギャグになっているのは、果たしてアドリブなのか(笑)
シュバルツを止めようとするビーファイターだが、逆転ビームの効果により人類の敵と認識されたビーファイターに、鉄パイプやナイフを振りかざして襲いかかる人々。
物凄くさらっと取り出すのですが、地球次元では、侵略者ジャマールの襲来にいつでも対応できるよう、市民レベルでの自衛意識が日に日に高まっているのです。
自らの命と財産を守る為、鉄パイプぐらいは当たり前!
ビーファイターは守るべき市民に逆に襲われ、その光景を目にした通りすがりのカブトは、ジャマールが人類の味方でビーファイターがその敵だと誤解すると、売り込みの為かそこに参戦。「スーパーデリシャスキック!」などを放ち、案外強い。
戦闘中、シュバルツに素性を明かしたカブトは邪険に追い払われるが、そこに「俺にはそんなセコい作戦は関係ないが、や、やっぱりちょっと気になるからちらっとだけ地球へ行こうかなぁ……た、拓也の為じゃないんだからね?! この前みたいに知らない内に漬け物にされたら困るだけなんだから!」とやってきたブラックビートが現れ、ぶちまけられた営業鞄の中に入っていた封印ぐるぐる巻きの大型の銃に反応。
時同じくして久々登場のグルが、そして自衛意識の強い市民達に一方的に叩きのめされているブルービートもまた、この銃に反応する……それは、次元の覇者、真の勇者のみが撃てるという伝説の銃。
何かに導かれるかのように伝説の銃を手にするブラックビートだったが、トリガーを引いた途端に体中に衝撃が走り、使う事が出来ない。
「わかったぞ……この俺の血を騒がせながら拒む……持ち主がわかったぞ!」
ブラックビートはカブトを蹴り飛ばして銃を強奪し、一方、ビーファイター3人はひたすら市民に袋だたきにされていた。いくらビーファイターが反撃できないとはいえ、決定的な逃亡を許さずに包囲戦術で的確に追い詰めていく市民が恐ろしく強く、これだけ地球次元の一般市民の練度が高いなら、前回ジェラが、傭兵を現地調達しようとしていたのも頷けます。
「トドメだ……お笑い3人組!」
だがそこへ、とうとう挿入歌をバックに割って入る、働きたい時にしか働かない男。
「き貴様ぁ、邪魔はさせんぞ!」
「邪魔などせん。俺は俺の獲物を狩るのみ」
ブラックビートは久しぶりに、スキル:《格好良く言えば何でも許されると思う》LV5を発動し、精神判定に負けたシュバルツは思わず納得。
「ゆくぞ、ブルービート! 次元の覇者、真の勇者を決めてやる!」
どうやら、キャッチコピーが気に入ってしまったようです。
「これは俺の……ブラックビートの銃だ。今こそそれを証明してやる」
一方……
「銭や、銭もらわんと!」
カブトが台詞とは裏腹にやたらヒーローぽい演出で瓦礫の下から復帰し、この戦いの場へ商魂たくましく駆けつける。再び引き金を引いたブラックビートはやはり銃に拒絶されて派手に自爆し、そこへ飛んでくる老師グル。
「邪心ある者に、その銃は撃てん!」
「あ、あんた?!」
「……カブト?!」
目を合わせるカブトとグルの関係は前半の台詞で示唆されており、これは衝撃の展開でした(笑)
グルの姿を見てようやく状況を理解したカブトはブラックが落とした銃を拾うが、またも奪い取られてしまい、ブルーvsブラック、久々の正面対決。
(呼んでる……俺の銃が、勇者の銃が)
幾つになっても男の子を刺激するフレーズに内心で盛り上がるブルービート……というか、拓也とシャドウの関係を考えると、ブラックビートがこの銃にこだわっている理由はそもそも、拓也の男の子のロマンなのかも。
両者は激突し、懲りずに銃を撃とうとして、またも盛大に自爆するブラック(笑)
そしてブルービートは、ブラックビートの手を離れた伝説の銃を遂にその手に掲げる。
「俺の、勇者の銃。――ビートイングラム!」
ブルービートに直接、逆転ビームを撃ち込もうとするシュバルツだったが、新兵器ビートイングラムで撃ち返され、装備を壊されて撤退。かくして人々の逆転現象も収まるが……そこへ、カブトが登場時に知り合ったゲストの少年が、不仲だった両親が仲直りしたのにまた仲が悪くなった、と文句を言いに現れる。
これはなかなか面白いひねりだったのですが、いっけん喧嘩しているように見える両親は、実はどちらも子供の為を思っているんだよ、と拓也が諭して子供が自ら両親の間を取り持ち、さらっと解決。これはこれでアイデアストーリーとして広げたら面白そうだったのですが、今回に関しては、子供ゲストを出す縛りで出したような感じで、ほぼ脇道扱い。
もしかしたら、好き嫌いビームと家族ネタのアイデアストックが先にあって、新兵器登場エピソードにそれを活用した、という形だったのかもしれません。
「ばいばいカブト、お父さんと仲良くしてね」
少年は笑顔で去って行き、拓也達は背中を向け合うグルとカブトに視線を動かす。
「100年前に家出して、久しぶりに帰ってきたと思ったら、このざまだ。わしゃ情けないわ」
「言うとくけどな。俺はあんたに会いに帰ってきたわけやないで」
「この親不孝者、ふん!」
「ほっといてんか!」
前半にさらっとカブトとその父親との不仲が示されているのですが、この親子関係は予想外すぎて面白かったです(笑) 既存キャラクターと繋げる事で突然の新兵器持ち込みの都合の良さを和らげる効果も出ましたし、超然として何でもありだった老師に人間味が出たのも良し。まあ、老師の何でもありの都合の良さを親子2代に分散した、とも言えるのですが、そもそも今作、老師の使い方に工夫が無かったので、これは良かったと思います。