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『重甲ビーファイター』感想41

◆第49話「クモ女非情の炎」◆ (監督:坂本太郎 脚本:宮下隼一)
見所は、火炎蜘蛛の女傭兵ヒドラの蜘蛛糸攻撃を打ち破る、地球次元人の溢れるマッスル!
「馬鹿な!」
地球次元人の筋肉は化け物か?!
しかしホント、通り名も能力も鎧のデザインも蜘蛛なのに、どうして「ヒドラ」なのか(笑)
ガオームの指令により老師グルの捕縛に成功し、新たに傭兵軍団長に任命されたヒドラは、かつての上司であり、今も敬愛するジェラと再会。
前回を拾う形でブラックビートとの戦友関係を強化されたジェラは、以前の部下に様付けで呼ばれているなど、改めて、次元傭兵業界のカリスマ的存在です。
「だが、おまえは私の、愚かさまで継いでしまった!」
いずれ自分の後継者に……とまで考えていたヒドラに対しガオームの邪悪を説くジェラだったが、ヒドラは耳を貸さず、ジェラを攻撃。そこに割って入ったシャドーが邪甲し、今回もジェラのヒロイン力がめきめきと上昇。
後はさらわれて人質になれば完璧です。
ジェラのヒロイン力の特殊効果を受け、ヒーロームーヴを発動するブラックビートは、対戦相手がブルービート以外だと素直に格好いい……と思ったのも束の間、またも腹痛に倒れ、二人まとめてピンチに陥る。だがその異変がグルを探す拓也の身にも影響し、この戦いに遭遇したビーファイターが、ヒドラからグルの居場所を聞きだそうと乱入する事で結果的にシャドジェラを助ける事に。
戦いの中、ヒドラがガオームに授けられた傭兵軍団キャプテンマークが爆弾だと気付いたジェラは警告を発するが、洗脳したグルに大量の昆虫をジャマールホールに特攻させようとしていたガオームは、一足先に爆弾を起爆。ヒドラは敢えなく大爆発し、シャドーはジェラを引きずって逃げ、ビーファイターは瀕死のヒドラからグルの居場所を伝えられる。
「奴を、ガオームを討て……ビーファイター……」
扇澤延男が第23話「怪人に花束を・・・」を書いて以降、言ってみれば舞加入後の後期『ビーファイター』では傭兵は怪人ではないというのを作品として貫いた形になるのですが、ヒドラとジェラの関係が着地しないまま話の都合で情報伝達役にされてしまった為、ヒドラの心境の変化にジェラが関係せずに、自爆テロに利用されたから裏切る! という即物的な展開になってしまったのは残念。
ビーファイターはグルの元へ急ぐと、浄化ビームで洗脳を解除(地球の科学技術であっさり解けてしまうガオームの洗脳……(^^;)し、ガオームめがけてノルマキャノンを発射。
ジャマールホールさえ完成させれば目的は達せられるのに、まとめて爆弾で始末しようという余計な事をした為に足下をすくわれるという、ガオーム様がかなり安い悪役に(^^;
「こうなれば最後の手段。ジャマール要塞の、全エネルギーを注ぎ、ジャマールホールの完成を加速してやるわ!」
昆虫たちの特攻エネルギーによるホール完成に失敗したガオームは、自ら母艦を捨てる事を決断し、いよいよジャマールホールの完成が迫る!
ここまで来てキャラ退場で盛り上げるのは安易という判断だったのか、グルのリタイアにはならず。それならそれで、スポットを当てたのならグル(ひいては昆虫界)をもう一歩、物語の中に収めるエピソードにしても良かったと思うのですが、一人だけ無かったジェラの終盤掘り下げエピソードに。そのくせ物語のキーとなるヒドラと最後に話すのはビーファイター、と要素が少しずつスライドしていった結果、どうも全体の輪郭がぼやけてしまい、切れの悪いエピソードに(^^;
話として面白くないわけではなかったのですが、話数が話数だけに、結局グルを掘り下げ切れないのなら、潔くジェラとブラックビート中心で良かった気もします。
そんな中で、今作の恐ろしさが凝縮されているのが、グルの指示があったからと、理屈を考えずにジャマールホールへ向けて特攻していく昆虫たち。
数百万の屍の上に仁王立ちする全体主義の英雄、それが、重甲ビーファイター!!


◆第50話「突入!!要塞決戦」◆ (監督:坂本太郎 脚本:宮下隼一)
「地球を死の星に! セントパピリアを我が手に!」
ガオームの野望成就の時が近付き、復讐心を抑えられないジェラは、衰弱の進むシャドーを置いて、独りジャマール要塞へと潜入。
(すまん、シャドー……ブラックビート。やはり、この手で、ガオームの首を)
「やはりな……しょせん俺に仲間など」
エネルギーを失って崩壊寸前の要塞内部で、秘密の部屋に入り込んだジェラはそこでガオームの正体を発見するが、返り討ちにあって地球次元へと落下。その光が観測されて落下現場へ向かったビーファイターは瀕死のジェラを発見するが、仮面の下の容貌はこれまでのジェラとは全く違っていた!(白人女優を起用)
実はジェラも、かつてジャマールにより滅ぼされた次元の生き残りであり、滅ぶだけの自らの運命を変えようと、滅ぼされる側より滅ぼす側になってやると、自ら姿を変え、ジャマールに入社。傭兵軍団長にまで成り上がっていたのであった。
妙に既視感の強い設定だと思ったら、マッスル(滅ぼされた次元の生き残り)+ジスプ(奪われるより奪う側になってやる!)の合わせ技。設定としてはオーソドックスなものなのでたまたまかもしれませんが、宮下さんなりに、前作を供養したい思いはあったのかも、とは考えてしまいます。
ジェラは要塞から放り出される際に次元の通路を固定しており、その入り口をビーファイターに伝えると、岩陰からこっそり覗いていたシャドーに念話で通信を送り……絶命。
(私の代わりに、ガオームに蹂躙された者達の代わりに、生き延びてくれ。セントパピリアを手に入れて。シャドー……ブラックビート)
「ジェラ!!」
実際ジェラのやってきた事は“他者を虐げる悪行への意識的かつ率先した荷担”だったわけで、ここで見た目から“綺麗なジェラ”に変えてしまう事で印象を操作する演出はどうかと思ったものの、息絶えたジェラにシャドーが思わず声をかけてしまう、というのは良かったです。
……瀕死の女傭兵(赤い鎧)からビーファイターが重要な目的地点を教えてもらう、という展開が前回と100%被ったのは凄く疑問ですが(^^;
率直に、前回のエピソードは無くても全く問題なく今回に繋がりますし(ガオームが要塞のエネルギーを使うのは、寿命が近づいて焦っているからとかで成立)、この後に控えるスペシャル前後編の存在も考えると、『ビーファイター』最終盤は制作上の都合で急遽1ヶ月分ぐらい話数を増やす事にでもなったのだろうか、という疑念がどうにも。
亡きヒロインの想いを胸にシャドーはとんずらし、ジェラが遺言に残した地点へ向かったビーファイターは、そこで次元の裂け目を発見。
「やっと見えたぜ希望が。この機を逃さずなんとしてもガオームを倒し!」
「ジャマールホールの出現を、阻止しなくちゃ!」
「行くぞ。決戦だ!」
「「「重甲!!!」」」
変身した3人はジャマール要塞の潜む異次元へと突入し、その気配に気付くメガオーム。
「おのれジェラめ……だが、そこまでだ、ビーファイター
要塞内部に入り込んだビーファイターの前に立ちはだかるのは……まさかのルンバーーー!!
それ、セキュリティシステムだったのか(笑)
時たま要塞内部で画面に映っていた謎の動く円錐ですが、ここで拾ってくれたのは嬉しかったです。意志がある様子だけどこれといって賑やかしに使われるわけでもなく、と長らく不思議な存在でしたが、スタッフの中では始末をつけようと思う程度の存在感があった模様。……もしかしたら、撮影時は結構撮っていたのに、軒並みカットとかされていたのでしょうか(^^;
そんなセキュリティルンバを悲しいほどあっさり撃破するビーファイターだが、続いて近衛ジャマー部隊の猛攻を受け、凄く久々のビートルブレイクが炸裂。
一方シャドーは、のんびり地球観光していた蝶々女王を遂に発見し、捕獲。永遠の命をよこせと迫るが、チート使ってブルービートに勝って、そのプライドは満たされるのか、この(中略)野郎! と罵倒を受け、永遠の命はブルービートに勝ってからだ、と漆黒の球体の中に閉じ込めた蝶々女王を小脇に新たな旅へ。……拓也を刺し殺すとフィードバックダメージで自分も死ぬ事は、たぶん、忘れている。
ジャマール要塞では、ジェラから貰った「隠し部屋に本体が……」という情報をこれもすっかり忘れたビーファイターが、メガオームに攻撃を無効化されて困っていたが、途中で思い出して隠し部屋を発見(^^;
3人がそこで目にしたのは――培養液に満たされた巨大なカプセルの中で蠢く、ちっぽけな生き物の姿であった!
「よくぞここまで来たビーファイター。地獄の土産に教えてやろう。我が正体、それは、次元宇宙の歪みから生まれた、ガン細胞ともいうべき存在だった。生を受けたその瞬間から、我が命は適合できず、疎まれ、拒まれた。かりそめの姿に身をやつし、生きる中で、我が野望は――育った。我が命、永遠のものとし、我が存在を拒んだ世界、そのものを、いつか必ず、支配下に置いてやるとな。それを貴様ら虫けらごときに、邪魔はさせん!」
ジェラの発見時には映像的に隠されていたガオームの正体は、巨大な脳みそかと思っていましたが、もう一ひねり。巨大ラスボスの正体としてはパターンの範疇ですが、永遠の命への執着は、世界と生命に対する憎悪に基づくものだった、と急ごしらえの印象は否めないものの、最終盤の動機と紐付け。
「もがけ! 苦しめ! 悲鳴をあげろぉ! ふふはははははははは……!!」
虫アーマーを蝕む胞子攻撃に倒れるビーファイターだが、その脳裏に、今までジャマールが無慈悲に奪ってきた命の姿が去来する。
「このまま……負けるわけにはいかない!」
あらゆる命へ向けられた邪悪に対し、立ち上がるビーファイター
「どんな理由があろうと、命を、生きとし生けるものたちを、抹殺していい事にはならない!」
「侵略していい事にはならない!」
「支配していい事にはならない!」
「俺達の、ビーファイターの力を! 命の為に戦う、絆の強さを見よ!」
「ぬぁにぃ?!」
ビーファイターソニックラップ!」
多次元宇宙を救うのは、
科学×昆虫魂×そして筋肉
だ!!
この、震える大胸筋の威力を見よ!
スクラムを組んだビーファイターは、久々の筋肉振動波でガオームの攻撃を吹き飛ばすと、主題歌に乗せて反撃スタート。緑と赤の個人必殺技に続けて勇者キャノンがガオームの本体に直撃し、崩壊していくジャマール要塞は、地球次元へと墜落する……。
マッスルバイブレーションは、昆虫魂を象徴する合体技というセレクトだったのでしょうが、そもそもの初使用(第3話)から、昆虫の特性に学べ→昆虫がブンブン飛ぶとなんか高周波が出る→3人でブンブンやれば凄い高周波が出る、という謎の流れだったので、拾ってきたのは面白いけど、相変わらず意味は不明という事に(笑)
「ガオーム、地獄の底から見るがいい。貴様があれだけ欲しがったセントパピリアだ! ……生き残るのは、ブルービートを倒してのち、永遠の命を得るのはこの俺、ブラックビートだ!」
墜落現場を見下ろすブラックビートだったが、爆炎に包まれたガオームは最後の力で、自らの生命エネルギーをジャマールホールへと注ぎ込む!
「一人では死なん。みんな道連れだぁ!!」


「絶体絶命の地球に、明日はあるのか。
そして、ブルービートとブラックビート、両者の決着は。
――次回、怒濤の最終決戦を待て」

て、ナレーションがまたメタに締めた(笑)
巨大なラスボスの正体が実は?! から、今作のメインテーマである「命」の敵に対するガオームに対し、「命の為に戦う 筋肉 絆の力」でビーファイターが勝利を収める、という流れで、年間の仕上げとしては、ホップ・ステップ・普通にジャンプ、という決着。
引いたり冷めたりするような大惨事ではないものの、一方で大興奮するほど劇的な展開には届かず、一応これまでの流れをまとめて納得はできるけれど、特にそこから物凄い化学反応が生まれることもなく、王道路線としては物足りなさを感じさせつつも最終的に安全運転のゴールイン、といった印象です。
次回作との兼ね合いもあったのでしょうし、今作の目的の一つがスタンダード回帰にあったであろう事を思うと、きっちり着地した事に意義はあるのでしょうが。
思うに《メタルヒーロー》シリーズは、迷走の末、帰ってこなかったとか、爆走の末、奇跡のゴールインとか、宇宙ハイウェーから炎の黙示録とか、外れたタガが収まらない事例が続いていたので、余計に、なんというか普通、という印象が強いのかもしれません(^^;
……と、気分は最終回になっていますが、真の最終回はこれからだ!
次回、物語はこのまま穏当にチェッカーフラッグを受けるのか、それとも急加速して奇跡のウィニングランを見せるのか、或いはゴール直前で曲芸スピンを披露するのか。
ガオームを倒した後に、ブルーvsブラックの宿命を文字通りの最終決戦に持ち込んできた構成は面白いと思うのですが、二人の決着のハードルが物凄く上がったけど大丈夫か?!
ソウル×マッスル×イモータル
虫は死して魂を残し、人は死して名を残す。
光と影、宿命の戦いの結末や如何に?!