しまった、「仮称:ホモ・パピリア」まで思いついたのだから、「蝶人類」まで行けば良かった……!
そんなどうでもいい前回感想の反省はさておき、金色の主人公についてなのですが、ビーファイターカブト、と書くと作品タイトルと重なるし、カブト、だと前作の白い奴や総てを司る仮面ライダーを思い出して何となくややこしいので(下手すると、前作の白い奴が出てきて混乱というネタは本編でやりそう)、今後、カブト+金で「カブトン」表記にしようと思います。
◆第4話「誓え!! 熱きクワガタ」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
クワガーの制止を聞かずに単身で突撃してきたカブトンを素手で圧倒する恐竜兄者だが、一発蹴られてムッとしたので、口元にマスクをつけたバトルモードを発動。同じくバトルモードを発動したカマキリ娘が黒と紫を足止めしている間に、宙を飛ぶ剣がカブトンを切り刻む!
「絶滅した恐竜たちの積もり積もった2億年の怒り、憎しみ。それこそ我が力の源。たっぷりと味わえ」
…………逆恨み?
或いはやはり、超古代文明人による、恐竜の乱獲があったのか。オーレ!
なおトリケラトプスは白亜紀後期マーストリヒチアン(約7210万年前〜約6600万年前)に活動していたとされるそうなので、2億年分は積もっていないような気がするのですが、度重なるセントパピリアの介入により、この世界の生物種の歴史は、我々の世界とはかなり異なるのかもしれません。
兄者は悠然と歩を進めながら高速移動でカブトンの攻撃を軽々かわし…………あれ、割と普通に格好いい?!(笑)
太陽を背にして目をくらませるなど、カブトンを戦闘技術でも翻弄する兄者だったが、カマキリを振り払ったクワガーが背後から不意打ち。しかし一騎打ちにこだわる金と揉めている内に、二人まとめて反撃を浴びてしまう。
「おまえが飛び出してくるからこんな事になったんだ!」
「なにぃ?! おまえこそ下手な戦いしやがって!」
紫がジャミングビームを放って撤退し、兄者はビーファイターを退けた戦果にご満悦。
「よくやった、ディノザーラ。おまえとは同じ恐竜族として、かつて地上に君臨した仲。どうだ? メルザード一族の繁栄の為、命を懸ける覚悟は出来ているか? 兄弟」
役者さんの声も良くて、なんか思ったより格好いいぞ兄者。
そもそも急造のチームワークに大きな亀裂が入るBFだが、健吾がパトロールに出ている間に小山内博士から、もともと健吾が、カブトンの装着者を目指してハードな戦闘訓練を積んでいた事が語られる。
だが実際に健吾が選ばれたのは、作戦能力に長けたクワガタアーマー。
「その結果に多分、自分でもまだ戸惑っているんだろうな……」
健吾はパトロール中に女子高生と接触し、前回、基地に差し入れに来て既に馴染んでいるというシーンがありましたが、ゆいの健吾への態度は、年上の格好いいお兄さんにそこはかとなく憧れているといった雰囲気。
今のところは使うアテの定かではない布石の一つでしょうが、近作には無かった要素なので、掘り下げて行ってくれると面白くなるかも。……この手のネタは、あまり期待はしない方向で(笑)
「健吾さん、お兄ちゃんの事、よろしくお願いします!」
「え?」
「乗せられやすくて、お調子者で、カチンて来る事もあると思うけど、でもあいつ、すっごくくいいヤツなんです、すっごく。熱くて、正直で、真っ直ぐで」
健吾の態度に何かを察したゆい@ブラコン気味は兄をフォローし、社会人、ようやく、素人の高校生を命がけの戦いに連れ回している事を自覚。
再びディノザーラが暴れ出し、集うビーファイター。健吾が怪人の手術痕に気付いてカブトンがビートスキャンすると、改造手術を受けた怪人の頭部には爆弾が埋めてある事が判明。ディノザーラの狙いが自爆特攻にある事を見切り、チームとして戦う事の意味を改めて学ぶビーファイター。
「やっぱチームワークって、大事なんだよな!」
「そうだ、そうなんだ。甲平にはカブトの……蘭にはテントウの、俺にはクワガーとしての役割があるんだ!」
「うん」「うん」
「俺はビーファイタークワガーだ!」
3人はがっちりと手を組み合わせ、追い求めた理想とは違っていたけど、“大人として”自分に出来る役割を全うする事を受け入れる健吾の心情がしっかりとこの台詞に集約。
第1話の傍観事件は拭いきれませんが、前回今回で社会人二人は最低限のリカバーがされ、それぞれの色分けにも成功。厳しい戦闘訓練をこなしてきた上に参謀役な健吾のスペックが少々高すぎる気はしますが、蘭は特化型の天才、甲平は戦闘能力に秀でたカブトンアーマーでフォロー、と3人のバランスとしては悪くなさそう。
テントウがハイパービートスキャンで爆弾の威力を推定し、市街地から外へと誘い出す作戦で、カブトンがまたも《挑発》スキルを使用。成功率が物凄く高いのですが、甲平、もしかして、某ブルースワットのショウと血縁関係があるのでは…………て、アレ? 鳥羽? もしかして、あのエクストリーム賞金稼ぎの鳥羽の親戚だったりするの?!(《挑発》はきっと、エクストリーム賞金稼ぎ達の基本スキル)
今回もネオビートマシンと芋虫メカが激突し、流れる挿入歌は、投入早いし、やたら格好いいし、SE抑えめでたっぷり聞かせてくるしで、主題歌候補とかだったりしたのでしょうか。
ネオビートマシンはバトルフォーメーションを発動し、微妙に変形。カブトロンは地中攻撃モードを見せ、クワガタがキャタピラロボっぽい形状になったのは格好良かったです。フォーメーション、というのに、各機が個別に変形するだけで、特に連携しなかったのは肩すかしでしたが(^^; なお、少なくとも今回時点ではジャイロだけ何も変形せず。一機だけ変形しないというのも奇妙ですし、これはもう一つ、隠し球の合体攻撃などがあるのか。
ディノザーラを追い詰めるBFだが、その真の狙いは、自爆は自爆でも、ネオビートマシンの爆破にあった! ……これすなわち、昆虫魂に対抗する、恐竜魂!
とはいえそれ以上の盛り上がりは特になく、怪人は3連続個人必殺技であっさり撃破。ところが爆発に背を向けてヒーローらしく歩み去るビーファイターに、背後から恐竜ヘッドが猛襲! というのは一ひねりで面白かったのですが、これもさっくりクワガーが撃墜して今度こそ完全終了。……兄者、下手に強力な爆弾を内蔵してしまった為に、助けに入れなかった疑惑(笑)
「ライジャ! 作戦を立て直せ。優れた作戦を!」
「ははっ」
「ふっははははは、次は俺だ。俺の優れた作戦で、ビーファイターを葬り、地上を制してやる!」
恐竜武人と昆虫剣士は皇祖女帝に回収され、それを嘲笑う深海魚人と石貝侍従。どうやらメルザード一族では、作戦の出来の良さが査定対象になるようですが、それは「もっと面白い作戦を」という東京フライパン路線では……?!(笑)
いきなりの前後編展開で兄者が連続登板したのは驚きでしたが、期待以上に格好良くなったので、次回、魚次男が性格の悪い所を見せて差別化がはかられてくれる事に期待。
戦いを終えたビーファイターの元には、妹が差し入れにきて、和気藹々とエンド。ゆいが兄を蔑ろにして健吾や蘭と楽しそうな姿をコミカルに描く事で、第2話の時点では、蘭の心ない厭味(妹に世話してもらってんの? いーわねーーー)みたいだった「マネージャー」という発言が、「(私たちの)マネージャー」というニュアンスにシフトしたのは、好材料。
「どうやらネオビートマシンと一緒に、チームワークという新戦力も勝ち取ったようだな。これからも頼んだぞ、ビーファイター」
小山内博士のそこはかとない他人事ぶりが、ちょっと引っかかりますが(^^;
今回、それとなく模型作りをしている姿でキャラの肉付けをしているのは良かったのですが、そこは司令部なので、高校生のフォローはしない、一番偉いので堂々とサボる、というシンプルな駄目人間の気配(笑) 個人的に、最初の次回予告で凄く印象が悪くなってしまったのですが、予告はパラレルだろうとはいえ、下手すると本編よりも予告の方が喋っている時間が長いのでどうしても印象が予告に引きずられてしまい、率直に現状、予告ナレーションを兼任させたのは失敗だったような。
ところで、1999年に『燃えろ!! ロボコン』で監督デビューを果たし、現在ではすっかり戦隊のローテに定着、今季は特に良い仕事を見せている加藤弘之の名前が、(チーフ)助監督に。ちょうど今週の『ジュウオウジャー』が素晴らしかったのですが、20年という歳月の蓄積を感じます。