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『レゴムービー』感想


 ブロックシティに暮らすエメットは、いつも笑顔を浮かべ、隣人への挨拶を欠かさず、毎日真面目にマニュアル通りに働く、どこにでもいるありふれた……本当にありふれた作業員の青年。その日も一日の仕事を終えて家に帰ろうとしたエメットだが、黒いパーカーの美女に一目惚れしたのがきっかけで大きな穴に落ち、そこで“奇跡のパーツ”を見つけてしまう。世界を終わらせる禁断の兵器“スパボン”に対抗する力を得た事で、予言された“選ばれし者”となったエメットは、果たして世界を救う事が出来るのか?!
キャラクターはレゴの人形、造形物の全ては連結型のブロックで構成されているという、レゴの世界で展開する波瀾万丈の冒険活劇。
題材がブロック玩具という事もあり、導入はかなり子供っぽい雰囲気で始まるのですが……主人公エメットに焦点が当たってから数十秒後、物凄く明るく朗らかに描かれるブロックシティが、徹底的に管理されたディストピアだと判明して、超怖い。
いっけん平和で理想的な街が、実は人の個性を殺す管理された社会だった、というのは珍しくないネタですが、それがレゴの人形で描写されると、生身とはまた別の怖さ。
ディズニー映画よろしくミュージカル調にみんなで唄って踊りだすのですが、みんなで唄って踊るという事そのものが、超怖いという嫌な仕掛け。
すべては最高!!
と、刺激的な要素が示された後は、“奇跡のパーツ”を巡って、目まぐるしく展開するジェットコースタームービー。
大人向けの毒を滲ませつつ、子供向けの楽しさを重視した作品で、ズッコケ、ドタバタ、パロディ、メタ、ナンセンス、と矢継ぎ早に様々なギャグが繰り出され、レゴならではという組み替えアクションや驚天動地の大車輪などで、飽きさせない造り。
首周りは、終盤にも衝撃の出来事が。
創意工夫をした事がない、真っ白な人間だったエメットが徐々に自分自身の閃きを見つめ、それを認められる事で成長していき、終盤30分はギャグ抜きで熱い展開から更に一ひねりが入って、ファミリームービーとしてしっかりと着地。
ネタのセンスとしては、えーーー?! みたいな腰砕けの部分もあったのですが、熱い展開を堪能した上で、オチで大爆笑したので、負け(笑)
いやー、大オチが、凄まじく強烈でした。
あと、“思考しない無個性なその他大勢”を批難しているようで、実は……という所が好き。
……それにしてもグリーンランタンは、世界に対していったいどんな許されざる罪を犯したのですか。