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『コンドールマン』感想8

◆第13話「大血戦!モンスター砦」◆ (監督:まつしまみのる 脚本:伊東恒久
マダムバーベキューのレンジで加熱されるコンドールマンだが、コンドルサンダーで外部からレンジ結界を破壊すると、コンドルチョップでマダムを真っ二つに。それでも執念で戦い続けるマダムだったが、最後は投げ飛ばされて爆発炎上。サラマンダーはキングモンスターの恐るべき力によりニューヨーク本社に回収されるが、幹部社員の列席するモンスター軍事裁判を受ける事に。
作戦失敗は死だ……と全会一致で極刑が採択され、その手段が
「美しい花束での嬲り殺し」
というのが物凄いセンス。
ナレーション「美しいもの、清らかなものの中では、モンスターは生きられないのだ」
サラマンダーは幹部社員からよってたかって花束で打擲されるが、最後のチャンスを許可され、対コンドールマン用ネオ中性子爆弾を与えられる。
一方、モンスター一族極東支部が壊滅的打撃を受けた日本では食糧の配給が開始され、お菓子を手に喜ぶ子供達の姿に笑顔を浮かべる一心。残るサラマンダーの行方を追うコンドールマンは、会社まるごどコンドールアイの荒技を放つが、日本に帰還したゴードンの手により、三矢家の人々とコンドールジュニアがまとめてさらわれてしまう。
食料の配給を手伝っていたさゆりが一緒に捕まっているのですが、特にこれといった台詞もない物凄い埋没感に加え、これまでと少し違う雰囲気の服を着ていた為、しばらく本気で、誰だっけこれ? と思ってしまいました(^^; 出番があっただけマシと考えるべきかもしれませんが、関係性としては良いアクセントになっているキャラだけに、もっとヒロイン力を……!
十字架に磔にされるも、コンドールマンの正義を信じているから銃殺など恐れない、とすっかり魂まで活動家に染まった気勢をあげる源太郎達だが、非道なゴードンはならば先に子供達を殺してやる、とジュニア達に銃を向け、ハイテンション。
「コンドールマーーーン! コンドールマンさんは来ないの。万が一来た時には……へへーん、これだ! このネオ中性子爆弾。へへへへへー、コンドールマンもろとも、東京中を灰にしてくれるわ、あははははは」
どう考えても、使ったら一緒に消し飛ぶのですが、これに戦闘員も唱和して笑っているのが凄く狂気。
絶体絶命のその時、ジュニア達は後ろ手にバッジを集めてコンドールサークルを作り出し、そこから出た光線が太陽を通してコンドールマンの元へと届く。
「コンドールジュニア……今行くぞ!」
以前に、本編ではまるで触れられていないのに、何故か配信のあらすじ欄でだけ語られていたらしいコンドールサークルですが、どこかで説明シーンがカットされていたのか、凄く唐突(笑)
そしてこれ、折角のSOS機能なのに、一定の人数が集まってサークルを形成しないと発動しないわけで、子供達にもさらりと団結を要求するコンドールマンであった。
まあこの辺り、ここ数話なんとなくコンドールマンが強くなっている事(サンダー使ったり)を合わせて考えると、一定の信頼ゲージが蓄積されないと、コンドールマンの超能力が発揮されない、という事なのかもしれません。
いうなれば、信仰と神仏が互いを存在せしめるように、正義のシンボル・コンドールマンというのは文字通りの意味で“人々に信頼される(人々が正義の心を持つ)事で強くなる”ヒーローなのであろうなと。
これは様々な形でヒーロー作品(のみならず)で用いられるテーゼですが、今作においてはコンドールマンがたびたび、人間よりも神仏に近い存在として描かれている事で、その構造が非常に具体的に示されています。率直すぎて身も蓋もない面もありますが、マジックワードの中身を正面から詰めてくる、実に今作らしいアプローチ。
処刑現場に駆けつけたコンドールマンは恒例の煙幕で人質達を救出し、中性子爆弾のスイッチも回収。子供達にロープで引っかけられたりサラマンダーが散々な扱いですが、苦節1クール、あのOPをバックに、コンドールマンと人々がまさしく手を取り合って戦っているという状況はなかなか熱い。
しばらく千切っては投げ千切っては投げのアクションが続き、コンドールカットで左腕を切断するもアジトへ逃げ込んだ亀を追いかけたコンドールマンは、そこでTV電話越しにキングモンスターとご対面。
「おまえが、コンドールマンの地獄への案内人となれ」
キングに慈悲を乞うサラマンダーだったがキングは無情にも遠隔でビルを爆破し、コンドールマンとサラマンダーを巻き込んで凄まじく派手に吹き飛ぶビル。
「あたしはどうなってもいいの! コンドールマンを助けて! あたし達の正義を守って! ね! パパお願い!」
「よーし、わかった。よぉーーし!」
大爆発を外で目にし、今の日本に必要なのは自分の命よりもコンドールマンの正義だ、とビルへ向かおうとするまこと。両親に止められると、じゃあコンドールマンの為にパパが生け贄になってナチュラルにトスを上げ、パパ、涙目。
勢いに飲まれてビルへ突撃しようとするパパだが、幸い、コンドールマンはゴールデンコンドルの化身で脱出に成功し、第3話以来となる大団円エンドで、モンスター一族極東支部、ここに壊滅!!
ラストの主題歌コーナーの映像は、何故か急に第1話のアクションシーン。
9−10−11話をピークに、やや失速してしまった12−13話ですが、極東支部のモンスターをまとめて片付けて1クール目の終わりに日本ハンガー作戦が一区切りとなり、2クール目の新展開に期待です。……しかしやはり、マダムバーべーキュー抜きで姉バットに焦点を合わせて良かったでは(^^;


◆第14話「モンスター一族、大襲来!!」◆ (監督:まつしまみのる 脚本:伊東恒久
――今、地球は、一部の人間たちによって汚され続けていた。
から始まる、総集編。
これまでのダイジェストをナレーションで繋ぎ、Bパートラスト3分ほどだけ、新規映像。
極東支部の壊滅によりモンスター一族では重役会議が紛糾する中、ある策を進言するマッドサイエンダー。ハンガー作戦を経て人々が少しばかり未来を紡ぐ優しい心を取り戻した日本では、一心がジュニア達と海岸のゴミ拾いに励んでいた所、にわかに空を覆う黒雲……そして火を噴くコンビナート。
「やったなモンスター!」
断定早い。
果たしてモンスター一族は次はいかなる作戦で日本を襲うのか、正義のシンボル・コンドールマンの、戦いはまだ終わらない!!