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『コンドールマン』感想9

◆第15話「戦慄の日本炎上作戦」◆ (監督:伊賀山正光 脚本:山崎晴哉)
「キングモンスターは怒りに怒り、今度は、陸海空からの封鎖作戦で日本を征服せんとはかった。そして、その先陣として戦慄のモンスター、オイルスネークを器用することを決定し、不敵にも、コンドールマンに挑戦状を叩きつけるように命じたのである」
冒頭ナレーションで水増しされる、前回の内容。
これは、富 野 演 出(笑)
(※富野作品ではしばしば、「前回の出来事」のように語られていた冒頭モノローグの中に「前回と今回の間の出来事」がさらりと入っていたりする)
「作戦にかかる前に見せたいものがある。側に寄れ」
キングモンスターのマントにカメラが寄ると浮かび上がった映像は……「もんばん」と書かれた札を首からぶら下げて、地獄で労働に勤しむサタンガメツク、そして責め苦を受ける他のモンスター達であった。
鬼の獄卒に叩かれていたりはするものの、葬式も出たし拷問されているわけでもないし、サタンガメツクはかなり現世での働きを認められた扱いなのでしょうか(笑)
幹部社員達はこの光景に本気で怯え、現世で自覚的に悪の限りを尽くしている者達も、地獄に落ちるのは恐ろしいというのも今作らしい皮肉なのか。
サラマンダー打倒より3ヶ月――平和を取り戻した日本では一心が三矢家の人々と花火を楽しんでおり、亡き一心の浴衣に袖を通しているというのが、今作の背景にある悲しみを浮き上がらせていて痛切。
そしてC一心はビールをぐいっと一杯あおり、アルコールは割といける口であると判明。
だがそんな花火に紛れて流星に擬した挑戦状がモンスター一族からコンドールマンへと叩きつけられ、社長から芸術点を評価されたオイルスネークが日本に上陸。さっそく、石油を輸送する機関車をど派手に爆破する。
「モンスター一族の狙いは、日本を石油パニックに陥れる事に違いない。だが、私は守ってみせるぞ。この美しい日本を、美しい心の人々を」
コンドールマンの読み通り、日本を襲うオイルショック再び。
「大混乱の次は、大恐怖。今にもっともっと楽しませてやるぞ。ふふっ、ふふははははは」
ドバジャン国の大使に偽装したオイルスネークは石油大臣に高値で石油を売りつけようとし、大臣が視線を外す度に本性を現す、というのが面白い演出。作戦の方は描き方がまるっきりハンガー作戦と同じで、作り手側の工夫しようという意識も見えず、どうも盛り上がらないのですが(^^;
オイルスネークが、交渉の邪魔になる他国の石油大臣を狙うのを阻止しようとするコンドールマンだが、産気づいた女性を助けてほしいとジュニアからの通信が入り、大臣護衛と新たな命と、どちらを優先するかの大きな選択……と思ったらかなりあっさり車をUターン。
子供達がすぐにコンドールマンを呼ばず、まずは自分達で努力した後に助けを求める、という部分で今作のテーマが描かれたのですが、結果として拉致される事になった大臣達はすぐに情報が入って大きな問題には発展せず、どちらに被害が出ても気持ちの良くない展開になってしまうので、そもそも天秤にかけてはいけない要素だったのでは、とどうもちぐはぐ。
老師の求めるコンドールマンなら大義を選ぶわけで、ここではかつて否定された個人の情をコンドールマンが優先しているともいえるのですが、それなら例えば逆に、妊婦は善意の人が現れて事なきを得るもコンドールマンは大臣護衛を優先した事で子供達の信頼を損ねてしまう、などコンドールマンの立ち位置や周囲との関係性を揺らしてくるぐらい踏み込めば面白かったようにも思えますが、中途半端な事になってしまいました。
オイルスネークのアジトに飛び込んだコンドールマンは、石油責めを受ける大臣を助け出し、オイルスネーク&部下のガソリンスタンド店員と戦闘に。GS店員(鬼の顔に被っている帽子?がどうしてもそう見えて仕方ない)にコンドールカットを浴びせるも、オイルスネークの左腕から、石油が火を噴く! という所で、つづく。


◆第16話「絶体絶命!コンドールマン」◆ (監督:伊賀山正光 脚本:山崎晴哉)
オイルスネークはコンドールハリケーンを浴びて撤退しながらも石油コンビナート爆破を予告し、罠と知りながらも巨大コンビナートへと急ぐコンドールマン。そのコンビナートでは、保安員として、さゆりの弟・次郎が働いていた……。
さゆり姉弟が戦いに巻き込まれる中で、コンビナートを守る為に命を懸ける次郎の姿がかつての三矢一心に重ね合わせられながら展開するのですが、あやふやになりつつも今作の面白みの一つであった、個々人の認識の違いが、面倒くさくなってきたので考えるのを止めたレベルでぐっちゃぐちゃになってしまい、非常に残念な事に。
まず、いつの間にやら、一心=コンドールマンであるとモンスター一族が認識。
コンビナートに仕掛けられた爆弾を探し回る一心について
「ボス! コンドールマンがコンピュータールームに入ってきました!」
と戦闘員が明言。まあこれ、一心の方で意図的に隠していたわけでもないのですが、これまでの偶然の積み重ねが何かの拍子に面白い展開に化ける可能性もあっただけに、なし崩しに無かった事になってしまったのは勿体なく感じます。
そして、心配して職場を訪れた姉に対して、「一心さんとデートでもすればいいのに」とからかっていた次郎が、C一心と遭遇した際には「あなたは?」と全く見知らぬ人のような接し方をした上で、
「姉さんは悲しむかもしれない。でも僕は男だ。万一死ぬ事になっても、正義の為なら後悔はしない」
「次郎くん」
「姉さんの愛していた人も、正義の為に命を落としたんだ! ……僕の兄になる人だったんです! でもその人も、犬死にだなんて決して思いません」
ここまで言って一心の顔を知らないとも思えず、姉が最近亡き恋人と同じ名前の男と満更でもなさそう(顔は知らないかもしれない)なのは把握しているけど亡き恋人と瓜二つの男が出てきてもその二つをまるで関連づけようとしない、という不思議な事に。
……まあ、「貴男が一心さんと瓜二つだけど別人の一心さん?」「そうだ。僕は君たちの知っている一心とは別人だが一心だ」みたいなやり取りがあっても間抜けなのですが、曖昧にしながら進めていた要素が完全に地雷になってしまいました(^^;
外部からの発火装置に気付くコンドールマンだったが、さゆりを人質にされて手が出せないでいる内に、蜂の巣にされてしまう次郎。それによって生じた隙を突いてさゆりを救出、コンビナート爆破を阻止するコンドールマンだったが、正義の為に勇敢に戦った次郎青年は絶命してしまうのであった……。
「これからも……正義の為に……頑張って下さい」
「うん、勿論だとも」
コンドールマンの腕の中で息絶える次郎は通して第1話の一心に重ねられているのですが、今更念押ししなくてもコンドールマンの意志が1ミリもブレていない為、あまり効果的にならず。
そして、次郎を抱え上げて夕陽を見つめるコンドールマンの背後に、何故か無言でさゆりが立っている、というのが凄く不思議な映像になってしまいました。
ところでコンドールマン、ちょっぴり辛そうに見えるのですが、本当に成人男子を持ち上げているのでは。